こんにちは。これです。昨日、金曜ロードショーで『千と千尋の神隠し』の後に『ポノック短編劇場 ちいさな英雄』の中から『透明人間』が放送されたようですね。私は『透明人間』が『ちいさな英雄』の中で一番好きなのですが、見逃してしまいました。録画もしてなかったしな...。残念です。あ、『千と千尋の神隠し』は、お酒を飲んで酔いつぶれていたので観れませんでした。


気を取り直してブログにいきましょう。今回観た映画は『ダンスウィズミー』。『ウォーターボーイズ』『ハッピーフライト』などで知られる矢口史靖監督の最新作です。日本ではあまりないミュージカル映画のようですね。正直不安です。


では、それも含めて感想を始めたいと思います。拙い文章ですが、よろしくお願いいたします。




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―目次―

・はじめに
・キャストについて
・ダンスシーンの連続で飽きさせない
・おわりに





―あらすじ―

催眠術のせいで、音楽が聞こえるたびに歌い踊り出すカラダになってしまったミュージカル嫌いの静香!所かまわず踊るせいで恋も仕事も失ってしまい…。さらに、裏がありそうなクセ者たちとの出会いと、度重なるトラブルが!静香を待つ、ハチャメチャな運命とは!?果たして無事に元のカラダに戻れるのか!?

(映画『ダンスウィズミー』公式サイトより引用)




映画情報は公式サイトをご覧ください。













・はじめに


いきなり結論から申し上げますと、『ダンスウィズミー』は、想像をはるかに上回る面白さのドエンターテイメント映画でした。正直思っていたより100倍面白かったです。じゃあどんだけ期待していなかったんだっていう話になるんですが、そうなのです。私はこの映画に全然期待をしていなかったのです


というのもこの映画を観る前に、同じ矢口監督作品だからと『ウォーターボーイズ』を初めてちゃんと見たんですよね。それがまっっっっっっっったくハマらなくて。もう悲しくなるぐらいに。あのウェイ感と度を越したご都合主義が受け付けませんでした。特に最後のシンクロは初期メンバーの5人でやった方が良かったんじゃないかと今でも思っています。


で、こりゃいかんとなって、矢口監督の現時点での最新のモードを知っておかなければと思い『サバイバルファミリー』も見たんですけど、こちらは好きでした。険悪さとドキュメンタリー感があって。ただ、そのドキュメンタリー感は音楽をあまり使わないことでもたらされていたので、音楽をガンガン使う『ダンスウィズミー』とは真逆。なので、見終わった後には、この後の『ダンスウィズミー』を受け入られるかどうかかなり不安になりました。




それに、私は運動神経が悪いのもあるんですけど、踊るのが好きではないんですよ。とにかく恥ずかしい。ちょうど私の頃に中学の体育の授業でダンスが必修化されたんですけど、あの時間も早く終わらせたくて必死でしたしね。発表の時のグダグダ感は今思い出してもきついものがあります。評点は2でした。欠席しない限り2は取れるので事実上の最低点です。




また、2010年代になってからフラッシュモブというものが出てきたじゃないですか。あの性質の悪いリア充の自己満足でしかない嫌悪すべき存在が。あれも私大嫌いで。特にプロポーズの手段に使うヤツ。控えめに言って、フラれるだけでは甘っちょろい、手の指全部折ってやりたいって思います。


でも、この前偶然フラッシュモブを見る機会がありまして。まああまりにも突然だったので、呆気に取られて嫌悪する暇がなかったというのが正直なところなんですけど、それほど悪くは感じなかったんですよね。で、何が違うんだろうなって考えたときに、「物語」の存在だなって。私が見たフラッシュモブには1ミリも物語なかったですもん。きっと誰かの物語を押し付けられた時に不快に感じるんでしょうね。お前の事なんて興味ねぇんだよと。


でも、ミュージカルって自分からお金を払って、勧んで物語を押し付けられに行くじゃないですか。私はミュージカルは見たことがありませんし、ミュージカル映画もそれこそ『ウエスト・サイド・ストーリー』と『ラ・ラ・ランド』、それにインド映画をちょっとしか見たことがないです(今年の1月に公開された『バジュランギおじさんと、小さな迷子』は超絶大傑作だったので観てほしい)。でも、その心構えがあるだけでだいぶ違うというのは、今回『ダンスウィズミー』を観て感じたことの一つでした。




と、ここまで観てきた通り、私はこの映画をかなり懐疑的に思っていたのですが、観終わった後にはそんな気分はどこそこに吹き飛んで行ってしまいました。残ったのは幸福感と、想像以上に良かったという少しの困惑だけ。年に一本はこういう映画を観ないとなという感じです。そう思わせてくれたのは、まず第一に主演の三吉彩花さんをはじめとする俳優さんたちの好演。第二に、ダンスや音楽を次々に投入する演出のおかげです




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※ここからの内容は映画のネタバレをやや含みます。致命的なネタバレはしてないと思いますが、ご注意ください。







・キャストについて



まず、鈴木静香役を演じた主演の三吉彩花さん。初めましての俳優さんでしたが、知らないからといって批判的に判断してしまうのは間違いだなと痛感させられました。有名企業勤めのOLとはいえ、不満が溜まっている様子を十全に演じていましたし、催眠がかかってからはオーバーめな演技で、この映画がコメディであることを印象付けます。車の中での「夢の中で」の楽しそうな歌唱が良かったですね。これからコメディエンヌとしての飛躍を思わせる演技でした。


そして、それ以上に冴えていたのが歌とダンス。まず、ダンスシーンに入ったときのスイッチが切り替わったようなキリッとした目がかっこいいですし、歌もダンスもキレッキレ。手足の先に至るまで集中されたダンスは、500人以上のオーディションから選ばれたのも納得せざるを得ません。公式サイトによると250時間以上の歌とダンスのトレーニングをしていたようで、その成果が存分に発揮されていました。


また、今回準主役である斎藤千絵役に抜擢されたのは芸人のやしろ優さん。こちらも演技経験はあまりなく、観る前は不安しかありませんでしたが、いざ蓋を開けてみるとその不安を払しょくするかのような活躍。まあモノマネも広義の演技に含まれるとも言えなくもないのですが、だらけていて中途半端な人間のモノマネの域を超えて、だらけていて中途半端な人間そのものになっていたのにはびっくりしました。きっとモノマネで鍛えた観察眼が生きたのでしょう。三吉さんとのミスマッチ感もハマっていましたね。


加えて、chayさんは、正直不慣れで怪しいところもあったのですが、地元出身らしく新潟弁が流暢。個人的には、ギターを振り回してウェディングケーキを粉砕するというロックな活躍を見せてくれたので、それまでのマイナス要素は一気にチャラになりました。他にも、ムロツヨシさんは情けない感じが良かったですし、三浦貴大さんはその色気で主人公である静香の壁になっていましたし、宝田明さんの胡散臭さとダンディな歌は最高でした。誰もがコメディであることを意識していて、変に重くすることなく気持ちよく観ることが出来ましたね。




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・ダンスシーンの連続で飽きさせない


さらに、『ダンスウィズミー』では、103分の上映時間の中に10曲以上の曲を投入しています。まず、最初に宝田明さんのダンディな歌唱を響かせ、周囲を色とりどりの衣装を着た女性ダンサーで囲む。華やかなオープニングです。そこからは、飽きさせないように次から次へと曲を流します。三吉さん演じる静香が一人で踊る「Act Show」は、様々な角度から撮られていて、映画への没入を助けますし、会社での「Happy Valley」は、フロア総出で息の合った爽快なダンスを見ることが出来ます。


その後もレパートリー豊富にダンス&ダンス。「狙いうち」では、テーブルクロス引きやシャンデリアぶら下がりなど多くのパフォーマンスを披露。その後も「夢の中で」を手振りを加えて口ずさんだり、唐突にダンスバトルが始まったり、果てには「くたばっちまえ」とchayさんが大暴れするなど、趣向を凝らしたダンスシーンの連続。これには、ストーリーが進まない、もしくは薄くなっているという向きもありますが、私は素直に肯定したいですね。だって単純に楽しかったから。特に最後の2曲は。コーヒーを飲みながら観ていたんですけど、途中でコーヒーを飲むのを忘れるくらい映画の世界に没入していました。明るい曲調の曲ばかりだったのも気分が盛り上がってよかったですね。


ただ、この歌やダンスは、言ってみれば前半は静香の妄想なんですよね。「Happy Valley」では銀テープが舞っていてますが、現実はシュレッダーにかけられた紙くずですし、「狙いうち」ではシャンデリアにぶら下がる静香を止めようとする警備員がカメラに移されています。きっちり損害賠償請求もされていましたし。いわば否定的に見られていたんですよね。それは、「なんでいきなり歌ったり踊ったりするの?」という静香の台詞そのもので、冷めた観客の目線でもあります。私は「まあそういうもんでしょ」と特に気にかけたことはないのですが、暴走する静香に引いてしまった部分も正直ありました。


でも、映画が進むにつれて、歌やダンスは静香の妄想ではなく、現実になっているんですよね。静香の周囲にも千絵や洋子(chayさんの役名)と、彼女を肯定する人が増えていっていますし、ダンスバトルのあたりから、静香のダンスが好影響を与えるようになっています。ここで私の中の静香に対する否定は徐々に肯定に変わっていき、最後のダンスでピークを迎え、多幸感あふれるエンディングは思わず泣きそうになってしまいました。


それに、映画の途中で静香がもうダメだと何度も諦めかけたのもいいです。『ウォーターボーイズ』よりも確実に挫折は多く、ご都合主義も幾分か薄まっていました(なくなったとは言ってない)。『ウォーターボーイズ』では、正直主人公たちが失うものがなさ過ぎて(もしくは軽すぎて)、やべーやべー言っていても全く共感できなかったのですが、静香には仕事という失うものがありますからね。その違いが、ピンチとそれを跳ね返すミュージカルシーンの振れ幅をより大きくしていたのも良かったと思います。


あとは、物語の着地点もいいですね。静香は三浦貴大さん演じる村上のチームには入れることを喜んでいて、実際クビになる期限までに催眠を解いて戻るのが主目的となっていました。でも、千絵との旅を経て自分の本当にやりたかったことを見つめ直す。これはかなりよくあるストーリーですが、それだけ使われるということは、やはりそれなりの効果があるのでしょう。言いたいことも言えなくなりまくっている現代の病理から抜け出した静香は、とても輝いて見えました。やりたいことを胸に秘めている多くの方に観てほしい映画です。




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・おわりに



最後も自分語りになってしまって申し訳ないのですが、私は人間はクソだし、世界もクソだと思っています。他人のこと全く信用してないですし、その他人が作る世界も同じく信用していない。で、映画とかも人間のクソな部分が表れていたりとか、どうしようもない世界が描かれていたりとか、そういったものを好む傾向にあるんですよ。最近だと前者は『イソップの思うツボ』、後者は『天気の子』などですかね。自分の思想を補強したいんです。クソですよね。


だからこそ、やっすい言い方になってしまうんですけど、人間の絆を強調したりだとか、多幸感にあふれた映画がたまに欲しくなってしまうんですよね。ダークサイドに落ちすぎないように。その点で『ダンスウィズミー』は、純度100%のハッピーミュージカルコメディだったので、私が求めているものとちょうど合致した形です。見事に浄化されました。だからこそここまで褒めてばかりいるんですが。毎回はキツイですけど、年に一本はこういうハッピーな映画を観て、楽しい気分になりたいと願っているので、それを叶えてくれた『ダンスウィズミー』には、感謝しかないです。本当にありがとうございました




それと、『ダンスウィズミー』は、何も考えずに楽しめる映画なので、ぜひとも幅広い年代の方に観てほしいなと思います。特に家族連れですね。大人は懐かしのヒット曲に心躍るかもしれないし、子供は明るい曲調と派手なダンスにワクワクするかもしれない(集中力が続かないかもですが)。『天気の子』や『トイ・ストーリー4』など話題作は数多ありますけど、私は今年の夏休みは『ダンスウィズミー』を一番に推したいと思います。ぜひ、映画館で多幸感に包まれてください。オススメです。




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以上で感想は終了となります。『ダンスウィズミー』、楽しくハッピーでこの夏イチオシの映画です。よろしければ映画館でご覧ください。観ていい気分を味わってください。


お読みいただきありがとうございました。


おしまい


ダンスウィズミー
オリジナル・サウンドトラック 音楽:Gentle Forest Jaz Band/野村卓史
ワーナーミュージック・ジャパン
2019-08-14



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