こんばんは。毎日暑いですね。これです。

今回のブログは3か月ぶりの「私の好きなバンドの話」になります。
まだ終わってませんよ。

拙い文章ですが何卒よろしくお願いいたします。












~私の好きなバンドの話


第8回:THEE MICHELLE GUN ELEPHANT






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THEE MICHELLE GUN ELEPHANT(ミッシェル・ガン・エレファント)は、日本ロックバンド1991年結成。2003年解散。
(Wikipediaより引用)



メンバー

・チバユウスケ:ボーカル
 結成当時から在籍。楽曲によってはギターやタンブリン、マラカス、ハーモニカなどの楽器も使用する。また、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTの全楽曲の作詞も務める。解散後はROSSO棟で活動後、2006年よりクハラとともにThe Birthdayを結成し活動中。

・アベフトシ:ギター
 1994年加入。解散後はKOOLOGIに参加するも脱退。その後CARRIEを結成するが数本のライブで解散。その後、古郷・広島に帰り塗装工として生計を立てていたが、吉川晃司の要請により、吉川晃司のステージのギターを務めた。2009年7月22日未明、急性硬膜外血腫により急逝。

・ウエノコウジ:ベース
 結成直後に加入。解散後は主にthe HIATUS、Radio Carolineのメンバーとして活動。また武藤昭平 with ウエノコウジとしての活動や、サポートミュージシャンとしても活動している。 

・クハラカズユキ:ドラムス
 結成直後に加入。THEE MICHELLE GUN ELEPHANTのリーダー。解散後、うつみようこ&YOKOLOCO BANDや、M.J.Qなどのメンバーとして活動し、2006年からチバと共にThe Birthdayを結成し活動中。
(同じくWikipediaより引用)



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私がTHEE MICHELLE GUN ELEPHANT(以下ミッシェル)を知ったのはベスト盤のレンタルしてのことですね。すごいありがちですけど。大学でバンドサークルに入ろうと思って、その時ピロウズ以外のバンドをあまり知らなかった私は、とりあえず名前を知っているバンドのCDを何枚か借りて。そのうちの一枚にミッシェルのベスト盤もありました。もう活動してないことはなんとなく知ってました。



で、聴いてみたところ、とにかくかっこいいんですよ。これが。チバさんのがなるような歌声がまず衝撃的でしたし。アベさんのキレのあるカッティングギターだったり、チバさんとアベさんのツインギターの掛け合いだったり、ウエノさんの存在感のあるベースだったり、クハラさんの痺れるようなドラムだったり、全てがとてつもなくカッコよくて。今までJPOPだったりしか聴いてこなかった私の頭の中で何かが壊れ、砕け散るような感じがしました。



あくまでも個人的な考えですけど、ミッシェルってあまり深いメッセージ性のないバンドだとおもうんですよね。「前を向いて歩こうぜ」とか「生きるって素晴らしい」だとか、そういうメッセージ性のある音楽をやってるバンドも嫌いではないんですけど、ミッシェルには音楽を通じて伝えたいメッセージがあまりないと思うんですよね。その時々にかっこいいと思ったものをただやってるだけだったんじゃないかって。



歌詞だって「あふれかえるパスタの山泳いでいた」や「吐きたいね 吐いちゃいな」などそこまで意味のない言葉が多いじゃないですか。それまで私が聴いてきたJPOPっていうのは、わりと歌詞に意味を持たせようとする曲が多いじゃないですか。それに慣れていた私にとってその意味の少ない歌詞はとても新鮮に映りました。



そういった意味の少ない音楽っていうのは私にとってあまり経験したことがないものですし、いい意味で考えずに聴ける。で、繰り返しになりますけどミッシェルってとにかくかっこいいんですよ。それに憧れた人たちも相当数いるはずで、ミッシェルがきっかけとなってバンドを始めた人も多分少なくなくて。そうなるとその人たちにとってミッシェルは大きな意味を持つものになってるじゃないですか。意味の少ないものが、大きな意味を持つものになっていくのは特別なことで、ミッシェルの鳴らす音楽が持っているそういった特別なパワーが、私がミッシェルを好きなところの一つです。






加えて、私がミッシェルの好きなところの一つに「諦め」っていうところがあるんですよね。ミッシェルの歌って激しい歌でもどこか暗いんですよ。それはチバさんのがなる歌声がそうさせてるっていうところもありますし、メンバーの地に足のついた演奏によってというのもあるんですけど、一番はミッシェルがどこか「諦め」ているのが大きいんじゃないのかなって。「諦め」ているからか、どの曲もどこかシニカルなんですよね。



それはデビュー曲の「世界の終わり」(1st Album「cult grass stars」収録)から既に現れてると思います。





まず、一番最初の世間に触れる機会であるデビュー曲に「世界の終わり」っていう、悲観の最たるものを持ってくるその姿勢ですね。世に溢れる「何が何でも生きる」というポジティブなメッセージとは正反対です。で、歌詞を見ると、歌詞に出てくる「君」っていうのは「世界の終わり」を受け入れているんですよね。何なら待ち遠しく思ってるくらいで。「世界の終わり」っていうどうしようもないものに対する「諦め」が「君」を一種の躁状態にさせてるんだと個人的には思うんです。人間どうしようもなく打ちのめされたときに、笑うことってあるじゃないですか。まさにそういう状態なのかなって。デビュー曲からミッシェルは強烈すぎるほどの「諦め」を打ち出してきました。



次に挙げるのがミッシェル中期の名曲。「リボルバー・ジャンキーズ」(5th Album「カサノバ・スネイク」収録)





「リボルバー・ジャンキーズ」は圧倒的な勢いを持っていて、曲自体は半端じゃなくかっこいいんですけど、歌詞を見てみるとなかなかに絶望的で。「今日の風は俺に泣いているのだろうか」は、反語で「いや、泣いていない」が後につくことから「諦め」が見て取れますし、「見上げた空には色が消え失せていたんだ」っていうのはどうしようもない絶望感を感じさせます。そもそも「煙が上がる6連発」にもあるようにリボルバーっていうのは回転銃のことで、「リボルバー・ジャンキーズ」っていうのは「回転銃の中毒者たち」っていう意味です。この歌は「諦め」から銃口を自分に向けて「さよならベイビー」と引鉄を引くよって歌だと私は思っていて、ミッシェルの「諦め」という視点は変わっていません。



でも、ミッシェルはその「諦め」をエネルギッシュな演奏で吹き飛ばそうとしているんですよね。そこに爽快感が生まれて気持ちよく感じるんですけど、でも結局は吹き飛ばせていないんですよ。だって私にでさえ感じ取れるくらいですもん。その隠しきれてない陰の空気も私がミッシェルを好きな理由の一つです。



そして、後期になるにつれ、その「諦め」や陰の空気は増していきます。





この「太陽をつかんでしまった」(7th Album「SABRINA HEAVEN」収録)なんてその最たるものだと思います。「太陽をつかんでしまった男は ライオンのプールで死んでた」に始まり終わるんですよ。もう「諦め」を吹き飛ばそうともしていないです。でも、演奏はそれでも何かをもうともがいるように感じられますし、「諦め」ているのに「諦めてきれていない」。矛盾しているようですけど、この矛盾が最高にかっこいいんですよね。







私がミッシェルに惚れたところって悲しい歌詞をかっこよく演奏するところなんです。厳しい現実に対して「諦め」ているところもあるんですけど、それでも「諦めきれず」に、音楽という武器で抗っていく。自らの思う「格好よさ」をどこまでも愚直に貫いていく。それが私の心に風穴を開けたんです。そこから私の中を暴れ回って、一つ一つ傷を残していく。その傷は痛いんですけど、それ以上に誇らしくて。そんなミッシェルが解散から15年、私が知ってから5年経った今でも変わらず好きです。
 




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さて、恒例の曲紹介です。今回はもう文中で3曲紹介しているので、ここで紹介するのは3曲のみですけどね。



・バードメン

 


いきなりエンジン全開のこの曲。曲中何回も繰り返される「フライ、フライ、バードメン」ここでのチバさんの唯一無二のしゃがれ声がたまらない。できないんだけど思わずマネしたくなっちゃう。それで気持ち悪くなったりね。鋭く尖ったギターフレーズ、攻撃的なドラムパターン、積極的に動き回るベースライン。その全てで脳みそをかき回されそうになる曲です。3rd Album「Chicken Zombies」収録。





・G.W.D




この曲は何といってもウエノさんのベースですよ。イントロからクールで憧れる。曲中もビシッと締めてるし。ウエノさんのベースがまとめてくれるから、チバさんのボーカルやアベさんのギター、久原さんのドラムが存分に前に出ていけるんですよね。間奏でテンションを高めておいての「刻んだ瞬間を踏み散らすために指から舐めだして踝で終われ」が爆発力があって好きなところ。たぶんここはみんな好き。4th Album「ギヤ・ブルース」収録。






・ダニー・ゴー




ベースとドラムから始まるイントロが印象的なこの曲。どちらかというと暗く絶望的な歌を歌ってきたミッシェルには珍しく希望が見える曲。歌詞でも「振り返らず 錆びた風は 続くだろう」とストレートに希望を歌ってますしね。「続くだろう」って希望を。「ダニー・ゴー」の連呼が絶望から抜け出そうと必死にもがいてるように聴こえます。ファンのなかでも一二を争う人気曲っていうのを以前どこかで見たような見ないような。それも納得できる名曲です。4th Album「ギヤ・ブルース」収録。





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以上、私の好きなバンドの話【第8回:thee michelle gun elephant】でした。久しぶりにもかかわらず、お読みいただきありがとうございました。


さて、次回【第9回:UNISON SQUARE GARDEN】に...


続く


THEE GREATEST HITS
THEE MICHELLE GUN ELEPHANT
ユニバーサル・シグマ
2009-12-16