こんにちは。これです。今年ももう半分が終わろうとしていますね。早い。毎年だんだん早くなっているような気がします。きっとあと半年もあっという間なんだろうなあ。


さて、今回のブログは上半期の総決算。2019年上半期映画ベスト10を決めたいと思います。今年はここまで去年以上に映画を観ているので、ベスト10を決めるのにも苦労しました。その結果、今回はベスト10とベスト10には入らないけど推したい特別賞3本を発表したいと思います。(ちなみに去年のベスト10はこちらをご覧ください)


なお、選考基準は


・今年の1月~6月に映画館で観たこと
・私個人の感覚を最優先にすること



の二つです。長野みたいな地方は、ミニシアター系の映画はどうしても公開が遅くなってしまいますからね。あと、自身の感覚を最優先にしないとバラエティがなくなってしまうでしょう。なので、この二つを絶対的な基準に選んでいきたいと思います。


では、その前に今年の上半期に観た映画を載せたいと思います。ここから選びます。




上半期に観た映画一覧

・search/サーチ
・バーバラと心の巨人
・クリード/ 炎の宿敵
・チワワちゃん
・鈴木家の嘘
・マスカレード・ホテル
・がっこうぐらし!
・生きてるだけで、愛。
・メリー・ポピンズ リターンズ
・フロントランナー
・アンダー・ザ・シルバーレイク
・あみこ
・アクアマン
・ファースト・マン
・女王陛下のお気に入り
・アリータ:バトル・エンジェル
・翔んで埼玉
・A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー
・映画ドラえもん のび太の月面探査記
・グリーンブック
・スパイダーマン:スパイダーバース
・まく子
・バジュランギおじさんと、小さな迷子
・いつか家族に
・THE GUILTY/ザ・ギルティ
・美人が婚活してみたら
・ROMA/ローマ
・4月の君、スピカ。
・バイス
・劇場版名探偵コナン 紺青の拳
・愛がなんだ
・映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン~失われたひろし~
・21世紀の女の子
・シャザム!
・バースデー・ワンダーランド
・メアリーの総て
・ブラック・クランズマン
・名探偵ピカチュウ
・ラ・ヨローナ~泣く女~
・チア男子!!
・居眠り磐音
・岬の兄妹
・プロメア
・おっさんのケーフェイ
・小さな恋のうた
・ゴジラ キング・オブ・モンスターズ
・海獣の子供
・町田くんの世界
・さよならくちびる
・ウィーアーリトルゾンビーズ
・きみと、波にのれたら
・ビューティフル・ボーイ
・Noise/ノイズ





以上、54本。去年が52本だったので、半年でそれを上回ってしまいました。あれ…おかしいな…?今年は70本ぐらいにしようと思ってたのに…。まぁいいか。





それでは、前置きもここまでにして始めたいと思います。まずは、ベスト10には入らないけど推したい特別賞3本の発表です。











特別賞:チワワちゃん


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―あらすじ―

その日、東京湾バラバラ殺人事件の被害者の身元が判明した。千脇良子・20歳・看護学校生。ミキはそれが、自分の知っている“チワワちゃん”のことだとは思わなかった。

ミキがいつものミュージックバーで、仲間のヨシダ、カツオ、ナガイ、ユミらと飲んでいる時、ヨシダの新しいカノジョとして“チワワ”が現れた。以前、ヨシダのことが好きだったミキは、フクザツな気持ちで二人を見ていた。その時、バーテンダーのシマから、VIP席にいる男たちのバッグの中に、政治家に届ける600万円が入っていると教えられる。皆がザワつくなか、意を決したチワワが、あっという間にバッグを奪って、走り出した!

翌朝、昨夜の男たちが贈賄罪の疑いで逮捕されたとニュースで報じられていた。宙に浮いた大金をめでたく頂いて、バカンスに繰り出すミキたち。毎晩が豪華なパーティと、最高のお祭り騒ぎ。だが、600万円をたった3日で使い切り、皆は日常に戻っていった。そんななか、チワワだけが“パーティ”を続けていた。インスタがきっかけとなり人気モデルとなったチワワは、サカタという有名カメラマンと付き合い始めていた。やがてチワワとミキたちは住む世界も違い始めていった。

チワワを偲ぶために、仲間たちが久しぶりに集まったが、誰も最近のチワワを知らなかった。そんな中、ファッション雑誌のライターのユーコから、チワワの追悼記事の取材を受けるミキ。もっと話を聞かせてほしいと頼まれたミキは、仲間たちにあらためてチワワとの思い出を聞きに行く。しかし、ミキを待ち受けていたのは、それぞれの記憶の中の全く違うチワワだった──。

映画『チワワちゃん』公式サイトより引用)




感想はこちら→





『ヘルタースケルター』『リバーズエッジ』などの映像化作品を持つ岡崎京子さん原作の一作。門脇麦さんや成田凌さんなど、注目の若手俳優が勢ぞろいしています。EDMの浮遊間のある音楽に乗せて次々とカットが入れ替わるMVのような演出もハマっていました。青春を引きずる者たちの物語で、「私たちの青春の自爆テロだった」というセリフが今も頭から離れません。興行的には苦戦したようですが、もうちょっと観られてもよかったのになと思います。DVD&Blu-rayは好評発売中。













特別賞:がっこうぐらし!


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―あらすじ―

シャベルを愛する胡桃、ムードメーカーの由紀、みんなのリーダー的存在の悠里は、私立巡ヶ丘学院高等学校・学園生活部に所属する女子高生。学校で寝泊まりし、24時間共同生活を送る学園生活部で“がっこうぐらし”を満喫中だ。
みんなと一緒にご飯を食べて、みんなと一緒におしゃべりをして。屋上に作られた園芸部の菜園では、野菜だって収穫できる。「学校ってすごいよね。電気も水も野菜も作れるし、音楽室、図書室、放送室…。なんでもそろってる!」と由紀もご機嫌だ。学校には友だちもいるし、大好きな保健の先生・めぐねえの授業だって受けられる。そんな学校が本当に大好き。しかし元気いっぱいの由紀を、教室の外から胡桃と悠里が心配そうに見つめている。この学校は何かがおかしい…

映画『がっこうぐらし!』公式サイトより引用)





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人気漫画を「ラストアイドル」所属の4人主演で映画化した今作。ホラーとしてのインパクトは不足していて、何より冒頭の演技が、全員演技未経験ということもあって悪い意味でヤバい。でも、それを上回る素晴らしい展開になっているんですよね。十代の成長とゾンビへの対抗を重ねたシナリオが抜群で、絶望的な状況なのに健気に生きる学園生活部に泣かされてしまいました。演技もいつの間にか上手くなってるし。私の実写化映画の見方を変えてくれた一本です。DVD&Blu-rayは7月3日発売。














特別賞:おっさんのケーフェイ


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―あらすじ―

大阪府道明市に暮らすヒロト(11)の悩みは、将来の夢や夢中になれるものが何もないこと。学校では、ダンスに打ち込むクラスメイトの輝男(11)からバカにされている。放課後は冴えない友人たちとともに、河川敷で過ごすことが日課になっている。
3人がいる対岸には、酔っぱらいながらプロレスごっこをしている正体不明の中年・坂田(48)がいるが、それも日常の一部。

ある日の放課後。たまたま目についた道頓堀プロレスの試合会場に1人で入っていくヒロト。そこれは、人気レスラー・ダイナマイトウルフの引退試合が行われていた。その試合を見て、ヒロトは今まで感じたことのない興奮を覚える。その帰り道、中学生に絡まれていたヒロトは、たまたま通りかかった坂田にプロレス技で助けられる。坂田が手にマスクを持っていたこともあり、ヒロトはダイナマイトウルフの正体は坂田だと考える。

坂田からプロレスを教わることになったヒロトであったが、友人から「やられるって分かっててなんでロープで跳ね返るん?」と問われ、言い返すことができない。そんな中、ダイナマイトウルフ政界進出のニュースが街を駆け巡る―。プロレスに真実はあるのか?そして、坂田の正体は?

映画『おっさんのケーフェイ』公式サイトより引用)





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全国6館でしか上映されておらず、映画ファンにもあまり知られていないであろうこの映画。子供とおっさんの組み合わせというのは、映画的には鉄板ですし、おっさんの嘘が子供をガチにするというのも超良い。さらに、そこからおっさんが奮起して本物に挑むという、偽者対本物という最高の展開。私の好きなものばかり詰め込まれています。主演も安心と信頼の川瀬陽太さんだし。インディーズならではの空気感はありますが、『カメ止め』まではいかなくとも、もっと話題になってもよかったと感じます。Amazon Primeで7月3日から見られるので、ぜひどうぞ。

















以上、特別賞3本でした。この3本はいずれも、もっと観られてもよかったんじゃないかと思います。惜しい。


では、ここから本題。2019年上半期映画ベスト10に入ります。洋画、邦画、アニメ色々あります。改めてよろしくお願いします。









第10位:小さな恋のうた


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―あらすじ―


沖縄の小さな町。日本とアメリカ、フェンスで隔てられた二つの「国」が存在する場所。そこでは、ある高校生バンドが熱い人気を集めていた。自作の歌を歌いこなし、観るものを熱狂させるその実力で、東京のレーベルからスカウトを受け、なんとプロデビューが決まる。しかし、喜びの絶頂で盛り上がる彼らに一台の車が突っ込み、バンドは行く先を見失ってしまう。そこに現れた、一曲のデモテープと、米軍基地に住む一人の少女。それらによって、止まった時計の針は前に進み始める。フェンスの向こう側に友の“想い”を届けるため、彼らは再び楽器を手に取り立ち上がる―。

映画『小さな恋のうた』公式サイトより引用)




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高い知名度を誇るMONGOL800の同名楽曲を映画化した今作。この映画はただのキラキラ青春音楽ムービーではありません。沖縄の米軍基地問題も絡めた社会派作品でもあるのです。この問題を描くことで、楽曲が持つ希望や願いを提示して、大きなインパクトを与えているのが見事。歌に複数の意味を与える脚本は、日本アカデミー賞を受賞してほしいくらいです。佐野勇斗さんや山田杏奈さんら若手俳優陣の熱演も光る。キラキラ感もちゃんと担保されていて、バンドやりたいとなる人もいるであろう優れた映画です。












第9位:居眠り磐音


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―あらすじ―

友を斬り、愛する人を失った。
男は、哀しみを知る剣で、悪を斬る。

坂崎磐音(松坂桃李)は、故郷・豊後関前藩で起きた、ある哀しい事件により、2人の幼なじみを失い、祝言を間近に控えた許嫁の奈緒(芳根京子)を残して脱藩。全てを失い、浪人の身となった―。

江戸で長屋暮らしを始めた磐音は、長屋の大屋・金兵衛(中村梅雀)の紹介もあり、昼間はうなぎ屋、夜は両替屋・今津屋の用心棒として働き始める。春風のように穏やかで、誰に対しても礼節を重んじる優しい人柄に加え、剣も立つ磐音は次第に周囲から信頼され、金兵衛の娘・おこん(木村文乃)からも好意を持たれるように。そんな折、幕府が流通させた新貨幣を巡る陰謀に巻き込まれ、磐音は江戸で出会った大切な人たちを守るため、哀しみを胸に悪に立ち向かう――。

映画『居眠り磐音』公式サイトより引用)




感想はこちら→






累計7,500万部突破の人気シリーズを映画化した今作。分かりやすさを心がけており、ハードルを下げていて、時代劇の入門編にちょうどいいのが特徴です。優しいけど危険な雰囲気も持つ松坂桃李さんの佇まいがバッチリ磐音のキャラクターとマッチしていました。他にも、柄本明さんの悪いジジイ演技はやりすぎなくらい面白かったですし、最後の芳根京子さんが綺麗すぎる。俳優さんの魅力が光ったエンターテイメント作品でした。続編待ってます。













第8位:さよならくちびる


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―あらすじ―


「二人とも本当に解散の決心は変わらないんだな?」
全国7都市を回るツアーへの出発の朝、車に乗り込んだデュオ〈ハルレオ〉のハル(門脇麦)とレオ(小松菜奈)に、ローディ兼マネージャーのシマ(成田凌)が確認する。うなずく二人にシマは、「最後のライブでハルレオは解散」と宣言するのだった。
2018年7月14日、解散ツアー初日から波乱は起きる。別行動をとったレオが、ライブに遅刻したのだ。険悪なムードの中、「今日が何の日かくらい憶えているよ」と、小さな封筒をハルに押し付けるレオ。しばらくして、何ごともなかったかのようにステージに現れるハルレオ。トレードマークのツナギ姿に、アコースティックギター。後ろでシマが、「たちまち嵐」を歌う二人をタンバリンでサポートする。
次の街へ向かう車の中、助手席でレオからもらった封筒を開けるハルを見て、「そうか、今日はハルの誕生日か」と呟くシマに、「違うよ。初めてレオに声をかけた日だよ」と答えるハル。二人が出会ったのは、バイト先のクリーニング工場。上司に叱られ、むくれていたレオを、ハルがいきなり「ねえ、音楽やらない?あたしと」と誘ったのだ。



その瞬間から、ずっと孤独だった二人の心が共鳴し始めた。ハルからギターを習って音楽を奏でる喜びを知るレオ。そんなレオを優しく見守るハル。レオの歌とギターは上達し、二人は路上で歌うようになった。
少しずつ人気が出始め、ライブツアーに出ることにしたハルレオは、ローディを探す。その時、「ハルさんの曲と詞のセンスが好きだから」と名乗りを上げたのが、元ホストのシマだった。売れたバンドが使っていたというツアー車を用意し、「俺らも行けるところまで突っ走る」と煽るシマに、ハルとレオも自分の夢を叫んで拳を振り上げた。
地方ライブの集客も増え、若い女性を中心にさらに人気が広がっていくハルレオ。だが、誰も予期しなかった恋心が芽生えたことをきっかけに、3人の関係は少しずつこじれていく。さらに、曲作りにかかわらないレオが、音楽をやる意味を見失っていった。各々が想いをぶつけ合い、名曲と名演奏が生まれていくが、溝は深まるばかり。ついに、この解散ツアーへと旅立つまで心が離れてしまった。
三重、大阪、新潟、山形、青森と、思い出の詰まったライブハウスを巡って行くハルレオ。もはやほとんど口もきかないが、ギターもコーラスもピタリと息が合い、その歌声は聴く者の心の奥深くへと届いていく。そしていよいよ3人は、北海道・函館のラストライブに向かうのだが――。


映画『さよならくちびる』公式サイトより引用)




感想はこちら→






まず、小松菜奈さんと門脇麦さんがめちゃくちゃかっこいいわけですよ。予告編でも青空のもと歩くシーンがありますけど、そのかっこよさが2時間続くんです。映画自体は特に大きな出来事が起こるわけでもなく、けっこう淡々と進んでいくんですが、シマも含めた3人の関係性が着実に変化しているところが凄い。音楽ももちろん素晴らしいですし、百合要素もあり、そしてなにより「歌い継がれる」という音楽の理想が描かれている。この映画ももっと観られてもよかったのになと思います。まだ上映しているので、よかったら観に行ってみてください。
















第7位:女王陛下のお気に入り


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―あらすじ―

時は18世紀初頭、アン女王(オリヴィア・コールマン)が統治するイングランドはフランスと戦争中。アン女王の幼馴染で、イングランド軍を率いるモールバラ公爵の妻サラ(レイチェル・ワイズ)が女王を意のままに操っていた。
そこに、サラの従妹だと名乗るアビゲイル(エマ・ストーン)が現れる。上流階級から没落した彼女はサラに頼み込み、召使として雇ってもらうことになったのだ。
ある日、アビゲイルは、痛風に苦しむアン女王の足に、自分で摘んだ薬草を塗る。サラは勝手に女王の寝室に入ったアビゲイルをムチ打たせるが、女王の痛みが和らいだと知り、彼女を侍女に昇格させる。

イングランド議会は、戦争推進派のホイッグ党と、終結派のトーリー党の争いで揺れていた。戦費のために税金を上げることに反対するトーリー党のハーリー(ニコラス・ホルト)は、アン女王に訴えるが、ホイッグ党支持のサラに、女王の決断は「戦争は継続」だと、ことごとく跳ね返される。
舞踏会の夜、図書室に忍び込んで、蝋燭の灯りで本を読んでいたアビゲイルは、ダンスホールを抜け出して突然駆け込んできたアン女王とサラが、友情以上の親密さを露わにする様子を目撃してしまう。
国を動かす二人と最も近い位置にいるアビゲイルに目を付けたハーリーが、アン女王とサラの情報を流すようにと迫るが、アビゲイルはキッパリと断る。アビゲイルはそのことをサラに報告するが、褒められるどころか「双方と手を組む気かも」と探られ、空砲で脅されるのだった。

アビゲイルはサラが議会へ出ている間のアン女王の遊び相手を命じられるが、女王は「サラは国家の仕事より私を優先させるべき」と駄々をこねる。アビゲイルは、女王の亡くなった17人の子供の代わりだという17匹のウサギを一緒に可愛がり、上手く女王をなだめるのだった。
アビゲイルはサラの信頼を徐々に勝ち取り、女王のお守役を務める機会が増えていく。いつもストレートに物を言うサラに対し、甘い言葉で褒め称える従順なアビゲイルに女王は心を許していく。
議会では、トーリー党が激しく抵抗して増税を食い止める。女官長に就任して以来、初めてその権力に翳りが見えたサラに、今度は女王との関係を揺るがす大きな危機が訪れる。それは、いつの間にか野心を目覚めさせていたアビゲイルの思いがけない行動だった──。


映画『女王陛下のお気に入り』公式サイトより引用)




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舞台はイギリス王室。そこで展開される女同士の泥沼抗争劇。それが『女王陛下のお気に入り』です。オリヴィア・コールマンが弱った女王を演じ、女王の側近の座を巡り、エマ・ストーンとレイチェル・ワイズが、足の引っ張り合い貶め合い。あらゆる手段で相手を引きずり落そうとするその姿に、思わず大笑い。エマ・ストーンがわざと足を挫くシーンが好きですね。18世紀のイギリスを現代によみがえらせた衣装や、魚眼レンズ等を使った変幻自在の撮影もあり、とても楽しい映画でした。











第6位:メアリーの総て


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―あらすじ―

19世紀、イギリス。作家を夢見るメアリーは、折り合いの悪い継母と離れ、父の友人のもとで暮らし始める。ある夜、屋敷で読書会が開かれ、メアリーは"異端の天才詩人"と噂されるパーシー・シェリーと出会う。互いの才能に強く惹かれ合う二人だったが、パーシーには妻子がいた。情熱に身を任せた二人は駆け落ちし、やがてメアリーは女の子を産むが、借金の取り立てから逃げる途中で娘は呆気なく命を落とす。失意のメアリーはある日、夫とともに滞在していた、悪名高い詩人・バイロン卿の別荘で「皆で一つずつ怪奇談を書いて披露しよう」と持ちかけられる。深い哀しみと喪失に打ちひしがれる彼女の中で、何かが生まれようとしていた――。
 
映画『メアリーの総て』公式サイトより引用)




感想はこちら→






ゴシック文学の名作『フランケンシュタイン』を著したメアリー・シェリーを題材とした伝記映画。この映画を上半期のベスト10に入れる人は、多分あまりいないんじゃないかな。だって公開されたの去年だし。でも、映画自体は素晴らしかったです。エル・ファニングが狂いそうになるくらい美しいのはもちろんなんですが、特筆すべきは終盤の展開。満たされなさをエネルギーにして『フランケンシュタイン』を書いたメアリーですが、世間からは認められません。この展開がたまらなくキツイ。何かを作るという苦しみと希望を描いた映画なので、趣味で創作をしているオタクは全員観た方がいいですね。DVD&Blu-rayは好評発売中です。












第5位:プロメア


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―あらすじ―

世界大炎上

世界の半分が焼失したその未曾有の事態の引き金となったのは、突然変異で誕生した炎を操る人種〈バーニッシュ〉だった。あれから30年、〈バーニッシュ〉の一部攻撃的な面々は〈マッドバーニッシュ〉を名乗り、再び世界に襲いかかる。〈マッドバーニッシュ〉が引き起こす火災を鎮火すべく、自治共和国プロメポリスの司政官クレイ・フォーサイトは、対バーニッシュ用の高機能救命消防隊〈バーニングレスキュー〉を結成した。高層ビルの大火災の中、燃える火消し魂を持つ新人隊員ガロ・ティモスは、〈マッドバーニッシュ〉のリーダーで、指名手配中の炎上テロリスト、リオ・フォーティアと出会い、激しくぶつかり合う。リオを捕らえることに成功し、クレイからその功績を認められ、――ガロにとってクレイは幼き頃、命を救ってくれた恩人で憧れのヒーロー――誇らしげに喜ぶガロであった。

しかし、リオは〈マッドバーニッシュ〉の幹部であるゲーラ、メイスと共に捕らえられていた〈バーニッシュ〉を引き連れて脱走する。後を追ったガロが彼らのアジトにたどり着くも、そこで目にしたものは、懸命に生きる〈バーニッシュ〉たちの姿であった。そして、リオから〈バーニッシュ〉をめぐる衝撃の真実を告げられることに。


何が正しいのか――。


そんな折、ガロたちは地球規模で進められている"ある計画"の存在を知ることになる――

映画『プロメア』公式サイトより引用)



『グレンラガン』も『キルラキル』も見ておらず、最初は見る予定のなかったこの映画。前夜祭のときに、やることもないからと観に行ったら、まんまとハマってしまいました。とにかく熱い!歌舞伎の見得を思わせるセリフのテンションの高さに、最終回のような展開をこれでもかとぶちこんできます。作画も笑ってしまうぐらい、目まぐるしく動いて圧巻。色使いも独創的で視覚的にも超楽しい。何より圧倒的堺雅人さん!3回観てもまだ足りないぐらい、とても刺激的な映画でした。何も考えずに楽しめるのがいいですね。DVDが出たらほしいです。













第4位:スパイダーマン:スパイダーバース



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―あらすじ―

「スパイダーマン、死す」

スパイダーマンことピーター・パーカーの突然の訃報により、ニューヨーク市民は悲しみに包まれる。
13歳のマイルス・モラレスもその一人――そう、彼こそがピーターの後を継ぐ"新生スパイダーマン"だ。
ピーターの死は、闇社会に君臨するキングピンが時空を歪めたことでもたらされた。
しかし若きマイルスには彼の更なる野望を阻止するパワーはない。

「彼に替わって"守る"」

と誓ったものの、不安だらけのマイルス。
そんな彼の前に突如現れたのは――死んだはずのピーターだった!ただ、彼の様子が少しおかしい。無精ひげ、少し出た下腹、そしてなんとも適当な性格。このやつれた中年ピーターは、キングピンが歪めた時空に吸い込まれ、全く別の次元=ユニバースからマイルスの住む世界に来たのだ。マイルスは真のスパイダーマンになるため、ピーターを師とし、ともに戦う決意をする。

「俺達しかいない――世界を救えるのは」


二人のもとに、別のユニバースから導かれてきたスパイダーマンたちが集結する。
スパイダー・グウェン、スパイダーマン・ノワール、スパイダー・ハム、そしてペニー・パーカーと彼女が操るパワードスーツSP//dr。キングピンの計画を阻止し、すべてのユニバースを元に戻す戦いに、スパイダーマンたちが挑む――。

映画『スパイダーマン:スパイダーバース』公式サイトより引用)




感想はこちら→





アカデミー賞も受賞したこの映画。私はスパイダーマンはおろか、アメコミ全般に疎いんですけど、それでも超面白かったです。アニメーションはめちゃくちゃ動いて臨場感と興奮が凄い。キャラクターも6人全員が魅力的ですしね。みんな言ってるけど、ペニー・パーカーはエグい。スパイダーマン(初代)を見ている前提の映画でしたけど、「オーケー、じゃあ説明するね!」と何度も説明してくれたのも好印象です。2Dで観たんですけど、3Dで観たかったなぁ。3Dで観てたらもっと上の順位だったかもしれないです。


















以上、10位~4位でした。いかがでしたでしょうか。どれも胸を張ってオススメできる作品です。機会があれば観てみてはどうでしょう。


さあ、ここからはいよいよベスト3の発表です。果たして2019年上半期ナンバーワンに輝いたのはどの映画なのでしょうか。







第3位:翔んで埼玉


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―あらすじ―

埼玉県の農道を、1台のワンボックスカーがある家族を乗せて、東京に向かって走っている。カーラジオからは、さいたまんぞうの「なぜか埼玉」に続き、DJが語る埼玉にまつわる都市伝説が流れ始める――。
 その昔、埼玉県民は東京都民からそれはそれはひどい迫害を受けていた。通行手形がないと東京に出入りすらできず、手形を持っていないものは見つかると強制送還されるため、埼玉県民は自分たちを解放してくれる救世主の出現を切に願っていた。
 東京にある、超名門校・白鵬堂学院では、都知事の息子の壇ノ浦百美(二階堂ふみ)が、埼玉県人を底辺とするヒエラルキーの頂点に、生徒会長として君臨していた。
 しかし、アメリカ帰りの転校生・麻実麗(GACKT)の出現により、百美の運命は大きく狂い始める。麗は実は隠れ埼玉人で、手形制度撤廃を目指して活動する埼玉解放戦線の主要メンバーだったのだ。
 その正体がばれて追われる身となった麗に、百美は地位も未来も投げ捨ててついていく。2人の逃避行に立ちはだかるのは、埼玉の永遠のライバル・千葉解放戦線の一員であり、壇ノ浦家に使える執事の阿久津翔だった(伊勢谷友介)。
 東京を巡る埼玉vs千葉の大構想が群馬や神奈川、栃木、茨城も巻き込んでいく中、伝説の埼玉県人・埼玉デューク(京本政樹)に助けられながら百美と麗は東京に立ち向かう。果たして埼玉の、関東の、いや日本の未来はどうなるのか――!?

映画『翔んで埼玉』公式サイトより引用)




感想はこちら→





『パタリロ!』等で知られる魔夜峰央先生の同名漫画を映画化した一作。埼玉を取り巻く環境をめちゃくちゃデフォルメして描いています。中世的な雰囲気のなかで、田無だの西葛西だの現実的なワードがバンバン飛び出すギャップにまずは爆笑。二階堂ふみさんとGACKTさんのBLに胸が躍ります。でも、本当は地元を誇りに思う気持ちがテーマの映画で、Jリーグサポーターとして地元を隔週ぐらいで叫んでいる私には刺さりまくりました。王道な展開も相まって気づいたら泣いていたぐらいです。いい意味でとてもずるい映画だと感じます。












第2位:
海獣の子供



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―あらすじ―

光を放ちながら、地球の隅々から集う海の生物たち。

巨大なザトウクジラは“ソング”を奏でながら海底へと消えていく。

<本番>に向けて、海のすべてが移動を始めた―――。

 

自分の気持ちを言葉にするのが苦手な中学生の琉花は、夏休み初日に部活でチームメイトと問題を起こしてしまう。母親と距離を置いていた彼女は、長い夏の間、学校でも家でも自らの居場所を失うことに。そんな琉花が、父が働いている水族館へと足を運び、両親との思い出の詰まった大水槽に佇んでいた時、目の前で魚たちと一緒に泳ぐ不思議な少年“海”とその兄“空”と出会う。

琉花の父は言った――「彼等は、ジュゴンに育てられたんだ。」 

 

明るく純真無垢な“海”と何もかも見透かしたような怖さを秘めた“空”。琉花は彼らに導かれるように、それまで見たことのなかった不思議な世界に触れていく。三人の出会いをきかっけに、地球上では様々な現象が起こり始める。夜空から光り輝く彗星が海へと堕ちた後、海のすべての生き物たちが日本へ移動を始めた。そして、巨大なザトウクジラまでもが現れ、“ソング”とともに海の生き物たちに「祭りの<本番>が近い」ことを伝え始める。

“海と空”が超常現象と関係していると知り、彼等を利用しようとする者。そんな二人を守る海洋学者のジムやアングラード。それぞれの思惑が交錯する人間たちは、生命の謎を解き明かすことができるのか。

“海と空”はどこから来たのか、<本番>とは何か。

これは、琉花が触れた 生命の物語。


映画『海獣の子供』公式サイトより引用)





感想はこちら→





五十嵐大介さんの原作を『鉄コン筋クリート』のSTUDIO4℃が映画化した一作。中学生の琉花の一夏の不思議な経験を描いているようで、実は全然落とし込めていないのが見所です。というか落とし込みきる気なんてさらさらないのでは。冒頭から作画は凄いんですけど、後半は概念的なアニメーションの連続で意味が分かりません。でも、この「分からない」がこの映画では大事だと思っていて。分かりやすさを第一とする現代に全力で喧嘩を売っているこの映画の姿勢が、私はとても好きです。いや、映画自体も好きだけども。













第1位:バジュランギおじさんと、小さな迷子

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―あらすじ―

パキスタンの小さな村に住む女の子シャヒーダー。
幼い頃から声が出せない彼女を心配したお母さんと一緒に、
インドのイスラム寺院に願掛けに行くが、
帰り道で一人インドに取り残されてしまう。
そんなシャヒーダーが出会ったのは、
ヒンドゥー教のハヌマーン神の熱烈な信者のパワンだった。

これも、ハヌマーンの思し召しと、母親とはぐれたシャヒーダーを
預かることにしたパワンだったが、
ある日、彼女がパキスタンのイスラム教徒と分かって驚愕する。
歴史、宗教、経済など様々な面で激しく対立するインドとパキスタン。
それでもパスポートもビザもなしに、国境を越えて
シャヒーダーを家に送り届けることを決意したパワン。
国境では警備隊に捕まり、パキスタン国内ではスパイに間違われて警察に追われる
波乱万丈の二人旅が始まった。
果たしてパワンは無事にシャヒーダーを母親の元へ送り届けることができるのか?
そこには、思いもよらなかった奇跡が待っていた…

映画『バジュランギおじさんと、小さな迷子』公式サイトより引用)




感想はこちら→





今年の上半期個人的ベストはインド映画『バジュランギおじさんと、小さな迷子』です。まず、おじさんと少女という組み合わせは、映画の中では最高です。それに、インド映画特有のダンスシーンもあり、エンターテインメントとして面白い。そして、何よりこの映画って「願い」の映画なんですよ。インドとパキスタンは現実では激しく対立しているんですけど、和解できたらいいよねという切実な願い。パワンとシャヒーダーの二人が宗教も国境も越えて、絆を深めていく様子や最後の希望が込められたシーンまで、後半はずっと泣いてました。文句なしのナンバーワンです。








2019年上半期映画ベスト10結果一覧


特別賞:チワワちゃん
特別賞:がっこうぐらし!
特別賞:おっさんのケーフェイ

第10位:小さな恋のうた
第9位:居眠り磐音
第8位:さよならくちびる
第7位:女王陛下のお気に入り
第6位:メアリーの総て
第5位:プロメア
第4位:スパイダーマン:スパイダーバース
第3位:翔んで埼玉
第2位:海獣の子供
第1位:バジュランギおじさんと、小さな迷子





















以上でランキングは終了です。『バジュランギおじさんと、小さな迷子』が他を引き離しての第1位という結果になりました。本当にこの映画は観た方がいいです。ぜひ、ぜひどうぞ。


あといつも思うんですけど、10本は少ないですよね。『愛がなんだ』『search/サーチ』『アンダー・ザ・シルバーレイク』『21世紀の女の子』あたりも入れたかったんですけど、泣く泣く選外となってしまいました。うーん難しい。


そして、下半期も映画は続々公開されます。個人的に楽しみな映画も多く、まだまだ生きられそうです。まずは『ホットギミック』を観なければ。果たして今年が終わる頃にはどんなランキングになっているか、自分でも楽しみです。その時までブログが続いていればの話ですけど、またお付き合いいただけると幸いです。


お読みいただきありがとうございました。


おしまい





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