前節Y.S.C.C.横浜に0-1で敗れ3戦勝ちなしと苦戦が続くAC長野パルセイロ。第27節終了時点で7勝9分9敗の勝ち点30で11位と少しずつ順位を下げていっています。そして今節の相手は第27節終了時点で9勝2分14敗の勝ち点29で14位につけるカターレ富山。前半戦の対戦ではパルセイロが5-0で大勝していますが、両チームに力の差はそれほどなく、その時の試合のような展開にならないことは容易に想像がつきます。ただ順位を一つでもあげるために勝利が必要なのは両チーム同じ。激しい試合が展開されるでしょうことも想像に難くありません。













両チームのスタメンです。


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パルセイロは前節からスタメンを2人変更。#7佐藤選手がボランチで7試合ぶり、#26遠藤選手が出場停止になったCBには#3大島選手が8試合ぶりのスタメン出場です。フォーメーションは4-4-2。


対する富山。

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こちらは前節からスタメンを3人変更。#15ルーカス選手がCBで、#6差波選手がボランチで2試合ぶりのスタメン出場で#29吉岡選手は長崎から期限付き移籍後の初出場を飾りました。フォーメーションは3-4-2-1。




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14:03、前半キックオフ!



立ち上がりはパルセイロが攻めます。8分と12分に#8河合選手がチャンスを迎えますが決め切れません。この日富山は3-4-2-1の布陣を採用してきましたが守備時にはこれが5-4-1のような陣形になります。5バックにすることによってパルセイロの前線4枚に数的優位で向かうことが目的でした。パルセイロは#8河合選手が中に絞ってきて#2松原選手が上がることが多いのですが、この場合でもディフェンスラインで5対5と数的同数になって守り切ろうとしてきます。


また、富山はこの日前線からのプレッシングを押さえ、自陣で5-4の守備ブロックを押さえることを優先するリトリート戦法をとってきました。プレッシャーをかけ始める位置も自陣に入ってからと低めで、いわば富山が引いてきていました。これはパルセイロが#30萬代選手にロングボールを当てる攻撃が多く、引くことで#30萬代選手の周囲の密度を高め、セカンドボールを拾おうという狙いがあったと思われます。


しかし、パルセイロはこれを逆手に取ります。富山が引いてきたことでパルセイロのボランチやCBの選手がボールを持てるようになり、落ち着いてボールを回していきます。相手の前でボールを回すことによって相手を食いつかせ、横一線の関係から斜めの関係にしてギャップを作ることで縦パスも多く入っていました。


前半8分のシーンはまさに富山の選手を動かしてギャップを作ることでシュートまでいったというシーンでした。パルセイロはボールを奪ってから素早く右サイドを上がっていた#25有永選手にボールをつけます。ここで#25有永選手には#24前嶋選手が対面していたのですが、そのカバーに#15ルーカス選手がサイドに釣りだされ#3代選手との間が空きスペースが生まれています。そこに#30萬代選手が走り込んでゴールを狙おうとし、最後は#8河合選手がシュートを打ちますが、#15ルーカス選手に阻まれてしまいゴールならずというシーンでしたが、速攻と相手を動かすという意識が大きく表に出たシーンでした。


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そうしてパルセイロが序盤のチャンスを決め切れずにいると徐々に富山も反撃に出てきます。パルセイロの前線が#30萬代選手#28松村選手の2枚なのに対し、富山は3バックで一人余らせています。その3バックの両脇がサイドに大きく開き、パルセイロの前線からのプレッシャーを無効化します。そしてボールを持ったCBはサイドを重点的に狙ってきます。パルセイロは守備時に富山の5バックよりも1人少ない4バックで守っているため、SBが中央に絞り気味のポジションを取っているのでその外を狙うといった形ですね。


前節対戦したときの富山の攻撃というのはハーフスペースと呼ばれる中央とサイドの間のスペースを2シャドーが使うというものでした。5-0で勝ったもののパルセイロはこの攻撃には手を焼いていましたが、今回はちゃんと対策を施してきています。#6岩沼選手#7佐藤選手の2ボランチのうちのどちらかが、素早くハーフスペースに移動し、相手が使いたいスペースを消すことに成功します。


ここでシャドーを封じられた富山の攻撃のアクセントとなっていたのが#9苔口選手。サイドに流れたり下がってボールを受けたり自由に動きます。さらに#9苔口選手はハーフスペースを狙って顔を出していたため、パルセイロディフェンスはシャドーに加えて来る#9苔口選手を捕まえ切れません。#6岩沼選手#7佐藤選手といったボランチの選手が戻ってディフェンスラインの人数を増やしたり、相手の中の人数不足にも助けられ、最後のところはやらせていませんでしたが。


また、この日のパルセイロはプレッシャーをかけ始める位置を富山よりも前のミドルサードの敵陣半分に設定していました。富山のボランチにボールが入った時にはパルセイロのボランチが、WBに入ったときはパルセイロのSHが厳しくいくことで富山の選手のプレイを制限します。プレッシャーをかける速度が速くなり、また相手との距離も短くなっていたので、前節の緩い守備からの進歩が見られます。



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富山に攻められることもありましたが基本的にはパルセイロペースで試合は進んでいきます。しかし立ち上がりに比べてどうも攻め切れません。パルセイロは立ち上がり少し飛ばして入ったため、前半20分あたりから体力を90分間持たせるために少しクールダウンします。しかし、その代償として富山に素早い帰陣を許し、出しどころが少なくなっています。パルセイロの選手はボールを持っても判断が遅く、まるでボールを持ってからどこに出すのか考えているようです。スピード感がまるで見られず、また動き出しも少なかったため、ボールを持っていても富山に回されている感が出てしまっていました。もしかすると富山は前半は引いて抑えめに入って後半勝負というゲームプランできていたのかもしれませんね。


しかし、前半35分辺りからパルセイロはまたペースを上げていきます。ボールを動かすことによってパスコースを作り出し、また受け手である#28松村選手#30萬代選手の運動量も増加し、スルーパスが合うようになっていきます。#28松村選手が抜け出してゴールに迫るなど惜しいシーンも作っていたなか、前半39分には富山が早くも動きます。


富山は#6差波選手に代えて#2脇本選手を投入。この日の#6差波選手のプレスが遅かったり、戻るべきところで戻れていなかったり、攻撃でもちょっとのプレッシャーで後ろを向いてしまったりと消極的な姿勢がマイナスに移ってしまったんですかね。もしくはガツガツ行ける#2脇本選手を投入して、プレッシャーを速くすることでスルーパス、縦パスを防ぐという狙いもあったと思われます。いずれにせよ意外なほど早い交代でした。


しかしパルセイロが攻め込む展開は変わらず、ロングスローやコーナーキックなどのセットプレーのチャンスを得るものの決め切れずに前半が終了。引いてきた富山に対しボールを回すことで、今までのロングボール主体の攻撃とは違うパルセイロの良さが現れた前半でした。ただ判断やパススピードが遅く、相手の人数がそろっていて守られたシーンも少なくなかったので、後半はどうスピードを上げていくかですね。前半は0-0で良し、後半勝負という富山のゲームプランに乗ってしまったのでそれを打破するだけの勢いが求められます。


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富山は後半を迎えるにあたって選手を一人交代します。右WBの#13佐々木一選手に代えてDF登録の#28谷奥選手を投入。前半高い位置を取っていた#13佐々木一選手の交代は予想外でしたが、守備を固めたいという考えですかね。そして富山はこの交代に伴いフォーメーションを4-2-3-1に変更します。#3前嶋選手が左SBに入り、#28谷奥選手が右SBに入ります。2列目は右から#19柳下選手#29吉岡選手#7佐々木陽選手と並び、#9苔口選手がワントップのような形になりました。




後半キックオフ!


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後半3分にはパルセイロも選手交代を行います。左の桃を負傷した#28松村選手に代えて#14東選手が出場。#28松村選手はこの日はロングボールが少なかったので#30萬代選手の落としを拾うという役割よりも、裏を狙ったり自らドリブルで仕掛けていくシーンが多く持ち味をいつもよりは出せていた印象です。なので後半早々アクシデントによる交代は痛い。#14東選手はそのまま2トップの一角に入りました。


後半になるとうって変わって富山が攻め込むようになります。富山は後半から4-2-3-1にシステムを変更し、トップ下の#29吉岡選手がパルセイロのCBとボランチの四角形の中央にポジションを取り、パルセイロの選手たちを迷わせます。パルセイロは#29吉岡選手をフリーにしないために、ボランチが下がって四角形を小さくしようとしますが、そうなると今度はFWとの距離が空いてしまい、自陣浅くで富山の選手に自由にボールを持たれてしまいます。プレッシャーの少なくなった富山のCBやボランチの選手は精度の高いパスを出せるようになり、その度にパルセイロは受け身に回り、ディフェンスラインは徐々に押し下げられていきます。さらにCBの#3代選手が左サイドを上がって厚みを作ったり、#15ルーカス選手も上がってシュートを打つなど後方からの飛び出しもパルセイロの選手を惑わせていました。


また、後半の富山はプレッシャーをかけ始める位置を前半よりも10mほど高くしてきています。パルセイロはディフェンスラインからの攻撃の組み立てでボランチに縦パスを入れようとしますが、富山の選手がすぐに寄せてきてしまうため、安全なバックパスを選択し、なかなかボールを前線へと運ぶことができません。結果としてロングボールが多くなっていましたが、それでもこの日は#30萬代選手が多く競り勝っていたので、それを拾って何回かシュートにまで繋げられてはいましたけどね。


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しかしパルセイロも徐々に盛り返します。#6岩沼選手#7佐藤選手のボランチのどちらかがディフェンスラインに落ち、SBを高く上げます。そして中に絞ったSHにボールを入れ、SBがその外を上がっていきます。富山は前半はディフェンスラインが5枚だったのが4枚に減ったので、その分サイドも空いており、その隙を狙った攻撃ですね。ただここでも時間をかけてしまいクロスを上げるとこまで行かなかったり、挙げても跳ね返されてしまったりとゴールは奪えません。


後半23分。パルセイロが最初の選手交代を行います。右SBの#19三上選手に代えて#20都並選手を投入します。後半になって度々CBの#3代選手が左サイドを上がってきていたのでそのケアをしたいという考えだと思われます。#20都並選手一人でどうにかなる問題じゃないんですけど。


後半26分。パルセイロが敵陣左でFKを獲得します。これは相手選手に跳ね返されますが右サイドにいた#14東選手にボールが渡り、#14東選手は相手選手が寄せ切る前に左足を振り抜きます。このシュートが決まってパルセイロが先制に成功。#14東選手は今シーズン3得点目を挙げました。セットプレーで相手選手が自陣に固まっていたため、遠目にポジションを取っていた#14東選手のうまさが光りました。#21永井選手がクロスと迷って反応が遅れたのも一因ですね。しかし、この後パルセイロはこれと同じ形で失点を喫してしまいます。


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追いつきたい富山は後半29分に最後の選手交代を行います。#29吉岡選手に代えて、ドリブルが得意な#14川上選手を投入。新しい特徴を持つ選手を入れ攻撃に勢いをつけようとします。さらに、後半35分にはパルセイロも最後の選手交代。#7佐藤選手に代えて#17明神選手を投入することで1点を守り切るというメッセージを明確に打ち出してきます。


富山は攻撃の際にSHがあまり外に開くことがなくなり、中に人数をかけてきます。それに対抗するためにパルセイロ最中を多くの人数で固めます。ボランチが最終ラインに吸収され、あまり距離を開けすぎないためにもFWも自陣中央まで下がってきてしまいます。どんどんパルセイロは押し下げられ、富山の最終ラインもパルセイロの陣地内に入ってきてしまう始末。せっかく跳ね返したセカンドボールも自陣内で拾われ、苦しい展開が続きます。


それを防ぐためにもパルセイロはこのときに前線に一人残しておくべきでした。そうなると最終ラインでの数的優位を確保するために、富山の選手は二人下がってくるはずで、セカンドボールを拾われる確率も下がってきます。また、FWが低い位置にいると攻撃の起点も低くなり、そこでボールを奪われてしまうとゴールに近い位置なので危険度も爆発的に上がります。ここで前線に一人いたら、その選手めがけてロングボールを蹴れて、攻撃の起点となる位置も高くなり、そこでボールを奪われても危険度は比較的少なくなります。さらにボールキープで時間を作れれば味方が上がってきてカウンターということもできますしね。一点を守り切る意識が高すぎて引き過ぎたことがとにかくいけなかったと思います。


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パルセイロはゴール前を固めギリギリのところで耐えながら、時折カウンターも見せ、試合はアディショナルタイム3分に突入。パルセイロの選手は疲れてきたのか足が止まってしまい、富山の選手に満足なプレスをかけられなくなっています。距離が遠いためにシュートコースも防げず、クロスも簡単に上げられてきてしまいます。


後半アディショナルタイム3分に富山はCKを獲得。パルセイロの選手は11人全員がペナルティエリアに入っており、富山も#21永井選手も含めて9人がペナルティエリアに入っています。中に入れられたボールはパルセイロがクリアしますがそのクリアボールが富山の選手に渡り、富山はもう一回後ろで攻撃をやり直します。このとき富山は4人でボールを繋いでいましたが、パルセイロの選手でプレスに言っていたのは#8河合選手のみ。後ろに4人いるということはゴール前にはそれだけ富山の選手の人数が少ないということを示していましたが、足の止まったパルセイロは後ろで待ち構えることを選択します。当然#8河合選手1人ではプレスがかかるはずもありませんでしたが、もう一人行っても同じことだと判断したのでしょう。しかし、この判断が裏目に出てしまいます。右サイドでフリーでクロスを上げられ、中で人数がそろっていたにもかかわらず#19柳下選手に折り返され、#9苔口選手にゴールを許してしまいます。試合終了間際の土壇場でパルセイロは富山に追いつかれてしまいました。


この失点の要因は簡単にクロスを上げさせてしまったことが全てです。中にボールが入ってくる以上、こういった事故は起こりうると考えるべきで、ならばクロスを上げさせないことにもっと力を注ぐべきでした。しかし、パルセイロには跳ね返した時に最後の力を振り絞って、ラインを上げて選手を前に出すだけの力が残っておらず、中で待ち構える選択をしてしまった。ただその中でも人数は8対7と数的優位に立っていたにもかかわらず、ディフェンス陣が全員ボールウォッチャーになってしまって#9苔口選手をフリーにしてしまった。そしてゴール。中で跳ね返す選択をしたにもかかわらず、そのなかでの対応も不十分で悔やんでも悔やみきれない失点です。


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そしてこのまま試合は終了。パルセイロはあと少しのところで勝てたにもかかわらず最後のところで引き過ぎて同点に追いつかれてしまった非常にもったいない試合でした。前節も一人少ない状況とはいえ試合終盤に失点を喫しており、2試合連続で同じことを繰り返してしまったという意味でも痛いですし、これを教訓に次の試合につなげてほしいというにはもう遅すぎる。勝ち点1は取れたものの負けに等しいドローです。勝ちなしも4試合に伸びてしまいました。









<ハイライト動画>






監督コメント(Jリーグ公式)

選手コメント(Jリーグ公式)

順位表(Jリーグ公式)

【10/21 富山戦】監督・選手コメントをアップしました(長野公式)

明治安田生命J3リーグ第28節 vs カターレ富山|フォトギャラリー(長野公式)

[10/21(日)AC長野パルセイロ戦]公式記録を更新しました(富山公式)

AC長野、引き分け 4試合白星なし(信濃毎日新聞)













この結果を受けて、パルセイロは7勝10分9敗の勝ち点31。順位は11位で変わりませんが、同勝ち点に藤枝と盛岡がつけていて得失点差で何とか上にいるという状況です。ショッキングな引き分けでしたがただ、次の試合はすぐにやってきます。10月28日14時から長野Uスタジアムで、相手はここまで18勝5分け4敗の勝ち点59で首位につけるFC琉球です。FC琉球は次節のパルセイロ戦で勝てば条件次第でJ2昇格が決まるのでモチベーションは相当高いことでしょう。ただ、パルセイロも負けるとJ2昇格の可能性が完全に消滅してしまいますし(いまでももう消滅してると言っても過言ではない状況ですけど)、前半戦の対戦でも0-2で負けているため意地を見せたいところ。というか正直、琉球の喜ぶ姿を目の前で見たくありません。28日は試合前には毎年恒例のハロウィンイベント・パルウィンを楽しんで、試合では何としても勝ちましょう。皆さんぜひ長野Uスタジアムにお越しください。3000人まで観客数を戻したい!よろしくお願いいたします。


がんばれ!AC長野パルセイロ!!



The・完