一か月の中断期間を経て先週、再開したJ3リーグ。ここまで5勝7分け6敗の勝ち点22で13位につけるAC長野パルセイロの再開初戦の相手は、ここまで3勝5分け9敗の勝ち点14で16位に沈むギラヴァンツ北九州です。ただ北九州は柱谷(兄)監督に交代してからは1勝3分けと負けがなく、徐々に調子を上げてきています。ただパルセイロも目標とするJ2昇格に向けて、これ以上の足踏みは許されません。なんとしても勝ちをつかみ取りたい両チームがミクニワールドスタジアム北九州で火花を散らします。







両チームのスタメンはこちら



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パルセイロは前節からスタメン4人を入れ替え。#4内野選手#7佐藤選手#15西口選手#16阿部選手が久しぶりのスタメンです。また、阪倉体制下ではボランチで出場していた#14東選手がFWに入り、代わりに本職はFWである#7佐藤選手#6岩沼選手とダブルボランチを組みます。システムは変わらず4-4-2。





対する北九州。

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こちらは前節鹿児島と引き分けた試合と変わらないスタメン。#9ダヴィ選手#11池元選手がチーム3試合ぶりのゴールを狙います。システムはこちらも4-4-2。











前半キックオフ!


序盤はパルセイロが試合を支配します。前半4分、#14東選手#8河合選手のパス交換で左サイドを崩し、#8河合選手からのマイナスのクロスを受けた#14東選手がシュート。これは#21高橋選手にはじかれますが、そのこぼれ球を#15西口選手がシュート。これを#14東選手が触ってコースを変えますが、キーパー正面。得点にこそ至らなかったもののいい連携を見せていました。


この日前線で起用された#14東選手#30萬代選手と縦関係の2トップを形成し、少し下がってボールを受けたり、再度に良く流れたりと縦横無尽に動き回っていました。前半は北九州のボランチとCB、CBとSBの間にうまく入り、ボールを受けることで前線で起点となっていましたね。#14東選手が動き回って#30萬代選手は中央に張るという役割分担がなされていました。サイドに#30萬代選手が流れて、中に誰もいなくなるという問題に改善の兆しが見えてきました。


また、この日のパルセイロは前線と最終ラインの距離が開き過ぎないよう、陣形もコンパクトに保ちます。それにより、主に#6岩沼選手#7佐藤選手のダブルボランチがセカンドボールを拾うことができ、ポゼッション率を高めて、相手を自陣に押し込むことに成功していましたように感じます。


前半22分、パルセイロはCKを獲得します。珍しく#8河合選手がキッカーを務めたかと思えば、#8河合選手はショートコーナーを選択。ボールを受けた#6岩沼選手がクロスを上げると、そこに飛び込んできたのは#23堂安選手。ペナルティエリアの外から猛然と走り込み、完全フリーで右足で合わせますが、枠を捉えることはできず、ゴールとはなりませんでした。決まっていれば群馬戦を彷彿とさせるシーンだったんですけど。そしてファーとはいえゴール前をぽっかりと開けてしまうところに北九州の今の順位を感じます。


この日のパルセイロの両SHである#8河合選手#23堂安選手はよく、中に絞ったようなポジション、サイドと中央の間のいわゆるハーフスペースと呼ばれるポジションを取っていました。それにより空いたサイド高めのスペースをSBに使わせることで、パルセイロは厚みのあるサイド攻撃を可能にしていました。北九州の#15野口選手#8浦田選手の裏のスペースをパルセイロは試合を通して狙っていましたね。




また、前半のパルセイロはサイド攻撃に加え、今まであまりやってこなかった中央突破も見せるようになります。#30萬代選手が競ったボールを中央で#14東選手が拾い、比較的近くの、中央とサイドの間の、ハーフスペースと呼ばれるポジションに位置どった#8河合選手#23堂安選手、それに加えて#30萬代選手とのワンツーも多く使用するパス交換で相手を崩そうとする意図が見えました。北九州ががっつり中央を固めてきていたので、上手くいくシーンはそれほどみられませんでしたが、こうやって中央に意識を向けさせることで、サイド攻撃の威力はいつもより増してるように感じられました。中央・サイドとうまく織り交ぜた攻撃が前半パルセイロは出来ていたように思えます。また、北九州は#30萬代選手がボールを落とした時にディフェンスの選手がボールウォッチャーになってしまい隙が生まれるので、パルセイロは前半、その北九州の弱点を積極的に利用して責めることができていましたね。
 

対する北九州はこの日、ホームであるミクニワールドスタジアム北九州の荒れたピッチに苦しみ、思うようにパスをつなぐことができません。つなげないとみるやシンプルに#9ダヴィ選手#11池元選手にボールを当ててそこからの展開を目指しますが、そのロングボールは精度を欠き流れていったり、#4内野選手#5寺岡選手の両CBに跳ね返され続け、なかなかこの二人にボールが渡ることは前半はありませんでした。


アディショナルタイムの2分も両チームにゴールは生まれず、0-0で前半は終了。前半は概ねパルセイロが押す展開でしたね。前半のシュート数がパルセイロが7本で北九州が1本だったことがそれを物語っていると思います。#30萬代選手が落としたボールや、どちらのものでもないルーズボールを良く拾えていたことが押していた理由だと思います。しかし、北九州の人数をかけた守備や#21高橋選手の幾度ものセーブでゴールを割ることはできませんでした。前半攻めていたチームが後半になって、流れが変わって逆に攻められるということはサッカーでもよくあることですし、前半でゴールを決められなかったことがこの試合ではとても痛かったように感じました。


一方守備では前半パルセイロは、前線からプレスに行くことはせず、ブロックを作ることを優先するリトリートする守備を選択して印象です。北九州は中盤を省略してきたんですけど、それはピッチ状態に手間取っていたのに加え、4-4のブロックが作られていてボールを出すところがなかったというのも関係してると思います。前半のパルセイロはよく動いて、北九州の攻撃をロングボールのみに抑えることに成功していました。










両チーム選手交代はないまま、後半キックオフ!


後半に入ると前半とうって変わって北九州が主導権を握ります。#9ダヴィ選手#11池元選手を中心に前半は抑え気味にしていた前線からのプレスを敢行。パルセイロのディフェンスラインはプレッシャーを受けて余裕が削られ、前線に大きく蹴り出す回数が増えます。それを#2有薗選手#4川上選手らディフェンダーがきっちりと跳ね返し、パルセイロの前線にボールが渡ることを許しません。


さらに、攻撃ではパルセイロのディフェンダーが少し疲れてきたのもあり、#9ダヴィ選手がボールをキープすることができるようになります。それによって前線に為ができ他の選手が上がる時間を促していました。#9ダヴィ選手はその競り合いの強さでロングボールからシュートへの中継役にもなっていましたね。前半#30萬代選手が担っていた役割を後半の#9ダヴィ選手はパワーアップした形でこなしていました。


さらに#22藤原選手#30村松選手が積極的な攻撃参加で#9ダヴィ選手からボールを受けようとします。パルセイロは中に絞ってきたSHの選手がFWからのボールを受けようとしていたので、このあたり両チームで異なりますね。北九州のSHはパルセイロのSHよりも外にポジションを取っているように感じました。


それともう一つ北九州が攻めていた要因としてあると思うのがパルセイロの攻守の、特に攻→守への切り替えの遅さですね。奪われた後の最初のディフェンスが前半よりも遅くなっていたんですよね。プレッシャーに行く前にパスを出されて、またプレッシャーに行く前にパスを出されるの繰り返しで。さらに戻って4-4のブロックを作るのも前半より遅い。これは単純に前半飛ばして入ったことによるものだとは思いますが、まだ、守備ブロックが上手く整っていないところ、具体的に言えばボランチとCBとSBの真ん中にボールを入れられて、ボールをキープされるというシーンが後半は増えていました。それにプレッシャー自体も相変わらず緩い。相手に自由を与えるには十分な距離を取ってディフェンスをしていたので、毎回言ってるんですけど、もう一歩詰めてほしいなと思います。




後半19分、このいい流れをさらに確実なものにしようと北九州が先に動きます。#8安藤選手に代えて#19川島選手#11池元選手に代えて#25前田選手を投入します。結果的にこの采配が当たった形になってしまいました。


後半21分、北九州は#19川島選手が左サイドを上がってきた#8浦田選手にパスを出します。#8浦田選手は相手のプレッシャーが弱いと見るやクロスを上げ、それに中で合わせたのは#25前田選手。叩きつけるヘディングでゴールを奪いました。


この失点でパルセイロとしてはまず簡単にクロスを上げさせてしまったのがまずかったですね。ディフェンスに行ってた#15西口選手はボールを持っている#8浦田選手との距離を3メートルほど開けています。これではプレッシャーがかかっているとはいえず、#8浦田選手はほとんどノープレッシャーで精度の高いクロスを上げさせてしまっていました。というかその直前にも、跳ね返したとはいえ、右サイドから#15野口選手に簡単にクロスを上げさせてしまっていますし、サイドでの守備は大いに改善の余地がありそうです。中で跳ね返そうと割り切ってるなら話は別ですが、たぶんそうではないはず。


加えてまずかったのが#25前田選手をだれも見ていなかったことです。#5寺岡選手#4内野選手の意識は#9ダヴィ選手に向いており、そのどちらもが#25前田選手を見ていませんでした。#9ダヴィ選手を警戒しすぎていたことと、#25前田選手を入ってきたばかりで誰が見るかを決めていなかったことが重なった失点でした。上手く#5寺岡選手#2松原選手の間に上手くポジションをとっていた#25前田選手もよかったんですけどね。


先制をしたことで俄然勢いづく北九州。パルセイロはこの空気を変えようと、後半24分、#8河合選手に代えて#25有永選手を投入します。#8河合選手は前半は果敢にドリブルを仕掛けていましたけど、後半になって若干存在感が希薄になってしまっていましたし、テコ入れするには妥当なところだとは思います。#25有永選手#8河合選手のいた左SHではなく、右SHに入り、右SHにいた#23堂安選手が左SHに移りました。




その後のパルセイロは連係から右サイドに移った#23堂安選手が抜け出すなど惜しいシーンも作りましたが、後半28分、#14東選手が足をつってしまい、#10宇野沢選手と交代になりました。#14東選手は前半ボールを拾うために動きまくっていたので、その反動が来た形ですね。#10宇野沢選手はそのまま2トップの一角に入りました。


何とか1点をもぎ取りたいパルセイロですが、奪っても相手がすぐプレスをかけてくるので、後ろに下げるしかなく、攻撃のスピードが前半よりも鈍化していました。前半飛ばして入ったのでしょうがない部分もありましたが、攻守の切り替えのスピードは北九州の方が早く、あっという間に4-4のブロックを整えられ、パスを出せるところが少なくなっていました。


これをパルセイロは相手が手薄なサイド、主に自分たちから見て左サイドを重点的に攻めようとしますが、高い位置で#2松原選手#23堂安選手がボールを受けても、球離れが悪く、なかなかクロスにまでつなげられず、また上げられてもそのクロスは精度を欠くもので得点にはつながりませんでした。


後半39分にパルセイロは最後の選手交代を行います。#30萬代選手に代えて#9津田選手が投入されました。#9津田選手はパルセイロのチーム得点王ですし、#30萬代選手も疲れていたので、もっと早く投入してほしかったんですが、けが明けでまだコンディションが万全ではないんですかね。そのままFWのポジションに入りました。


残り時間が少なくなってきて焦るパルセイロ。ファウルも多くなってなかなか相手ゴール前までいけない時間が続きます。しかし、後半のアディショナルタイムに入ってからパルセイロは怒涛の攻撃を見せます。後半アディショナルタイム1分、#7佐藤選手#23堂安選手に縦パスを入れ、#23堂安選手#10宇野沢選手とのワンツーから抜け出し、チャンスを迎えますが、シュートは#21高橋選手に防がれ、決めきることはできません。#23堂安選手は右足に持ち替えて時間が無くなってしまったのが痛かったですね。


が、パルセイロはこの攻撃でスローインを獲得。#2松原選手がロングスローを入れ、これが相手にクリアされ、パルセイロにCKのチャンス。しかし、このCKとそのあともう一本あったCKのどちらも決めることができず、0-1で試合終了。パルセイロはリーグ再開初戦を白星で飾ることはできず、手痛い連敗を喫してしまいました。内容は悪くなく、十分勝てる試合だったので、この負けは悔やまれますね。これでパルセイロは5勝7分7敗の勝ち点22で順位を一つ落として14位になってしまいました。















<ハイライト動画>





監督コメント(Jリーグ公式)


選手コメント(Jリーグ公式)


【8/25vs北九州】監督・選手コメントをアップしました(長野公式)

2018明治安田生命J3リーグ第20節|試合結果(北九州公式)

AC長野は無得点で2連敗(信濃毎日新聞)





思えば、J3が中断に入って一か月。一か月待たされて、焦らされたことで、我々サポーターの期待が高まっていました。必ず勝ってここから巻き返すと信じていた。何かが変わってると思いたかった。でも、北九州の地で突き付けられたのはJ3で13位という現実。17チーム中13位ということは勝つよりも負ける方が多いということ。その当たり前を改めて思い知らされました。昇格圏内の2位の鹿児島とは勝ち点で12も開いてしまっており、もう今シーズンのJ2昇格は風前の灯火です。


ただ、試合は続きます。たとえ目標の達成が絶望的になっても目の前の試合には勝ちたい。それが相手のいるスポーツだと思います。そしてチームが試合に勝つためにはサポーターの応援が必要になってきます。


この日のミクニワールドスタジアム北九州には、Summer Festivalと称してイベントを多数用意するなど集客に力を入れた結果、13,312人とJ3では異例の大人数が集まりました。どこを見ても黄色と赤のストライプが目につき、それがパルセイロの選手に威圧感を与えていたことは想像に難くありません。思いを同じにした人たちが集まって生まれる圧倒的ホームの雰囲気に、後半パルセイロの選手は飲まれていたように感じました。


これを長野でも実現しましょう。長野Uスタジアムに一人でも多くの人数を集めて、ただならぬ気配を醸し出し、相手選手にはプレッシャーを、パルセイロの選手には勇気を与えましょう。パルセイロの次の試合は9月9日17時から、長野Uスタジアムで藤枝MYFCとの対戦です。藤枝も今シーズンは6勝3分け9敗の勝ち点21で15位に沈んでおり、不調から抜け出すための勝利が欲しいのはどちらも同じです。今シーズン開幕戦で敗れた雪辱を晴らすためにも、ご家族ご友人をお誘いのうえ、ぜひともスタジアムに来てください。一緒にパルセイロを応援しましょう。よろしくお願いします。




がんばれ!AC長野パルセイロ!!



おしまい



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Universal Music LLC
2016-09-28