こんにちは。これです。


いきなりですが、今回のブログも映画感想になります。今回観た映画は『パラサイト 半地下の家族』。去年『万引き家族』も受賞した、カンヌ国際映画祭最高金賞パルムドールに輝いた韓国映画です。今年の公開に先駆けて、去年先行上映が行われていましたが、観た人たちからは絶賛の声が続々。否が応でも期待値は高まります。


ただ、この映画ネタバレ禁止令が出ているんですよね。そのなかで感想を書くのは慣れていないので難しいんですけど、でも、感じたことをつらつらと書いていきたいと思います。拙い文章ですが、よろしくお願いします。




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―目次―

・格差社会をエンタメとして描く
・鏡みたいな映画




―あらすじ―

過去に度々事業に失敗、計画性も仕事もないが楽天的な父キム・ギテク。そんな甲斐性なしの夫に強くあたる母チュンスク。大学受験に落ち続け、若さも能力も持て余している息子ギウ。美大を目指すが上手くいかず、予備校に通うお金もない娘ギジョン… しがない内職で日々を繋ぐ彼らは、“ 半地下住宅”で 暮らす貧しい4人家族だ。

“半地下”の家は、暮らしにくい。窓を開ければ、路上で散布される消毒剤が入ってくる。電波が悪い。Wi-Fiも弱い。水圧が低いからトイレが家の一番高い位置に鎮座している。家族全員、ただただ“普通の暮らし”がしたい。

「僕の代わりに家庭教師をしないか?」受験経験は豊富だが学歴のないギウは、ある時、エリート大学生の友人から留学中の代打を頼まれる。“受験のプロ”のギウが向かった先は、IT企業の社長パク・ドンイク一家が暮らす高台の大豪邸だった——。

パク一家の心を掴んだギウは、続いて妹のギジョンを家庭教師として紹介する。更に、妹のギジョンはある仕掛けをしていき…“半地下住宅”で暮らすキム一家と、“ 高台の豪邸”で暮らすパク一家。この相反する2つの家族が交差した先に、想像を遥かに超える衝撃の光景が広がっていく——。


(映画『パラサイト 半地下の家族』公式サイトより引用)





映画情報は公式サイトをご覧ください。








※ここからの内容は映画のネタバレを含むかもしれませんし、含まないかもしれません。
 ストーリー及び結末についてはあまり触れていませんが、どうしてもネタバレが嫌ならば、この先は読まないことをお勧めします。















・格差社会をエンタメとして描く


それではここからは感想です!といきたいところなのですが、この映画はポン・ジュノ監督からネタバレ禁止のお願いが出ているんですよね。なんでも「兄弟が家庭教師として働き始めるところ以降の展開を語ることは、どうか控えてください」とのことです。なので、そのお願いに従うのならば、あらすじ以上の展開は書けないということになりますね。まぁこの感想を誰かが読むとはあまり思いませんけど、一応ここではそのお願いに従ってストーリーへの言及は基本的に避けることにします。


まず、ネタバレのない範囲で言うと、俳優さんたちは全員好演を見せていたと思います。ソン・ガンホの無骨だけど、嫌いになれない父親像や、チャン・ヘジンの母親と家政婦の切り替え。長男・ギウを演じたチェ・ウシクのあどけなさの残る表情とは反対に、長女・ギジョン役のパク・ソダムの大人びた仕草。キム家の4人とも余裕のある演技を見せていたのが印象的でした。また、パク家の面々もよくて、個人的には母親役のチョ・ヨジョンのストレートな感じがツボに入りました。これら俳優さんたちの演技だけでも観る価値があると思います。


あとは、格差社会という社会問題を取り扱っているのにもかかわらず、大エンターテイメントをしていたことも好きでした。家庭教師から、タイトル通りパク家に「寄生」するキム家の作戦は、意外なほど頭脳的で見ていてワクワクします。また飲んだくれるシーンでは、いつ事態が動くかとはらはら館を感じながら見ていました。テンポもいいですしね。また、前半は笑えるシーンも多く、集中力のない私でも、飽きることなく見ることができました。やっていることはエグイのですが、コメディカルに見せるポン・ジュノ監督の手腕に脱帽です。




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ただ、ベースとなっているのは格差社会です。現代はますます富裕層と貧困層の格差が拡大傾向にあり、世界の富豪の上位26人と貧困層38億人の資産はほぼ同額だというデータもあるほどです。格差は開く一方でなかなか縮まることはありません。それは韓国でも同じようでした。


キム家は半地下住宅で貧しい暮らしを送っています。全員失業中で、内職で生計を立てる日々。冒頭の数々の描写は彼らが恵まれていないことを強く印象に残します。一方、IT事業で成功したパク家は、坂の上の広い邸宅に住み、家政婦や運転手を雇う余裕もあるほど裕福な生活を送っています。この映画では、この物理的な高低差が、そのまま貧富の差を表していました。富裕層は高台に、貧困層は低地に。


その傾向は日本でも変わりません。南麻布や白金台などといった高級住宅街は、その多くが坂の上にありますよね。高台の上から貧困層を見下ろしているわけですよ、富裕層は。貧困層は見上げるしかないんです。実は、それをより象徴するものがあるんですけど、また後ほど。


さて、富裕層は坂の上に住んでいるから、不況の波だってなんのそのです。だってお金があるから。波は彼らのもとまで届かないのだから。国の富裕層優遇の政策に守られているのだから(消費税とか)。『パラサイト』の劇中にあった〇〇の描写は、コントロールできない不況の波に飲み込まれる貧困層を私は連想しましたね。絵面とも合わさって、目を背けたくなるほど辛いシーンでした。


ただ、高いところに住んでいれば必ずしも安全というわけではなく。反対に、高いところに住むことが仇となる場合もあるんですよね。実はそのことは去年の日本で、既に実証されてしまっていると私は考えます。



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・鏡みたいな映画


いきなり話は変わりますが、去年10月の台風19号は、特に東日本に甚大な被害をもたらしました。私の住んでいる地域でも大きな被害があり、いまだに復旧作業が続いている状態です。自宅にまだ帰ることができない人もいることでしょう。亡くなった方の冥福を祈るとともに、被災地の一日でも早い復旧を願っています。


さて、この台風の話をしたのは偶然ではありません。台風19号で被害を受けたのは低地だけではありません。某所(ご存じでしょうが地名は伏せておきます)のタワーマンションで、断水や停電といった被害が起こりました。エレベーターが使えず、トイレが使用できず、駐車場は浸水。住人の方は困り果てました。


言うまでもなく、タワーマンションとはお金を持っている人が場所でしょう。地価も高いですし、上階に行けば行くほど家賃も上がります。高台の高級住宅街と一緒ですね。でも、タワーマンションは今回の被害によって、台風にはあまり強くないことが明るみになりました。お金を持っていて、高い場所に住んでいたとしても、それなりのリスクはあるということです


タワーマンションの被害が報道されたときに、皆さんはどう思ったでしょうか。心を痛めたでしょうか。私はというと、本当に本当のことを言うと、少しだけ「ざまあみろ」と思ってしまったんですよね。生活にあえぐ貧困層の気持ちが分かったか!と感じてしまったんですよね。もちろん、タワーマンションに住んでいる方々は大きな努力をして、一生懸命お金を稼いで、暮らせるようになったというのは分かっています。日々を無為に過ごしている私よりも、正しく価値のある方々です。でも、いい気味だと感じてしまった。これってめちゃくちゃ醜い気持ちだと思うんです。


貧すれば鈍するじゃないですけど、貧乏だと心もだんだん貧しくなっていくじゃないですか。人を羨ましがり、やっかむようになりますよね。貧乏暇なしで余裕がない。金銭的余裕=精神的余裕ですよ。金銭的な貧富の差がなかなか埋まらないように、心の貧富の差も同じくらい、もしかしたらそれ以上に埋まらないものかもしれないですね。この映画を観て、そこが貧困層と富裕層の一番の違いであるとさえ思えました。




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この映画では、キム家がパク家に「寄生」していく様子はスピーディーかつポップに描かれています。貧困層が富裕層によってたかる姿をエンターテイメントとして映し出しています。問題は、私たちはそれを楽しんでいいのかということだと思うんですよ。傍から見ると醜い「寄生」を、エンターテイメントとして楽しむ心自体が醜いのではないかと


最後の展開で勘違いされがちなんですが、この映画って、貧困層の味方の映画!というわけではないと思うんですよね。もしそうするんだったら、あの展開なんてもっと大願成就の爽快感を出すようにしていると思いますし。つまりは富裕層は富裕層で醜いし、貧困層は貧困層で醜い。そういう人間の醜さを浮き彫りにした映画なんじゃないかと思います。


まとめると、この映画って鏡みたいな映画だと感じました。今自分がどこにいるのかを映し出す鏡。着飾っていても内面は醜いことを照らし出す鏡。私は手取り10万円以下ということもあり、貧困層よりの見方となってしまいましたが、俗に富裕層と言われている方が、この映画をどう見たのかは気になるところです。単に恐怖以外のものを受け取ってほしいなぁと。多くの方に観ていただきたい映画ですね。




とまあ、『パラサイト 半地下の家族』。凄い面白かったんですけど、正直、期待し過ぎた部分はあったのかなと……。先行上映で観た人たちがとにかく煽ってきていたので、それに応じてハードルが高くなっていたんですよね。普段を10とすると、この映画は15ぐらいはあるんですけど、事前のハードルが20くらいに上がっていたので、そこには届かなかったかなと……。今年のベスト10にもたぶん入るかどうか……。もっとまっさらな状態で観たかったです。




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以上で感想は終了となります。映画『パラサイト 半地下の家族』。最後は不満になってしまいましたが、間違いなく面白いので、興味のある方は観てみてはいかがでしょうか。ああだこうだ言いつつも、お勧めできる作品です。


お読みいただきありがとうございました。


おしまい 





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