こんにちは。これです。ちょっと聞いてくださいよ。今日も映画を観に行ったんですけど、なんとコロナ禍で吹き飛んだ映画前広告が復活していたんですよ。見飽きていた結婚式場のCMがこんなに嬉しく感じるなんて。映画館にまたお金が入り始めて心底良かったなってなりました。


さて、今回観た映画は『私がモテてどうすんだ』。ぢゅん子さん原作の少女漫画の映画化です。私が積極的に見に行かないジャンルでしたが、コロナ禍で新作映画に飢えていたこともあり、ビビりながらも観てきました。未読ですけど、原作はもう完結してるんですね。あの終わり方だと、まだ連載中なのかなって感じましたけど。


それでは、感想を始めたいと思います。拙い文章ですがよろしくお願いします。




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―あらすじ―

自分の恋よりもイケメン同士が恋する妄想に夢中な花依(富田望生)は、大好きなアニメキャラが死んだショックで1週間も寝込んでしまったら…なんと激ヤセして、超絶美少女(山口乃々華)に!そんな花依を好きになってしまう同じ学校のイケメンたち――六見先輩(吉野北人)、五十嵐くん(神尾楓珠)、七島くん(伊藤あさひ)、四ノ宮くん(奥野壮)。恋愛興味ナシなのにモテまくる花依だが、ついつい彼らをBL目線で見て妄想してしまい…。「イケメン同士のカップリングが好きなのに、私がモテてどうすんだ~!」悩む花依が出す、想定外の答えとは?!

(映画『私がモテてどうすんだ』公式サイトより引用)





映画情報は公式サイトをご覧ください。









※ここからの内容は映画のネタバレを含みます。ご注意ください。










数ある映画の中でも私が最も苦手としているジャンル。それは恋愛スイーツ映画です。私のような交際相手いない歴=年齢な人間にとっては、最も縁遠いジャンル。さらにそこにコメディまで乗っかると、未開の奥地を進むような恐怖があります。それでも食わず嫌いは良くないと、決死の覚悟で観に行きました。そして、観たところ、この手のコメディ寄り実写映画特有の演出に面喰らいつつ、それでも思っていたよりは悪くなかったです。面白いか面白くないかで言えば、面白かったですしね。




この映画の特徴は何といってもテンポの速さ。わずか90分足らずの尺の中に、4人分の胸キュンシーンはもちろんのこと、BL要素や主人公の少女の成長(してたかどうかは疑問だけど)も詰め込まなければならないため、一つ一つの展開は自ずと速くなります。


映画はまず、主人公の芹沼花依が妄想をするシーンからスタート。BL大好きのいわゆる腐女子と自ら観客に向けて語り掛けます。さらに、この映画で花依に惚れる六見遊馬五十嵐祐輔七島希四ノ宮隼人の属性をサラッと紹介。テロップを出して、観客に名前を把握させます(頭の悪い私は見分けられるようになるまでに30分くらいかかってしまった)。ここは演出で見せてほしかったところですが、そんな悠長なことはしてられないと巻きに巻きます。


さらに、息もつかせず花依がシオンというキャラクターに恋をしていることを提示。部屋は引くほどシオンのグッズで埋め尽くされています(講談社つながりで『進撃の巨人』のキャラクターもけっこういた)。しかし、そのシオンはあっという間に死亡。ショックで一週間寝込んだ花依はなんと超絶美少女になってしまいました。


そして、流れるように映画はオープニングへ。オープニング中に六見以外の3人が花依に惚れるところもハート溢れる演出で素早く処理。ここまでわずか10分足らずと、思わず感心してしまうほどのテンポ感です。ダンスもさすが本職の山口乃々華さんを起用したとあってキレが良く、もしかしてこの映画けっこう面白いのかな?と期待を抱きましたね。




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ただ、オープニング明けの展開はかなりきつかったです。花依は4人とデートをすることになりますが、4人ともイケメンということで、登場シーンで周りからワーキャー言われるんですよね。というかオープニングでは痩せた花依に周囲が色めき立っていましたし、こういうあからさまな演出はあんまり好みじゃないです。わざとらしい気がして。


5人は池袋へ。道の途中にはアニメイトがあって、限定グッズに花依の心は揺らぎます。ここの演出が個人的にはもう心折られるかってぐらいきつくて。ニコニコ動画よろしく、画面に字幕がバーッと出るんですよ。花依の思考を表す演出でしたけど、いかんせんちょっと古いかなと...。その後のゲーム風の選択肢が出てくるのも合わせて、表面的な演出をぶち込まれて目眩がしてきます。(何とか耐えましたけど)


というか、この映画ところどころ古い箇所があるんですよね。この後、かなり早めのフェイクエンドロールがあるんですけど(俳優さんを売り出そうっていう圧力?)、そこで流れる曲がまさかの「Get Wild」。何だこの選曲。イロモネアを思い出して笑っちゃうじゃないか。


あと、細かいところですけど気になったのが、花依が『GIANT KILLING』を全巻揃えているっぽいところなんですよね。サッカー漫画の。そこはもっと最近話題の漫画とかあるでしょと思ってしまいました。まさかジャイキリをBL的に楽しんでいるというのか…?












話をストーリーに戻しましょう。限定グッズ(アニメキャラの抱き枕)を優先し、デートをブッチしてしまう花依。しかし、4人は花依の家に上がり込んできます。二次元で埋め尽くされた花依の部屋。机の上にはシオンを偲ぶ仏壇が。4人は若干引きますが、六見を筆頭に何とか理解を示そうとします。ここ、薄々この映画のテーマって「見かけではなく中身」というありふれたものなのかなと感じました。


そのわりには、ここからの展開がルッキズムに縛られているのが個人的には嫌でしたね。痩せた花依に目を付けたのが演劇部の面々。部長のヒョロくん坂下を筆頭に、舞台のヒロインをやってほしいと頼み込みます。前置きも何もなく唐突でしたがこれ、花依が太ったままなら絶対声かけられてないですよね。圧倒的なヒロインが必要というのも、それは外見だけの話で。結局主人公は美人じゃないとダメなのかと思ってしまいます。


ただ、演劇部は地区予選を突破しないと廃部になるというとってつけた設定もあり、花依は必死に稽古に励みます。ただ、あまりに頑張りすぎて発熱。一週間自宅待機をして、その間に差し入れを食べまくったら、あっという間にリバウンド。元の体型に戻ってしまいます。


ここで疑問だったのが、七島や四ノ宮は花依をスリムに戻そうとすること。七島に至っては、「性格の良いぽっちゃりより、性格の良い美人が好きだ」とか、「痩せたいと思うのが女心のはず」とか外見至上主義に基づいたセリフを連発。そういう役割だとしても、ちょっとこれは看過できないなと思ってしまいます。坂下に「豚が豚になるだけだ」とか意図的にでも言わせますかね。まあ、そのカウンターとして、「外見がどうであろうと関係ない」というスタンスの六見の存在意義があるんでしょうけど。




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さて、太ってしまった花依は、4人のBLを餌になんとか痩せることに成功します。ここからは、4人が順次花依に告白をしていくターンなのですが、まあこのあたり唐突過ぎて深みが全然感じられなかったです。4人それぞれと花依の個別シーンみたいなものは、90分という尺に収めるためにかなり少なく、それゆえに積み重ねがありません。


見に来ている女性に「こういうのが好きなんだろ」というのを押し付けているというか...。そもそも花依が太っていたら告白したのか?という疑問も拭えず...。見せ場のシーンのはずなのに、ここビデオで見てたら早送りするだろうなぁとか思いながら見てしまいました。すみません。


でも、やっぱり90分という尺で4人との関係を丁寧にやるのは、少し無理があると思います。2人ないし、3人に減らせたらもっと一人当たりの尺取れたのになとはどうしても思ってしまいました。好きな人には申し訳ないですけど、四ノ宮いる?と観た後には考え込んでしまいましたし...。


この映画はストーリーよりも、胸キュンシーンを詰め込むことに注力していて、これはメインである女性層を考えれば悪い判断ではないのかもしれません。実際、私の後ろに座っていた二人のお姉さま方は色めき立っていましたし。










しかし、流石に4人同時に付き合うわけにもいかず、花依は屋上で一人を選ぶのですが、このシーンはツッコミどころ満載でしたね。なんですか、あの結界は。しれっと4人が移動して当たり前のように花依を中心とした四角形を作っていますけど、なにか魔物でも呼び出すんですか?それに、あの展開だと、それまでの〇〇〇まるっといらなくない?となります。この映画きっての爆笑ポイントなので、『邦キチ!映子さん』で取り上げられたら面白そうだなとか考えてしまいました。


そして、これはネタバレになるんですけど、花依は六見を選びます。理由は六見が花依の中身を一番見ていたから。花依のオタク趣味に一番最初に理解を示したのも、外見で判断しなかったのも六見ですからね。ここは「外見よりも中身が大事」というこの映画のテーマに一見沿っているように見えます。


ただ、やっぱり疑問は拭えないんですよね...。一番大きかったのは花依がスリムな状態のまま終わることです。これもネタバレになりますけど、最終的に花依は現実の恋愛よりも妄想を取るんですよね。軽蔑されるオタク趣味を受け入れることができて、外野から見守るのが私のベストポジションと結論付けています。『レディ・プレイヤー1』とは真逆ですね。


この映画の終わり方って花依が自分を肯定できたっていう終わり方なんですけど、正直、痩せて可愛くなったからチヤホヤされて、それで自信がついただけなんじゃないの?って思ってしまいました。4人との恋の決着はつかず、これからもアタックし続けるよという顛末なのですが、これもお前ら花依が太った状態で同じこと言えるんか?というのは疑問ですし...。


最後の王子様の隣には王子様がいても良いというのは、けっこう新しい着地点で、そこは新鮮に感じたんですけど、それを外野から見守る花依という着地点にするのであれば、痩せたままの状態で終わるというのはちょっと説得力に欠けるというか...。ルッキズムから脱出しようという意気は見せてますけど、中途半端に終わってしまったかなという印象があります。




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あれ...?ここまで面白いとか言っておきながら、全然褒めていませんね...。いや、でも光る部分は確かにあったんですよ。テンポの良さに快感を感じたのは確かですし、俳優さんたちもちゃんと求められているものを提供していたと思いますし(神尾楓珠さんと富田望生さんが特に良かった)。


それにオープニングのダンスシーンは山口さんはE-girls、富田さんは『チアダン』の経験があるので、板についていて、いい意味で鳥肌が立つほど素晴らしかったです。でも、オープニングとエンディング、それと謎の雨の中のシーンでしか踊っていなかったので、このキャストなら尺を長くしても、もうちょっとダンスシーンを多くしても良かったのかなとさえ感じます。というか私が観たい。


あとは気になる箇所は多かったんですけど(坂口涼太郎さんは『ちはやふる』のヒョロくんのイメージがつきすぎて色々大変だろうなぁとか、ざわちんさん関連大体スベってたなぁとか)、どれもあっけらかんとしたもので。ツッコミを入れながらも楽しめました。傑作!とまではいかないまでも、クソミソに貶されるほど悪くないのかなとは思います。


でも、最後に一つ。エンドロール後のNGシーンは不要だと思います。映画の余韻を削いでしまいますし、一気に虚構を剥がされると冷める人もいるでしょうし。まあ若手俳優さんたちを楽しむ映画なので、受け入れられる人も多いですし、その方たちにとってはサービスになってましたけど...。こういうのは映像特典で見たい人が見るのが一番だなと感じました。



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以上で感想は終了となります。映画『私がモテてどうすんだ』、きつめの演出もありますけど、そこまで悪い映画ではないですし、確かに面白い部分もあります。興味のある方は観てみてはいかがでしょうか。


お読みいただきありがとうございました。

おしまい 







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