Subhuman

ものすごく薄くて、ありえないほど浅いブログ。 Twitter → @Ritalin_203

2019年06月



こんにちは。これです。今年ももう半分が終わろうとしていますね。早い。毎年だんだん早くなっているような気がします。きっとあと半年もあっという間なんだろうなあ。


さて、今回のブログは上半期の総決算。2019年上半期映画ベスト10を決めたいと思います。今年はここまで去年以上に映画を観ているので、ベスト10を決めるのにも苦労しました。その結果、今回はベスト10とベスト10には入らないけど推したい特別賞3本を発表したいと思います。(ちなみに去年のベスト10はこちらをご覧ください)


なお、選考基準は


・今年の1月~6月に映画館で観たこと
・私個人の感覚を最優先にすること



の二つです。長野みたいな地方は、ミニシアター系の映画はどうしても公開が遅くなってしまいますからね。あと、自身の感覚を最優先にしないとバラエティがなくなってしまうでしょう。なので、この二つを絶対的な基準に選んでいきたいと思います。


では、その前に今年の上半期に観た映画を載せたいと思います。ここから選びます。




上半期に観た映画一覧

・search/サーチ
・バーバラと心の巨人
・クリード/ 炎の宿敵
・チワワちゃん
・鈴木家の嘘
・マスカレード・ホテル
・がっこうぐらし!
・生きてるだけで、愛。
・メリー・ポピンズ リターンズ
・フロントランナー
・アンダー・ザ・シルバーレイク
・あみこ
・アクアマン
・ファースト・マン
・女王陛下のお気に入り
・アリータ:バトル・エンジェル
・翔んで埼玉
・A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー
・映画ドラえもん のび太の月面探査記
・グリーンブック
・スパイダーマン:スパイダーバース
・まく子
・バジュランギおじさんと、小さな迷子
・いつか家族に
・THE GUILTY/ザ・ギルティ
・美人が婚活してみたら
・ROMA/ローマ
・4月の君、スピカ。
・バイス
・劇場版名探偵コナン 紺青の拳
・愛がなんだ
・映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン~失われたひろし~
・21世紀の女の子
・シャザム!
・バースデー・ワンダーランド
・メアリーの総て
・ブラック・クランズマン
・名探偵ピカチュウ
・ラ・ヨローナ~泣く女~
・チア男子!!
・居眠り磐音
・岬の兄妹
・プロメア
・おっさんのケーフェイ
・小さな恋のうた
・ゴジラ キング・オブ・モンスターズ
・海獣の子供
・町田くんの世界
・さよならくちびる
・ウィーアーリトルゾンビーズ
・きみと、波にのれたら
・ビューティフル・ボーイ
・Noise/ノイズ





以上、54本。去年が52本だったので、半年でそれを上回ってしまいました。あれ…おかしいな…?今年は70本ぐらいにしようと思ってたのに…。まぁいいか。





それでは、前置きもここまでにして始めたいと思います。まずは、ベスト10には入らないけど推したい特別賞3本の発表です。











特別賞:チワワちゃん


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―あらすじ―

その日、東京湾バラバラ殺人事件の被害者の身元が判明した。千脇良子・20歳・看護学校生。ミキはそれが、自分の知っている“チワワちゃん”のことだとは思わなかった。

ミキがいつものミュージックバーで、仲間のヨシダ、カツオ、ナガイ、ユミらと飲んでいる時、ヨシダの新しいカノジョとして“チワワ”が現れた。以前、ヨシダのことが好きだったミキは、フクザツな気持ちで二人を見ていた。その時、バーテンダーのシマから、VIP席にいる男たちのバッグの中に、政治家に届ける600万円が入っていると教えられる。皆がザワつくなか、意を決したチワワが、あっという間にバッグを奪って、走り出した!

翌朝、昨夜の男たちが贈賄罪の疑いで逮捕されたとニュースで報じられていた。宙に浮いた大金をめでたく頂いて、バカンスに繰り出すミキたち。毎晩が豪華なパーティと、最高のお祭り騒ぎ。だが、600万円をたった3日で使い切り、皆は日常に戻っていった。そんななか、チワワだけが“パーティ”を続けていた。インスタがきっかけとなり人気モデルとなったチワワは、サカタという有名カメラマンと付き合い始めていた。やがてチワワとミキたちは住む世界も違い始めていった。

チワワを偲ぶために、仲間たちが久しぶりに集まったが、誰も最近のチワワを知らなかった。そんな中、ファッション雑誌のライターのユーコから、チワワの追悼記事の取材を受けるミキ。もっと話を聞かせてほしいと頼まれたミキは、仲間たちにあらためてチワワとの思い出を聞きに行く。しかし、ミキを待ち受けていたのは、それぞれの記憶の中の全く違うチワワだった──。

映画『チワワちゃん』公式サイトより引用)




感想はこちら→





『ヘルタースケルター』『リバーズエッジ』などの映像化作品を持つ岡崎京子さん原作の一作。門脇麦さんや成田凌さんなど、注目の若手俳優が勢ぞろいしています。EDMの浮遊間のある音楽に乗せて次々とカットが入れ替わるMVのような演出もハマっていました。青春を引きずる者たちの物語で、「私たちの青春の自爆テロだった」というセリフが今も頭から離れません。興行的には苦戦したようですが、もうちょっと観られてもよかったのになと思います。DVD&Blu-rayは好評発売中。













特別賞:がっこうぐらし!


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―あらすじ―

シャベルを愛する胡桃、ムードメーカーの由紀、みんなのリーダー的存在の悠里は、私立巡ヶ丘学院高等学校・学園生活部に所属する女子高生。学校で寝泊まりし、24時間共同生活を送る学園生活部で“がっこうぐらし”を満喫中だ。
みんなと一緒にご飯を食べて、みんなと一緒におしゃべりをして。屋上に作られた園芸部の菜園では、野菜だって収穫できる。「学校ってすごいよね。電気も水も野菜も作れるし、音楽室、図書室、放送室…。なんでもそろってる!」と由紀もご機嫌だ。学校には友だちもいるし、大好きな保健の先生・めぐねえの授業だって受けられる。そんな学校が本当に大好き。しかし元気いっぱいの由紀を、教室の外から胡桃と悠里が心配そうに見つめている。この学校は何かがおかしい…

映画『がっこうぐらし!』公式サイトより引用)





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人気漫画を「ラストアイドル」所属の4人主演で映画化した今作。ホラーとしてのインパクトは不足していて、何より冒頭の演技が、全員演技未経験ということもあって悪い意味でヤバい。でも、それを上回る素晴らしい展開になっているんですよね。十代の成長とゾンビへの対抗を重ねたシナリオが抜群で、絶望的な状況なのに健気に生きる学園生活部に泣かされてしまいました。演技もいつの間にか上手くなってるし。私の実写化映画の見方を変えてくれた一本です。DVD&Blu-rayは7月3日発売。














特別賞:おっさんのケーフェイ


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―あらすじ―

大阪府道明市に暮らすヒロト(11)の悩みは、将来の夢や夢中になれるものが何もないこと。学校では、ダンスに打ち込むクラスメイトの輝男(11)からバカにされている。放課後は冴えない友人たちとともに、河川敷で過ごすことが日課になっている。
3人がいる対岸には、酔っぱらいながらプロレスごっこをしている正体不明の中年・坂田(48)がいるが、それも日常の一部。

ある日の放課後。たまたま目についた道頓堀プロレスの試合会場に1人で入っていくヒロト。そこれは、人気レスラー・ダイナマイトウルフの引退試合が行われていた。その試合を見て、ヒロトは今まで感じたことのない興奮を覚える。その帰り道、中学生に絡まれていたヒロトは、たまたま通りかかった坂田にプロレス技で助けられる。坂田が手にマスクを持っていたこともあり、ヒロトはダイナマイトウルフの正体は坂田だと考える。

坂田からプロレスを教わることになったヒロトであったが、友人から「やられるって分かっててなんでロープで跳ね返るん?」と問われ、言い返すことができない。そんな中、ダイナマイトウルフ政界進出のニュースが街を駆け巡る―。プロレスに真実はあるのか?そして、坂田の正体は?

映画『おっさんのケーフェイ』公式サイトより引用)





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全国6館でしか上映されておらず、映画ファンにもあまり知られていないであろうこの映画。子供とおっさんの組み合わせというのは、映画的には鉄板ですし、おっさんの嘘が子供をガチにするというのも超良い。さらに、そこからおっさんが奮起して本物に挑むという、偽者対本物という最高の展開。私の好きなものばかり詰め込まれています。主演も安心と信頼の川瀬陽太さんだし。インディーズならではの空気感はありますが、『カメ止め』まではいかなくとも、もっと話題になってもよかったと感じます。Amazon Primeで7月3日から見られるので、ぜひどうぞ。

















以上、特別賞3本でした。この3本はいずれも、もっと観られてもよかったんじゃないかと思います。惜しい。


では、ここから本題。2019年上半期映画ベスト10に入ります。洋画、邦画、アニメ色々あります。改めてよろしくお願いします。









第10位:小さな恋のうた


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―あらすじ―


沖縄の小さな町。日本とアメリカ、フェンスで隔てられた二つの「国」が存在する場所。そこでは、ある高校生バンドが熱い人気を集めていた。自作の歌を歌いこなし、観るものを熱狂させるその実力で、東京のレーベルからスカウトを受け、なんとプロデビューが決まる。しかし、喜びの絶頂で盛り上がる彼らに一台の車が突っ込み、バンドは行く先を見失ってしまう。そこに現れた、一曲のデモテープと、米軍基地に住む一人の少女。それらによって、止まった時計の針は前に進み始める。フェンスの向こう側に友の“想い”を届けるため、彼らは再び楽器を手に取り立ち上がる―。

映画『小さな恋のうた』公式サイトより引用)




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高い知名度を誇るMONGOL800の同名楽曲を映画化した今作。この映画はただのキラキラ青春音楽ムービーではありません。沖縄の米軍基地問題も絡めた社会派作品でもあるのです。この問題を描くことで、楽曲が持つ希望や願いを提示して、大きなインパクトを与えているのが見事。歌に複数の意味を与える脚本は、日本アカデミー賞を受賞してほしいくらいです。佐野勇斗さんや山田杏奈さんら若手俳優陣の熱演も光る。キラキラ感もちゃんと担保されていて、バンドやりたいとなる人もいるであろう優れた映画です。












第9位:居眠り磐音


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―あらすじ―

友を斬り、愛する人を失った。
男は、哀しみを知る剣で、悪を斬る。

坂崎磐音(松坂桃李)は、故郷・豊後関前藩で起きた、ある哀しい事件により、2人の幼なじみを失い、祝言を間近に控えた許嫁の奈緒(芳根京子)を残して脱藩。全てを失い、浪人の身となった―。

江戸で長屋暮らしを始めた磐音は、長屋の大屋・金兵衛(中村梅雀)の紹介もあり、昼間はうなぎ屋、夜は両替屋・今津屋の用心棒として働き始める。春風のように穏やかで、誰に対しても礼節を重んじる優しい人柄に加え、剣も立つ磐音は次第に周囲から信頼され、金兵衛の娘・おこん(木村文乃)からも好意を持たれるように。そんな折、幕府が流通させた新貨幣を巡る陰謀に巻き込まれ、磐音は江戸で出会った大切な人たちを守るため、哀しみを胸に悪に立ち向かう――。

映画『居眠り磐音』公式サイトより引用)




感想はこちら→






累計7,500万部突破の人気シリーズを映画化した今作。分かりやすさを心がけており、ハードルを下げていて、時代劇の入門編にちょうどいいのが特徴です。優しいけど危険な雰囲気も持つ松坂桃李さんの佇まいがバッチリ磐音のキャラクターとマッチしていました。他にも、柄本明さんの悪いジジイ演技はやりすぎなくらい面白かったですし、最後の芳根京子さんが綺麗すぎる。俳優さんの魅力が光ったエンターテイメント作品でした。続編待ってます。













第8位:さよならくちびる


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―あらすじ―


「二人とも本当に解散の決心は変わらないんだな?」
全国7都市を回るツアーへの出発の朝、車に乗り込んだデュオ〈ハルレオ〉のハル(門脇麦)とレオ(小松菜奈)に、ローディ兼マネージャーのシマ(成田凌)が確認する。うなずく二人にシマは、「最後のライブでハルレオは解散」と宣言するのだった。
2018年7月14日、解散ツアー初日から波乱は起きる。別行動をとったレオが、ライブに遅刻したのだ。険悪なムードの中、「今日が何の日かくらい憶えているよ」と、小さな封筒をハルに押し付けるレオ。しばらくして、何ごともなかったかのようにステージに現れるハルレオ。トレードマークのツナギ姿に、アコースティックギター。後ろでシマが、「たちまち嵐」を歌う二人をタンバリンでサポートする。
次の街へ向かう車の中、助手席でレオからもらった封筒を開けるハルを見て、「そうか、今日はハルの誕生日か」と呟くシマに、「違うよ。初めてレオに声をかけた日だよ」と答えるハル。二人が出会ったのは、バイト先のクリーニング工場。上司に叱られ、むくれていたレオを、ハルがいきなり「ねえ、音楽やらない?あたしと」と誘ったのだ。



その瞬間から、ずっと孤独だった二人の心が共鳴し始めた。ハルからギターを習って音楽を奏でる喜びを知るレオ。そんなレオを優しく見守るハル。レオの歌とギターは上達し、二人は路上で歌うようになった。
少しずつ人気が出始め、ライブツアーに出ることにしたハルレオは、ローディを探す。その時、「ハルさんの曲と詞のセンスが好きだから」と名乗りを上げたのが、元ホストのシマだった。売れたバンドが使っていたというツアー車を用意し、「俺らも行けるところまで突っ走る」と煽るシマに、ハルとレオも自分の夢を叫んで拳を振り上げた。
地方ライブの集客も増え、若い女性を中心にさらに人気が広がっていくハルレオ。だが、誰も予期しなかった恋心が芽生えたことをきっかけに、3人の関係は少しずつこじれていく。さらに、曲作りにかかわらないレオが、音楽をやる意味を見失っていった。各々が想いをぶつけ合い、名曲と名演奏が生まれていくが、溝は深まるばかり。ついに、この解散ツアーへと旅立つまで心が離れてしまった。
三重、大阪、新潟、山形、青森と、思い出の詰まったライブハウスを巡って行くハルレオ。もはやほとんど口もきかないが、ギターもコーラスもピタリと息が合い、その歌声は聴く者の心の奥深くへと届いていく。そしていよいよ3人は、北海道・函館のラストライブに向かうのだが――。


映画『さよならくちびる』公式サイトより引用)




感想はこちら→






まず、小松菜奈さんと門脇麦さんがめちゃくちゃかっこいいわけですよ。予告編でも青空のもと歩くシーンがありますけど、そのかっこよさが2時間続くんです。映画自体は特に大きな出来事が起こるわけでもなく、けっこう淡々と進んでいくんですが、シマも含めた3人の関係性が着実に変化しているところが凄い。音楽ももちろん素晴らしいですし、百合要素もあり、そしてなにより「歌い継がれる」という音楽の理想が描かれている。この映画ももっと観られてもよかったのになと思います。まだ上映しているので、よかったら観に行ってみてください。
















第7位:女王陛下のお気に入り


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―あらすじ―

時は18世紀初頭、アン女王(オリヴィア・コールマン)が統治するイングランドはフランスと戦争中。アン女王の幼馴染で、イングランド軍を率いるモールバラ公爵の妻サラ(レイチェル・ワイズ)が女王を意のままに操っていた。
そこに、サラの従妹だと名乗るアビゲイル(エマ・ストーン)が現れる。上流階級から没落した彼女はサラに頼み込み、召使として雇ってもらうことになったのだ。
ある日、アビゲイルは、痛風に苦しむアン女王の足に、自分で摘んだ薬草を塗る。サラは勝手に女王の寝室に入ったアビゲイルをムチ打たせるが、女王の痛みが和らいだと知り、彼女を侍女に昇格させる。

イングランド議会は、戦争推進派のホイッグ党と、終結派のトーリー党の争いで揺れていた。戦費のために税金を上げることに反対するトーリー党のハーリー(ニコラス・ホルト)は、アン女王に訴えるが、ホイッグ党支持のサラに、女王の決断は「戦争は継続」だと、ことごとく跳ね返される。
舞踏会の夜、図書室に忍び込んで、蝋燭の灯りで本を読んでいたアビゲイルは、ダンスホールを抜け出して突然駆け込んできたアン女王とサラが、友情以上の親密さを露わにする様子を目撃してしまう。
国を動かす二人と最も近い位置にいるアビゲイルに目を付けたハーリーが、アン女王とサラの情報を流すようにと迫るが、アビゲイルはキッパリと断る。アビゲイルはそのことをサラに報告するが、褒められるどころか「双方と手を組む気かも」と探られ、空砲で脅されるのだった。

アビゲイルはサラが議会へ出ている間のアン女王の遊び相手を命じられるが、女王は「サラは国家の仕事より私を優先させるべき」と駄々をこねる。アビゲイルは、女王の亡くなった17人の子供の代わりだという17匹のウサギを一緒に可愛がり、上手く女王をなだめるのだった。
アビゲイルはサラの信頼を徐々に勝ち取り、女王のお守役を務める機会が増えていく。いつもストレートに物を言うサラに対し、甘い言葉で褒め称える従順なアビゲイルに女王は心を許していく。
議会では、トーリー党が激しく抵抗して増税を食い止める。女官長に就任して以来、初めてその権力に翳りが見えたサラに、今度は女王との関係を揺るがす大きな危機が訪れる。それは、いつの間にか野心を目覚めさせていたアビゲイルの思いがけない行動だった──。


映画『女王陛下のお気に入り』公式サイトより引用)




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舞台はイギリス王室。そこで展開される女同士の泥沼抗争劇。それが『女王陛下のお気に入り』です。オリヴィア・コールマンが弱った女王を演じ、女王の側近の座を巡り、エマ・ストーンとレイチェル・ワイズが、足の引っ張り合い貶め合い。あらゆる手段で相手を引きずり落そうとするその姿に、思わず大笑い。エマ・ストーンがわざと足を挫くシーンが好きですね。18世紀のイギリスを現代によみがえらせた衣装や、魚眼レンズ等を使った変幻自在の撮影もあり、とても楽しい映画でした。











第6位:メアリーの総て


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―あらすじ―

19世紀、イギリス。作家を夢見るメアリーは、折り合いの悪い継母と離れ、父の友人のもとで暮らし始める。ある夜、屋敷で読書会が開かれ、メアリーは"異端の天才詩人"と噂されるパーシー・シェリーと出会う。互いの才能に強く惹かれ合う二人だったが、パーシーには妻子がいた。情熱に身を任せた二人は駆け落ちし、やがてメアリーは女の子を産むが、借金の取り立てから逃げる途中で娘は呆気なく命を落とす。失意のメアリーはある日、夫とともに滞在していた、悪名高い詩人・バイロン卿の別荘で「皆で一つずつ怪奇談を書いて披露しよう」と持ちかけられる。深い哀しみと喪失に打ちひしがれる彼女の中で、何かが生まれようとしていた――。
 
映画『メアリーの総て』公式サイトより引用)




感想はこちら→






ゴシック文学の名作『フランケンシュタイン』を著したメアリー・シェリーを題材とした伝記映画。この映画を上半期のベスト10に入れる人は、多分あまりいないんじゃないかな。だって公開されたの去年だし。でも、映画自体は素晴らしかったです。エル・ファニングが狂いそうになるくらい美しいのはもちろんなんですが、特筆すべきは終盤の展開。満たされなさをエネルギーにして『フランケンシュタイン』を書いたメアリーですが、世間からは認められません。この展開がたまらなくキツイ。何かを作るという苦しみと希望を描いた映画なので、趣味で創作をしているオタクは全員観た方がいいですね。DVD&Blu-rayは好評発売中です。












第5位:プロメア


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―あらすじ―

世界大炎上

世界の半分が焼失したその未曾有の事態の引き金となったのは、突然変異で誕生した炎を操る人種〈バーニッシュ〉だった。あれから30年、〈バーニッシュ〉の一部攻撃的な面々は〈マッドバーニッシュ〉を名乗り、再び世界に襲いかかる。〈マッドバーニッシュ〉が引き起こす火災を鎮火すべく、自治共和国プロメポリスの司政官クレイ・フォーサイトは、対バーニッシュ用の高機能救命消防隊〈バーニングレスキュー〉を結成した。高層ビルの大火災の中、燃える火消し魂を持つ新人隊員ガロ・ティモスは、〈マッドバーニッシュ〉のリーダーで、指名手配中の炎上テロリスト、リオ・フォーティアと出会い、激しくぶつかり合う。リオを捕らえることに成功し、クレイからその功績を認められ、――ガロにとってクレイは幼き頃、命を救ってくれた恩人で憧れのヒーロー――誇らしげに喜ぶガロであった。

しかし、リオは〈マッドバーニッシュ〉の幹部であるゲーラ、メイスと共に捕らえられていた〈バーニッシュ〉を引き連れて脱走する。後を追ったガロが彼らのアジトにたどり着くも、そこで目にしたものは、懸命に生きる〈バーニッシュ〉たちの姿であった。そして、リオから〈バーニッシュ〉をめぐる衝撃の真実を告げられることに。


何が正しいのか――。


そんな折、ガロたちは地球規模で進められている"ある計画"の存在を知ることになる――

映画『プロメア』公式サイトより引用)



『グレンラガン』も『キルラキル』も見ておらず、最初は見る予定のなかったこの映画。前夜祭のときに、やることもないからと観に行ったら、まんまとハマってしまいました。とにかく熱い!歌舞伎の見得を思わせるセリフのテンションの高さに、最終回のような展開をこれでもかとぶちこんできます。作画も笑ってしまうぐらい、目まぐるしく動いて圧巻。色使いも独創的で視覚的にも超楽しい。何より圧倒的堺雅人さん!3回観てもまだ足りないぐらい、とても刺激的な映画でした。何も考えずに楽しめるのがいいですね。DVDが出たらほしいです。













第4位:スパイダーマン:スパイダーバース



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―あらすじ―

「スパイダーマン、死す」

スパイダーマンことピーター・パーカーの突然の訃報により、ニューヨーク市民は悲しみに包まれる。
13歳のマイルス・モラレスもその一人――そう、彼こそがピーターの後を継ぐ"新生スパイダーマン"だ。
ピーターの死は、闇社会に君臨するキングピンが時空を歪めたことでもたらされた。
しかし若きマイルスには彼の更なる野望を阻止するパワーはない。

「彼に替わって"守る"」

と誓ったものの、不安だらけのマイルス。
そんな彼の前に突如現れたのは――死んだはずのピーターだった!ただ、彼の様子が少しおかしい。無精ひげ、少し出た下腹、そしてなんとも適当な性格。このやつれた中年ピーターは、キングピンが歪めた時空に吸い込まれ、全く別の次元=ユニバースからマイルスの住む世界に来たのだ。マイルスは真のスパイダーマンになるため、ピーターを師とし、ともに戦う決意をする。

「俺達しかいない――世界を救えるのは」


二人のもとに、別のユニバースから導かれてきたスパイダーマンたちが集結する。
スパイダー・グウェン、スパイダーマン・ノワール、スパイダー・ハム、そしてペニー・パーカーと彼女が操るパワードスーツSP//dr。キングピンの計画を阻止し、すべてのユニバースを元に戻す戦いに、スパイダーマンたちが挑む――。

映画『スパイダーマン:スパイダーバース』公式サイトより引用)




感想はこちら→





アカデミー賞も受賞したこの映画。私はスパイダーマンはおろか、アメコミ全般に疎いんですけど、それでも超面白かったです。アニメーションはめちゃくちゃ動いて臨場感と興奮が凄い。キャラクターも6人全員が魅力的ですしね。みんな言ってるけど、ペニー・パーカーはエグい。スパイダーマン(初代)を見ている前提の映画でしたけど、「オーケー、じゃあ説明するね!」と何度も説明してくれたのも好印象です。2Dで観たんですけど、3Dで観たかったなぁ。3Dで観てたらもっと上の順位だったかもしれないです。


















以上、10位~4位でした。いかがでしたでしょうか。どれも胸を張ってオススメできる作品です。機会があれば観てみてはどうでしょう。


さあ、ここからはいよいよベスト3の発表です。果たして2019年上半期ナンバーワンに輝いたのはどの映画なのでしょうか。







第3位:翔んで埼玉


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―あらすじ―

埼玉県の農道を、1台のワンボックスカーがある家族を乗せて、東京に向かって走っている。カーラジオからは、さいたまんぞうの「なぜか埼玉」に続き、DJが語る埼玉にまつわる都市伝説が流れ始める――。
 その昔、埼玉県民は東京都民からそれはそれはひどい迫害を受けていた。通行手形がないと東京に出入りすらできず、手形を持っていないものは見つかると強制送還されるため、埼玉県民は自分たちを解放してくれる救世主の出現を切に願っていた。
 東京にある、超名門校・白鵬堂学院では、都知事の息子の壇ノ浦百美(二階堂ふみ)が、埼玉県人を底辺とするヒエラルキーの頂点に、生徒会長として君臨していた。
 しかし、アメリカ帰りの転校生・麻実麗(GACKT)の出現により、百美の運命は大きく狂い始める。麗は実は隠れ埼玉人で、手形制度撤廃を目指して活動する埼玉解放戦線の主要メンバーだったのだ。
 その正体がばれて追われる身となった麗に、百美は地位も未来も投げ捨ててついていく。2人の逃避行に立ちはだかるのは、埼玉の永遠のライバル・千葉解放戦線の一員であり、壇ノ浦家に使える執事の阿久津翔だった(伊勢谷友介)。
 東京を巡る埼玉vs千葉の大構想が群馬や神奈川、栃木、茨城も巻き込んでいく中、伝説の埼玉県人・埼玉デューク(京本政樹)に助けられながら百美と麗は東京に立ち向かう。果たして埼玉の、関東の、いや日本の未来はどうなるのか――!?

映画『翔んで埼玉』公式サイトより引用)




感想はこちら→





『パタリロ!』等で知られる魔夜峰央先生の同名漫画を映画化した一作。埼玉を取り巻く環境をめちゃくちゃデフォルメして描いています。中世的な雰囲気のなかで、田無だの西葛西だの現実的なワードがバンバン飛び出すギャップにまずは爆笑。二階堂ふみさんとGACKTさんのBLに胸が躍ります。でも、本当は地元を誇りに思う気持ちがテーマの映画で、Jリーグサポーターとして地元を隔週ぐらいで叫んでいる私には刺さりまくりました。王道な展開も相まって気づいたら泣いていたぐらいです。いい意味でとてもずるい映画だと感じます。












第2位:
海獣の子供



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―あらすじ―

光を放ちながら、地球の隅々から集う海の生物たち。

巨大なザトウクジラは“ソング”を奏でながら海底へと消えていく。

<本番>に向けて、海のすべてが移動を始めた―――。

 

自分の気持ちを言葉にするのが苦手な中学生の琉花は、夏休み初日に部活でチームメイトと問題を起こしてしまう。母親と距離を置いていた彼女は、長い夏の間、学校でも家でも自らの居場所を失うことに。そんな琉花が、父が働いている水族館へと足を運び、両親との思い出の詰まった大水槽に佇んでいた時、目の前で魚たちと一緒に泳ぐ不思議な少年“海”とその兄“空”と出会う。

琉花の父は言った――「彼等は、ジュゴンに育てられたんだ。」 

 

明るく純真無垢な“海”と何もかも見透かしたような怖さを秘めた“空”。琉花は彼らに導かれるように、それまで見たことのなかった不思議な世界に触れていく。三人の出会いをきかっけに、地球上では様々な現象が起こり始める。夜空から光り輝く彗星が海へと堕ちた後、海のすべての生き物たちが日本へ移動を始めた。そして、巨大なザトウクジラまでもが現れ、“ソング”とともに海の生き物たちに「祭りの<本番>が近い」ことを伝え始める。

“海と空”が超常現象と関係していると知り、彼等を利用しようとする者。そんな二人を守る海洋学者のジムやアングラード。それぞれの思惑が交錯する人間たちは、生命の謎を解き明かすことができるのか。

“海と空”はどこから来たのか、<本番>とは何か。

これは、琉花が触れた 生命の物語。


映画『海獣の子供』公式サイトより引用)





感想はこちら→





五十嵐大介さんの原作を『鉄コン筋クリート』のSTUDIO4℃が映画化した一作。中学生の琉花の一夏の不思議な経験を描いているようで、実は全然落とし込めていないのが見所です。というか落とし込みきる気なんてさらさらないのでは。冒頭から作画は凄いんですけど、後半は概念的なアニメーションの連続で意味が分かりません。でも、この「分からない」がこの映画では大事だと思っていて。分かりやすさを第一とする現代に全力で喧嘩を売っているこの映画の姿勢が、私はとても好きです。いや、映画自体も好きだけども。













第1位:バジュランギおじさんと、小さな迷子

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―あらすじ―

パキスタンの小さな村に住む女の子シャヒーダー。
幼い頃から声が出せない彼女を心配したお母さんと一緒に、
インドのイスラム寺院に願掛けに行くが、
帰り道で一人インドに取り残されてしまう。
そんなシャヒーダーが出会ったのは、
ヒンドゥー教のハヌマーン神の熱烈な信者のパワンだった。

これも、ハヌマーンの思し召しと、母親とはぐれたシャヒーダーを
預かることにしたパワンだったが、
ある日、彼女がパキスタンのイスラム教徒と分かって驚愕する。
歴史、宗教、経済など様々な面で激しく対立するインドとパキスタン。
それでもパスポートもビザもなしに、国境を越えて
シャヒーダーを家に送り届けることを決意したパワン。
国境では警備隊に捕まり、パキスタン国内ではスパイに間違われて警察に追われる
波乱万丈の二人旅が始まった。
果たしてパワンは無事にシャヒーダーを母親の元へ送り届けることができるのか?
そこには、思いもよらなかった奇跡が待っていた…

映画『バジュランギおじさんと、小さな迷子』公式サイトより引用)




感想はこちら→





今年の上半期個人的ベストはインド映画『バジュランギおじさんと、小さな迷子』です。まず、おじさんと少女という組み合わせは、映画の中では最高です。それに、インド映画特有のダンスシーンもあり、エンターテインメントとして面白い。そして、何よりこの映画って「願い」の映画なんですよ。インドとパキスタンは現実では激しく対立しているんですけど、和解できたらいいよねという切実な願い。パワンとシャヒーダーの二人が宗教も国境も越えて、絆を深めていく様子や最後の希望が込められたシーンまで、後半はずっと泣いてました。文句なしのナンバーワンです。








2019年上半期映画ベスト10結果一覧


特別賞:チワワちゃん
特別賞:がっこうぐらし!
特別賞:おっさんのケーフェイ

第10位:小さな恋のうた
第9位:居眠り磐音
第8位:さよならくちびる
第7位:女王陛下のお気に入り
第6位:メアリーの総て
第5位:プロメア
第4位:スパイダーマン:スパイダーバース
第3位:翔んで埼玉
第2位:海獣の子供
第1位:バジュランギおじさんと、小さな迷子





















以上でランキングは終了です。『バジュランギおじさんと、小さな迷子』が他を引き離しての第1位という結果になりました。本当にこの映画は観た方がいいです。ぜひ、ぜひどうぞ。


あといつも思うんですけど、10本は少ないですよね。『愛がなんだ』『search/サーチ』『アンダー・ザ・シルバーレイク』『21世紀の女の子』あたりも入れたかったんですけど、泣く泣く選外となってしまいました。うーん難しい。


そして、下半期も映画は続々公開されます。個人的に楽しみな映画も多く、まだまだ生きられそうです。まずは『ホットギミック』を観なければ。果たして今年が終わる頃にはどんなランキングになっているか、自分でも楽しみです。その時までブログが続いていればの話ですけど、またお付き合いいただけると幸いです。


お読みいただきありがとうございました。


おしまい





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こんにちは。これです。最近はかなりダウナーな気分で、何をするにもやる気出ねぇーという感じなのですが、何とか気を奮わせて、今日も映画を観に行ってきました。


今回観た映画は『ビューティフル・ボーイ』。ティモシー・シャラメが薬物依存者に扮し、父親デヴィッドとの愛と再生を描くヒューマンドラマです。想像はしていたけどやっぱり辛い映画でしたね。


では、感想を始めたいと思います。拙い文章ですがよろしくお願いします。





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―あらすじ―

成績優秀でスポーツ万能、将来を期待されていた学生ニックは、ふとしたきっかけで手を出したドラッグに次第にのめり込んでいく。
更生施設を抜け出したり、再発を繰り返すニックを、大きな愛と献身で見守り包み込む父親デヴィッド。
何度裏切られても、息子を信じ続けることができたのは、すべてをこえて愛している存在だから。

父と息子、それぞれの視点で書いた2冊のベストセラー回顧録を原作とした
実話に基づく愛と再生の物語。

(映画『ビューティフル・ボーイ』公式サイトより引用)










※ここからの内容は映画のネタバレを含みます。ご注意ください。









実は最近、薬物について関心があるんですよね。いや、別に摂取したいわけじゃないですし、そもそもどうやって手に入れるのかも分からないし。でも、薬物を使う人ってどんな人なんだろうということにはとても関心があって。自制心の弱いどうしようもない人ではなく、私たちの隣にいる人が溺れていくんじゃないかって。彼らと私たちの違いって何だろうって考えるんですよ。で、考えれば考えるほど何も違わないなって思わされて、今はだいぶ凹んでる感じです。




さて、『ビューティフル・ボーイ』の主人公・ニックは、成績優秀で傍から見れば特に欠点のない存在に見えます。でも、本当は心の中に満たされなさを抱えていて、薬物に手を出してしまいます。このニックを演じていたのが『君の名前で僕を呼んで』などで注目のティモシー・シャラメ。佇まいからして、色気があって美しい。身長は高くて、スタイルもいいんですけど、それ故の儚さも持ち合わせていたのが印象的でした。薬物にハマっていく様はその並外れた演技力もあって痛々しかったです。車に乗っているシーンが特に好きですね。
 

また、『ビューティフル・ボーイ』は、息子ニックと父親デヴィッドの2冊の自伝が原作となっています。映画はこの2本をミックスした脚本になっており、ニック目線とデヴィッド目線が存在していました。どちらかというとデヴィッド目線に比重は傾いており、この映画のテーマは薬物依存者をどう支えていくかというところにあったと思われます。


そのデヴィッドを演じたのが、『マネー・ショート 華麗なる大逆転』などの出演作を持つスティーヴ・カレル。その息子を信じ切る優しい目が印象的でした。でも、終盤になるとあえてニックを突き放すんですけど、その後の辛そうな演技と言ったら。苦渋に満ち満ちていて苦悩がダイレクトに伝わってきましたね。




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ニックは薬物を使ってしまって、デヴィッドと共に病院に行きます。ここでのニックの悪びれなさがよかったですね。俺のせいじゃないだろみたいな。歪んだ自己正当化がビンビンに感じられます。そして、ニックは回復プログラムを受けますが、施設を脱走して薬物を使ってしまいます。ただ、これも職員は織り込み済みでよくあることと気にしていないんですよね。いやー辛い。再発は回復の過程という言葉がズシンときます。本当かよ。


脱走したニックを探しに行くデヴィッド。ここでなぜか唐突にニルヴァーナがかかるんですよね。シーンとは一見不釣り合いでしたが、ここで一気に目が覚めました。この映画の特徴なんですが、全体的に静かなんですよね。セリフもあまり多くないですし、雰囲気も落ち着いていてけっこう淡々としていますし。なのに、音楽はわりとエモいんですよね。車を走らせるシーンとか。そのギャップが意外でした。


このけっこう淡々としているのが、『ビューティフル・ボーイ』のポイントだと個人的には思っていまして。薬物依存症の怖さを伝えるのがメインではないように感じたんですよ。いや、薬物怖っとはなりましたけど、本当に薬物の怖さを伝えたいのなら、もっとオーバーに書くことだってできたと思うんですよね。禁断症状でのたうち回らせて、人を殴ったりとか。でも、そうすると嘘になっちゃうので。伝記の映画化なので、リアリティが一番大事なんですよ。そういう意味では、ティモシー・シャラメの抑え目の演技はとてもハマってましたね。すごくリアリティがありました。


それでも、薬物依存症の怖さっていうのは描けていて。何をするにも薬物が最優先になってしまうんですよね。薬物が買えないから嘘を言ってお金をせびったり、家のものを売ろうとしたり。で、そのためには本心を隠さないといけないわけで。中盤、ニックの日記をデヴィッドが読むシーンがあったんですが、クリーンな様からだんだん薬物に溺れていく様子が絵と共に克明に描かれていて。息子が嘘をついていると知った時のデヴィッドの表情はこれまたキツかったですね。


そこからはやって、止めて、再発しての繰り返しですよ。怖いのが485日クリーン(薬物を使っていない状態)を続けていても、簡単にスリップ(再び薬物を使うこと)をしてしまうということ。コカインで逮捕されたピエール瀧さんも、コカインを止めていた期間があったそうですが、再び手を出してしまっていて。ワイドショーで聞いたんですが、薬物は「やめる」のではなく、「やめ続け」なくてはならないそうなんですよ。一度使った快感は脳に刻まれて、それが一生消えることはないと。


最後にニックは8年間クリーンを続けているとありましたけど、またいつスリップするかは分からないわけです。映画でもニックは依存症を完治できていません。というか完治できたら嘘になってしまうし。ラストシーンでニックとデヴィッドが日陰にいたのも、まだ依存症を抜け出せていないということを表していたのではないでしょうか。もやもやする人もいるかもしれませんが、この終わり方はリアリティがあって私は好きですね。




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この映画で重要なポイントがデヴィッドの視点から描かれていることというのは先に述べました。この映画で特徴的なのは支える側の辛さも描いているということに私はあると思います。デヴィッドはお前の"すべて"を愛していると言って惜しみない愛情を注いでいますが、これが逆効果になってしまっているのが辛いところで。親が何とかしてくれるという拠り所があるからか、深刻さをイマイチ欠いてしまっているんですよね。デヴィッドは仕事柄ニックとあまりいられなかったという描写もあり、その分愛情を注いでいたと思われますが、それが裏目に出てしまっていたと。デヴィッドの苦悩が大きくなっていき、ニックのガールフレンドに「やってもいないヤツに何が分かる」と言われ、自らも薬物に手を染めてしまうシーンは、この映画で個人的に一番辛いシーンでした。


そして、映画終盤にはデヴィッドはニックを突き放します。ここがまた最大級に辛い。愛しているからこそ突き放して、落ちるところまで落とさせなければならない。自分の力で這い上がらせるしかない。息子を思うが故に干渉するよりもずっと辛い道を選ぶデヴィッドの苦悩が、辛くて観ていられませんでしたね。


そのあとの崖でのセリフも大変。「人を救うことはできない」って言っているんですよ。あのデヴィッドが。こんなもの諦め以外の何物でもないじゃないですか。自分には何もできないという無力感ですよ。私も基本的には人をあまり信じておらず、自分を救えるのは自分だけだなーと思っているので、共感して胸の奥が痛みます。確かに薬物依存症は最後には本人次第で、他者が干渉する余地なんてないのですが、それを悟ったデヴィッドの絶望。よく崖から飛び降りなかったなと思います。










父親から見放された絶望で、再び薬物を使ってしまうニック。病院に運ばれ、医者から「生きているのが奇跡」と言われるまで深刻化していっています。そして、この映画のラストシーンなのですが、デヴィッドが泣くニックをそっと抱きしめるんですよね。


これはお前に何が分かるって感じですが、多分薬物依存者って薬物を使う自分のことを恥じていると思うんです。ああまた使ってしまった。薬物をやめられない俺はダメだ。でも、そのどうしようもない悲しみを薬物で紛らわすという悪循環が依存だと。本にそう書いてありました。つまりやりたくてやってるんじゃないんですよ。やめたいと思っていながらやっているんですよ。だって害があるのなんて分かっているはずなんですから。自分への絶望で泣いてしまうニックの姿が胸に迫ります。


そして、デヴィッドはそのニックを何も言わず抱きしめるんですよ。これはダメだと思っている自分も含めて存在全体の肯定ですよ。ニックにとっては。薬物依存症の治療には愛ある支援者が必要で、デヴィッドがその支援者になるという覚悟をしたシーンだと、私はこのラストシーンをそう受け取りました。日陰の向こうに日が差している良いラストだったと思います。その後のテキストを含めて。




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最後にまとめると、『ビューティフル・ボーイ』は薬物依存症の怖さをダイレクトに伝える映画ではなく、本人と周囲どちらも辛いことを描いた非常に苦渋に満ちた映画です。この映画を観て、「薬物依存者は周囲に迷惑をかけるダメ人間だ」みたいな感想が出てくるのはしんどい。自分の大切な人が薬物依存症になってしまったら、自分には何ができるのだろうと考える機会を与えてくれる映画だと感じました。薬物依存者を断罪して排除するのではなく、存在を認めて支えていけるような社会になったらいいですね。




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以上で感想は終了となります。『ビューティフル・ボーイ』、辛かったですが個人的には『君の名前で僕を呼んで』よりも好きですね。薬物依存について考えるきっかけにもなるので、よければ観てみてください。


お読みいただきありがとうございました。


おしまい


ビューティフル・ボーイ [Blu-ray]
ティモシー・シャラメ
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2019-09-03



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こんにちは。これです。今週末は雨のようですね。今日も雨が降りしきっていて大変でした。私が外に出た瞬間に雨が強く降りだすんですもん。びしょ濡れですよ。


それはさておき、今回のブログも映画の感想です。今回観た映画は『きみと、波にのれたら』。『夜は短し歩けよ乙女』『夜明け告げるルーのうた』で有名な湯浅政明監督並びにサイエンスSARUの最新作です。ポスターや予告編を見るにこれからの季節にぴったりな映画。早速、公開初日に観てきました。


それでは、感想を始めます。いつにも増してまとまってないですが、何卒よろしくお願いします。




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―目次―

・リア充パートは良かった
・『夜明け告げるルーのうた』と被ってない?
・やっぱり愛って依存じゃないか
・全然まとまってないまとめ





―あらすじ―

大学入学を機に海辺の街へと越してきたひな子。サーフィンが大好きで、波の上では怖いものなしだが自分の未来については自信を持てずにいた。ある火事騒動をきっかけに、ひな子は消防士の港(みなと)と出会い、二人は恋に落ちる。

お互いがなくてはならない存在となった二人だが、港は海の事故で命を落としてしまう。大好きな海が見られなくなるほど憔悴するひな子が、ある日ふと二人の思い出の歌を口ずさむと、水の中から港が現れる。

「ひな子のこと、ずっと助けるって約束したろ?」

死んだはずの港と再び会えたことを喜ぶひな子だが…。
奇跡がもたらした二人の恋の行方は?
そして、港が再び姿を見せた本当の目的とは?

(映画『きみと、波にのれたら』公式サイトより引用)




映画情報は公式サイトをご覧ください。











※ここからの内容は映画のネタバレを含みます。ご注意ください。









・リア充パートは良かった



最初に結論から言うと、この映画の感想は「思ってたのと違う」ですね。良くも悪くも。いや、好きなところもあるにはあるんですけど、それ以上にちょっとなぁ…と思うところが多くて。それをこれから書いていきます。基本的にはあまりいいことは書いてませんので、そのつもりで。


この映画はサーフィンをしているひな子のシーンから幕を開けます。かつて住んでいた海辺の街に戻ってきたひな子。彼女がサーフィンをしている姿を見て、自分のヒーローだと呟く港。いきなり主題歌「Brand New Story」を流すのにも、出し惜しみしないんだという感じでびっくりしましたが、これだけである程度のバックボーンは分かってしまうわけじゃないですか。で、この映画は多くの人が分かっているであろう二人の過去をわざわざ見せてくるんですよね。いや、分かってるからここはサラッと流して、もっと他のところに、それこそひな子の喪失とか、尺を使ってほしかったなというのはありました。




さて、建設中のビルで花火をする不逞の輩のせいで、ひな子の住むマンションは火事になります。ひな子と港が出会う重要なシーンです。ケータイ忘れたー財布忘れたーと、逃げ遅れてしまうひな子。屋上へと逃げます。ここ花火が夜空を彩っていて、絵的に華やかでけっこう好きなシーンですね。そして、白馬ならぬはしご車にのった王子様・港の登場。一段ずつ階段を上ってきた山葵と、一気に段階を乗り越える港との対比は、この後の展開を示唆しているかのようでした


ひな子は助かり、港と一緒に海に波に乗りに行きます。車の中で港とひな子が歌うシーンは予告編の冒頭にもありましたね。港はひな子の指導で波に乗ろうとしますが、なかなか上手く乗れません。いったん休もうと休憩。コーヒーを入れ、玉子サンドを食べる二人。この映画って食べ物がやたら美味しそうなんですよね。オムライスの卵のトロトロ感は、もしかしたら映画の中で一番気合入っていたんじゃないかレベルの質感で。食べ物が美味しそうに見える映画はいい映画だ。うん。




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その後は、港の妹・洋子の登場等を挟みつつも、二人はリア充街道まっしぐら。一つのサーフボードに二人で乗ったり、海外?の豪華なホテルに泊まったり、桟橋の先で夕日を眺めながらキスをしたり。この一連のシーン、港とひな子が歌う「Brand New Story」が流れているのですが、これがまたムカつく。普通に歌うのかと思ったら、時々照れ笑いで歌わないではありませんか。いや、歌えよ。幸せの絶頂かよ。多分2年以内に別れると心のどこかで思いながら、こっちはイライラですよ。


でも、正直このリア充展開は嫌いではなかったんですよね。というかむしろ好きでした。だって、予告編を見て、この後落とすのは分かっていたから。ここでのリア充ポイントが蓄積されればされるほど、落差で喪失が映えるってもんですよ。千葉ポートタワーで恋人のメッセージカードを書いて、羽が映るように写真を撮っちゃってさ。一人で見るには辛いよ。




千葉ポートタワーの外は雪。ひな子は「雪の後はいい波が来る」と港に教えます。次のシーンで二人はいつの間にか山中に。テントを張ってオムライスを食べています。ここでの二人の会話がこの映画のテーマの一つで。港は明るいひな子に憧れているし、ひな子は何でもできる港に憧れているんですよね。人は自分にないものを持っている人間に憧れてしまう。いつの間にか誰かのヒーローになっていることだってある。これは後に洋子と山葵の会話でもう一度提示されます。


港は自分を助けてくれたひな子に憧れ、人を助ける消防士という仕事につきます。そして、ひな子は自分が港を助けたことを思い出し、これまた人を助けるライフセーバーを志します。自分に自信のない山葵のふとした言葉が、洋子を再登校させるきっかけにもなっていて、今度は洋子が同じ言葉を山葵に返したり。つまり人を助けることがどんどん繋がっていっているんですよね。それで新たに救われる人もいたり。情けは人の為ならずですよ。超性善説。優しい世界。かなり理想的ですが、個人的にはこの優しさはけっこう好きです。フィクションの中でぐらい優しい世界があってもいいじゃないですか。


その流れで、ひな子は港に「いつまで助けてもらえるのかな」と問います。港曰く「十年、二十年、ひな子がおばあさんになっても、ずっとずっと」と。はい、出ました問題発言。耳ざわりはいいんですが、この考えってかなり危険だと思うんですよね。それはまた、後ほど述べたいと思います。




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・『夜明け告げるルーのうた』と被ってない?


翌日、港は一人で海に出ます。目的は雪が降った後のいい波に乗るため。ただ、港は人を助けようとして、海へと走りだします。割れたサーフボードから察するに、おそらくジェットスキーに衝突でもしたのでしょう。港は死んでしまいます。事故現場に駆け付け、港の死を目の当たりにして、意識を失うひな子。白黒の画面が印象的なシーンでした。


港を失って、ひな子はふさぎ込んでしまいます。ひな子を励まそうとカフェに誘う洋子と山葵。そこでひな子は「Brand New Story」(以下、例の歌)を歌うと、港が水の中に現れることに気づきます。洋子や山葵に心配されるひな子。しかし、そんなことはお構いなしに、ひな子は家に帰ると、港にプレゼントしたスナメリの浮き輪に水を入れ、歌えば港が常時現れる状態を作り出します。


えーと、正直この展開には言いたいこといっぱいあります。まず、喪失が軽すぎないですか。個人的にはひな子には港を失ってからは、もっと凹んでほしかったですし、リア充パートで溜めたわりにはそれがいまいち展開に反映されていないように感じました。あと条件もお手軽すぎません?港が出現する条件は、①水がある。②例の歌を歌う。①は水筒に入れれば持ち歩けるし、②は『夜明け告げるルーのうた』と被ってます。一緒にいる時間が長すぎて、喪失感があまり感じられませんでした。手を繋げない、キスできないのは切なくてよかったんですけど、もう一個条件を付けるなりして、会うハードルを高くしてほしかったというのは感じました


『きみと、波にのれたら』で、私が特に問題に感じたのが、②の『ルー』と被ってる問題です。私は『ルー』は映画を観る前日にDVDで見て、異種交流ものとしても少年の成長物語としても超いいな、ラストはエモいし傑作だと感じたんですが、今思うと観ない方がより楽しめたかもしれません。だって、港が波を持ち上げる描写なんて、『ルー』そのまんまなんですよ。ワン魚レベルのサービスならまだしも、ここまで同じだと少し萎えます。終盤も港が波を持ち上げて火事を消すという展開なのですが、いや、それもう『ルー』で見たししかも、『ルー』ほどのエモさもないし。既視感が強くてあまり感動できませんでした。


また、『ルー』は斉藤和義さんの「歌うたいのバラッド」や、YUIさんの「fight」など音楽が秀逸で、そこも推せるポイントなのですが、『きみと、波にのれたら』では、音楽は却って短所になっている印象すら受けます。劇伴はいいのですが、問題は例の歌。歌えば即、港が出現。しかも、ひな子の港に対する未練はとても強く、ことあるごとに呼び出します。おかげで例の歌が流れる回数が多い多い。30回ぐらいは歌っていたんじゃないでしょうか。5,6回目あたりから何回同じ歌歌うねんと思っていましたが、そんなことはお構いなしに連打。だいぶ辟易してしまい、エンディングの印象も薄くなってしまいました。感動自体はしたんですけど、回数を抑えれば、もっと感動できたのにとどうしても思ってしまいます。




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・やっぱり愛って依存じゃないか


さて、ひな子は港が死んだという現実を受け入れきれずに、港を常時出現させて一緒に過ごします。ここからは完全にホラーでしたね。ひな子は何もいない水に向かって喋っているんですから。周りの人ドン引いてましたし。極めつけは屋根に雨で「ひなこ」の文字を作るシーン。ゾッとしました。狂ってますよ笑。愛はここまで人を狂わせるのか。ひなこが港と踊るシーンも(あのひな子の格好って裸エプロン?)美しいんだけど怖いという貴重な体験をさせていただきました。


私は『生きてるだけで、愛。』や『愛がなんだ』の感想で「愛=依存」説を唱えたのですが、『きみと、波にのれたら』で、その説がさらに補強されてしまったように感じます。ひな子が「私には港だけ」「私、このままがいい」と、港にそれはもう恐怖を感じるくらい依存しているのは明らかなんですが、ポイントは港もひな子に依存していることなんですよね。


港はひな子と付き合い始めてから、常に「ひな子が~」「ひな子が~」と、話の主語はひな子でした。それに、先ほどの「十年、二十年、ひな子がおばあさんになっても、ずっとずっと」発言。まるで「ひな子を助けることが自分の存在意義」だと言わんばかりのセリフです。これは、ひな子を助けることに依存しているとも考えられ、完全なる共依存です。「私がいないとダメなんだから~」というアレです。「ひな子が必要な時にはいつでも現れるよ」って、『愛がなんだ』で、マモちゃんからの深夜の呼び出しに嬉々として応えるテルコかよ。


さらに、最大の謎とされていた港が現れる理由。最後まで引っ張るのかなーと思っていましたが、中盤であっさり明かされました。「ひな子が波にのれること」だそうです。ここでもひな子。この行き過ぎた港の滅私精神にはちょっと疑問が残ります。はっきり言ってしまえば、理想的過ぎて人間味に乏しい。カフェを開きたいとは言っていましたが、港のキャラクターはあまり見えてきません。その段階で死なれても、あまり感情移入できないですし、リア充パートで溜めたわりには…という感じです。


で、私は映画を観ているうちに「あ、この映画はひな子が波にのる。つまり、自分の道を見つけて依存から自立する物語なのかなー」って思っていたんですよ。2時間かけて自立を成し遂げるのかなと思いきや、意外や意外、映画中盤でひな子はライフセーバーという自分の道を見つけているではありませんか。え、どうすんの?自立しちゃったよ?目的達成じゃない?と焦りました。まあ実際は救命講習中に港の姿を思い出して逃げ出すなど、全然自立できていなかったのですが。




映画は終盤へと向かいます。昨年の火事を起こした犯人が再登場。展開的にかなり唐突だったのは置いておくとして、ひな子と洋子は犯人を追います。犯人は巨大なクリスマスツリーが貫く廃ビルに潜入し、花火を点火。当然ツリーに引火し、ビルは火の海に。ひな子と洋子はビルに閉じ込められてしまいます。助けはなかなか来ませんが、ひな子は港の力を借りずに脱しようとします。しかし、「俺の願いはひな子が波にのること」という港の言葉を思い出し、例の歌を歌って港を召喚。ここ最初は「結局、港に頼るんだ」と思ってしまいましたが、よく考えると「完全な自立はできない。人は依存しなければ生きていけない」ということを表していたのかなと。


港のおかげで火災は鎮火。ひな子は洋子と一緒に、港が作った波にのります。ここ、ひな子と洋子がめっちゃテカっていて、どことなくエロかったけど、まあそれはそれとして。この展開も個人的には好きでして。それは、この後の千葉ポートタワーでの演出も合わせて、「喪失を乗り越えること≠忘れることではない」という真理が込められているように感じたから。波のように寄せてくる悲しい経験も、うまくのって乗り越えていけ、みたいなメッセージに好感が持てたので、あまりハマらなかったものの後味は爽やかでした。




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・全然まとまってないまとめ




えーと、ここまでで大体5000字ぐらいですか。最初は「書きたいことあまりないな…」と思ってましたけど、案外書けるものですね。でも、そろそろまとめに入りたいと思います。『きみと、波にのれたら』は私にとっては、良いところもあるものの、それ以上にうん?となる箇所が多く、あまりのれない映画でした。『夜は短し歩けよ乙女』や『ルー』で見せた外連味も薄まっていて、作画の力で殴るタイプの映画ではなく、そこも想像と違いました。良くも悪くも一般向けになっています。あとはキャストですね。正直、特に語ることはありません。決して悪くはないのですが、『プロメア』や『海獣の子供』と比べると…という感じです。


でも、個人的にはあまりハマらなかった『きみと、波にのれたら』ですが、ストレートなラブストーリが好きな方には気に入る映画だと思います。あまりハマらなかったことを差し引いても、初日の夜の上映で映画館に5人しかいなかったのは結構辛かったので、よければ観てみてください。




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以上で感想は終了となります。読みづらい感想で申し訳ありませんでした。『きみと、波にのれたら』、かなりシンプルなラブストーリーなので、興味のある方はどうぞ。観て損はしないと思いますよ。


お読みいただきありがとうございました。


おしまい





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こんにちは。これです。もうそろそろ2019上半期映画ベスト10を決める時期ですね。私も今ちょっとずつ考えています。月末にはこのブログで発表したいと思いますので、その時はまたよろしくお願いしますね。


さて、今回観た映画は『ウィーアーリトルゾンビーズ』。長久允監督の長編デビュー作です。が、興行収入はあまり芳しくないらしく、今週の公開なのに、もう今日で終了してしまう映画館もあるとか。私の近所の映画館も今週限りで終了とのことなので、終わる前に急いで観に行きました(というか初週で1日2回だけはないやろ)。


では、感想を始めたいと思います。拙い文章ですがよろしくお願いいたしします。




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―目次―

・キャストについて
・音楽や演出、美術について
・可哀想を逆手に取った映画
・親を亡くした4人の成長物語でもあった





―あらすじ―


両親が死んだ。悲しいはずなのに泣けなかった、4人の13歳。
彼らはとびきりのバンドを組むと決めた。こころを取り戻すために―

出会いは偶然だった。よく晴れたある日、火葬場で出会った4人。ヒカリ、イシ、タケムラ、イクコ。
みんな、両親を亡くしたばかりだった。
ヒカリの両親はバス事故で事故死、イシの親はガス爆発で焼死、
タケムラの親は借金苦で自殺、イクコの親は変質者に殺された。
なのにこれっぽっちも泣けなかった。まるで感情がないゾンビみたいに。

「つーか私たちゾンビだし、何やったっていいんだよね」
夢も未来もある気力もなくなった小さなゾンビたちはゴミ捨て場の片隅に集まって、バンドを結成する。
その名も、"LITTLE ZOMBIES"。
やがて社会現象になったバンドは、予想もしない運命に翻弄されていく。

嵐のような日々を超えて、旅のエンディングで4人が見つけたものとは―

(映画『ウィーアーリトルゾンビーズ』公式サイトより引用)




映画情報は公式サイトをご覧ください。ゲームのようなグラフィックで楽しいです。
















・キャストについて


では、まずキャストについて語るところから感想を進めていきたいと思います。『ウィーアーリトルゾンビーズ』で、主人公ヒカリを演じたのは二宮慶多さん。『そして父になる』で福山雅治さんの子供を演じた俳優さんですね。あれから成長した今作でも、孤独がデフォルトの少年ヒカリを好演していました。眼鏡をかけて大人しい雰囲気が、子供!って感じで好きですし、感情を押しとどめている様子も上手かったです。平坦な歌い方もツボでしたね。


また、イシを演じた水野哲志さんは、弱弱しい空手に愛嬌がありましたし、数多くの作品を経験しているだけあって安定感はピカイチ。反対に、タケムラを演じた奥村門土さんは、これが映画初出演ということで初々しさが感じられて、等身大って感じでした。ベースの位置が低いのには笑った。でも、やっぱりイクコを演じた中島セナさんですよね。一番存在感を放っていたのは。


まず、シンプルに背が高い。スタイルもよくて、最初のシーンで引きの画になったときから凛々しくて存在感が抜群でした。で、その高打点から繰り出される冷たい目つきですよ。見下されている感がたまんなかったです。真っすぐ前を見るときの目力もかなり強くて。予告編でもあると思うんですけど、中盤のカメラ目線で命令口調になるシーン。あれはマゾヒストには最高のご褒美ですよ。ゾクッとしましたもん。


それに、抑揚のない棒読み風のセリフもいいんですよね。突き放している感じで。ライブが始まる前のMCの感情がこもっていない感じもよかったですし、終盤のゴミ収集車の中での、短いセリフの応酬。あのシーンは目力も合わさって最の高ですよ。でも、棒読み風ではあるんですけど、決して棒読みではなくて。感情の抑制がバリバリに効いていて、でも抑えきれずに滲み出る様子とか恐ろしい子…!ってなります。


あとは、バッティングでスマホを真っ二つにするシーンとか、ピアノを弾いているときの色気とか、ヒカリの手を取って逃げ出したときのかっこよさとか、キスシーンの破壊力とかもう上げだしたらキリがないくらい。とにかく一挙手一投足が魅力的。映画の中でイクコは「無差別恋愛」と言われてましたけど、この映画の中島さんにピッタリなキャッチフレーズですね。あれで恋に落ちない男は少ない。それくらいの傑出した存在感でした。これでまだ13歳って嘘だろ…。人生何周目だよ…。クソピアノ講師a.k.a.清塚信也さんが言い寄るのも分かるなぁ。


たぶん、この映画がきっかけで中島さんは知名度も上がり、出演作品も増えるでしょう。おそらく世間にもどんどんと認知されていくと思われます。でも、13歳の中島さんが観られるのはこの作品だけ。いわば一瞬の煌きです。これを見逃してはいけません。いや本当今知っておいた方がいいですよ、中島セナさん。これから来るでしょうし。早めに知って、後で話題になったときに周りに自慢しましょう。その流れでこの映画も再評価されたらいいな。


(映画とは特に関係ありませんが中島さん出演のMVもご覧ください)






あ、言い忘れてました。『ウィーアーリトルゾンビーズ』は脇を固める俳優陣が、佐々木蔵之介さん、池松壮亮さん、佐野史郎さん、菊地凛子さんなど実は豪華なことを。大人の俳優さんが流石の演技で子供たちを支えているので、奇抜な演出下でも腰を落ち着けて観ることができます。個人的には工藤夕貴さんのヒステリックおばさんが好きですね。




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・音楽や演出、美術について


『ウィーアーリトルゾンビーズ』の最大の特徴は音楽や演出、美術をはじめとしたアートワークにあるのは誰もが認めるところでしょう。実際にこれらのアートワークはこの映画を唯一無二のものにしていました。


まずは音楽。『ウィーアーリトルゾンビーズ』では、かなりの時間で8bitのゲーム音楽が流れています。これが胸の奥にあるノスタルジーを喚起させて、耳に残るんですよね。『ウィーアーリトルゾンビーズ』はかなり重たい話だと思うんですが、この音楽のおかげで妙に楽しく観ることができました。


さらに、劇中歌も秀逸。リトルゾンビーズの平坦な歌は、謎の中毒性があります。今も頭の中で「ウィーアー、ウィーアー、リトルゾンビーズ」が流れていますもん。歌詞も書き下ろしとあってバッチリ映画の内容を補完していますしね。それにリトルゾンビーズ以外にも「タコの知能は3歳児」や、ホームレスの大合唱シーンなど盛りだくさん。特にホームレスのシーンはミュージカル的な趣もあってよかったですね。松浦祐也さんはホームレス系の役ばっかだ。





また、演出も冴えに冴えているわけですよ。今回目立ったのがゲーム的な演出。ホームページもそうですけど、オープニングムービーもファミコンチックなゲーム調のものになってました。他にもセリフがピコピコ音とともに表示されたり、シーンをSTAGE〇〇と分かりやすく区切ってくれていたりと魅力的な演出が満載です。


さらにはカメラワークもやりたい放題。上から映してみたり、顔が画面に収まらないほどドアップにしてみたり、ドキュメンタリーチックに画素数を落としてみたり。もうやりすぎだろってぐらいに変幻自在。でも、そこまでストレスにはならなかったので、多分緻密な計算によるものなんでしょうね。とても印象的で、こういう撮り方をする長久監督の作品をまた観たいなと感じました。


加えて、美術もいいわけですよ。まず、衣装やヘアメイク。リトルゾンビーズとしての4人の衣装はポップでサイケで不思議な可愛さがあります。ホームレスのシーンではその汚さと人懐っこさがシーンにパワーを与えます。それに、セットもよくて。ゴミ捨て場は本物のゴミを使っているとのことで、リアル感がありましたし、音楽番組のキ〇ガイなCGには脳みそをかき回されそう。小道具も中華鍋やキーボードなど印象的なものが数多くあり、観る者を飽きさせません。これらのアートワークが重なり、『ウィーアーリトルゾンビーズ』は重いんだけど楽しいというよく分からない(褒めてる)映画となっていました。斬新な表現の数々は一見の価値ありです。




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※ここからの内容は映画のネタバレを含みます。ご注意ください。








・可哀想を逆手に取った映画


ただ、『ウィーアーリトルゾンビーズ』は、音楽や演出はポップでエッジが利いているんですけど、その実はかなり重たい話なんですよね。ヒカリ、イシ、タケムラ、イクコは全員両親を失っていますし、心に傷を負っています。自分なんて死んだほうがいいって思ってますしね。そんな彼らを見て、私たちがどう思うかというと可哀想なんですよ。私も可哀想と思って胸が締め付けられそうになりましたし。でも、この映画はそんな可哀想と思う気持ちを逆手に取った映画なんですよね。


まず、私たち大衆って可哀想が大好きなんですよ。人の不幸は蜜の味とまでは言いませんが、人間には不幸が必須で。でも、自分は不幸になりたくないから、他人の不幸を摂取してお腹を満たしているんですよね。


で、私たち大衆って感動もしたいんですよ。可哀想な人間が周囲の助けに支えられて、様々な苦難を乗り越えて生きていく。お涙頂戴のTVショーを欲しているわけですよ。だとすれば、両親を失った子供たちにはできるだけ悲痛な面持ちをしていてもらいたい。そこからの再起への振れ幅が大きければ大きいほど、悪い言い方をすれば映える。そして、エモい


映画の中で、リトルゾンビーズの演奏を見たマネージャー望月が、バズる要素が揃ってるみたいなこと言ってましたけど、それも彼らが可哀想だからですよね。親を亡くした少年少女の魂の叫び的な?バズるのってたぶん現象だけじゃなくて、背景にあるストーリーが必要なんですよ。例えば、その辺の人が普通に募金お願いしますって言っても大して集まらないですよね。でも、これが難病の女の子に手術を受けさせるために募金をお願いしますと言ったらどうでしょう。笑われるだけだった行為も、写真を撮られて拡散されてバズって。おそらく募金は比べ物にならないくらい集まるんじゃないでしょうか。これも女の子を可哀想だと思う心情からです。


これも映画の中で、作品と作り手のバックボーンは切り離すことができないみたいな話がありましたけど、これもその通りだなと。あるアーティストの作品が不祥事を起こした瞬間に、売れなくなったりとかあるじゃないですか。全てはイメージなんですよ。クオリティが下がらなくてもイメージがダウンすれば、売れないし見放される。大人ないし大衆は、リトルゾンビーズに可哀想というイメージを持っていて、実際にそうであってほしいと願います。いわば、これは悲劇を売り物にしているんですよね。だってその方が何もないより売れるもん。


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でも、リトルゾンビーズはその大衆の可哀想に反抗します。大人は彼らを可哀想なモノとして売り出そうとしているんですけど、でもそれはリトルゾンビーズの意思ではない。リトルゾンビーズ結成前の彼らの独白の時のバックには色彩がありましたけど、リトルゾンビーズとして取材を受けていた時にはグレーで色彩がないんですよ。これは結成前の彼らはまだ感情を持っていて、それが大人に使われる、消費されるうちに失せていったと私は思っているんですけど。で、また最後には色彩が戻って。感情が戻っていった感じがして、爽やかで好きですね。


それと彼らはエモいも古いって切り捨てているんですよね。大衆は彼らが再起していく姿を見てエモさを感じたいんでしょうけど、それはステレオタイプな考え方だと。だって終盤の彼らはどうですか。当たり屋して、清掃員を刺して、ゴミ収集車を奪って、そのゴミ収集車を乗り捨てて、最後はどこへ向かうでもなく歩いていく。事態は好転するどころか悪化しているんですよ。こんなもの大衆が望む再起の物語とは真逆じゃないですか。彼らは「これから平凡な人生を送る」みたいなことを言ってましたけど、まあ間違いなくこの後は逮捕されますよね。あ、でも彼らはまだ13歳だから、少年法が守ってくれるのかな?


まぁそれはさておき、『ウィーアーリトルゾンビーズ』は反骨精神が元にあると考えられます。勝手に可哀想だねって決めつけるなよみたいな。その意味では観客(私しかいなかったけど)に強烈なカウンターパンチをお見舞いしてきたとも言えますね。(視覚的にも)目の覚めるような攻撃を食らって、確かな印象が残りました。




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・親を亡くした4人の成長物語でもあった


さて、『ウィーアーリトルゾンビーズ』は反抗的な部分も多くあるんですが、根底に流れているのは「生」の肯定です。この映画は生きることを放棄しかかっていた子供たちが、生きていると実感する物語なんですよ。


両親を失った4人は、自分のことを感情のないゾンビみたいだと考えています。生きているか死んでいるのかも分からない。つまり死んでいても何の問題もないと。自分の存在を肯定できないんです。


ただ、同じようにゾンビのような彼らと出会い、過去を明かしあって、4人で過ごすようになります。そして、ヒカリがおばさんに連れられて福島に行くところを、イクコが中心となって他の3人が止めて、別の新幹線に乗る。


この新幹線のシーンが個人的には重要だと考えていて。イクコはたまに写真を撮っていたんですけど、現像はしないんですよね。それは現像したら思い出になってしまうから。イクコが取りつかれたように今今言っていたように、彼らには「今」しかないわけですよ。両親のいた過去は失われて、かといって未来も見えず、今この瞬間しかないんです。


4人は新幹線に揺られて、ゴミ収集車を奪って、ヒカリの両親が死んだ事故現場に向かいます。まあこれは映画を観てほしいのですが、ヒカリは夢の中ですけど死を選ぶんですよね。でも、他の3人に引き戻されて、生きることを選ぶ。それは事故現場で止まらずに通り過ぎたことにも表れていると感じます。


そして、映画はエンドロール前のラストシーン。ここで交わされる会話がよくて。「もうすぐ終わりだけど何も感じないね」「だって人生はまだ続くんだもの」って会話だったんですけど。ここで彼らは「未来」を見ているんですよね。そして、これからも人生が続くことを認める。生きているか死んでいるか分からないゾンビからは脱したわけですよ。いつの間にか喪失を乗り越える成長物語に着地していて、広大な草原の風景と相まって妙な爽やかさがありました。


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ただ、ゴールはよかったんですけど、そこに至るまでの過程がちょっと物足りないかなというのは感じました。4人のバックボーンはわりと丁寧にやっているんですけど、リトルゾンビーズを結成してからの展開がちょっと唐突に感じてしまって。もう少し結成してからのシーンが欲しかったかなと。本当に若干なんですけど、置いてけぼりを食らってしまう時間帯もあって。個人的には好きなんですけど、手放しで絶賛は少しできないかなと感じました。


いや、音楽や演出は相当に面白いことをやっているんですけどね。あと今見ておけば「俺はこの時から中島セナさんを知ってたんだぜー」となること請け合いなので、観て損はないかと思われます。というか観て。全然観られていないみたいだから。興行収入が長久監督らスタッフにそのまま入るわけじゃないんですけど、でもある程度の数字を残せなければ、長久監督に撮らせても売れないから止めとこうみたいになるじゃないですか。まあインディーズでも撮り続けるとは思うんですけど、それじゃあ長野のような地方には届かないわけですよ。個人的にはまた長久監督の映画が観たいなーと思うので、どうか皆さん観てください。埋もれさせるなゾンビーズ




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以上で感想は終了になります。『ウィーアーリトルゾンビーズ』、物足りない部分もありますが、それ以上に音楽や演出に魅力がある映画なので、気になっている方は観てみてはいかがでしょうか。長久監督のクリエイティブを持続させるためにもね。よろしくお願いします。


お読みいただきありがとうございました。


おしまい


ウィーアーリトルゾンビーズ
長久 允
キノブックス
2019-06-06



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6月に入ってから1分1敗と勝ち星のないAC長野パルセイロ。先週のFC東京U-23戦もかろうじて追いつき勝ち点1の獲得にとどまり、3勝4分5敗の勝ち点13で12位と足踏みが続きます。そして、今節の相手はザスパクサツ群馬。4勝3分4敗の勝ち点15で9位につけますが、直近2試合は連勝しており、調子を上げてきている相手です。バトルオブ上信越の第3戦となったこの試合、パルセイロはどのように戦ったのでしょうか。


では、観戦記を始めます。よろしくお願いいたします。















この日は特に用事もなく、キックオフの2時間以上前の14時40分あたりにUスタに到着。シャトルバス乗り場から降りると…


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いきなり歩いてくる湯友くんを確認することができました。コンコース上でライオーとお出迎えをすると思っていたのでこの展開は意外です。


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初めてUスタにやってきた湯友くん。凛々しい眉毛が可愛いですね。


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Uスタには先行入場者が列を作っています。今日のUスタは曇り。ただ、昨日のようにドン曇りというわけではなく、ところどころに晴れ間ものぞいていますね。雨も少しだけしか降りませんでした。






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この日のラインナップ。イベントがいつもより多めで、ライオーと湯友くんのぬいぐるみの前に飾られた造花が素敵です。


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コンコースは2時間以上前だというのに、人が多くいて、


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パルナンデスのブースも地味に移動しています。


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グッズ売り場横にはスヌーピーとのコラボグッズやバトルオブ上信越のグッズの特設コーナーが。購買意欲をそそられます。






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会場に流れる音楽に合わせてドラム缶を叩くライオー。ノリノリでライオー可愛い。ライかわ。


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そんなライオーを横目にグッズ売り場へ。この日のお目当てはこちら。


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湯友くんのキーホルダー(400円)です。いつもはあっという間に売り切れてしまうこちらのキーホルダーですが、今日は先んじて手に入れることができました。


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並べてみるとこれまでに4人のキーホルダーを手に入れ、少しずつ賑やかになってきたように感じます。取りこぼしたものも多いですが。




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サポーターの方から渡された装飾を掲げるライオーと湯友くん。これは別にライオーと湯友くんが結婚したわけではなく、長野サポと群馬サポが結婚したらしく、二人と一緒に幸せな写真を撮っていました。


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カメラマンに戦っているポーズをお願いしますと言われたときの二人。ファイティングポーズをとってやる気満々です。


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ポーズを解いちゃう湯友くんが愛らしい。


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もう一度、写真用にポーズを取り直します。


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顎に手を当ててキメているこんな写真も撮れました。湯友くんのドヤ顔が新鮮です。




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隣県というだけあって群馬サポも多く来場していました。待機列がここまで伸びているの見たことない。


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そして、アウェイ側入り口であるゲート3付近には、この日小川村は「信州小川の庄 縄文おやき村」さんとconnex coffeeさんが出店していました。おやきは6種類ほどあり、いずれも180円とリーズナブルな値段設定。せっかくなので二つ購入です。長野県民っていうほどおやき食べないですし。


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りんごを煮詰めたスイーツなおやきと


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定番の切り干し大根の二つをいただきます。どちらも具はもちろん、厚い生地が存在感があって美味しかったですね。





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その頃ライオーと湯友くんはグッズコーナーにいたり、

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長野サポから差し入れを貰ったり、


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タオルマフラーにサインをしたりしていました。


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腰に手を当てると湯友くんは、風呂上がり感が増していいですね。


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シンプルに立つ湯友くん。鉢巻が少し斜めになっているのがチャーミングです。


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この構図好き。


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二人でコラボグッズを宣伝です。なお、この日もコラボおにぎりが販売されていたのですが、ライオーが長野サポに購入を勧めていました。ライオーできる子。















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ステージでは試合前事前番組パルナンデスが始まっています。この日も元気にグッズの紹介をしていました。


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また、この日はユニフォームサプライヤーであるPENALTYマッチデー。コンコース下にはPENALTYブースが設置され、様々なグッズが販売されていました。


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その中でも私が欲しかったのが限定コラボTシャツ。単純にデザインがかっこいいからというのもありますが、Tシャツを買うともれなく抽選できるのが魅力的でした。景品の壁時計が欲しかったんですよねー。今の部屋に壁時計がないのまあまあ不便ですし、一目で時刻が知れたらなと。


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結果はひいた瞬間に分かるほどの大外れ。Tシャツだけが手元に残りました。壁時計通年で販売してくれないかな。でも、壁に勝手に穴を開けたら怒られますよね…。あ、Tシャツはせっかくなので夏場に着たいと思います。







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このとき、一般入場開始から15分ほど経っていましたが、ライオーはまだお出迎えを続けてくれていました。ありがたし。


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こちらがこの日貰ったマッチデープログラム。


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プレイヤーズインタビューは#21立川選手。予想外に早い出場だったようですね。ホームタウンページは前日と変わらずに小川村となっています。


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この日のピッチ状況も良好。不安は天気が持ってくれるかどうかです。いかにも持たなそうな雰囲気ですけど。





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もう一度外に出るとライオーがチケットのもぎりをしていました。そこの子供よ。代わってはくれないか。


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さらにこの日は小川村のキャラクター、おやキングも登場。来場はホーム開幕戦以来二度目ですかね。だんだん好きになってきました。


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この日は朝に少し食べて以来、何も食べていなかったので、このあたりで空腹に。迷った結果、千曲市はそば処小六さんの、


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鴨蕎麦(700円)をいただきました。ツユが少し濃いめですけど、これからの時期、屋外で食べることも考えるとこのくらいでいいのかなと思います。とろける鴨肉が美味しかったです。




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その頃、ステージには群馬サポが登壇。群馬サポと言えば特徴的なのが湯もみ娘の方々。本日は8人のフルメンバーで来場されていたようです。当日募集で比較的誰でもできるよう。


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メンバー表を見ながらトークをします。湯もみ娘の方々の注目選手は#17髙澤選手。2試合連続で2ゴールを挙げている大卒ルーキーで、かの小柳ルミ子さんの親戚らしいです。LINEを送っているものの、小柳さんは群馬の試合は見ていない様子。まああの人はヨーロッパサッカーしか見ないからしょうがない。


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その反対側、通称思い出の丘では1on1グランプリが行われていました。群馬サポ対長野サポ、同じ7番同士の対戦です。どうやらサポーター同士のチーム戦の様相を呈していたよう。ちなみにこの試合は群馬サポがすぐに勝っていました。


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第2ゲート付近で貸し出されているゲーフラ。雨だと広げられることはなかったと思うのでそこはよかった。




外での用事(主にご飯)を済ませて、再びスタジアム内に戻ります。席に着くと、間もなくピッチで事前番組パルセイロTVが始まりました。


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進行はおなじみの3人。


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ゴール裏から見るとこんな感じ。おやキングの焦げた頭の存在感よ。


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今回の特別ゲスト・湯友くんもピッチにやってきました。アテンドの方に鉢巻を直されていた後ろ姿が愛おしかったです(写真はない)。


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こちらを向いてくれるライオーとおやキング。おやキングゆるい…。




そうこうしているうちにも番組は進行。まず最初のゲストはPENALTYの取扱会社、ウインスポーツの野﨑克二社長です。まさか社長自ら来ていただけるとは。


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毎年いいユニフォームをありがとうございます。


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ビジョン越しに野﨑社長の話を聞くライオーと湯友くん。後ろ姿がいい味出してます。


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これは始まる前の写真ですけど、このように仲のいい姿を随所に見せてくれました。


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誰を指差しているのかは分かりません。でもなんかカッコいいです。


パルセイロTVでは野﨑社長の挨拶も終わり、続いてはこの日のピックアップホームタウン、小川村の紹介です。

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観光協会の徳武さんとおやキングがこの日Uスタにやってきてくれました。


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小川村パートナープレイヤーは#19三上選手とレディースから#19巴月選手。どちらも19番ですね。ここタイミングが合わなくて少しグダってたけど気にしない。


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オーロラビジョンでは小川村の紹介ビデオが流れます。長閑。


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VTRを見るおやキングの後ろ姿がシュールです。


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小川村のビデオ(半分ぐらいおやきのことだった)も終わり、徳武さんのトークに。


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小川村の最大のイベント、おまつりスペシャルは今年は10月20日開催だそうです。パルセイロはその日アウェイゲームなので、そちらに行けない方は参加してみてはいかかでしょうか。パルセイロも何かしらで絡む、はずです。


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徳武さんとおやキング、今日はわざわざありがとうございました。


まだまだこの日のパルナンデスは続きます。最後のコーナーは湯友くんが満を持して登場。バトルオブ上信越の一環、マスコット対決を行います。

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ライオーはいつもの通り飄々としていて、湯友くんはやる気満々です。


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第一試合はあっち向いてホイ対決です。前回と同じく体でじゃんけんをします。


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ゴール裏からは歓声も聞こえる中、あっち向いてホイ対決がスタート。


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じゃんけんでは湯友くんが勝利し、

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あっち向いてホイ!湯友くんが右を指差したのに釣られて、ライオーも右を向いてしまいます。完全に後から首が動いてました。


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第一試合は湯友くんが一撃で勝利。ゴール裏に向けてガッツポーズを作ります。負けて寝そべるライオー。平面感がたまらない。


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負けたのがショックだったのかライオーはなかなか立ち上がれません。でも大丈夫。あと2試合あるから。




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ライオーも再び立ち上がったところで、第二試合は相撲対決です。ロープで区切られた土俵の中で押し合います。


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はっけよーい、


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のこった!


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試合は一進一退。ですが徐々にライオーが湯友くんを押し始め、最後は土俵の外に出して勝負あり。押し出しでライオーが勝利し、星を五分に戻します。


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最後の対決に向けて、サポーターを煽るライオー。最後の対決はサッカーらしくPK対決です。


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体じゃんけんで先攻後攻を決めます。


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じゃんけんに勝ったのは湯友くん。当然有利な先攻を選びます。ライオーじゃんけん弱い…。


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長野サポはブーイングでアウェイの雰囲気を作り出します。その雰囲気に圧されたのか湯友くんのキックは真ん中に。正面のキックをライオーは難なくセーブしました。ライオーがマスコット相手にPKを止めているところ初めて見た気がする。


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ライカくんとの対戦の時に果たせなかったPKストップをして、このガッツポーズ。見たかという感じでしょうか。


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攻守が交代して、次はライオーがキッカーです。


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ライオーは前回の反省を生かして、ゴール右隅に落ち着いてシュート。コースを狙ったボールに湯友くんは追いつけず、見事ゴールです。小さくガッツポーズを作るライオーが可愛い。


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そして、湯友くんの2回目。これを止められれば、一気にライオーが有利になります。


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湯友くんは今度はゴール左にキック。


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しかし、これもライオーの守備範囲でライオーは二連続でセーブに成功します。今日のライオーは何かが違う。


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さあ、これを決めればライオーの勝ちというキック。


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ライオーは一回目と同じく右に蹴ります。一回目よりはややコースが甘かったのですが、それでも湯友くんは追いつけずにゴールイン。


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PK対決は2-0でライオーの完勝。両手を上げてガッツポーズに喜びが滲みます。そしてトータルでも2対1でライオーが勝利しました。えらいぞライオー。すごいぞライオー。




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終わった後にはがっちり握手。対決が終わればノーサイドです。


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そうして最後には湯友くんも交えてのAC長野コールです。一人で帰ろうとした湯友くんを引き留めたライオーの優しさが沁みます。


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盛りだくさんだったこの日のパルセイロTVもこれにて終了。見たいものが見られて満足です。


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二人ともありがとうございました。
















パルセイロTVが終わったら選手のウォーミングアップですが、群馬サポはアップを始める前から声を出していました。100人以上のその声援はJ3ではなかなか体験することができず、声が波となって襲い掛かってくるようでした。この日に懸ける気合を感じます。


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群馬サポの大声援が響く中、GKが入場しました。


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気合の入った群馬サポに対し、パルセイロサポもAC長野コールの大合唱で対抗します。ただ、なかなか熱が持続しません。


GKが入場してしばらくするとフィールドプレイヤーが入場しました。

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アップの最中も群馬サポはGKがセーブしたりシュートを決めた時の反応が大きかったですね。


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この日のアップでは#29山田選手がよくシュートを決めていて調子がよさそうでした。ただ、試合中にシュートを打つチャンスは訪れなかったんですけどね…。




では、ここでこの日のスタメンです。





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パルセイロは前節からスタメン2人を変更。#13山口選手#23大城選手がリーグ戦初スタメンを飾りました。前線の配置も少々変更し、3試合ぶりの勝利を目指します。フォーメーションは3-4-2-1。


一方の群馬は前節からスタメンの変更はなし。調子のいい子のメンバーで3連勝を狙います。フォーメーションは4-2-3-1。


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アップを引き上げ、グラウンドキーパーキッズによる芝生の整備を終えた後は毎試合恒例のリスペクト宣言です。


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この日の子は群馬名物のこんにゃくにこんにゃくゼリーをかけて、好きなこんにゃくゼリーの味を聞いていました。私はブドウ味が好きです。


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群馬のこの弾幕正直好き。


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リスペクト宣言後には大型ビジョンにU-15の活躍が映し出されます。松本山雅FCU-15に2-0で勝利し、見事長野県クラブユースサッカー選手権大会を優勝。北信越クラブユースに進出したとのことです。U-15とはいえ信州ダービーに勝利するのは心地がいいですね。





さあ、いよいよ選手入場です。


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テンションの上がる両チームサポーター。


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ホームのパルセイロサポはおろか、群馬サポまでビックフラッグを掲出してきたのには驚きました。気合が目に見えるようです。


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前半キックオフ!


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後編に続く






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