こんばんは。これです。私は祝日の今日も映画を観に行ってました。


今回観た映画は、今日公開の「オーシャンズ8」です。なんか最近、邦画とアニメばっかり見てるなと思ったので、洋画を観に行きました。今回のブログはその感想になります。


いつもの通り拙い文章ですが、何卒よろしくお願いいたします。




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―あらすじ―

5年の刑期を終え、晴れて仮出所を果たしたデビー・オーシャン。かつて”オーシャンズ”を率いたダニー・オーシャンを兄に持つ、生粋の強盗ファミリーの一員だ。出所して早々、刑務所の中で考え抜いたプランを実行に移すべく、デビーの右腕となるルーとともに個性豊かな犯罪のプロたちに声をかけ、”オーシャンズ”を新結成するデビー。集まったのはいずれも一流の才能を持ちながら冴えない生活を送っている、ハッカー、スリ師、盗品ディーラー、ファッションデザイナー、宝飾デザイナーたち。彼女たちのターゲットは、世界最大のファッションの祭典"メットガラ"でハリウッド女優(アン・ハサウェイ)が身に付ける1億5000万ドルの宝石!しかしそこには、網の目のように張り巡らされた防犯カメラ、屈強な男たちという世界一厳しいセキュリティが立ちはだかる。たった一秒の狂いが命とり。しかも世界中に生配信されるこの採点のさなかに宝石を盗み取るという前代未聞で型破りな計画は果たして成功するのか―?そしてこの計画に隠されたさらなるデビーの計画とは――!?
(「オーシャンズ8」公式サイトより引用)






※ここからの内容は映画のネタバレを含みます。ご注意ください。















率直な感想としては「いや、面白かったんだけど、これどうなの?」です。確かに面白かったよ。けど、ちょっと引っかかるところがあるなあって。そのために最初は個人的に好印象を持った部分から挙げていきます。





まずは役者陣が豪華だったことです。今回「オーシャンズ8」では、日本でもおなじみのサンドラ・ブロックやケイト・ブランシェット、アン・ハサウェイが共演していました。



サンドラ・ブロック演じるデビーとケイト・ブランシェット演じるルーは、どちらもクールで頭の切れる女性という役柄だったんですけど、二人とも本当にかっこよかった。デビーはダニーの血を引いているだけあって何手先までも見通していて、その底知れなさっぷりにぞくぞくしましたし、ルーは長い時間サングラスをかけているんですけど、日本人じゃちょっと考えられないくらいの似合いっぷりでした。二人で仲間集めをするときのバディ感もモロ私の好みでした。



一方、アン・ハサウェイは今回ハリウッドのスター女優であるデフネを演じていました。オーラが物凄いんですけど、目が行くのは何といってもその胸元。超セクシーでした。で、流石スター女優とだけあって頭もいいんですよねこの人。ちゃんとオーシャンズの思惑にも気づいていました。後半、オーシャンズの仲間入りをするんですけど、そこからの狂気すら感じさせる演技がゾクゾクしました。この人間違いなくSや。





そして、この3人のみならず脇を固める女優陣もみんな良くって。特に私が好きなのがリアーナ、サラ・ポールソン、オークワフィナの3人です。



リアーナ演じるハッカーのナインボールはその超絶有能さと、簡単に人に心を許したりしない佇まいが印象的でした。でも、徐々にオーシャンズのメンバーに心を許していくんですけど、その過程が見ていて嬉しかったですね。



サラ・ポールソン演じる盗品ディラーのタミーはコミュ力の化け物でした。そのコミュ力を生かして潜入で大活躍してました。でも、オーシャンズの中で唯一家族がいて失うものがあるわけで、それがタミーに影を落としていて、惹かれました。ただ、同じ金髪ということでルーと被って混乱するときもありましたけど、これは私の理解力が低いせい。



オークワフィナ演じるスリ師のコンスタンスは、とにかくスリの手際がさりげなくて。表情一つ変えずにスリを働くところに痺れました。正直そんなイケてるルックスじゃなかったのに、観終わった時には今回の映画で一番好きなキャラクターになっていました。活躍度合いもナインボールに次いで大きかったですしね。まあ単に私が少しボーイッシュ寄りのキャラクターが好きってこともありますけど。






あと「オーシャンズ8」ってすごい画面が豪華なんですよね。きらびやかな宝石たちが至る所で華を添えまくれば、パーティではハリウッドスターが本人役で続々登場し、画面の彩度を5割増しにします。舞台となる美術館内もとてもゴージャスな雰囲気で、レッドカーペットの上を3kgのダイヤのネックレスをつけて歩くデフネや、それを狙うデビーやルーの華やかさは言わずもがな。すごいお金かけてんだろうなっていうのがひしひしと伝わってきました。この絢爛豪華な雰囲気は「オーシャンズ8」の大きな魅力の一つですね。





それと音楽もよかったです。明るい曲調の曲が多くて、この映画がエンターテイメントであるということを強く印象付けていました。要所要所で少し退屈に感じ始めるようなタイミングで、明るい音楽がかかってくれたおかげで、退屈せずに見ることができました。





ストーリーは、私がオーシャンズシリーズで唯一見た「オーシャンズ11」をなぞっていました。まず始まり方が全く同じなんですよね。仲間集めの仕方や計画の練り方も「オーシャンズ11」とよく似ていますし、最後にはオーシャンズファンには嬉しいサプライズもある。まあこのサプライズ私は「正直どうなの?」って感じてしまったんですけど、それはまた後に。名作といわれる「オーシャンズ11」と似たストーリ展開であり、「オーシャンズ11」を観ていた私は、大きな安心感を持って「オーシャンズ8」を楽しんでいました。テンポも抜群にいいですしね。途中までは。



ここからちょっと個人的に引っかかった部分を挙げていきます。




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一つ目は「『ド派手に盗む』って言っておいて、そんなにド派手じゃないじゃん」ということです。



今回オーシャンズの計画はざっと言うと、スープに薬を混ぜてそれをターゲットのダフネに飲ませる→ダフネを防犯カメラのないトイレに誘導→盗む→偽物とすり替える、というものでした。これだけ見るとなんて地味なんでしょうか。ものすごく現実的なプランで、「ド派手に盗む」というからには大立ち回りがあるのかなと期待していた私は、少し拍子抜けをしてしまいました。



トリックも防犯カメラの死角を利用するという(いい意味で)みみっちいもので、正直「オーシャンズ11」の映像のすり替えトリックの方がスケールや驚きが大きかったと感じます。今回の計画もよく練られた用意周到な計画だったんですが、もっとスケールが大きいんだろうなと思っていた私にとっては正直物足りないものに感じてしまいました。






二つ目は「盗んだ後が長くない?」ってことです。



「オーシャンズ11」では盗みが成功したところで映画が終わっていました。ただ、その分三角関係も挟んだりしていて、盗みを実行に移すまでが長かったんですが。



その一方で、今回「オーシャンズ8」では、できる限り盗むまでのエピソードを少なくし、スピーディーな展開を実現していたんですが、その皺寄せが盗んだ後に来てしまったという印象を受けました。たぶん3分の1くらいは盗んだ後のパートだったと思います。飛ばしていた前半とは対照的にゆっくりじっくり後半は進められていきました。



まず、自称保険調査官の男がそこまでかっこよくないんです。物語の都合で動かされている感が強くて、正直この男にほとんど魅力を感じることができませんでした。これが実際の時間よりも私が後半パートを長く感じた理由の一つです。



そして、観る前に私は「『オーシャンズ8』も『オーシャンズ11』と同じように盗んだところで終わりになるんだろうな」と考えていました。そして「よし!盗んだ!これで終わりや!」と思っていたら、なんとその後も物語は続くじゃないですか。この盗んでからのパートは私が「オーシャンズ8」に期待していなかったもので、見るつもりのなかったものを見せられているということは、私にとって後半パートを冗長に感じさせていました。これは主人公であるデビーの犯行の動機に関係してくるんですけどね。そして、このデビーの動機が、私が「オーシャンズ8」で一番引っかかったことでした。





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そのデビーの動機というのは、ズバリ「復讐」です。デビーは元彼であるクロードにはめられて5年8か月もの間、刑務所に入れられていました。デビーはそれをかなり恨んでおり、今回の犯行の計画の一環として、クロードをはめ返すことを組み込みます。デビーは犯罪一家の血を引き継いでおり、本能的なところで犯罪をしたいという思いで、犯行に及んだわけですが、クロードに対する私怨もかなり入っています。映画ではそれをルーに見透かされて、降りる降りないの騒ぎにもなっていました。



デビーは無実の罪で5年8か月も刑務所に入れられていたわけですから、クロードを恨むのは当然といえます。だからといって復讐するというのは、「やられたらやり返す」というアメリカンマインドが存分に表れたものであり、「やられてもやり返さない」というジャパニーズマインド(だってやられたやり返すを繰り返していたらキリがないし、そもそも報復が怖い)を持つ私には、デビーに共感することができず、デビーとの距離を感じてしまい、デビーに感情移入することができませんでした。創作物の面白さって、ある程度は主人公に感情移入できるかどうかで決まってくるじゃないですか。でも、今回私はそれができなかったんですよね。



たぶん、スケット・ダンスで言ってたと思うんですけど、主人公には「憧れの対象」になるタイプと、「共感の対象」になるタイプの、2つのタイプがあるんですよね。デビーは男にはめられたという経験を持つ女性なら共感する点もあると思うんですが、それで5年8か月も刑務所に入れられたという経験はほとんどの人がしたことがなく、となるとデビーは「憧れの対象」になるタイプの主人公だと考えられます。



デビーは脚はスラッと伸びて、長く伸びた髪はサラサラで、おまけに頭もキレるときています。たぶん多くの女性にとっては「こんな女性になりたい」と思い、憧れると思うんですよね。でも、私は男だったので、そのスタイルの良さはいいなと思うことはあれども憧れはせず、頭がいいことも、頭がよすぎてまるで別の惑星の住人みたいに感じてしまったので、こちらも憧れるということはあまりありませんでした。デビーは私にとってどちらのタイプの主人公でもなく、デビーがやっていることをどこか冷めた目で見ている自分がいました。そこまで物語に入り切れなかったんですよね。



そして、その私怨を纏って行動していたデビーが決行直前に仲間にこんなことを伝えます。



「これからやることは私のためでもあんたたちのためでもない」

「8歳の盗みに憧れる女の子のためにやろう」



観たときはかっけーと思っていましたが、後から考えてみると、何なんこれ?って感じです。だってこんなの明らかな自己正当化じゃないですか。ある程度は私怨のためにやっていることを「8歳の盗みに憧れる女の子のためにやろう」ですって?私怨の捌け口にされた8歳の女の子がかわいそうだよ。しかも「8歳の盗みに憧れる女の子」って観ている私たちのことも指してますよね。8歳呼ばわりは見ている人たちに対していささか失礼じゃないのかな。思えばこのシーンで私とデビーの間の溝は決定的なものになってしまったのかもしれません。



こういったデビーへの感情移入ができなかったのは私が男だからなんでしょうか。主人公であるデビーにはまらなかったことが今も私の心に引っかかっています。






そして、最後に引っかかっていることがもう一つ。それが最後のイエンの登場です。


イエンは「オーシャンズ11」で、その身体能力を生かし金庫への侵入で大活躍したキャラクターです。今回、そのイエンが意表をついて登場したことはオーシャンズファンにとってはさぞかし嬉しいサプライズだったことでしょう。こういうことができるのもシリーズ物の強みですね。



と、言いたいところですが、私が引っ掛かったのはこのイエンの登場の唐突さです。別に前作のキャラクターが登場するのは全然いいんですよ。むしろ好みの展開ですし。今回のイエンの登場はあまりにも脈絡がなさ過ぎたんです。最後になってルーがイエンと接触を図っていたことが判明しましたが、それを匂わすシーンを入れてくれるだけでもだいぶ違ったのに(私の記憶違い出会ったらすみません)。



それにこういう前作のキャラクターの登場って、主人公陣営がどうしようもない窮地のときに颯爽と現れてこそ映えるものじゃないですか。でも、今回のオーシャンズって別にそんな窮地に陥ってないんですよね。盗みは何の問題もなく成功したし、ちょっとやむを得ない事情でそれぞれの取り分が減ってしまっただけ。別にイエンがいなくてもどうにでもなっていたんですよね。もうそこまで自分たちでできてるなら、最後まで自分たちの力だけでやり遂げろよってイエン登場時には感じてしまいました。イエンは別に今回の物語上不可欠な存在ではなかった。それが私が引っ掛かっているところです。



でも、こういうのってファンサービスとして割り切るべきですよね。実際、イエンの登場は私にも嬉しかったですし。シリーズ物の最大の強みなわけですから、そこに文句を言うのはちょっと違うかもしれません。ただ、登場の仕方をもう少し変えてほしかったなって。それだけです。




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以上で感想は終了となります。けっこうグチグチと書いてきましたが、間違いなく面白い映画だと思います。画面も華やかですし、オーシャンズの盗みにワクワクすること請け合いです。こんな感想書いておいてなんですが、是非とも映画館に足を運んでみてください。



お読みいただきありがとうございました。



おしまい



「オーシャンズ8」オリジナル・サウンドトラック
オリジナル・サウンドトラック
SMJ
2018-07-25