こんにちは。これです。今週末は雨のようですね。今日も雨が降りしきっていて大変でした。私が外に出た瞬間に雨が強く降りだすんですもん。びしょ濡れですよ。


それはさておき、今回のブログも映画の感想です。今回観た映画は『きみと、波にのれたら』。『夜は短し歩けよ乙女』『夜明け告げるルーのうた』で有名な湯浅政明監督並びにサイエンスSARUの最新作です。ポスターや予告編を見るにこれからの季節にぴったりな映画。早速、公開初日に観てきました。


それでは、感想を始めます。いつにも増してまとまってないですが、何卒よろしくお願いします。




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―目次―

・リア充パートは良かった
・『夜明け告げるルーのうた』と被ってない?
・やっぱり愛って依存じゃないか
・全然まとまってないまとめ





―あらすじ―

大学入学を機に海辺の街へと越してきたひな子。サーフィンが大好きで、波の上では怖いものなしだが自分の未来については自信を持てずにいた。ある火事騒動をきっかけに、ひな子は消防士の港(みなと)と出会い、二人は恋に落ちる。

お互いがなくてはならない存在となった二人だが、港は海の事故で命を落としてしまう。大好きな海が見られなくなるほど憔悴するひな子が、ある日ふと二人の思い出の歌を口ずさむと、水の中から港が現れる。

「ひな子のこと、ずっと助けるって約束したろ?」

死んだはずの港と再び会えたことを喜ぶひな子だが…。
奇跡がもたらした二人の恋の行方は?
そして、港が再び姿を見せた本当の目的とは?

(映画『きみと、波にのれたら』公式サイトより引用)




映画情報は公式サイトをご覧ください。











※ここからの内容は映画のネタバレを含みます。ご注意ください。









・リア充パートは良かった



最初に結論から言うと、この映画の感想は「思ってたのと違う」ですね。良くも悪くも。いや、好きなところもあるにはあるんですけど、それ以上にちょっとなぁ…と思うところが多くて。それをこれから書いていきます。基本的にはあまりいいことは書いてませんので、そのつもりで。


この映画はサーフィンをしているひな子のシーンから幕を開けます。かつて住んでいた海辺の街に戻ってきたひな子。彼女がサーフィンをしている姿を見て、自分のヒーローだと呟く港。いきなり主題歌「Brand New Story」を流すのにも、出し惜しみしないんだという感じでびっくりしましたが、これだけである程度のバックボーンは分かってしまうわけじゃないですか。で、この映画は多くの人が分かっているであろう二人の過去をわざわざ見せてくるんですよね。いや、分かってるからここはサラッと流して、もっと他のところに、それこそひな子の喪失とか、尺を使ってほしかったなというのはありました。




さて、建設中のビルで花火をする不逞の輩のせいで、ひな子の住むマンションは火事になります。ひな子と港が出会う重要なシーンです。ケータイ忘れたー財布忘れたーと、逃げ遅れてしまうひな子。屋上へと逃げます。ここ花火が夜空を彩っていて、絵的に華やかでけっこう好きなシーンですね。そして、白馬ならぬはしご車にのった王子様・港の登場。一段ずつ階段を上ってきた山葵と、一気に段階を乗り越える港との対比は、この後の展開を示唆しているかのようでした


ひな子は助かり、港と一緒に海に波に乗りに行きます。車の中で港とひな子が歌うシーンは予告編の冒頭にもありましたね。港はひな子の指導で波に乗ろうとしますが、なかなか上手く乗れません。いったん休もうと休憩。コーヒーを入れ、玉子サンドを食べる二人。この映画って食べ物がやたら美味しそうなんですよね。オムライスの卵のトロトロ感は、もしかしたら映画の中で一番気合入っていたんじゃないかレベルの質感で。食べ物が美味しそうに見える映画はいい映画だ。うん。




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その後は、港の妹・洋子の登場等を挟みつつも、二人はリア充街道まっしぐら。一つのサーフボードに二人で乗ったり、海外?の豪華なホテルに泊まったり、桟橋の先で夕日を眺めながらキスをしたり。この一連のシーン、港とひな子が歌う「Brand New Story」が流れているのですが、これがまたムカつく。普通に歌うのかと思ったら、時々照れ笑いで歌わないではありませんか。いや、歌えよ。幸せの絶頂かよ。多分2年以内に別れると心のどこかで思いながら、こっちはイライラですよ。


でも、正直このリア充展開は嫌いではなかったんですよね。というかむしろ好きでした。だって、予告編を見て、この後落とすのは分かっていたから。ここでのリア充ポイントが蓄積されればされるほど、落差で喪失が映えるってもんですよ。千葉ポートタワーで恋人のメッセージカードを書いて、羽が映るように写真を撮っちゃってさ。一人で見るには辛いよ。




千葉ポートタワーの外は雪。ひな子は「雪の後はいい波が来る」と港に教えます。次のシーンで二人はいつの間にか山中に。テントを張ってオムライスを食べています。ここでの二人の会話がこの映画のテーマの一つで。港は明るいひな子に憧れているし、ひな子は何でもできる港に憧れているんですよね。人は自分にないものを持っている人間に憧れてしまう。いつの間にか誰かのヒーローになっていることだってある。これは後に洋子と山葵の会話でもう一度提示されます。


港は自分を助けてくれたひな子に憧れ、人を助ける消防士という仕事につきます。そして、ひな子は自分が港を助けたことを思い出し、これまた人を助けるライフセーバーを志します。自分に自信のない山葵のふとした言葉が、洋子を再登校させるきっかけにもなっていて、今度は洋子が同じ言葉を山葵に返したり。つまり人を助けることがどんどん繋がっていっているんですよね。それで新たに救われる人もいたり。情けは人の為ならずですよ。超性善説。優しい世界。かなり理想的ですが、個人的にはこの優しさはけっこう好きです。フィクションの中でぐらい優しい世界があってもいいじゃないですか。


その流れで、ひな子は港に「いつまで助けてもらえるのかな」と問います。港曰く「十年、二十年、ひな子がおばあさんになっても、ずっとずっと」と。はい、出ました問題発言。耳ざわりはいいんですが、この考えってかなり危険だと思うんですよね。それはまた、後ほど述べたいと思います。




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・『夜明け告げるルーのうた』と被ってない?


翌日、港は一人で海に出ます。目的は雪が降った後のいい波に乗るため。ただ、港は人を助けようとして、海へと走りだします。割れたサーフボードから察するに、おそらくジェットスキーに衝突でもしたのでしょう。港は死んでしまいます。事故現場に駆け付け、港の死を目の当たりにして、意識を失うひな子。白黒の画面が印象的なシーンでした。


港を失って、ひな子はふさぎ込んでしまいます。ひな子を励まそうとカフェに誘う洋子と山葵。そこでひな子は「Brand New Story」(以下、例の歌)を歌うと、港が水の中に現れることに気づきます。洋子や山葵に心配されるひな子。しかし、そんなことはお構いなしに、ひな子は家に帰ると、港にプレゼントしたスナメリの浮き輪に水を入れ、歌えば港が常時現れる状態を作り出します。


えーと、正直この展開には言いたいこといっぱいあります。まず、喪失が軽すぎないですか。個人的にはひな子には港を失ってからは、もっと凹んでほしかったですし、リア充パートで溜めたわりにはそれがいまいち展開に反映されていないように感じました。あと条件もお手軽すぎません?港が出現する条件は、①水がある。②例の歌を歌う。①は水筒に入れれば持ち歩けるし、②は『夜明け告げるルーのうた』と被ってます。一緒にいる時間が長すぎて、喪失感があまり感じられませんでした。手を繋げない、キスできないのは切なくてよかったんですけど、もう一個条件を付けるなりして、会うハードルを高くしてほしかったというのは感じました


『きみと、波にのれたら』で、私が特に問題に感じたのが、②の『ルー』と被ってる問題です。私は『ルー』は映画を観る前日にDVDで見て、異種交流ものとしても少年の成長物語としても超いいな、ラストはエモいし傑作だと感じたんですが、今思うと観ない方がより楽しめたかもしれません。だって、港が波を持ち上げる描写なんて、『ルー』そのまんまなんですよ。ワン魚レベルのサービスならまだしも、ここまで同じだと少し萎えます。終盤も港が波を持ち上げて火事を消すという展開なのですが、いや、それもう『ルー』で見たししかも、『ルー』ほどのエモさもないし。既視感が強くてあまり感動できませんでした。


また、『ルー』は斉藤和義さんの「歌うたいのバラッド」や、YUIさんの「fight」など音楽が秀逸で、そこも推せるポイントなのですが、『きみと、波にのれたら』では、音楽は却って短所になっている印象すら受けます。劇伴はいいのですが、問題は例の歌。歌えば即、港が出現。しかも、ひな子の港に対する未練はとても強く、ことあるごとに呼び出します。おかげで例の歌が流れる回数が多い多い。30回ぐらいは歌っていたんじゃないでしょうか。5,6回目あたりから何回同じ歌歌うねんと思っていましたが、そんなことはお構いなしに連打。だいぶ辟易してしまい、エンディングの印象も薄くなってしまいました。感動自体はしたんですけど、回数を抑えれば、もっと感動できたのにとどうしても思ってしまいます。




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・やっぱり愛って依存じゃないか


さて、ひな子は港が死んだという現実を受け入れきれずに、港を常時出現させて一緒に過ごします。ここからは完全にホラーでしたね。ひな子は何もいない水に向かって喋っているんですから。周りの人ドン引いてましたし。極めつけは屋根に雨で「ひなこ」の文字を作るシーン。ゾッとしました。狂ってますよ笑。愛はここまで人を狂わせるのか。ひなこが港と踊るシーンも(あのひな子の格好って裸エプロン?)美しいんだけど怖いという貴重な体験をさせていただきました。


私は『生きてるだけで、愛。』や『愛がなんだ』の感想で「愛=依存」説を唱えたのですが、『きみと、波にのれたら』で、その説がさらに補強されてしまったように感じます。ひな子が「私には港だけ」「私、このままがいい」と、港にそれはもう恐怖を感じるくらい依存しているのは明らかなんですが、ポイントは港もひな子に依存していることなんですよね。


港はひな子と付き合い始めてから、常に「ひな子が~」「ひな子が~」と、話の主語はひな子でした。それに、先ほどの「十年、二十年、ひな子がおばあさんになっても、ずっとずっと」発言。まるで「ひな子を助けることが自分の存在意義」だと言わんばかりのセリフです。これは、ひな子を助けることに依存しているとも考えられ、完全なる共依存です。「私がいないとダメなんだから~」というアレです。「ひな子が必要な時にはいつでも現れるよ」って、『愛がなんだ』で、マモちゃんからの深夜の呼び出しに嬉々として応えるテルコかよ。


さらに、最大の謎とされていた港が現れる理由。最後まで引っ張るのかなーと思っていましたが、中盤であっさり明かされました。「ひな子が波にのれること」だそうです。ここでもひな子。この行き過ぎた港の滅私精神にはちょっと疑問が残ります。はっきり言ってしまえば、理想的過ぎて人間味に乏しい。カフェを開きたいとは言っていましたが、港のキャラクターはあまり見えてきません。その段階で死なれても、あまり感情移入できないですし、リア充パートで溜めたわりには…という感じです。


で、私は映画を観ているうちに「あ、この映画はひな子が波にのる。つまり、自分の道を見つけて依存から自立する物語なのかなー」って思っていたんですよ。2時間かけて自立を成し遂げるのかなと思いきや、意外や意外、映画中盤でひな子はライフセーバーという自分の道を見つけているではありませんか。え、どうすんの?自立しちゃったよ?目的達成じゃない?と焦りました。まあ実際は救命講習中に港の姿を思い出して逃げ出すなど、全然自立できていなかったのですが。




映画は終盤へと向かいます。昨年の火事を起こした犯人が再登場。展開的にかなり唐突だったのは置いておくとして、ひな子と洋子は犯人を追います。犯人は巨大なクリスマスツリーが貫く廃ビルに潜入し、花火を点火。当然ツリーに引火し、ビルは火の海に。ひな子と洋子はビルに閉じ込められてしまいます。助けはなかなか来ませんが、ひな子は港の力を借りずに脱しようとします。しかし、「俺の願いはひな子が波にのること」という港の言葉を思い出し、例の歌を歌って港を召喚。ここ最初は「結局、港に頼るんだ」と思ってしまいましたが、よく考えると「完全な自立はできない。人は依存しなければ生きていけない」ということを表していたのかなと。


港のおかげで火災は鎮火。ひな子は洋子と一緒に、港が作った波にのります。ここ、ひな子と洋子がめっちゃテカっていて、どことなくエロかったけど、まあそれはそれとして。この展開も個人的には好きでして。それは、この後の千葉ポートタワーでの演出も合わせて、「喪失を乗り越えること≠忘れることではない」という真理が込められているように感じたから。波のように寄せてくる悲しい経験も、うまくのって乗り越えていけ、みたいなメッセージに好感が持てたので、あまりハマらなかったものの後味は爽やかでした。




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・全然まとまってないまとめ




えーと、ここまでで大体5000字ぐらいですか。最初は「書きたいことあまりないな…」と思ってましたけど、案外書けるものですね。でも、そろそろまとめに入りたいと思います。『きみと、波にのれたら』は私にとっては、良いところもあるものの、それ以上にうん?となる箇所が多く、あまりのれない映画でした。『夜は短し歩けよ乙女』や『ルー』で見せた外連味も薄まっていて、作画の力で殴るタイプの映画ではなく、そこも想像と違いました。良くも悪くも一般向けになっています。あとはキャストですね。正直、特に語ることはありません。決して悪くはないのですが、『プロメア』や『海獣の子供』と比べると…という感じです。


でも、個人的にはあまりハマらなかった『きみと、波にのれたら』ですが、ストレートなラブストーリが好きな方には気に入る映画だと思います。あまりハマらなかったことを差し引いても、初日の夜の上映で映画館に5人しかいなかったのは結構辛かったので、よければ観てみてください。




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以上で感想は終了となります。読みづらい感想で申し訳ありませんでした。『きみと、波にのれたら』、かなりシンプルなラブストーリーなので、興味のある方はどうぞ。観て損はしないと思いますよ。


お読みいただきありがとうございました。


おしまい





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