どうもこんにちは。これです。


いやー驚きましたね、ハリルホジッチ監督解任。日本サッカー協会は何考えてんでしょうか。この4年間は何だったのかって話ですよ本当に。強い憤りを感じます。


さて、今回はそんなサッカー日本代表の話ではなく、月一連載の「私の好きなバンドの話」第6回です。今回は前回予告した通り「カミナリグモ」の紹介です。


といっても「カミナリグモって何?」って方が大半だと思いますので、是非ともこのエントリーでカミナリグモに触れていただきたい。何なら前半は読み飛ばして後半の曲紹介を見てくれるだけでもいいので、どうかどうかよろしくお願いします。ではどうぞ。









私の好きなバンドの話

第6回:カミナリグモ






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カミナリグモは、上野啓示・ghoma(成瀬篤志)からなる日本のロックバンド
 2016年7月1日をもって、活動を休止。”
(Wikipediaより引用)





私がカミナリグモを知ったのは、もう何度でも言いますけど「the pillows 山中さわおのPOISON ROCK'N'ROLL」なんですよね。確か3rd Album「SMASH THIS WORLD!」の宣伝に来てて、そこで「ベランダの革命」を聴いたのが最初でした。

その時はとてもキャッチ―で、飾らない雰囲気やその中で少し背伸びをしているところに共感して、「泣き虫でズルくて弱い 僕と君で世界を変える」って歌詞にインパクトを受けて気になる存在になりました。

それで1年くらいしてアルバムを借りて改めて聴いてみて、カミナリグモが持つ優しくてちょっと激しくてどこか切ない世界観の虜となりました。2012年7月のことです。





カミナリグモを聴くようになって、CDも買うようになったある日、ピロウズのトリビュートアルバムにカミナリグモが参加するとの報が。当然買って聴きました。

カミナリグモの「開かない扉の前で」すごい良かった。アルバムの中で一番感情を露わにして叫んでた。一言で言うとエモかった。名カバーだと思ってますますカミナリグモがそれでますますカミナリグモのことが好きになった2014年2月でした。





で、そのトリビュートアルバムに参加したバンドとピロウズが対バンツアーがありまして。あれは2014年6月25日のTSUTAYA O-EAST。ピロウズとTHE BOHEMIANS(今度ブログ書く)とカミナリグモの3バンドでの対バンで2番目に出てきたのがカミナリグモでした。

もう1曲目に「こわくない」と最後の方に「開かない扉の前で」をやったことぐらいしか今は覚えていないんですけど、それでもとてつもない衝撃を受けたことは記憶してます。2人でここまでできるのかと。3人や4人のバンドにも負けない圧巻のパフォーマンス。感情の籠りまくった上野さんの歌声と観客を否応なしにカミナリグモの世界に引きずり込んでしまうghomaさんの演奏。「開かない扉の前で」とか気持ちが入りすぎてて怖いぐらいでしたもん。

それからはますますカミナリグモが好きになってワンマンにも一回行ったなあ。時間を間違えて後半の1時間ぐらいしか見れなかったけど。その時に買ったカミナリグモの会場限定のCD2枚は今でも持ってたりします。「TOY BOX STORY」はガチ名曲です。





カミナリグモはカープ大好きカープ男子の上野さんの優しくて安心感があってでもちょっとひねくれてるような歌声や、それに寄り添うように時には突き放すように演奏されるギターや、バンド形態のカミナリグモでの鈴木惇さん(ピロウズでサポートミュージシャンとして長い間ベースを弾いてた人)の頼もしいベースラインや、森信行さん(2002年頃までくるりでドラム叩いてた人)のバンド全体をしっかり支える確かなドラムも魅力的なんですけど、私が一番魅力を感じたのはキーボードのghomaさんなんですよね。カミナリグモの音楽の要です。





ghomaさんは最初はキーボードの他にシンセベースも担当していて、4人の頃はキーボードに専念して、最後には今までの経験をフルに生かしてキーボードとシンセベースの他にもプログラムを使って打ち込みのドラムも担当してたんですよね。もう一人何役もこなしていてマジ凄いなと。超器用だなと。

最初は落ち着いた感じの曲が多くてghomaさんの演奏もしっとりとしたものだったんですけど、4人になるとバンド編成になったことでリズミカルでアップテンポな曲も増えてきて、それに合わせてghomaさんの演奏もよりカラフルに躍動感が増して、そんななかでも落ち着かせるところはきっちり落ち着かせていて。






で、また上野さんとghomaさんの二人に戻ったんですけど、1st Album「ツキヒノォト」と比べると演奏の幅が格段に広がっていて(元々できてたけどあえて出さなかったっていうのもあるとは思いますが)、それはすなわちカミナリグモとしてやれることが格段に広がったということを意味してて。最初の二人の頃のようなしっとりとした音楽と4人時代の頃のようなロックンロールとのハイブリッド。両者のいいとこどりをしたような力強さが増したNewカミナリグモになっていました。このままどこまでも行ってくれると思ってたんですけどね...。





そんなghomaさんに私はもう強烈な憧れを抱いてまして。
それで「カミナリグモをやりたい(コピーしたい)。ghomaさんみたいになりたい」って思って吉祥寺の楽器屋で¥24,800の安物のキーボードを買って、夜な夜な弾いたりしてくらい。すぐにそれは無理だと分かったんですけど。

でもキーボードは就職活動を始めるぐらいまでは続けてました。ちょっとでも弾けるようになると楽しかったし、ほんの僅かでもghomaさんに近づくことが出来たようで嬉しかったなあ。カミナリグモ、ghomaさんがいなかったら確実にキーボードには触っていなかったのですごくすごく感謝してます。



 

カミナリグモは2016年の7月で活動休止してしまうんですけど、それを聴いたときはやっぱり悲しかった。私に知らなかった新たな世界の扉を開かせてくれたカミナリグモが自らその扉を閉じてしまったみたいで。でも上野さんは「カミナリグモを続けるための決断」ってコメントしてるし、今は待つことしかできないんですよね。

それでも私は活動再開を熱望してます。それに、上野さんが信州大学在籍時に活動を開始したってこともあってカミナリグモは長野にはツアーでよく来てくれてたんですよ。なので活動再開してツアーを開催した際には長野にもおそらく来てくれると思いますし、そうなったら絶対にライブ行く。絶対行く。改めて早期の活動再開を願ってます。





カミナリグモになりたかった。
























・曲紹介



ここまで2000字以上あるにも関わらずちゃんと読んでくれた方、ありがとうございます。上の文章は飛ばしてここから読んでくれる方、改めてこんにちは。ここからは曲紹介に入ります。5曲紹介しますがどれも名曲なのでぜひ聴いてみてください。





・こわくない



ディズニーのエレクトリカルパレードかってイントロで始まるこの曲。開放感に満ち溢れていて明るくて爽やかなマーチのようです。歌詞も世の中にいまいち馴染めないストレンジャーの視点で歌っているので私みたいな陰キャには共感度が高い。「パレードに混ざって」のところなんてほんとそう。無理してた。そんな憂鬱からサビで一気にパッと世界が開けるのがこの曲のたまらなく好きなところです。限りなく優しいカミナリグモの真骨頂のような曲。2nd Album「BRAIN MAGIC SHOW」収録。








・ローカル線




これはもうなんと言ってもghomaさんのキーボードですよ。暖かで、でもどこか影のある曲世界を作り出してる。イントロでもう一気に掴まれる。ピロウズの「Thank you, my twilight」を思い出せるようなピコピコ音(Square Waveとかいうらしい)が私たちをワクワクさせてくれる。Aメロやサビでのシンプルなピアノ音も綺麗で心地いい。上野さんの歌声も、飾らない歌詞もすごく純粋で、本当にローカル線に乗っているときのようなノスタルジーが思い起こされます。こちらも2nd Album「BRAIN MAGIC SHOW」に収録。「BRAIN MAGIC SHOW」はカミナリグモ入門として是非とも聴いてほしい名盤です。また、5th Album「ICEGREEN SUMMER」には上野さんとghomaさん二人でのバージョンが収録されています。 また違った趣があるのでこちらもぜひ。








・SCRAP SHORT SUMMER



ひと夏の思い出を歌ったこの曲。学生時代の不完全な恋をストレートに描いた純朴な歌詞が魅力です。この曲を聴いて頭に浮かんだのは「朴訥」という言葉。かっこつけて自分を大きく見せようとしない口下手の男。飾り立てない等身大の姿の中にしっかりとした自分の意志を持っている。その揺るぎなさが私たちの懐に入り込んで、見たことのない情景をたやすく想像させてくれる。どこか懐かしいような気持ちにさせてくれる素敵な曲です。1st mini Album「SCRAP SHORT SUMMER」、3rd Album「SMASH THIS WORLD!」に収録。








・王様のミサイル



カミナリグモの代表曲ともいえるこの曲。割と軽くないテーマを扱っており、それゆえに賛否両論もある曲ではありますが、カミナリグモを聴くうえで外せない一曲だと思うので今回入れました。歌詞が切実で訴えかけてくるものがあります。1st Album「ツキヒノォト」に収録されている上野さんとゴマさん二人のアコースティックバージョンと4th Album「MY DROWSY COCKPIT」に収録されているバンドバージョンの二種類があり、今回紹介しているのはバンドバージョンの方になります。重くなり過ぎないベースラインやサビで入るタンバリンが印象的。メッセージ性の強さに引いてしまうかもしれませんが、曲自体はめちゃくちゃいいので一回聴いてみてください。








・サバイバルナイフ 



一つ前の「王様のミサイル」とは温度差が激しいですが、どっちも好きなんだからしょうがない。直球勝負のこの曲。「戦うよ」という聴いてるこっちがこっ恥ずかしくなるようなストレートな歌詞ですがそれがいいです。真っすぐ来てくれるおかげで「今のままでいいのか」と気持ちが揺さぶられるから。「開かない扉の前で立ち竦んでいても仕方ない。扉を突き破っても前に進む」という意志の強さが感じられて「何かしなくちゃ」という気にさせてくれる。とても勇気をくれる曲で今回紹介している5曲の中では一番聴いてほしい曲ですね。2nd mini Album「続きのブランクペーパー」収録。
























以上で「私の好きなバンドの話第6回:カミナリグモ」は終了となります。いかがでしたでしょうか。このエントリーでカミナリグモを知ってくれる人が一人でもいたくれたなら書いてよかったなと思います。ご覧いただきありがとうございました。


次回、第7回「ふくろうず」に続く。



おしまい



BRAIN MAGIC SHOW
カミナリグモ
King Records =music=
2010-11-10