Subhuman

ものすごく薄くて、ありえないほど浅いブログ。 Twitter → @Ritalin_203

タグ:福島ユナイテッドFC



前節、SC相模原相手に2-0でホーム初勝利を挙げたAC長野パルセイロ。長野県サッカー選手権大会でも優勝するなど、公式戦2連勝で上り調子となっています。そして今節の相手は福島ユナイテッドFC。3勝5敗の勝ち点9で13位につけており、パルセイロとしては上位進出のためにも同勝ち点の相手には負けられません。勝利を掴み、まずは一桁順位に入りたいところです。












両チームのスタメンは以下の通り。






004


パルセイロは前節からスタメンを1人変更。#26遠藤選手に替わり、#2松原選手が今シーズン初のスタメンを飾りました。また、#9津田選手も今シーズン初のベンチ入り。なお、#17明神選手はこの試合でJリーグ通算550試合出場を達成しました。凄い。フォーメーションは3-4-2-1です。


一方の福島は前節からスタメン3人を変更。#16キム・ミンジュン選手#11川中選手が今シーズン初のスタメンを飾っています。フォーメーションは#10橋本選手をアンカーに据えた4-1-4-1と思われます。


011





前半キックオフ!




前半6分、いきなり試合が動きます。パルセイロは右サイドでスローインを獲得。スロワーは#2松原選手。SBでなくCB起用だと両サイドからロングスローを投げられるという利点がありますね。さらに#2松原選手はこの日がリーグ戦初スタメンで、初のロングスロー。福島も対策をあまり練ってきていなかったのでしょう。ニアサイドに選手を置いていませんでした。


#2松原選手のロングスローに#4内野選手が合わせようとしますが、これは空振り。しかし、味方選手にボールが当たり、ボールは再び#4内野選手のもとに転がります。これを#4内野選手は着実に決めて、パルセイロが先制に成功しました。#4内野選手は今シーズン初ゴールで、またチームとしても今シーズン初の前半での得点です。





013


パルセイロが先制をしましたが、ボールを握っているのは福島です。福島は松田監督になってから、ディフェンスラインからパスを回して攻撃するサッカーを標榜しているので、ロングボールは少なく、ショートパス・ミドルパスで崩そうとしてきています。


これに対してパルセイロは前線からのプレッシャーで対抗します。この日のパルセイロは#27竹下選手がCBの一人にプレスをかけに行き、ボールサイドのシャドーはSBを、逆サイドのシャドーはアンカーの#10橋本選手を見ていました。2対1になっているので、当然CB間では回されますが、福島の攻撃は#10橋本選手を経由するパターンが多く、パルセイロはちゃんとそこに蓋をできていました。


005


#10橋本選手からボールが出ないとなると、福島はCBにボールを戻すしかなくなり、そのぶん攻撃に時間がかかってしまいます。パルセイロはこの間に5-4のブロックを形成。CBの二人をフリーにする代わりに、#27竹下選手#10橋本選手につき、シャドーは両SBについています。このとき、パルセイロの守備9人に対し、福島の攻撃は7人。パルセイロとしては2人も数的優位があり、セカンドボールの奪取でも優位に立っていました。


006


パルセイロが人数を揃えていたこともあり、福島のCBのパスの優先順位は①#10橋本選手、②SB、③ロングボールとなっています。#10橋本選手#27竹下選手が見ているので、SBにパスを出そうとしますが、シャドーの素早いチェックに遭い、ボールを戻す羽目になってしまっています。福島はボールを持っていても、立ち上がりは決定的なパスを出すことが出来ず、パルセイロとしてはボールを持たせているという構図になっていました。


012


さらに、前半のパルセイロの守備が上手くいっていた理由として、ボランチのポジショニングも挙げられるかと思います。この日もボランチは#17明神選手#29山田選手という組み合わせでしたが、二人とも人につくよりもバイタルエリアを消すことを優先して守っていたように思えます。バイタルエリアを消すことで、福島のIH、#23田村選手#40樋口選手にブロックの外でボールを触るように仕向け、福島のゴール前の人数を減らすことに繋がっていました。


ここで、福島のIHが出てきたときにはパルセイロのボランチは基本的にはついていきますが、ディフェンスライン近くまでに引っ張り出されそうなときは、ついていくのをやめ、再びバイタルエリアを消します。この判断が抜群によく、パルセイロは福島にスペースをあまり与えていませんでした。


一方の福島。ボールを回すことはできても、決定的な縦パスを入れることが出来ません。これは思うにフリーでボールを持っても前方へとドリブルをすることなく、プレッシャーを受けるとすぐに後ろに戻してしまうことが原因だったのではないでしょうか。ドリブルで前に運べれば選手を複数人引き付けることができ、スペースができます。でも、福島はこれをしなかった。福島の選手はボールを持って前を向いてもリスクを取らなかったので、パルセイロにとっては守りやすかったのではないかと思います。


014


また、この日の福島は攻撃の手段として、選手間のポジションチェンジを多く行ってきました。前線の選手は流動的にポジションを入れ替え、SBは頻繁に中に入り、ボランチとシャドーの中間ポジションでボールを引き出そうとします。


それでも、この日のパルセイロはマンツーマンというよりはゾーンに重点を置いて守っており、マークの受け渡しがたいへんスムーズにできていて、フリーにする瞬間を作りません。SBが中に入ってくるのにはやや手を焼いていましたが、ボランチが遅らせたり、福島の選手の消極的なプレーもあり、しっかり守れていました。


015


パルセイロは攻撃時にはカウンターがメインになります。狙うはアンカーの#10橋本選手の脇。そこで#27竹下選手やシャドーの選手がボールを持てれば、最短距離でゴールを目指すことが出来ます。ただ、福島はこのスペースを埋めるためにSBを中に絞らせてきていました。この時、福島のサイド深くには大きなスペースが生まれています。前半のパルセイロはこのスペースを狙って前線の選手を流しており、SBのポジションが最初から中にいた分、この攻撃は普段よりも機能していました。


007


また、ボールを繋いでのサイド攻撃でもパルセイロは優位に進めることが出来ていました。まず、#10橋本選手が中央を閉めています。この際にサイドには福島の選手はSB、SH、IHの3人。一方パルセイロはWB、#27竹下選手orシャドー、ボランチ、そしてサイドCBの4人を崩すことができ、単純に数的優位を得ています。


008


ここで、パルセイロはサイドでボールを回して、WBにSBの選手が食いついた時に、シャドーの選手に裏を狙わせることができます。たとえ行き詰っても、ボールを戻せばそこではCBの選手がフリーになっており、アーリークロスを上げることだってできます。これに対して福島は選手をピッチの縦半分に全員入れて密度を高めて奪おうとしたり、ゴール前に人数を割くことで跳ね返していましたが、サイドの攻防ではパルセイロは優位に立っていました。


016


さらに、福島はあまり前からプレスに来ず、リトリート主体の守備をしていたこともありますが、この日のパルセイロはビルドアップも上手くいっていました。福島は大体#18小牟田選手一人、来てもIHの選手と2人しか前線にプレスをかけてこず、パルセイロとしては3バックで数的優位に立てているため、いつものようにボランチを落とす必要性がありません。また、規制も緩かったので、ボランチやWBに簡単にパスが入り、福島の選手を引き出し、スペースを自ずから作っています。これが最大限に発揮されたのが前半40分の追加点のシーンです。


パルセイロは左サイド中盤からワンタッチでパスを繋ぎます。福島の選手はピッチを横に圧縮して守っているので、右サイドの#25有永選手がフリーになっており、そこに#27竹下選手がパス。#25有永選手はダイレクトでクロスを入れ、これに#19三上選手が合わせますが、シュートはポストを叩きます。ただ、こぼれ球もパルセイロ側に転がり、#19三上選手が一度ボールを下げたところに、#29山田選手が走り込んできて、ミドルシュートを突き刺しました。これで、パルセイロは前半で2-0のリード。#29山田選手は開幕戦以来の今シーズン2点目です。





019


このゴールは#29山田選手のシュートも素晴らしかったのですが、その前のワンタッチでのパス交換に大きな要因があったと思われます。ここでのポイントは2つ。まず1つはパルセイロの選手がパス&ゴーを実践していたこと。#19三上選手のシュートに至るまでに、リターンパスが2度ほどあり、これもボールを出した選手が動きなおしてパスコースを作っていたことによる成果です。


2つ目のポイントはパルセイロの選手が、福島の選手を釣り出して作ったスペースを有効活用できていたこと。左サイドを崩す際に#10橋本選手#3阪田選手をパルセイロは引っ張り出しており、空いたスペースに#14東選手#19三上選手が入って斜め前のパスコースを提供しています。福島の選手はスライドが間に合わず、パスコースを消せていなかったこともあり、縦パスが立て続けに入ったことが、このゴールでは大きかったですね。おそらく福島がやりたいであろう崩しをパルセイロが実現して、奪ったゴールでした。過程からして、現時点での今シーズンベストゴールではないでしょうか。


そのままスコアは動くことなく前半終了。パルセイロの2点リードで試合を折り返します。ボールを握っていたのは福島でしたが、パルセイロは前線の選手が遅らせることでブロックを形成し、ほとんど危なげなく守れていた印象です。オフサイドもきっちり取れていましたしね。後半もこのまま続けていきたいところです。


017
















後半開始に当たって福島は選手交代を行います。#11川中選手に替えて、#17諸岡選手を投入。2点差をひっくり返すために、早めに手を打ってきました。#17諸岡選手はIHに入り、#23田村選手が左SHに移ります。


パルセイロに選手交代はなく、後半キックオフ!


後半になって福島はロングボールを使ってくるようになりました。#18小牟田選手がサイドに流れるようになり、ボールを引き出しています。また、パルセイロのディフェンスラインが前半よりも下がり目になっていたこともあり、スペースが徐々に空いていきます。特にSBがボールを受けた時に、シャドーがプレスに行ってボランチの脇が空いたところにIHの選手が落ちるというパターンが、福島は前半よりも高い位置で実行できていました。


009


後半12分。福島が2人目の選手交代を行います。#18小牟田選手に替えて、途中加入の#20イスマエラ選手を投入。前線に新たなパワーを加えてきました。


020


後半もパルセイロは変わらず、前線からプレッシャーには行かず、5-4のブロックを形成する守備で福島を迎え撃ちます。これに対して福島はSBを前半よりも自由に動かすことで崩そうとしてきました。福島の#6輪笠選手#14星選手の両SBは積極的に中に入っていき、時には逆サイドまで進出してきます。パルセイロはこの両SBの動きをあまり捕まえ切れておらず、それが後半に福島がゴール前まで近づいてきていた要因の一つだと思います。


010



さらに、ボールサイドのCBはまるでSBのように振舞い、とても攻撃的。さらに、福島はリスク管理も後半になって修正してきています。両SBが上がった際にはCBがサイドのスペースを埋め、#10橋本選手とIHが中をケアしています。また、自陣に引いての守備でもIHのプレスバックを早くしたり、ボールサイドのSHがディフェンスラインに入り5バック化し、中に人数を確保して跳ね返しています。パルセイロは前半ほどには決定的なチャンスを作れなくなっていきました。


018


後半32分。パルセイロが最初の選手交代を行います。#19三上選手#27竹下選手に替えて、#23大城選手#9津田選手を投入という2枚替えを敢行。前線でプレスがかからなくなり、ブロックが下がっていてしまったので、そこに対するテコ入れでしょうか。#9津田選手は今シーズン初出場です。


ただ、その直後の後半33分。福島は右サイドでのスローインから#17諸岡選手がペナルティエリア角でボールを受けます。ここで#6輪笠選手がオーバーラップを仕掛け、一瞬パルセイロの選手を迷わせ、その隙に#17諸岡選手は中にクロスを供給。ここで#1小澤選手が判断に迷ってしまい、少し前に出てゴールががら空きに。#20イスマエラ選手#4内野選手の上からヘディングでシュートを叩きこんで、福島が1点差に詰め寄ります。#20イスマエラ選手はこれがJリーグ初ゴールでした。







1点を返した福島は、徹底的に#20イスマエラ選手をターゲットにし、2点目を奪いに来ますが、パルセイロも集中して跳ね返します。#14東選手#8堂安選手#27池田選手#39雪江選手と両チーム選手交代を行いつつもゲームは最終盤に。後半アディショナルタイム3分もパルセイロはコーナーフラッグ付近で時間を使い、福島に攻撃に機会を与えません。そしてそのまま試合は終了。2-1でパルセイロがリーグ戦2連勝、公式戦3連勝を果たしました。


この試合においてはパルセイロのブロック守備が機能し、マークの受け渡しがスムーズにいったことが主な勝因ですね。また、2点目のシーンなど新たな可能性を感じさせるシーンも随所にありました。守→攻への切り替えが速くなってきていて、とてもいい傾向だと感じます。







021











<ハイライト動画>














選手コメント(Jリーグ公式)

J3順位表(Jリーグ公式)

2019 明治安田生命 J3リーグ 第9節 vs 福島ユナイテッドFC|試合結果(長野公式)

2019 明治安田生命 J3リーグ 第9節 vs 福島ユナイテッドFC|フォトギャラリー
(長野公式)

2019 明治安田生命 J3リーグ 第9節 vs AC長野パルセイロ|試合結果(福島公式)

AC長野、今季初の連勝 10位に浮上(信濃毎日新聞)













この結果を受けてパルセイロは3勝3分3敗の勝ち点12で10位まで浮上。じわじわと順位を上げてきています。そして、次戦は天皇杯1回戦。5月26日(日)13:00~、佐久総合運動公園陸上競技場で新潟医療福祉大学サッカー部との対戦です。去年と同じ対戦カードですが、しっかりと勝利を収めたいところですね。


その翌週にはリーグ戦。パルセイロはホーム長野Uスタジアムでカターレ富山と戦います。6月2日(日)14:00~と観戦しやすい時間帯なので、よろしければUスタにお越しください。



頑張れ!AC長野パルセイロ!!


おしまい


愛がなんだ (角川文庫)
角田 光代
KADOKAWA
2006-02-24



☆よろしければフォロー&読者登録をお願いします☆






ここまで20試合を終えて6勝7分7敗の勝ち点25で10位に位置するAC長野パルセイロ。今節はここまで21試合で7勝10分4敗の勝ち点31で7位に位置する福島ユナイテッドFCとアウェイで戦います。パルセイロは前節藤枝MYFCに4-0で勝った勢いを生かして連勝を飾り、目標としているJ2昇格に向けて勝ち点を積み上げたいところです。なお前半戦での両チームの対戦は1-1のドローに終わっています。







両チームのスタメンです。



IMG_E7121

パルセイロは前節ボランチでCKから実質3アシストを挙げた#6岩沼選手が出場停止。代わりに前節左SHを務めた#25有永選手がボランチに、前節FWを務めた#14東選手を左SHに。そしてFWには#9津田選手が6試合ぶりの先発出場を果たしました。


対する福島のスタメン。

IMG_E7122

こちらは前節からスタメン一人を変更。出場停止の#10橋本選手に代わり#22ニウド選手が2試合ぶりのスタメン出場です。また、#2岡田選手#4宇佐美選手のポジションが前節からこっそりと入れ替わっています。





DSC01440





前半キックオフ!


福島は前線からの守備を仕掛けてきます。#9武選手と2列目の中でも主にトップ下の#40樋口選手が連動してプレスを展開。パルセイロの持つボールをサイドに追いやります。パルセイロがボールを回しているうちに福島は両SHをボランチの位置まで下げた4-4のブロックを素早く作ります。そしてSH、ボランチ、SBでサイドで数的優位を作ろうとし、サイドでのボール奪取を狙います。


これに対しパルセイロはディフェンスラインでボールを回すときに、ボランチの#22國領選手もしくは#25有永選手が参加し、3バックのような形にし、#2松原選手#19三上選手の両SBのポジションを上げさせます。相手が前線からのプレスに来るのは多くても二人なので、一人余らすことができ、余裕をもって攻撃の組み立てを行えるようにします。



DSC01459




福島の戦術の大きな特徴の一つとして#4宇佐美選手#29輪笠選手の両SBが中に絞るということがあげられると思います。両SBが中に絞ることで、ペナルティエリア内に人数を増やし、パルセイロの選手がクロスを上げてきても跳ね返す確率というのを上げていました。SBが中に絞って空いたスペースは#14星選手#11田村選手が下がってケア。こうして5バックないし6バックにし、ディフェンスラインで人数をかけることで福島はパルセイロの攻撃を防いでいました。


これに対しパルセイロは#9津田選手もしくは#30萬代選手がサイドに流れてボールを受けようとし、それを落としてからの展開を狙います。FWの選手がサイドに流れることで福島のSBを引き連れ、CBとSBの間を開け、さらにはCBさえも釣りだして、中を手薄にしようという考えですね。パルセイロはFWの選手が競ったボールをSHを中に絞らせたり、SBを上げたりして拾おうとします。パルセイロは試合を追うごとにスピーディーな攻撃を志向するようになり、特に試合の立ち上がりはこの攻撃が機能し、相手陣内でより多くのプレーをすることが可能になっていました。


一方、福島の攻撃。福島は前述のとおり守備時にSHもディフェンスラインに下がらせているため、前線が手薄になっています。それをカバーするために、福島は#9武選手めがけてボールを入れ、#9縦選手がポストプレーや、#40樋口選手とのパス交換で時間を稼ぎ、選手の上がりを待つという攻撃を推し進めていました。しかし、パルセイロは#4内野選手#5寺岡選手の両CBが#9武選手へのロングボールを跳ね返し、福島に思うような攻撃をさせません。


DSC01448





前半は両チームロングボールを多用する戦術を取っており、セカンドボールの奪取が試合の大きなポイントとなっていました。ベンチからしきりに「セカンド!」と聞こえていたのもそのためです。福島は基本的に#9武選手が競ったセカンドボールを拾うのは#40樋口選手とボランチの#22ニウド選手#17前田選手の3人しかおらず、パルセイロは競っていない方のFW、SH、SB、ボランチと4人おり、人数が多い分セカンドボールを拾う回数というのは前半はパルセイロの方が多かった印象です。特に#22國領選手の予測がよく、セカンドボールがこぼれているところに多く顔を出していましたね。


パルセイロはこの日も前線からの守備を仕掛けます。ディフェンスラインの選手にプレッシャーをかけることで、ボールは奪えないまでも、なかなかロングボールを出させないようにし、後ろの4-4のブロック形成を助け、ロングボールが出てもすぐに対応できるようにするという効果がありました。また、GKの#16堀田選手にまでプレッシャーをかけることで#16堀田選手のミスキックを誘発。自らのスローインで試合を再開できるというメリットも生んでいました。


前半30分。GKからのボールを#30萬代選手が頭ですらします。これを#3阪田選手がクリアしますが、それを#23堂安選手が拾い、斜めに走り込んでフリーになっていた#9津田選手にスルーパス。#9津田選手は相手選手が寄せてくる前に素早くシュートを打ちますが、シュートはバーの上に外れてしまいます。


前半31分。#22國領選手がパスミスをしてしまい、自陣内でボールを#14星選手に奪われます。#14星選手は右から上がってきた#11田村選手にパスを出し、#11田村選手はフリーの状態でボールを受けます。#11田村選手は相手選手が詰めてくる前にシュート。シュートはわずかに左に外れてしまったもののここから福島が攻勢を強めます。



DSC01456


福島は主に#22ニウド選手を中心としてロングボールの競り合いに勝てるようになり、ボールを保持できるようになります。ボールを奪うと素早くサイドに展開。#14星選手のいる右サイドからの攻撃が多く、SHの選手にボールを預けるとトップ下の#40樋口選手やボランチ、SBが絡んでサイドで数的優位を作り、ワンツーなどを使いサイドを突破しにかかります。突破できないにしてもCKやスローインを得ることができ、パルセイロは自陣に押し込まれる時間が長くなってきていました。


しかし、徐々に息を吹き返し始めた前半43分。#30萬代選手のヘディングシュートが#16堀田選手にはじかれ、パルセイロは左からのCKを獲得します。#22國領選手が意表を突いた低いボールを入れると#9津田選手がヒールで落とします。落とした先にいたのは#25有永選手。福島のディフェンスはゴール前に集中しすぎており、誰も#25有永選手を見ておらず、#25有永選手はフリーの状態でダイレクトシュートを打ちます。これがゴール左に決まり、パルセイロが先制に成功します。パルセイロはこれで2試合連続でCKから得点を奪い、#25有永選手は今シーズン初ゴールです。


その後の福島の攻撃もパルセイロは凌ぎ1-0でパルセイロリードで前半が終了。両チーム激しい球際の競り合いでボールを握ろうとする互角の前半でした。そんな厳しい試合の中で前半でパルセイロが得点を奪った意味は大きく、後半はこれで試合を優位に進めることができると思われました。でもそんなことはなかった。


DSC01514






両チーム選手交代のないまま後半キックオフ!


始まって1分も経たないときでした。#5寺岡選手が相手ゴールキックのこぼれ球をクリアミス。頭上に上がったボールを#5寺岡選手自らクリアしますが、このボールが#40樋口選手に渡ってしまいます。#40樋口選手#22國領選手がついていながらも右足を振り切り、豪快なシュートをゴール右に突き刺します。福島があっという間に同点に追いつきました。


この失点は#5寺岡選手のクリアミスが最大の要因ですね。胸のところまで上がってきたボールを無理やり足を上げることでクリアしようとしてしまった。結果論ですが、プレッシャーもさほどなかったですし、胸トラップをしていたら防げていた失点だったかもしれません。#40樋口選手#25有永選手#22國領選手の間に入るポジショニングや思い切ったシュートも上手かったですけど、人数は揃っていたので実にもったいない失点でした。


後半5分。#22國領選手#22ニウド選手がハイボールの競り合いから#22國領選手がピッチにうずくまってしまいます。#22ニウド選手の左ひじが#22國領選手の頭に入ってしまい、#22國領選手はそこから出血。試合に再び出るためには一度ピッチ外に出て止血をしなければなりません。#22國領選手は担架で運び出され、そのまま#8河合選手と交代。パルセイロにとってはアクシデントで3枚ある交代枠のうち1枚を使ってしまい、ボランチでセカンドボールの回収や、SBが上がったスペースを埋めたりしていた#22國領選手を失うことは大きな痛手だったと思われます。#8河合選手は左SHに入り、左SHにいた#14東選手がボランチに入りました。なお#22ニウド選手にはこのプレーでイエローカードが提示されました。


DSC01526





その後は一進一退の攻防が続きますが、だんだんと福島ペースになっていきます。福島は攻撃時にも、特に逆サイドのSBを中に絞らせており、これによってペナルティエリア内の人数を多くすることや、相手のカウンターのロングボールを跳ね返したり、セカンドボールを拾おうとしていました。また、SBが中に絞ることで誰がマークに着くのかがあいまいになり、相手守備陣を惑わせるという効果もありました。


これに対しパルセイロは福島以上にサイドで人数をかけることでボールを奪取しようとします。しかし、#25有永選手#14東選手の両ボランチがサイドに釣られてしまったことで、中のバイタルエリアは空いてしまいます。福島はそのバイタルエリアにボールを入れ、#40樋口選手#9武選手、上がってきたボランチの選手にシュートを打たせようとしますが、パルセイロのプレスも速くシュートまで持ち込ませません。


福島ペースで試合は進む中、パルセイロも素早いカウンターから何度かチャンスを狙います。#9津田選手がSBの後ろのスペースを狙って裏に走り、スルーパスを引き出します。#9津田選手は何度か裏でボールを受けるシーンもありましたが、福島の守備の戻りも速く、またラストパスでの味方との呼吸がなかなか合わず、パルセイロはシュートまで持ち込めません。


DSC01528





膠着してきた現状を打破しようと後半23分には両チームが選手交代を行います。福島は#11田村選手に代えて#27池田選手を投入。フレッシュな選手を前線に入れることで攻撃の活性化を狙います。


一方パルセイロは#30萬代選手に代えて#10宇野沢選手を投入。この日の#30萬代選手は主に#3阪田選手との競り合いで、福島戦ほど勝てず、残念ながらあまり存在感を発揮できませんでした。前線からの守備では#16堀田選手のミスを誘発するなどがんばってたんですけどね。代わりに投入された#10宇野沢選手はそのまま#30萬代選手がいた2トップの一角に入ります。


パルセイロの守備陣は福島の中に絞るSBを警戒して、いつも以上に横幅が狭くなります。ここでSBの横には広大なスペースが生まれており、福島はそこをワイドに開いた#14星選手#27池田選手に使わせようとします。パス交換からサイドの高い位置にボールを入れる福島。パルセイロのSBは寄せるまでに時間がかかり、後手を踏んでしまいました。SHもカウンターに備え、福島ほど戻ってはいませんでしたしね。福島がサイドからクロスを上げ、ゴールに結びつけようとしますが、そこはパルセイロ守備陣が冷静に跳ね返していました。


あとは#22ニウド選手の落ちない運動量ですか。後半になって#14東選手#25有永選手の運動量が落ちてきたのを尻目に#22ニウド選手は運動量やパワーをキープし、競り合いで勝利する回数も増え、ゴール前に飛び出していくシーンも多くなりました。パルセイロの守備陣は#22ニウド選手を捕まえてきれておらず、それが福島ペースになっていた要因の一つでもありますね。


DSC01568



後半29分にはパルセイロが早くも3人目の選手交代を行います。#9津田選手に代えて#13勝又選手を投入。#9津田選手はこの日は、前節の藤枝戦と変わらず#30萬代選手の落としを拾って攻撃に結び付ける係でしたが、#30萬代選手が藤枝戦ほど競り合いに勝てなかったので、#9津田選手の存在感も薄くなってきてしまっていました。ただそんななかでも裏抜けを果敢に狙い、何度かチャンスを演出したのは流石です。交代で入った#13勝又選手はそのまま2トップの一角に入りました。


後半31分。福島が2人目の選手交代を行います。ワントップで体を張っていた#9武選手に代えて#6鴨志田選手を投入。#6鴨志田選手はトップ下の位置に入り、それまでトップ下を務めていた#40樋口選手がワントップに上がりました。


パルセイロは184㎝の#30萬代選手を交代で欠いたことによりロングボールで一気のカウンターというよりはボールを回して崩していくという遅攻が多くなります。入ったばかりの#13勝又選手がサイドに流れボールを引き出そうとしますが、福島の守備陣形も4-4で整っており、なかなかゴール前までパルセイロはボールを運べません。



DSC01533




後半35分。福島も最後の交代を行います。右SBの#4宇佐美選手に代えて#7茂木選手を投入。#4宇佐美選手はイエローカードを一枚もらっていたのでそこのテコ入れと、いざとなればFWとしても振舞える#7茂木選手を投入したことで、福島は勝ちに行く姿勢を明確に打ち出します。


後半40分。ロングスローの流れから#14東選手が前線にロングボールを送ります。これを#4内野選手が頭で裏に飛び出した#10宇野沢選手に繋ぎ、#10宇野沢選手は中の#13勝又選手に向けてマイナスのクロスを送ります。しかし、#13勝又選手のシュートはジャストミートせず、相手にクリアされてしまいました。後半のパルセイロの攻撃では最も可能性が感じられた攻撃でしたが得点には至りません。


DSC01585





その後は福島もカウンターからチャンスを迎えますが決め切ることはできず、どちらにも決勝点が生まれないまま後半アディショナルタイム3分に突入しました。パルセイロはCKから#4内野選手が頭でゴールを狙いますが、これはキーパーの正面。そして福島は最後の最後で高い位置でスローインを獲得。#7茂木選手がロングスローを準備しますが、そのスローインが放たれることはなくタイムアップ。個人的には最後のスローインぐらいやらせてやれよとも思いましたが、どうやらスローインは時計の針が止まらないらしいのでゆっくりやっていたら、このように試合終了の笛を聞くということもあるみたいですね。順位を上げるため勝ち点3が欲しい両チームの対戦は前回対戦と同じ1-1-のドローに終わりました。


DSC01624






<ハイライト動画>



監督コメント(Jリーグ公式)

選手コメント(Jリーグ公式)

【9/16福島戦】試合結果をアップしました(長野公式)

2018明治安田生命J3リーグ第23節 vs 福島ユナイテッドFC|フォトギャラリー|ファンゾーン
(長野公式)

【9/16 長野戦】試合後記者会見 田坂監督コメント(福島公式)

J3のAC長野は福島と1―1(信濃毎日新聞)













今節のドローでパルセイロは6勝8分7敗の勝ち点26。順位は10位と変わりません。J2昇格圏内の2位につける鹿児島ユナイテッドFCとの勝ち点差は17に広がってしまい、残り11試合で追いつくには極めて厳しい状況ですが、それでもシーズンは続きます。パルセイロの次節の相手は同じく勝ち点26で11位に位置するSC相模原。前回対戦はパルセイロが2点差を追いつかれてのドローに終わっているため、その悔しさを晴らすためにも勝ちたいところ。会場はホーム長野Uスタジアムで17:00キックオフですので、ぜひ皆さん足を運んでみてください。3000人はいきたい。


がんばれ!AC長野パルセイロ!!

 
おしまい


REBROADCAST 初回限定盤
the pillows
DELICIOUS LABEL
2018-09-19







W杯で連日寝不足!!こんばんは、これです。


後編はこちら






ここまで3勝6分け5敗の勝ち点15で14位のパルセイロ。前節YS横浜に勝った勢いを生かして今節も勝利し、上昇気流に乗りたいところです。対するは福島ユナイテッドFC。ここまで5勝7分け2敗の勝ち点22で5位。前節終了時点で5戦連続ドローとのこと。J3でドロー数1位と2位の対戦と相成りました。




IMG_5640

IMG_5641

梅雨の開けた長野地方。この日も晴れています。梅雨とはいったい何だったのか。



IMG_5644

ライオーも夏仕様です。そういえば暑いってことで入り口でうちわが配られてました。毎年のことです。

IMG_5645

人の少ないスタジアム外周。

IMG_5646

夏っぽい。


IMG_5647

パル縁日。綿あめやスーパーボールすくいなどが出店していました。



と、ここで遅めの(15:30)お昼ごはん。今日チョイスしたのは…

IMG_5642

IMG_5652

#1田中選手プロデュースの「田中の焼きうどん&すき焼き風弁当」!!

ちなみに隣にあるジュースは…

IMG_5649

Uスタ外周で出店していた福島物産店「ふくしマルシェ」で購入した

IMG_5651

りんごジュースです。福島の選手が育てたりんごらしい。パルセイロ農園とちょっと似てるかも。どこも考えることは一緒ですね。

お弁当の中身をドーン。

IMG_5653

これで1000円です。どうです。美味しそうでしょう。実際美味しかったんですけどね。すき焼きは私を裏切らない。だってすき焼きはすき焼きだから。ピザでもカレーでもない、すき焼きだから。




さて、この日のパルナンデスでは長野市出身のミュージシャン、ななせさんがミニライブを行ってくれました。

IMG_5660

IMG_5664


IMG_5665

ギターの弾き語りで5曲。ミニって言うからには3曲ぐらいかと思ったら、結構がっつりやりましたね。影のある楽曲に透き通った可愛らしい歌声が乗っかって、心の一つ深い部分をつつかれたような感じがしました。

IMG_5666

ステージ終了後にはパルナンデスにも出演。現在18歳で(若!)、東京に拠点を置いて長野や関東で活動しているらしいです。パルセイロの試合は小さいころに何度か見に来たことがあるとのこと。旧南長野の時代ですね。



IMG_5682

応援の意味も込めてCD(3曲入り1000円)も買いました。これでね、ななせさんがね、得たお金でね、昼食と夕食の間にチョコやキャンディーを買って食べたりしてくれればなって思います。お金を落とすっていうのはそういうことでしょう。たぶん。

ところでパルセイロ、今シーズンに入ってからパルナンデスでライブやること多くなりましたよねー。今シーズンだけで既に3回。J3では結構多い数字なんじゃないでしょうか。もうこのまま毎試合誰かを呼んでライブしてもらって、音楽的なクラブになってしまおうぜ。試合外の充実は大事でしょう。そういうところで特色出していきましょうぜ。



13:15。ピッチ内アップの開始です。

IMG_5670

IMG_5671

IMG_5672

IMG_5674



と、ここでいつものようにもう一回外へ。

IMG_5675

芝生広場ではパルセイロのサッカースクールの体験の一環としてキックターゲットのような何かがなされていました。人すごい集まってた。



IMG_5668

パルナンデスにて、本日の選手トークショーは#27竹下選手が登場。



IMG_5676

毎度お決まりの質問「好きな女性のタイプは?」。惚れた腫れたのその先はどこにあるんでしょうか。



IMG_5678

この日はギャラリーとして#16阿部選手#8河合選手がガヤを飛ばします。この二人、この後サイン会してました。



グッズ―。

IMG_5677




パルセイログッズに加えてユニフォームサプライヤーのPENALTYさんのグッズもこの日は置かれてました。先のマッチデーの売り残りを捌こうとしてたのかな。

IMG_5648



一通り見て回ったあと、スタジアム内に戻ります。

IMG_5679

アップの続き。

IMG_5681



試合前恒例リスペクト宣言。愛くるしい宣言に福島サポさんからもコールが飛んでました。

IMG_5683







両チームッ…!!スタメン発表ッッッ…………!!!


IMG_E5772

パルセイロッ...!!前節からスタメン3人を変更ッ...!!
#3大島選手#28松村選手#30萬代選手がスタメンッ…!!結果を出せなければ明日はないッ......!!!
フォーメーションは4‐4-2ッ...!オーソドックスッ…!!オーソドックスだッ……!!!




IMG_E5773

対する福島ッ…!!こちらは前節からスタメン二人を入れ替えッ…!!
なんとッ...!チーム得点王の#22ニウド選手がここに来て離脱ッ…!!痛いッ…!これはあまりにも痛いッ...!!
フォーメーションは4-2-3-1ッ...!!現代サッカーの定番ともいえるフォーメーションだッ……!!!






はい、選手入場と両チームサポーター。

IMG_5684

IMG_5686

IMG_5688

IMG_5689

IMG_5692




この日は明治安田生命様冠マッチということで、明治安田生命長野支社の支社長さん(名前忘れた。ごめんなさい)がキックインセレモニーを行いました。

IMG_5693

普通のキックでした。



円陣を組んで…

IMG_5695


前半キックオフ!


後編に続く








前編はこちら


前半キックオフ!


IMG_5696

IMG_5697

試合開始直後からパルセイロは前線から積極的にプレスをかけ始めます。#13勝又選手はパルセイロのFW人の中でも前線からの守備に定評がある選手で、その#13勝又選手を中心としたプレスで、福島のディフェンスラインにボールを大きく蹴らせることを許しません。

また、ボランチに入った#14東選手が前線からのプレスに行くことも多く、その開けたところを使われたらどうすんだろと思ってましたが、相手ディフェンスはGKまで戻してくれたおかげで、そのスペースはあまり使われることはありませんでした。



IMG_5698

IMG_5699

福島は田坂監督が就任した昨シーズンから「密集」をテーマにしており、縦幅、FWの#9武選手とディフェンスラインとの距離をコンパクトに、一定に保つようにディフェンスラインを上下させていました。

このときにディフェンスラインが高くなることが多く、パルセイロはその後ろにぽっかり空いたスペースを使おうと、前半は裏のスペースへのロングボールを多くしていました。届くことは少なかったですが。



IMG_5701

IMG_5702

前半20分、#23堂安選手が右サイド高い位置でボールを奪い、ドリブルで持ち上がって中に低いクロス。これを#30萬代選手がフリーの状況で受け、あとは押し込むだけでしたが、#30萬代選手は当て損ねてしまい、ボールは枠外へ。高い位置でファウルなしで奪った#23堂安選手のファインプレーも得点に結びつけることは出来ず、前半最大のチャンスをパルセイロはフイにしてしまいました。



IMG_5704

IMG_5706

福島は縦幅はコンパクトにしてくるんですけど、横幅はけっこう大きく取るんですよね。特に右サイドでボールを持った時の、左SHの#40樋口選手がタッチラインの近くまで開いていました。パルセイロの選手に自分に意識を向かせて中を有利に進めようっていう、自分に付かせてパルセイロの選手同士の距離感を開かせようっていう思惑があったのかもしれないです。

けど、パルセイロのディフェンス、特に正対する左SBの#2松原選手は、#40樋口選手に付くことはせず中を固めてきていました。ボールが出ても#40樋口選手が触るまでにけっこうな時間がありますし、その間にスライドなど対応をしていけばいいって割り切ったんですかね。囮に釣られずに、スペースを空けなかったパルセイロの守備陣の対応がよかったですね。



IMG_5708

IMG_5712

前半31分、#5寺岡選手のクリアを相手選手との競り合いを制し、高い位置で拾った#13勝又選手#5寺岡選手のクリア、タッチライン割るかと思ったら全然割らなかった。狙ってやったものですよね。上手いなあ。#13勝又選手はそのままドリブルで中に切り込み、ペナルティエリア内右からシュートしますが、サイドネットを揺らすだけで、ゴールには至りません。せめて枠に飛ばしてほしかったですが、#16堀田選手に完全にコースを切られていたので難しかったのかな。でも、股下のコースを狙って打ってほしかったとは思います。



IMG_5714


今日もパルセイロの2ボランチは#14東選手#6岩沼選手のセットで、主に攻撃に参加するのが#14東選手、守備を担うのが#6岩沼選手ときちんと役割分担がなされていた印象です。

もともと#14東選手は攻撃の選手ですし、比較的プレッシャーの薄い状況の中で決定的なパスを出させたいという考えが阪倉さんの中にはあったのかな。

一方#6岩沼選手は守備のマルチロールらしく、ポジショニングの妙でルーズボールを拾ったり、適切なカバーリングで前の選手が抜かれてもすぐ守備に行けるようにしたり、気を聞かせてSBの選手が上がってできたスペースを埋めたりと、目立ちにくいながらも確かな活躍をしていました。この分業制けっこうハマるかもです。



前半も時間が経つにつれて、パルセイロのハイプレスも、後半に向けて体力を取っておくために、弱まり、福島がボールを持つ時間が長くなっていきます。

ただ福島も後ろで余裕をもってボールを持てるようになったので、まずはディフェンスラインでゆっくりボールを回し、機と見れば縦パスを入れて攻撃に出始めます。福島の攻撃はサイド攻撃が主で、SH、SB、ボランチ、トップ下、ワントップと多くの人数が絡んでボールを回します。特徴的だったのはSBの動きで、ボールをほかの選手に預けるとそのままサイドにいないで中に入っていくんですね。欧州で言うとバイエルンがよくやっているらしい、アラバロールという名称らしい、SBが中に入っていく動き。こうすることで相手に迷いを生ませることができ、マークの受け渡しが遅れる、中央に人数を増やすことでフィニッシュの確度を上げるなどの効果があるそうなないそうな。

特に左サイドでの展開が多かったですかね。左SBの#14星選手は本来一列前の選手で、そういった動きに慣れている特性を生かそうという起用だと思われます。ただパルセイロの選手も前半は暑い中、集中力を持続させなんとか守っていました。



IMG_5720

前半アディショナルタイムの#17前田選手の決定的なシュートは#21小澤選手が弾き、0-0で前半終了。パルセイロにとっては悪くない前半でしたが、決めるべき時に決め切れず、また途中でペースダウンしたとはいえ、前半かなり飛ばして入ったので後半体力持つのかな、どうなるんだろうっていうのはありました。



IMG_5722

IMG_5724

IMG_5725

ハーフタイムにはこの日の冠スポンサーである明治安田生命様主催で、選手のサイン入りボールが投げ込まれました。マスコットキャラクターのうさりんとライト君も一緒です。かめろんはどこ行った。



IMG_5726

本日のボランティア参加者は48人。いつもありがとうございます。



IMG_5727

両チームともに選手交代のないまま後半が始まります。パルセイロはキックオフ前に5mダッシュを3本くらいやってました。プロの試合でやってるの初めて見た。中学の部活っぽさがそこにはありました。

そして後半キックオフ!



IMG_5728

IMG_5729

後半立ち上がり直後、パルセイロはCKのチャンスを得ます。#6岩沼選手が上げたボールをゴール前で#2松原選手がヘディング。これは#16堀田選手に弾かれますが、そのこぼれ球に反応したのも#2松原選手。ボレーシュートでゴールに蹴り込みパルセイロが先制!...かと思いきやなんとこのゴールは取り消されてしまいます。

このゴール取り消し、ゴールラインに相手選手が二人いたことからオフサイドの線はないですし、ハンドも誰もしていません。可能性として考えられるのは、一回目のヘディングで#2松原選手相手選手を押さえつけて跳んだことでファウルを取られたという線ですね。でもこのくらいだったらみんなやってるし、あまり取られることはないよなぁ。謎です。正直不服です。



IMG_5731

IMG_5733

後半12分、福島は左サイドで#29輪笠選手#9武選手#40樋口選手とパスを繋いで突破し、#40樋口選手#5寺岡選手の寄せが甘くなっていたところを見逃さず、思い切ってシュート。これがゴール右隅に突き刺さり、福島が先制します。

この失点は#9武選手に自由を与えてしまって前を向かせてしまったところが不味かったですね。#9武選手のパスでパルセイロのDF3人が一気に置き去りにされて、一気に数的不利に陥ってしまったので。

#9武選手にもっと厳しく体を寄せていれば、防げた失点だったかもしれません。監督が代わってもパルセイロのプレスの緩さはあまり変わっていませんね。もっと相手がボールを受けるときに厳しく体を当てて、相手のプレーを制限してほしいなって思います。

そして#5寺岡選手のプレスが甘くなってしまった問題ですが、これ、#5寺岡選手の前で#14星選手がフリーになっていたんですよね。ここで福島の特徴、SBの中への侵入が生きました。

#5寺岡選手#14星選手も意識しなければならず、そのためにプレスが甘くなって#40樋口選手にシュートを打たれてしまいました。パルセイロの守備のまずさと福島の攻撃のストロングポイントが合わさって生まれたゴールでしたね。



IMG_5738

そして、この直後の後半14分、パルセイロは最初の選手交代を行います。#13勝又選手に代えて#25有永選手を投入。#13勝又選手は前半、前線からのプレスを続け、疲れてきていたので、早めに交代したって感じですかね。ボールも受けられなくなって試合からも消えつつありましたし。#25有永選手は左SHに入り、右SHだった#28松村選手が2トップの一角に入りました。



IMG_5739

IMG_5740

パルセイロはその#25有永選手のいる右サイドから攻めようとしますが、福島の人数をかける密集した守備により、なかなかボールを回せません。SBが持っても前につけることができず、結果ディフェンスラインに戻してまた組み立て直し、前半にはできていた縦に早い攻撃はなかなかできなくなっていました。

サイド攻撃がボールを回してボランチやSBが裏のスペースにパスを出して、それをSHや流れてきたトップの選手が拾ってクロスっていうパターン一つに依存していて、その前段階のボールを回すところで奪われてカウンターを受けていたので、もう一つサイド攻撃のパターンが何か欲しいところです。



IMG_5744

IMG_5748

本日の入場者数は3,576人。何とか3,000人は入りましたが、もう少しほしいところではあります。



IMG_5752

後半29分、パルセイロと福島が同時に選手交代を行います。パルセイロは#30萬代選手に代えて#10宇野沢選手を投入。#30萬代選手は前半の決定機を逃したのが悔やまれますね。#10宇野沢選手はそのまま#30萬代選手のいた2トップの一角に入りました。

一方福島は#11田村選手に代えて#27池田選手を投入。この日の#11田村選手は中に入り込む動きでパルセイロ守備陣の脅威になっていました。代わって入った#27池田選手#11田村選手のいた右SHに入ったと思います。



IMG_5754


基本は4‐4のブロックを敷いて、ときには逆サイドのSHが下がっての5バック気味で守りを固める福島に対しなかなか得点を奪うことができないパルセイロは後半38分に最後の選手交代を行います。#28松村選手に代えて#7佐藤選手を投入。#28松村選手はドリブル突破で惜しいところまで行きましたが、いかんせん最後の精度に欠けた。残念。#7佐藤選手は2トップの一角に入りました。



IMG_5757

IMG_5759

後半44分、右サイドでスローインを受けた#6岩沼選手がドリブルで中に持ち込み、ペナルティエリア前の#14東選手にマイナスのパス。それを受けた#14東選手は右にトラップし、ゴール前25mからグラウンダーのシュート。これが#16堀田選手の逆を突き、#16堀田選手は何とか触れようとするも届かず、ゴールに吸い込まれパルセイロが同点に追いつきます。

#14東選手は第10節ホーム群馬戦以来の今シーズン2ゴール目。群馬戦とよく似た状況で、よく似たシュートコースでのゴールでした。リフレインリフレーイン。

このゴールはその前に#6岩沼選手がドリブルでDFを3人引き付けたことが大きいですよね。#6岩沼選手がDFを引き付けておいたおかげで、#14東選手はフリーでボールを触ることができたわけですし。

あとは福島のDFが中3人に対して5人くらいいたのも大きかった。時間帯もあってゴールを固めて守り切ろうっていう意識が大きくなり過ぎていたのかもしれませんね。それで#14東選手へのプレッシャーが遅れてしまったと。

そして、やっぱり#14東選手のうまさですか。テクニカルなゴールでした。それと実況情報によると、先週のパルセイロは練習でスローインからの攻撃パターンを繰り返し練習していたらしいく、練習の成果が出たゴールとも言えそうです。



IMG_5760

IMG_5762

その後、福島は左SBの#14星選手に代えて#6鴨志田選手を投入。攻められている右サイドをケアしたいという考えからですね。

しかし、追いついて勢いづいたパルセイロの攻撃は続きます。ディフェンスラインも疲れてラインの上げ下げができなくなってきたこと、選手間の横幅を狭くして中を固めてことを利用し、サイドの裏にロングボールを出しますが、#16堀田選手にケアされたり、相手に当てて得たCKやロングスローでもシュートまで行けなかったりと逆転弾は奪えません。

後半アディショナルタイム4分。裏へのロングボールを#16堀田選手がキャッチしたところで試合は終了。1-1でドローに終わりました。福島はこれで6戦連続のドローらしい。でも3年くらい前の京都は8連続だか9連続だかドローを繰り返してたので、新記録まではまだ先は長いですね。何の話だ。






IMG_5764

IMG_5765

IMG_5766



試合終了後にはパルセイロにも在籍していた#3阪田選手がゴール裏に来てくれました。

IMG_5769

バックスタンドからゴール裏、メインスタンドまでハイタッチをねだるお客さんに一人残らず対応していく#3阪田選手。愛されてますね。そんな#3阪田選手をパルセイロゴール裏は、パルセイロ在籍時代のチャントで迎え入れます。ドローに終わりモヤモヤしたサポーターの心に一筋の清涼な風を吹き込んでくれるようで、とても心温まるシーンでした。

IMG_5771

空はまだ明るい。お疲れ様でした!





<ハイライト動画>






監督コメント(Jリーグ公式)

選手コメント(Jリーグ公式)

2018明治安田生命J3リーグ第16節 vs福島ユナイテッドFC(長野公式)

2018明治安田生命J3リーグ第16節 vs 福島ユナイテッドFC|イメージギャラリー
(長野公式)

【7/1 長野戦】試合後記者会見 田坂監督コメント(福島公式)

AC長野、連勝ならず 福島と引き分け(信濃毎日新聞)





さて、このドローで通算3勝7分け5敗の勝ち点16となったパルセイロ。順位は14位のまま変動はありません。そして、次戦の対戦相手は勝ち点で並ぶカターレ富山。パルセイロが一つでも上の順位に行くためにはこの試合も勝つしかありません。北陸新幹線で一本なので多くの富山サポーターが来訪することが予想されますが、こちらもそれに負けない大声援で選手たちの背中を押しましょう。会場はホーム長野Uスタジアム。日時は7/8、17:00。是非とも気軽に長野Uスタジアムにお越しください。よろしくお願いいたします。



頑張れ!AC長野パルセイロ!


おしまい




Go!!GO!GO!Go!!
GO!GO!7188
ビクターエンタテインメント
2010-06-02



このページのトップヘ