こんにちは。これです。もう年末ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。平成から令和に変わった今年、様々なことがあったのではないでしょうか。


私は今年はブログを書いたり、小説(のようなもの)を書いたり、とにかく何か書いていた一年でした。少しずつ書くことは大変になってきていますが、楽しさもなくはないので、来年も続けていけたらなと思っています。


さて、今回のブログは年末のお楽しみ、2019年映画ベスト10!ではなく、今年観たけれど、感想を書かなかった映画の感想を短いけれど、まとめて書いちゃおうという企画。題して、「2019年この映画も観てました」です。


私は、今年観た映画は実に124本。その中でも多くの映画の感想をブログに書いてきたのですが、時間がない、どう書いたらいいか分からない、書いている途中に寝落ちしてしまったなどの理由で、感想を書かなかった映画も数本あります。それらの映画に対しては、常々申し訳ないなと思っていたので、短くてもいいから思ったことを書こうと、今回の企画を思い立ちました。


古いもので半年前から、最近のものだと先週観た映画まで。映画の内容を思い出すのはなかなか大変な作業でしたが、観た後にブログ用に書いていたメモがあったおかげで何とか書くことができました。


なお、今回取り上げるのは9本です。それぞれ短く、また拙い文章ですが、何卒ご笑覧していただければ幸いです。では、よろしくお願いいたします。





―目次―


・Noise
・ライオン・キング
・存在のない子供たち
・ひとよ
・影踏み
・地獄少女
・ゾンビランド:ダブルタップ
・屍人荘の殺人
・羊とオオカミの恋と殺人











・Noise



faa




舞台は東京・秋葉原。10年前の秋葉原無差別殺傷事件の被害者遺族である桜田美沙(篠崎こころ)を軸に、家出する女子高生、生活苦の配達員の3人の等身大の地獄を描いた一作です。その地獄っぷりは今年観た映画でも随一。地下アイドルの傍ら、JKリフレで働く桜田。「お前が死ねばよかったのに」という叫び。彼ら彼女らの姿はまさしく生き地獄といえるもの。絶望一色で、ちっぽけな暮らしに価値があるなんて幻想を粉々に破壊してきていて、個人的には『ジョーカー』よりも堪えました。1シーン1シーンが長めなのが少しキズですけど。


それと、主人公三人の中では配達員を演じた鈴木宏侑さんがとても良くて。価値が見えてこない生活を繰り返す中での無気力が痛いほど伝わってきました。でも、そんな現実にはやはり抗いたくて。鬱屈した感情が爆発した電話ボックスのシーンはもう心が痛んで見ていられない。鈴木さんの責め立てるような口調が、諭す警察官の優しい口調に虚しくされていて、とても残酷。「生きていればいいことあるよ」という楽観論を「お前に何が分かんだよ」という悲痛な叫びで叩き潰す


現代の日本は無差別殺傷事件が頻発し、格差も拡大。残念ながら、この映画に収められた彼ら彼女らの姿はマジョリティーになりつつあります。現在、上映している映画館はなく観ることはできないのですが、機会があれば観ていただきたい映画です。彼ら彼女らと私たちは紙一重であることがお分かりいただけるかと。










・ライオン・キング




fab




言わずと知れたディズニーの名作が満を持して実写映画化。超実写版と銘打たれているだけに、映像は目を見張るものでした。毛並みの一本一本にまでこだわられたCGは、リアルな動物の姿をスクリーンに完全再現。人間は最後まで一人も出てこず、動物だけで押し切ったのには新時代の到来を予感させます。「サークル・オブ・ライフ」が流れ、数多の動物たちが映されるオープニングは圧倒的でした


ただ、正直このオープニングが映画のピークだと感じてしまいました。オリジナルのアニメ映画版を全くなぞったストーリー展開。アニメを先に見ていたので展開は全て分かってしまい、退屈に感じた瞬間も多数。虫ばっかり食べていたシンバがどうしてあんなに立派に成長したのだろうという疑問もあり、実写になったことでかえって、アニメ映画版の寓話的な風味を失ってしまったようにすら感じられます。


それでも、オリジナルにはない展開があるかもしれないと信じながら観ていましたが、最後まで真新しい展開は見られず。悪い意味で原作に忠実でした。エンドロールに入ったときには、怒りすら覚えましたからね。今年観た映画の中でもワーストの部類です


『メリーポピンズ・リターンズ』や『アラジン』(観てない)もそうでしたが、近年のディズニーはネタ切れなのかリメイクや続編ばかりに走っていて、個人的にはあまり好きではないです。もっとオリジナルが見たい。その意味でも、来年の完全新作『2分の1の魔法』には注目ですね。









・存在のない子供たち



fac




アカデミー賞の外国語映画賞にもノミネートされたレバノン映画。身分証明もされず、学校にも行けない少年ゼインの苦闘を描きます。妹は金持ちの男に売られ、家出をするゼイン。途中、赤ちゃんのヨナスと二人きりで暮らすシーンは、誇張されないこの世の地獄を観ているようで、ただただ辛かったです。大人は嘘つきで、神様なんていない。それでも最後には希望を持って終わるのが、この映画の良いところ。あのゼインの笑顔は、今年でも指折りのラストでした。


日本にも戸籍のない人は存在していますし、何も考えずにセックスして、子供を産んで、産んだ子供を虐待する親も珍しくありません。「世話できないなら産むな」というゼインの主張はもっともでしょう。なんとかしてこの映画を義務教育に組み込めないかと、観終わった後思わず考え込んでしまったほどです。中国でもヒットしている事実が重い。夢を操る機械があったら、私はこの映画を見せるために使いますね。


でも、何も考えずセックスする人の方が動物としては正しいですし、この映画を観ると、子供を授かろうとはあまり思えなくなるはず。でも、この映画が多く見られることで、存在を知られて救われる子供も確かにいると思うんですよね。観てほしくないけど、観てほしい。そんな複雑な気持ちになる映画でした。














・ひとよ



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『凶悪』『孤狼の血』などで知られる白石和彌監督の最新作は家族がテーマ。ある大雨の夜、父親を殺した母親。当然収監され、三人の子供は母親を失い、苦労の日々を送ることに。そして15年後、釈放された母親の帰宅により、子供たちにも変化が起きる―といったストーリーです。一見すると重い内容ですが、映画自体は笑えるシーンもあり、予想以上にポップな仕上がりとなっていました。想像していたものと少し違って面喰いましたし、この軽さは白石監督にはあまり合ってないのでは、と個人的には感じてしまいました。


でも、俳優さんたちは全員が良かったんですよね。佐藤健さんは母親の帰宅を受け入れられない次男の不器用さが、鈴木亮平さんは現実を受け入れるしかなかった長男の悲哀が、松岡茉優さんは母親の帰宅に素直に喜ぶ一方で、夢を諦めざるを得なかった長女の複雑さがそれぞれ光っていました。三人でタバコを吸うシーンは、なんてことないシーンでしたが、蓄積を感じられて好きなシーンです。また、母親役の田中裕子さんが変に重くなりすぎず、努めて明るく振る舞っていたのが、映画を明るくしている一方で悲しかった。俳優さんの演技の掛け合いを存分に楽しむことのできる映画といった性格が強かったですね。


ただ、心残りなのが、あくまで個人的なことなんですけど、度の合わない眼鏡でぼやけた状態で観てしまったこと。楽しむよりも疲れが先に来てしまったんですよね。で、もう一回ちゃんと観てから感想を書こうと思ったんですけど、地元の映画館ではすぐに上映が終わってしまって、できませんでした。本当に申し訳ありませんでした。










・影踏み



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「ノビ師」と呼ばれる泥棒・真壁修一が、親友の刑事の死を解き明かしていくミステリー。山崎まさよしさんはなかなか映画で観ることはないですが、渋くてカッコよかったですし、北村匠海さんの自然体な感じも好印象でした。尾野真千子さんの芯が通っている姿も良かったです(山崎まさよしさんと同年代には見えないけど)。ただ、ストーリーは淡々と進んでいくので、それほど惹かれず、あまり良い映画ではないのかな......と思っていましたが、後半の展開で一気に好きになりました。


この映画の肝は修一には双子の弟、啓二がいたということ。啓二はもう死んでしまったのですが、その過去編で北村匠海さんが、一人二役で修一と啓二を演じているんですよ(北村匠海→小栗旬→山崎まさよしという系譜です)。黒髪の修一と金髪の啓二。私は北村匠海さんが好きなので、ここだけでもう1億点くらいの加点ができます。


『寝ても覚めても』でも思ったんですけど、私は画面に同じ俳優さんが二人いるというのが好きみたいです。「北村匠海分裂ムービー」として、拍手を送りたくなりましたね。正直、話はそれほど面白くないですし、ヤクザとかいろいろほったらかしですけど、北村匠海さんが二人いれば全てOKなのです。


そして、終盤には滝藤賢一さんまで分裂しだすのですから、もう大変。好きに拍車がかかり、よく分からない興奮状態に陥っていました。『影踏み』は話以外の部分が面白かった映画ですね。それだけに、もっと話の部分で面白みを感じたかったかなと思います。











・地獄少女



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望む相手を地獄に送ることができる「地獄通信」にまつわる人々を描いた『地獄少女』。アニメも漫画も何にも『地獄少女』に触れたことのない私が、なぜこの映画を観に行ったかというと、ひとえに玉城ティナさんが主役の閻魔あいを演じていたからです。この映画の玉城ティナさんは期待以上の凛々しさを披露。雰囲気が全く違う異形の存在。日本人形みたいにかっこよく、観ていてゾクゾクしました。「いっぺん、死んでみる?」という決め台詞があるのは強いですね。これだけでも、私はこの映画好きですよ。


また、この映画は『コワすぎ!』などの白石晃士監督がメガホンを取っただけあって、ホラー的な要素が結構強めでした。斬首や轢死などグロ描写からも逃げていなくてそちらも好印象でした。CGも結構頑張っていましたしね。あと、今回の敵が教祖化するV系ミュージシャンということもあり、意外なほど音楽が印象的な役割を果たしていました。ある意味、今回の『地獄少女』は音楽映画ともいえるかと思います。


ただ、少し残念な点として、主人公の動機が薄いかなという感じはしました。この映画の主人公・美保は『天気の子』の森七菜さんが演じていて、森七菜さん自体はピュアで良かったのですが、友だちを取り返すためというのは……。他の人たちが息子を殺されたり、未来を断たれたりしているのに比べると、弱いというのはあるのかなと。正直、あの二人がそこまでの仲だとは思えませんでした。


あと、映画公式サイトの相関図が映画の内容を全てネタバレしちゃっているので、そこはどうにかしてほしかったです。


















・ゾンビランド:ダブルタップ



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2009年公開の『ゾンビランド』が、10年の時を経て続編登場。コロンバス、タラハシー、ウィチタ、リトルロックのキャラクターは大体そのままで、実家のような安心感がありました。リトルロックはふくよかになってましたけどね。ゾンビランドの世界だと食べるものが無くて、痩せそうな気がするんですが。


映画自体は、とにかく観ている人を楽しませることを優先。オープニングでメタリカはテンションが上がりますし、コロンバスとタラハシーのそっくりさんも出てきて、迫力のあるバトルを展開します。新キャラクターのマディソンの軽いノリが、いい意味でウザくてよかったですね。吹替をした安達祐実さんは流石でした。4人のピンチに助太刀が入るという熱い展開もしっかり確保されており、とても優秀なエンターテインメントだと感じました。


また、前作では殺されるためだけに登場したビル・マーリーが不憫でした。制作陣もどうやら同じことを考えていたようで、エンドロール後にビル・マーリーの活躍するシーンがあったのは嬉しいサプライズ。ただ、それを踏まえても個人的には前作の方が好きなんですよね。『ダブルタップ』も良かったんですけど、ノリに慣れてしまって新鮮味が薄くなっていった面は否めないと思います。










・屍人荘の殺人




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話題のミステリー小説を映画化したこの作品。予想外の展開を含んでいて、ネタバレが大きな致命傷となるタイプの映画なので、ネタバレをしない範囲で言うと、まず俳優さんたちが最高。神木隆之介さんは頼りないけど成長していく主人公をさせたら一級品ですし、中村倫也さんは真面目に小さなことをやるギャップがおかしかった。浜辺美波さんのコメディエンヌっぷりも際立っていて、えげつないくらいの可愛さはこの映画の一番の長所です。個人的には『ミスミソウ』や『小さな恋のうた』に出演した山田杏奈さんが脚光を浴びていたのが嬉しかったですね。


また、この映画は結構序盤で予想外の展開になります。ただ、「ああだから『屍人荘の殺人』っていうタイトルなんだ」と納得できるもので、事件のトリックにもそれを利用していたのが新鮮でしたね。特に殺人の手段を持たない犯人に、上手く手段を与えていてうまいなと感じました。


ただ、全体的にはレントゲンなどコメディっぽい演出が多く、あまり乗り切れず。終盤の展開にはガッツポーズですけど、ラストシーンは別になくても良かったんじゃないかなと。ミステリーにもあまり詳しくないので、専門的なことも書けず、気づいたら感想を書かずにマクドナルドでハンバーガーを食べてました。好きか嫌いかで言えば、好きなんですけどね。どうやって書くか迷ってしまった感じです。











・羊とオオカミの恋と殺人




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マンガボックスの人気漫画『穴殺人』の映画化です。この映画について言えることは、とにかく福原遥さんがかわいい。この映画の福原さんは殺人鬼なんですけど、人を殺した後の笑顔にはこんな表情出来るんだと思わされました。特徴的な声も殺人鬼とのギャップでいい方に働いていましたしね。また、屋上のシーンなど福原さんをかわいく取ることに成功していて、これだけでもこの映画には価値があると思います。


また、杉原遥亮さん演じる黒須は自分に生きている意味がないと思っています。彼が暮らす部屋の汚さ暗さは今年観た部屋の中でも随一の生活感がありました。そんな黒須が生きたいと思うようになるストーリーの骨子はベタだけれど好きなものでした。人は悪い部分も含めて人をまるっと好きになれるのか?というテーマも良いです。


ただ、黒須のリアクションや(飲み物を3回も吹き出すのは流石に……)、江口のりこさんのいかにもWEB漫画的なキャラクターなど細かいところが気になり、全体的にはあまり乗り切れず……。最後の福原さんのアクションも、それまでのリアリティラインを越えてしまったように感じられました。好きか嫌いかで言えば好きなんですけどね。

















以上で、「2019年この映画も観てました」は終了となります。いかがでしたでしょうか。


こうしてみると、個人的にはあまり乗り切れなかった映画が多いですね。『存在のない子供たち』は年間ベスト30くらいには入りますし、好きな映画もあるんですけど、やはり取っ掛かりがないと書きにくいようです。


でも、それも映画館に観に行ったからこそ感じられたことで、観る映画観る映画全てが傑作というわけにはどうしてもいきません。このような感想を書きづらい映画も、私にとっては必要な映画でしたね。


やはり映画は観てみないと分からない。まだ知らない面白い映画に出会うために、来年も多くの映画、具体的には100本前後を目標に映画館に足を運んでいきたいと思います。そのなかには感想を書けない映画もあるでしょうけど、こうやって少しでも感想を述べられたらなと思います。来年は年末に一気にまとめてやらずに、5本ずつにしようかな。その方が記憶も新鮮ですし。


それと最後に宣伝なのですが、2019年映画ベスト10。こちらも明日には投稿したいと思います。上半期ベスト10と同じように、まず下半期映画ベスト10と、ベスト10には入らないけれど推したい特別賞3作品を選出しておいて、その後、2019年の通年のベスト10を選出する予定です。おそらくあまり見られていないであろう映画もランクインしていますよ。どうぞお楽しみに。


お読みいただきありがとうございました。


おしまい 


屍人荘の殺人 (創元推理文庫)
今村 昌弘
東京創元社
2019-09-11



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