こんばんは。これです。今日は元旦に予告した通り映画の感想を書きたいと思います。IT/それが見えたら、終わり。」です。

 



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「スタンド・バイ・ミー」や「ショーシャンクの空に」、「ミスト」などで知られるスティーブン・キング原作の今作。今回見ようと思ったのはツイッターでマフィア梶田さんが推してるのを見たからなんです。ほら、あの「シン・ゴジラ」でカヨコ・パタースン特使の後ろにSPとして立ってた人。その人が「これはたまんなかった」って言ってるのが気になって。それで観てきました。

 

 

ここからはネタバレしかないのでそれでもよければどうぞ。

 

 

 







 

 

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いやー結論から言っちゃうと、これはホラー映画の皮を被った少年少女の成長物語ですね。もちろんメチャ怖かったですけど。


 

それは「IT」、ペニー・ワイズがそれぞれの苦手なものとして現れるっていうことに表れていると思います。自分の苦手なものを克服していく。べバリーは彼女を自分のものとしていたいという束縛する父を克服し、ビルは最愛の弟の幻影を振り払い。試練を与えて乗り越えさせ成長させるペニー・ワイズ。子供たちにとってはひと夏の冒険を越えてまた一つ大きくなった感じです。

 

それとペニーの他に試練として象徴的なのがヘンリーの存在だと感じました。分かりやすいところではベンやマイクをいじめているところですね。これは乗り越えるべき対象として分かりやすいですが、彼終盤にも再登場するんですよね。5人がロープを使って井戸の中を降りていき、最後にマイクが下りるんですけど(どうでもいいけどこのロープがすんごい都合よくあった。ダンジョンのなかの薬草のようなお助けアイテムみたいに)、ナイフを持ったヘンリーがマイクを襲うんです。

 

というのもヘンリーはペニーに皆殺せと唆されていたからで、ここでヘンリーが彼らに試練を与える存在だというのが余計に際立ちます。そしてマイクとの小競り合いに負けて井戸に落ちていったヘンリー。最初から最後まで一個人ではなく試練を与える存在、いわば舞台装置のようなものになっていたヘンリー。その散り際は少し気の毒でもありました。

 

 

 
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少年漫画的な熱くなる展開も何個かありました。

最初はビル・リッチー・エディ・スタンの4人組だったのがベン、べバリー、マイクなどどんどん仲間が増えてくんですよね。この感じ少年漫画っぽいですし、べバリーがペニーに攫われるのも、悪役にヒロインが攫われるという少年漫画、というかスーパーマリオにありがちな展開。「ピーチ姫」かよって思った。

そしていったんは恐怖を知ってバラバラに6人がべバリーを取り戻すために勇気を持って再び集結する。熱い。

でもって最終決戦。子供たちは勇気を振り絞りべバリーにあしらわれながらもなんとか立ち向かう。そしてとどめを刺したのはビルの「俺たちは恐怖を克服した。お前の負けだ。ペニー」という言葉。これの言葉により子供たちは自らに降りかかった試練を乗り越え一つ成長したわけです。それを見届けるようにして井戸の奥に引きずり込まれていったペニー。「これが恐怖か」と言ってましたが、その心の内はそれだけだったのでしょうか。

 

 

 
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あとこれは妄想になるんですが、予告編に顔面に血がブシャーってなるシーンがあったじゃないですか。あれべバリーが自分で切った髪の毛に引っ張られて浴びせられたんですけど。とてつもない量の血が出て浴室もべバリーも血まみれ。そこでべバリーの父親が来るんですけど、どうやら父親にはその血が見えてないっぽいんですよね。子供にしか見えない的な感じで。

 

ここからは妄想になるんですけど、ここ本当は見えてたんじゃないかなって思うんです。気づかないふりをしていたというか。もしかしたらべバリーの父親はべバリーを成長させようとして気づかないふりをしていたのかもしれない。27年前にも同じようなことがあってそれをべバリーの父親、もっというとその街の27歳以上の大人がそれを経験したうえで、子供たちを成長させようと無視を決め込んでいたのかもしれない。怖い思いはするけど死ぬことはないってね。こうなると「まだ俺のものでいてくれるよな」ってセリフも違って聞こえますね。

 

まぁこれだとジョージが殺されたこととかべバリーの父親がたぶん死んだこととかが説明つかないからないとは思いますけど。

 

 

 
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これも妄想になるんですけど、最後にペニー・ワイズを引きずり込んだのは誰か。個人的にはあれ27年後に現れるピエロだと思うんですよね。27年後に出てくるピエロが「古いお前は用済みだ」って言って。そういう事を何代も繰り返してたんじゃないんですかね。「IT」って英語で鬼ごっこっていう意味もあるみたいですけど、逃げる子どもたちだけじゃなく、追う鬼も代変わりしてるんじゃないかと。つまり目の前のそいつだけを殺しても失踪事件は続く。終わらない恐怖。大元だったり末代だったりを叩かないとダメなんじゃないんでしょうか。そう考えました。

 

今回見て一番驚いたのがこれが1章に過ぎず、第2章もあるってことなんですけど、第2章じゃそういう部分も描かれるのかな。wikiには壮年期って書いてあるから少なくとも27年後か54年後だよなぁ。そういう事も含めて第2章が楽しみです。

 

 

おしまい



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2016-10-12