Subhuman

ものすごく薄くて、ありえないほど浅いブログ。 Twitter → @Ritalin_203

2018年06月



こんばんは。これです。もう今年半分が終わってしまいましたね。昨日始まったと思ったらもう折り返し地点。その早さに毎年のことながらビビります。あと半年も多分あっという間なんでしょうけど、頑張っていきたいと思います。

さて、今回のブログは昨日観てきた映画「レディ・バード」の感想になります。「あなたの物語」と銘打ってましたが、その言葉通り、自分ごととして観ることのできる映画でした。面白かったです。では、感想に入ります。いつにも増して、輪をかけて拙い文章ですが、何卒よろしくお願いいたします。







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※ここからの内容は映画のネタバレを含みます。十分ご注意ください。









まずは新しい試みとしておおよそのあらすじをば。





2002年、カリフォルニア州サクラメント。
閉塞感溢れる片田舎のカトリック系高校から、
大都会ニューヨークへの大学進学を夢見るクリスティン(自称“レディ・バード”)。
高校生活最後の1年、友達や彼氏や家族について、
そして自分の将来について、悩める17歳の少女の揺れ動く心情を
瑞々しくユーモアたっぷりに描いた超話題作!
(映画公式サイト|STORYより引用)




というわけです。分かりましたね。


じゃ、いきなり全開で行かせてもらいます。






映画冒頭に出てくる言葉

「何かを成し遂げたい」

「夢は?」「ない」



これがクリスティンっていうキャラクターを端的に表してるんじゃないかなって思うんです。何かを成し遂げることによって、自分のことを特別な人間であるというように見られたいという欲求。これはクリスティンが持つ「劣等感」から来てるんじゃないかなって思うんですよね。



クリスティンは自らの住む家が裕福ではないのを恥じて、自らの住んでいる地区を「線路を渡ったスラム」と表現していますし、劇中でできた友人には、他の立派な家を自分の家だと偽って伝えています。


嘘をつくのは自らのコンプレックスを隠すためで、自分をよく見せたいという思いからです。自らのコンプレックスを隠すのは自分に自信が無いためです。クリスティンは自分に価値がないと思ってしまってます。




また、このページ


人と違う行動をすることで、自分にとって特別感が得られます。特別感が得られることで自分に価値があると自分自身に言い聞かせているのです。


ってあったんですけど、まさにクリスティンはこれだなって。ミュージカルの舞台に立つ、生徒会長に立候補するなど、その辺の人にはできない特別な行動で、「こういうことができる私すごいでしょ。だから私を認めてよ」って心の中で叫んでるんですよね。


で、なんで自分に価値がないと思ってしまうのかというと「人と比べてしまうから」なんですよね。

 

クリスティンは17歳で、発達段階では青年期と呼ばれる段階にあります。


青年期は精神生活の始まりである。自分自身についての関心が高まり、自分の容姿は十人並みだろうか、人は自分をどう見ているのだろうかなどと考え込んでしまう。自我の確立へのスタートということができる。
(「新しい心理学ゼミナール—基礎から応用まで—」より引用)


この自分がどう見られているかを気にすること。そこには他者からの視線に対する意識があります。つまり他者に対する意識が青年期には出てくるということです。自分の目で他者を見るということを通して、自分にはないものに気づいてしまいます。


自信のある人だったら、「この人にはこういう特徴があって、それは私にはないけれど、私にはこういう特徴があって、それはこの人にはない。比べられるもんじゃないわ」ってなるんでしょうが、自信のない人だったら、「この人にはこういう特徴があって、それは私にはない。羨ましい。この特徴がない私はダメなんだわ」と思ってしまうことでしょう。
で、クリスティンは後者に位置してるんですよね。それは自らを「レディ・バード」と名乗ることからも現れています。


クリスティンが「レディ・バード」と名乗るのは「鳥のように大空を自在に飛び回れるような存在」になりたいと思ってのことですよね。現在の自分をつまらないものと平凡なものとして感じて、自信を喪失しかけている証拠です。


青年の心は不安定である。周囲の人々から大人扱いされても、自分一人で乗り越える自信がない。そこで、片意地を張って抵抗する。周囲の人々、特に親や教師に依存している自分を知りながら、そういう自分を許せないのである。そこに葛藤が生じ、自我が戦い出す。親だけでなく、社会的な権威、伝統、慣習、社会的慣習などにことごとく抵抗する。これが第二反抗期と言われるものである。反抗を繰り返しながら、自分の道を探し、自分というものを確立していくのである。
(「新しい心理学ゼミナール—基礎から応用まで—」より引用)


クリスティンは親から名前を貰ったという事実に抵抗しています。親に名前を与えられたということは親に依存している自分がいるということを彼女は感じ、それが許せないのです。だから、「レディ・バード」と名乗ることにより、その自意識に反抗しているのではないでしょうか。





そして、その抵抗は進路選択にも及んでいます。親が進める地元の大学ではなく、大都会ニューヨークの大学に行きたいと言い出します。これは抵抗と憧れが混ざり合った選択だと思われます。


自分の住んでいる地区を田舎だと切り捨て、華の大都会ニューヨークに住みたいと考え、親にニューヨークの大学に行くために奨学金の援助を頼んだりしています。父親が失業し、そこまで裕福な家庭ではないにもかかわらずです。でもこれちょっと分かるなあ。


地方に住んでると大都市への憧れっていうのはでてきますよね。都会は何かと便利だし、おしゃれなイメージがあるし、芸能人に会える確率だって田舎とは段違いです。地方にいるとどこに行くにも車がいるし、野暮ったいイメージはなかなか頭から離れず、芸能人に会えることなんてまずない。都会に憧れる心理っていうのは国を跨いでも一緒なんだなっていうのが分かっていたく共感しました。私も地方出身者ですしね。


話を戻します。都会の大学に行きたいっていうのは親に対する抵抗っていう話でしたよね。親は金銭的な事情から学費が割安になる地元の大学を勧めていましたが、そんなことクリスティンは知ったこっちゃありません。クリスティンを動かしていたのは、「抵抗」というエネルギーです。周りからこうしろああしろと言われ続けるとうんざりして、別の方向に進みたくなってしまうのが人間の性。


また、「子供は親の言うことを聞くもの」だという意識がクリスティンの中にあって、「それに反抗しちゃう私、特別」みたいな自分に酔っているところもあったのでしょう。自分に酔うのは中二病に近く、誰もが通ってきた道感ありますね。







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「レディ・バード」では親子の心のすれ違いも描かれています。クリスティンの母親はクリスティンのことを愛しているのに上手く態度に出せない。厳しき接するという教育方針のせいですかね。クリスティンも母親のことを愛してるのに、第二反抗期のせいで、それを態度に出せない。親子のすれ違いは続きます。


クリスティンは青年期真っ只中で第二反抗期の中にいるとはいえ、まだ17歳です。親に依存している自分を認識して抵抗していますが、ふとした時に親の愛情が必要なことだってまだまだあるでしょう。でも母親は自分の主張を認めてくれない、認められたいという承認欲求に加え、母親は自分を愛していないのでは?という疑念がクリスティンの中に生まれてきます。


ドレッシングルームで思わず出てしまったクリスティンの言葉。


「お母さんは私のこと愛してる?」

「褒めてほしい」


これは「自分を見て!」という承認欲求が高まりが出させた言葉でした。抵抗しているのに「褒めてほしい」って言うのも相手に自分を認めてほしいからと考えれば何ら不思議はありません。ていうかクリスティンって思えば承認欲求けっこう高かった気がする。


生徒会長になって周りに認めてほしいという承認欲求。ミュージカルの主演を務めて周囲に一目置かれたいという承認欲求。クリスティンは家で認められておらず、外に承認欲求を満たしてくれる場を求めた。それが彼女を時に大胆な行動に走らせていたんだと思います。彼氏と二人付き合ったのも「自分の価値を誰かに認めてほしい」っていう思いからだったのかもしれませんね。


クリスティンは劇中でニューヨークの大学に補欠合格したことを母親に隠していました。兄の就職を祝うパーティでそのことが母親に告げられ、母親はキレて部屋に戻ってしまいます。怒って一言も発しない母親に対してクリスティンは、「ほんとに悪かったと思ってる」「お願いだからなんか喋ってよ」と泣きつきます。自分の抵抗が行き過ぎてしまったことを自覚しました。


ここで大事なポイントは「私は嘘もつくし、性格も良くない」ってクリスティンが認めたことなんですよね。自分自身の承認欲求のために嘘をついているということを自覚したことに大きな意味があります。弱い自分というものを知ったことで、自我の確立に一歩近づいたという点で大きな意味が。


その後、父親の慰めにより「母親も自我を持った一人の人間なんだ」ということを理解したクリスティン。母親は自分を愛していないわけじゃなかったということを父親から教えられ、クリスティンの承認欲求は満たされました。







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エリクソンは、「自分は・・・である」という主体的な意識を自我同一性(エゴ・アイデンティティ)とよんだが、同一性を獲得するには猶予期間(モラトリアム)が必要である。青年は、この時期に同一性をいかに獲得していくのかを問われる。
(「新しい心理学ゼミナール—基礎から応用まで—」より引用)


大学に合格し、ニューヨークに出たクリスティン。そこで出会った男性に、「私は"クリスティン"」と名乗ります。今まで「レディ・バード」と名乗っていたクリスティンが自ら「クリスティン」と名乗ったんですよ。すごいですよね。


クリスティンの母親に対する承認欲求が満たされ、「自分はレディ・バードではない、クリスティンである。マリオン・マクファーソンの娘、クリスティン・マクファーソンである」という主体的な意識をクリスティンは獲得しました。大空に羽ばたく準備が整ってのです。あとは飛んでいくだけです。


辛いことや大変なことがあって、飛ぶのに疲れても「マリオン・マクファーソンの娘、クリスティン・マクファーソンである」という立ち返れる場所ができました。そう自分のことを認めたことにより劣等感も少しは薄まっていることでしょう。


クリスティンが成長する様を、一人の少女が大人になっていく様を「レディ・バード」で見守ることができて嬉しい気持ちでいっぱいです。観てよかったー。








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書いて思ったんですけど、これ誰にでもあることですよね。発達の段階で青年期っていうのは必ず通る過程です。親に抵抗したことがない人の方が少ないはずですし、抵抗しなかった人も心の中では抵抗心を持ってる人もいるはず。劣等感やそれに伴う承認欲求だって誰もが多かれ少なかれ持っているはずです。


「レディ・バード」はそんな、誰もが通った、そしてこれから通るであろう青年期という普遍的な時期を鮮やかに描き出しており、多くの人が共感できる映画になっています。全てのティーンエイジャー、そしてティーンエイジャーだった人に観てほしいそんな映画です。不器用なクリスティンの姿に刺さるものがきっとあるはず。オススメです。ぜひ観てみてください。




参考:
生きづらさを感じる「特別な存在になりたい心理」
https://www.cocoro-quest.net/entry/special-existence

藤田主一、板垣文彦編「新しい心理学ゼミナール—基礎から応用まで—」 福村出版



おしまい


「レディ・バード」オリジナル・サウンドトラック
オリジナル・サウンドトラック
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2018-04-25





前節、盛岡に0-3と完敗を喫したAC長野パルセイロ。これで3連敗。2勝6分け5敗の勝ち点12で15位に沈みます。そんなパルセイロの今節の相手は5勝5分け3敗の勝ち点20で6位につけるなど今シーズン好調のY.S.C.C.横浜。通算対戦成績ではパルセイロが大きく勝ち越してますが、それとこの試合とは無関係。樋口式パスサッカーで着実に成果を上げているYS横浜はもはや格上といえる相手で、今までのようにいくとはあまり思えません。






スタメン。




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パルセイロは前節からスタメン5人を入れ替え。#13勝又選手が今シーズン初先発を果たし、#6岩沼選手と#14東選手がボランチを組みます。システムは4‐4-2。


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対するYS横浜は前節からスタメン2人を入れ替え。2試合連続ゴール中の#15奥田選手に期待がかかります。システムは4-2-3-1よりも4-4-1-1の方が近いかも。



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前半キックオフ!



試合前から降り続いた雨によってピッチ中央、いわゆるミドルサード付近の大きな部分が水たまりで覆われたニッパツ三ツ沢球技場。グラウンダーのボールは水たまりにかかって止まってしまうため、両チームともハーフウェイライン付近でボールを回すことは避けて、中盤を省略し、ロングボールをトップの選手に当てる、裏のスペースに放り込むという戦法を取っていました。ですがそれぞれのゴール前にはあまり水たまりがなく、むしろ雨で芝生が濡れていつもよりボールが滑りやすい状況になっていたので、背後に出されたロングボールは流れ、ピッチに慣れるまではスローインが両チーム共多くなっていました。



そんななか、前半6分にゴール前30mほどから#9津田選手が地を這うようなミドルシュートを放ちます。ピッチは濡れて滑りやすく、ボールも濡れているため、キーパーのファンブルを誘いやすく、低弾道のミドルシュートはこの日のコンディションには効果的でした。



前半10分には相手のパスが水たまりで止まったところを#6岩沼選手が見逃さずボールを拾います。#6岩沼選手は右サイドの裏のスペースを狙ってパスを出し、それに反応したのは#23堂安選手。ペナルティいエリア右、角度のないところからダイレクトでシュートを打ちます。このシュートは惜しくもゴールマウスは捉えませんでしたが、手数を掛けないシンプルでスピーディーな攻撃でした。この日はピッチコンディションからロングボールを選択せざるを得ませんでしたが、こういった攻撃は平時のときでもやってほしいです。いいアクセントになりそう。



その後もYS横浜よりはパルセイロの攻撃機会が多く、前半21分には相手のクリアを拾った#23堂安選手が低い位置からセンタリング。これを#5中西選手が触りますが、ボールは空高く宙を舞います。つまりはクリア失敗ってことです。#1浅沼選手は自分が取るかDFにさらにクリアさせるかの判断がはっきりせず、前に出られません。落ちてきたボールに頭で合わせたのは#4内野選手。どフリーでしたがシュートは#1浅沼選手の正面に飛んでしまいゴールならず。もうちょっとコースを狙えればと思いましたけど、ドフリーの状態って緊張してしまって逆に難しいですからね。しょうがない部分もあります。決めてほしかったですが。



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思ったんですけど、守備のときにYS横浜は横幅を狭くして守るんですね。反対側のSBやSHがピッチを立てに半分にした時のライン上に近いポジションを取っている。サイドに人を集めることで、そのサイドでボールを奪い切りたい。サイドをボールの奪いどころにしてるみたいな感じなんですかね。あとは距離感を近くすることで、抜かれてもすぐに次の味方が行けるようにしていたりとか。で、ボールを奪ったら、近くの選手とショートパスを繋いで攻めると。サイドチェンジはあまりしない感じですかね。すごく特徴的です。



パルセイロとしてはYS横浜の逆サイドのSBのさらに外を使いたいところでしたが、なかなか底にポジションを取る選手が現れません。というか横幅を狭くしてくる相手よりもさらに内側にポジションを取ることで相手に付き合っちゃってる感あった。で、そのぽっかり空いたポジションに誰が行くかってことになればそれはSBなんでしょうけど、この日のパルセイロはそのピッチコンディションから裏のスペース目がけてロングボールを蹴りまくるチームになっていて、なかなかSBが攻撃参加する機会はありませんでした。攻撃の厚みというものが少なかったので、ここは次戦以降の課題ですね。



あ、でも前半44分のシーンは良かったですね。#9津田選手が前線でボールを受けて、横幅を狭めてくるYS守備陣の外を#2松原選手がオーバラップ。#9津田選手が出したパスに#2松原選手がギリギリ追いついてクロスを上げたっていう場面。ここで#9津田選手についていたのがSBの#9大泉選手なんですよね。ここ普通CBの選手がつきそうなものなんですが、SBの選手をつけるっていうのが少し独特ですね。ここで、SHの#17河野選手は戻っておらず、#9大泉選手の横には多大なスペースができており、そこをうまく突いた#9津田選手#2松原選手。YS横浜攻略法の一端を見た感じがしました。こういうシーンを後半をもっと見たかったですが、後半は攻められっぱなしでそもそも攻撃の機会が少なかったので、あまり見られなかった。残念。



その後は実況曰く「人間発射台の異名を持つ」#2松原選手のロングスローも飛び出しましたが、スコアは動かず。0-0で前半が終了しました。水たまりもあるあまりいいとは言えないピッチコンディションに苦しむYS横浜とは対照的に、そんな状況下で割り切って縦ポン主体に戦ったパルセイロがやや優位かなという感じの前半でしたね。前節の盛岡戦よりも全然いいです。



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そのまま両チーム選手交代のないまま後半キックオフ!



始まってすぐの後半2分のことでした。ロングボールを#13勝又選手が落とし、ボールは#9津田選手へ。#9津田選手は相手が寄せてこないのを見ると、ゴール手前30mの位置からミドルシュート。これがゴール左上に突き刺さり、パルセイロが先制点を奪います。#9津田選手はこれで今シーズン6点目。また、パルセイロとしてはリーグ戦4試合ぶりの得点で、リーグ戦6試合ぶりの先制点です。



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後半10分、パルセイロはここで選手の交代に踏み切ります。#13勝又選手に代えて#30萬代選手。得点してからはYS横浜のペースが続いていたので、長身の#30萬代選手を入れることで前線に起点を作り、ペースを変えたいという考えですかね。#30萬代選手はそのまま#13勝又選手のいた2トップの一角に入りました。



後半13分、#11北脇選手のシュートを#21小澤選手が左手1本でファインセーブ。



後半になって雨足は弱まり、ピッチ上からも水たまりが徐々に姿を消し始め、YS横浜得意のパスサッカーが生き始めました。サイドではワンタッチでショートパスを繋ぐことでパルセイロのプレスを躱そうと試みます。YS横浜は結構サイド攻撃に人数を掛ける方で、SB、SH、トップ、ボランチの選手4人がパス交換でサイドを崩そうとしていましたね。裏にパスを出すタイミングの統一が受けてと出し手の間でちゃんと取れていて、ああ繰り返し練習してるんだなあと感じました。



それと、YS横浜の選手は相手選手の間に入ってボールを受けるのが上手い。パルセイロの4-4のブロックの、4と4の間をYS横浜の選手たちは狙っていて、そこでボールを受けることでCBを釣り出し、SBにフォローに行かせ、その空いたサイドを使うというシーンがYS横浜の攻撃で多かったように見受けられました。



加えて、YS横浜はディフェンス時には横幅を狭くして対応するんですけど、攻撃時には反対にピッチを広く使っていて。SBが高い位置を取るんですよね。ボールを持ってない方のSBも高い位置を取り出すのが特徴的で。常に大外を狙っていて、パルセイロにとってはそのサイドにも意識を向けなきゃいけないので厄介ですよね。また、その際にはボランチが1人下がっての3バックにして、パルセイロの2トップに対して常に1人余らせるようにするなどリスク管理もきちんとなされています。



一方、パルセイロ。阪倉さんに監督が代わってから守備的になってきてますよね。ボールのあるサイドとは逆サイドのSHがディフェンスラインまで下がって大外を見るようになっています。これ浅野さんのときでは見られなかったですよね。SHはそんなに守備してなかった。浅野さんのときのパルセイロは大外を自由に使われてピンチを招いたり失点したりするシーンが多かったので、阪倉さんなりの対応策でしょうか。確かにこうすると大外を自由に使われることはなくなって、後ろに人数をかけることができ守備は安定しますが、こうなるとどうしても攻撃には出ていきにくくなりますよね。だって長い距離を走らなければいけないですし。でも阪倉さんはまず守備を安定させることを選んだんだから、私達もこれからは、もしかしたら得点は少し減るかもしれない、という認識を持ちつつ試合を見ることが必要になってくるかもしれないですね。覚悟はしておけよと。



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後半24分、YS横浜は1人目の選手交代。#4土館選手に代わって#6小澤選手が入りました。#4土館選手はその前のセットプレーで少し痛めてましたし、大事を取っての交代ですね。#6小澤選手はそのまま#4土館選手のいたボランチに入りました。



後半25分、パルセイロは高い位置でボールを奪われ、#14後藤選手がシュートを放ちますが、これも#21小澤選手が今度は足でファインセーブ。得点を許しません。



YS横浜のキーマンはボランチに入った#14後藤選手ですね。#14後藤選手から精度の高い縦パス(これをYS横浜の樋口監督は「刺すパス」と呼んでいるらしい。スペイン代表のアスパスと語感が似ている)が入り、それが多くのチャンスにつながっていました。また、厄介なのはディフェンスラインのパス回しにも多く参加すること。YS横浜はSBが高い位置を取るのでそのカバーが主なんですが、比較的プレッシャーの少ない状況でプレーできるため、精度の高い縦パス、ロングボールがバンバン飛び出していました。



後半30分、パルセイロは#9津田選手に代えて怪我明けの#25有永選手を投入します。#25有永選手はそのまま2トップの一角に入りました。前線からプレッシャーをかけて#14後藤選手のパス出しを制限したいという考えですかね。怪我明けということで#25有永選手そんなに走れてなかったですけど。



YS横浜も同タイミングで2人目の選手交代。#17河野選手に代わって#13中村選手が投入されました。#17河野選手疲れてたんでしょう。フレッシュな#13中村選手を入れてこのまま攻め立てたいという考えだと思います。たぶん。



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ピッチを広く使い右に左にと振ることで、パルセイロを間延びさせてチャンスを作ろうとするYS横浜。パルセイロも疲れて選手間の距離が開き始めますが、人数をかけ、最後のところで体を張り、ゴールを許しません。



後半42分にYS横浜は最後の選手交代。#25西山選手に代えて#32北原選手を投入。DFを一枚削ってFWを入れるという樋口監督の「なんとしても追いつくぞ」というメッセージですね。



その直後にパルセイロも最後の選手交代。#8河合選手に代えて#3大島選手が入りました。ディフェンスを増やし、システムを5-4-1に変えることで「なんとしても守り抜くぞ」という阪倉さんのメッセージですね。



コーナーフラッグ付近で時間を使い時計の針を進めるパルセイロ。掲示された後半アディショナルタイムは4分。YS横浜に何度もボールをゴール前までに入れられながらも、パルセイロは5バックで守り切り、1-0で試合終了。連敗を3でストップしたのと同時に、2戦目で阪倉体制での初勝利を上げました。


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<ハイライト動画>





監督コメント(Jリーグ公式)

選手コメント(Jリーグ公式)

2018明治安田生命J3リーグ 第15節の結果(長野公式)

明治安田生命J3リーグ第15節 vs Y.S.C.C.横浜|フォトギャラリー(長野公式)

2018明治安田生命J3リーグ第15節【結果報告】(横浜公式)

AC長野、連敗を3で止める信濃毎日新聞)







これで続いていた連敗を3でストップしたパルセイロ。次節はホーム長野Uスタジアムで、5勝7分け2敗の勝ち点22で5位につける福島ユナイテッドとの対戦です。キックオフは今シーズン初のナイトゲームである17:00。もう明日ですね。是非ともスタジアムに足をお運びください。5000人集めましょう。


がんばれ!AC長野パルセイロ!



The・完








こんばんは。これです。いよいよ今夜W杯ポーランド戦ですね。厳しい戦いになることは間違いないと思いますが、なんとかグループリーグ突破を決めてほしいところです。

さて、7月まで残すところあと2日。Jリーグ夏の移籍市場オープンは7月1日からだと思っていましたが、すでに様々なところで移籍が発生しているので(川崎の大久保選手が磐田に行ったり)、ここからは以前のシーズン開幕後の移籍まとめとは独立させた記事にしたいと思います。記念すべき一回目はパルセイロから。よろしくお願いします。






AC長野パルセイロ


トップチーム


・上田千曲高校からリュウ・ヌグラハ選手が来季新加入

上田千曲高校所属 リュウ・ヌグラハ選手 来季新加入内定のお知らせ(長野公式)


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今夏の移籍関連のあれこれよりも先に来季の新加入選手の発表が来ました。2種登録の#38牛越選手に続いて21世紀生まれの選手が加入するっていうのはなかなかの未来感があります。もうその未来は今ですよ。ザ・フューチャー・イズ・ナウですよ。時が経つのは速いですね。

リュウ選手は塩田中から上田千曲高へと進んだ、長野生まれ上田育ちの純県産選手。それにもかかわらず国籍はインドネシア。県でも強豪とは言えない上田千曲高所属で、プレーに関する情報も何もなく謎多き選手です。練習に参加していたという未確認情報はあるけども。ただ地元育ちの選手が入ってくるっていうのは、チームがより身近に感じられていいものですね。身長も183㎝とありますが成長期ですし、まだまだ伸びるでしょう。パルセイロで経験を積んで、将来インドネシア代表のゴールマウスを守るくらいにまで成長してくれれば最高ですね。そのためには日々の練習が大切。1年目はあまり試合に絡めないとは思いますがこつこつと頑張ってほしいものです。

あと来年のキーパーは4人体制。になるのかな。#16阿部選手が今シーズン、怪我がちだからそれもいいかもしれない。もちろん誰かが移籍して3人体制ってことになる可能性も捨てきれませんが、その時はその時で代わりに誰かを獲得して結局は4人体制でしょう。リュウ選手には超えるべき壁が多くて大変ですが、長野の地から大きく飛躍していってほしいものです。ファイト。







2019AC長野パルセイロトップチーム

GK リュウ・ヌグラハ(←上田千曲高校





おしまい


The Future Is Now/タイムリープ
ストレイテナー
ユニバーサル ミュージック
2018-04-11




こんばんは。これです。



なでしこリーグ中断中のただ今開催中のなでしこリーグカップ。前節沖縄でのINAC神戸レオネッサとの試合が台風でお流れになったAC長野パルセイロレディースは前節終了時点でグループBを1勝1分2敗の勝ち点4で4位と苦戦しています。今年からリーグカップでグループリーグ突破できるのは1位のみとなりパルセイロレディースにとってはもう負けることは許されません。

そんなパルセイロレディースの今節の相手はノジマステラ神奈川相模原。ここまで3勝2敗の勝ち点9で2位に位置し、中断中のリーグ戦では現在3位につける強敵です。また、パルセイロレディースはノジマステラとの2度の対戦でいずれも0‐3,0‐5と完膚なきまでに叩きのめされているため、カップ戦の舞台ではありますが是非ともリベンジを果たしたいところです。





梅雨の晴れ間となった昨日、キックオフ2時間15分くらい前にUスタに到着!
…しかし、駐車券なしで止められる一般駐車場は既に満杯。こんなこと今までなかったですし、パルセイロレディースの試合は確実にお客さんを増やしてきていますね。

仕方なく、近いようで近くない、遠いようで遠くない臨時駐車場に車を停め、そこから歩いてキックオフの1時間半ぐらい前にUスタに今一度到着。

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入場して間もなくピッチでは長野クリスタルバトンさんによるバトンパフォーマンスが披露されていました。


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デザインされた綺麗なパフォーマンスでした。上空にバトンが舞ってるはずなんですけど、写真では分かりませんね。すいません。



長野クリスタルバトンさんのパフォーマンスが終わった後には恒例のオーロラビジョンにて恒例のカウントダウンNPが始まりました。

本日ゲストとして登場したのは…

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#5木下選手
!いつもはボランチでバリバリ試合に出てるのでこういう場に出てくるのは珍しいですね。ケガでもしたんかな。

現在、世間ではW杯の真っ只中ということで、この日の話題も自然とW杯の話題に。#5木下選手はメキシコのサッカーが面白いって言ってました。

そして、恒例のミュージックコーナー。#5木下選手が選曲したのは映画「グレイテスト・ショーマン」から「The Greatest Show」。映画のサントラを流した選手は初めてですね。私はこの映画観に行かなかったんですけど面白かったんかな。なんかどの映画を観てても、この映画の予告が始まる前に流れてて、それでちょっと食傷気味になっちゃったんですよね。まあそんなことはいいや。
この後、#5木下選手が生まれた1992年のヒット曲、大事MANブラザーズの「それが大事」が流れて、#5木下選手がサポーターへのメッセージ、応援が力になりますみたいなことを言っていたと思う、を述べてカウントダウンNPはお開きとなりました。



さて、パルセイロレディース恒例の選手によるグッズの宣伝。この日ホームゴール裏コンコースに現れたのは…

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#21エリ・コタカ選手#30風間選手。そして、

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#11齋藤選手
#21エリ・コタカ選手は毎回出てきてますね。試合で活躍する姿を見たいんですが、まだリハビリの最中なのかな。また、#11齋藤選手には長蛇の列ができていました。やっぱ実績ですよ。実績。



12時も15分を過ぎた頃に選手がピッチ内アップをスタート。

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選手を迎えるときにRADWIMPSの「前前前世」が流れてたんですけど、そこから手拍手が自然発生して、なんかバンドを迎えるときのライブハウスのような感覚になりました。流れていた音楽がぴたりと止まって、そのバンド特有のSEが流れた瞬間のワァーみたいな。出てきてウォーみたいな。



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両チームのスタメンです。




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パルセイロレディースは#14滝川選手#8大宮・プレシャスタイム・玲央奈選手がスタメン。#14滝川選手は2トップの一角に入り、#9中野選手がボランチに入りました。フォーメーションは変わらず4‐4-2だと思ったけど、実際そうだった。



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対するノジマステラは#25田中里選手がボランチで今シーズン初スタメン。スタメンに田中が3人といういわゆるひとつの我が田中システムで臨みます。フォーメーションは破天荒な4-2-3-1。消しゴム―



選手入場。

の前に両チームサポーター。

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この日のパルセイロレディースゴール裏はビックフラッグを掲出しませんでしたね。まあ毎試合出すわけにもいかないので別にいいんですけど。



改めて選手入場。

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この日は長野クリスタルバトンさんが選手たちを迎え入れてたんですけど、チアリーダーに迎えられながら入場するのってBリーグっぽい…Bリーグっぽくない?

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円陣を組んで...

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前半キックオフ!



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試合開始からノジマステラはサイドを中心に攻撃します。まず両SHの#14田中萌選手#22大野選手にボールを入れそこから攻撃がスタート。1トップの#11南野選手#8田中陽選手が絡んで細かいパス交換からサイドを突破。敵陣深くまでボールを運び、中に抉ってセンタリングという形が試合を通して多かった。特に元なでしこジャパン#22大野選手がいる左サイドからの攻撃が多かったですね。#22大野選手は体が強くてキープ力もあってドリブルも上手い。#8田中陽選手との連携でパルセイロの右サイドは何度も崩されかけていました。#22大野選手は最初は右サイドにいたと思うんですけど途中から左サイドにいてましたね。右SBの#19藤村選手と右CBの#2野口選手との間を突きたかったからなのかな。



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ノジマステラのサイド攻撃に対し、前半のパルセイロレディースは中央攻撃を攻撃の中心に据えていました。#14滝川選手#15西川選手の2トップにロングボールを当てて、その落としを拾って攻撃を展開。サイドには振らず#14滝川選手#15西川選手が裏に走り、そこにスルーパスを通そうとするというのが前半のパルセイロレディースの主な攻撃パターンでした。シンプルでスピーディーな攻撃ですね。ここで特に良かったのが#14滝川選手。ロングボールの競り合いも想像以上に強く、落としも正確で、タイミングの良い裏抜けでもノジマステラの守備陣に警戒心を与えていました。#14滝川選手はサイドハーフで使うより2トップの一角で使った方が真価を発揮しそうですね。



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パルセイロレディースの得点シーンも#14滝川選手が獲得したFKからでした。左サイド敵陣浅い位置から獲得したFKを#9中野選手がGKとディフェンスラインの間の絶妙な位置に蹴り込みます。それに合わせたのは#15西川選手。頭で上手くスラして見事ゴール。パルセイロレディースが先制点を奪います。



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得点した勢いのまま一気に攻めたいパルセイロレディースでしたが、逆にノジマステラにボールを持たれて攻め込まれます。ノジマステラの攻撃の中心は#8田中陽選手。縦パスやスルーパスをバンバン通し、パルセイロレディースを自陣に釘付けにします。それと#11南野選手。スペースを空ける動きが上手くて、そのスペースを味方選手に使わせるということに長けた選手だなと感じました。もちろんボールを持っても上手い。#8田中陽選手のパスと#11南野選手のフリーランはパルセイロレディースの大きな脅威になっていました。



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パルセイロレディースはこれにディフェンスラインのコントロールを緻密に行うことで対抗します。#7坂本選手#2野口選手のラインコントロールにより、適切なタイミングでディフェンスラインを上げオフサイドを誘発していました。

オフサイドが取れない場合でも、#19藤村選手#17小泉選手の両SBがサイドで粘り強く対応し、#6國澤選手#9中野選手が戻る時間を作ったり、相手のボールコントロールのミスを誘い、ラインを割らせ、ゴールキックになるような守備をしていました。

それでも突破された場合は人数をかけた魂の守備ですね。シュートコースに立ちはだかり、うたれた場合には体を張ったシュートブロック。#31望月選手の安定感のあるセーブも冴えていました。



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パルセイロレディースは先制点を必死に守り切って、前半を1‐0とリードして終えます。リードはしていますがボールポゼッションもシュート数もノジマステラが上回っているため、まだまだ予断を許しません。




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後半キックオフ!



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前半中央突破を繰り返したパルセイロレディース。それに対応するかのようにノジマステラは横幅を圧縮し、中央に人数をかけて守備をします。パルセイロレディースは後半、それを利用してサイド攻撃を増やしてきました。SHにボールを預け、SH、SBや1トップ、ボランチとのパス交換からSHが抜け出す。そしてクロスや中に抉るドリブルからフィニッシュを狙う。前半にはあまり見られなかった姿がそこにはありました。さらに、サイド攻撃が増えるとノジマステラはサイドに意識を集中せざるを得ず、そうなると中央突破がより生きてきます。そして、パルセイロの追加点はこの中央突破からでした。


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ピッチ中央敵陣中央で#9中野選手がドリブルで持ち上がり#14滝川選手にパス。#14滝川選手はどうやったのかは分かりませんが狭いところにスルーパスを通し、それに反応した#8大宮・プレシャスタイム・玲央奈選手がゴールキーパーの股を抜くシュートでゴール。流れるような連携からパルセイロレディースが追加点を上げました。



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2点リードしたパルセイロでしたが、ここからノジマステラの猛攻を受けます。前半から繰り返し続けてきたサイド攻撃によって、走らされたパルセイロは体力を奪われ、プレスやマークの受け渡し、ラインコントロールが甘くなります。これを見て攻撃の手をさらに強めるノジマステラ。右から左からサイドを崩し、決定的なセンタリングを上げ続け、シュートを打ちまくります。後半だけでノジマステラが放ったシュートは何と15本。まさにシュートの雨あられ。パルセイロレディースは#1望月選手の幾度かのファインセーブや、ゴールポストにも救われながら、水際のところで何とか耐え続けます。



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攻められっぱなしのパルセイロレディースはカウンターに活路を見出します。ボールを奪ったら、素早くSHにつけて、そこから3点目を奪いに行きます。サイド攻撃から抜け出した#14滝川選手が惜しいシュートを放ったりもしましたが、徐々に疲れが出てカウンターに行けなくなり、守備一辺倒になってしまいます。守から攻への切り替えが遅くなり、サポートに行く時間が遅れ、なかなか前にボールを運べず、相手にボールを奪われる場面が多くなっていきました。



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パルセイロを圧倒するノジマステラは後半31分、ついに1点を返します。右ペナルティエリア角で#7川島選手からのパスを受けた#3石田選手がセンタリング。それに合わせたのはセットプレーの流れで前線に残っていた#19高木選手。ダイビングヘッドでゴールネットを揺らし、1点差に迫りました。


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1点差に迫られたパルセイロレディースは後半34分に選手交代を行います。本日大活躍の#14滝川選手に代わり、#20三谷選手が出場。そのまま2トップの一角に入りました。#20三谷選手には前線からプレスをかけてボールの出どころを抑えるみたいな役割が課されてたと思われます。たぶん。





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入場者数は1876名。安定して2000人近く入るようになってきましたね。ボランティアは40名。いつもありがとうございます。



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相も変わらず、ノジマステラの攻勢は続きます。パルセイロのディフェンスラインは疲れてラインを上げることができなくなり、ラインは下がり、ボランチをはじめとする中盤との距離が開き、バイタルエリア付近にスペースができるようになってしまいました。そこをノジマステラは突き、中央突破を増やしていきます。中央に人数をかけ、ショートパスを繋いで、マークが外れたらシュート。しかし、パルセイロレディースのディフェンスもきちんと体を張り、シュートブロックに入ることで、ノジマステラの選手は力み、シュートはゴールの上にばかり飛んでいきます。



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パルセイロレディースがギリギリのところで同点弾を許さないまま試合は終盤へ。1分という短いアディショナルタイム(前半にはあった給水タイムが後半にはなかった)も味方し、そのままスコアは動かず、試合はクローズド。パルセイロレディースが2‐1で勝利し、今シーズン2度の対戦で合計0-8と連敗していたノジマステラに雪辱を果たしました。高い集中力で守り切って、チーム全員で掴んだ待望の勝利です。


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試合後には歓喜のラインダンスと勝利試合恒例の南長野チャントの合唱で締めです。この瞬間がたまらなく楽しくてこのために応援してると言っても過言じゃないね。



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お疲れ様でした!!!






公式記録(なでしこリーグ公式)

2018プレナスなでしこリーグカップ1部 第7節の結果(長野公式)


パルセイロレディースはこの勝利で2勝1分2敗。勝ち点を7としましたが相変わらず4位のままです。首位のINACとは勝ち点差が5開いており、直接対決で勝ったとしても逆転できないので、パルセイロレディースは引き続き勝ちを積み重ねる必要があります。

そして次戦のパルセイロレディースは、1週間休みを置いて7月7日16:00からホーム長野Uスタジアムで現在2勝2分け1敗の勝ち点8で3位に位置するベガルタレディースと対戦です。今シーズンのパルセイロレディースは面白い試合をしてくれるので、是非とも観に来てはいかがでしょうか。というか観に来てください。お願いします。



がんばれ!AC長野パルセイロレディース!!!



おしまい






こんばんは。これです。W杯、日本がコロンビアに勝ちましたね。正直勝てるとは思っていなかったので嬉しいです。明日のセネガル戦も頑張れ日本。

さて、そんなW杯開催中でも、私は今週も今週とて映画を観にいってました。今回観た映画は「羊と鋼の森」です。2016年本屋大賞を受賞した宮下奈都さんの小説を映画化した今作。原作も未読ですし、正直最初は見る予定はなかったんですが、けっこういい評判が聞こえてきたので観にいくことにしました。

そして今回のブログはそんな「羊と鋼の森」の感想ブログになります。拙い文章ですが何卒よろしくお願いいたします。









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※ここからの内容は映画のネタバレを含みます。ご注意ください。

























まず、「羊と鋼の森」はピアノ調律師をモチーフにした映画だけあって、ピアノを演奏するシーンが多く出てきます。そのどれもが印象に残るもので、「羊と鋼の森」の一番の主役は音楽であると言えます。



「羊と鋼の森」でピアノによって演奏された曲は11曲で、それぞれどのシーンもいいんですけど、私が一番好きなのは主人公である外村が一番最初に一人で調律しに行ったシーンですね。外村が行った家はゴミがあらゆるところに散乱していて、ピアノも物置と化していました。依頼主はうつむいたまま一言も喋りません。そんななか、外村によって14年ぶりにピアノは調律され、依頼主はあまり気乗りしない様子でピアノを弾き始めます。



依頼主がピアノを弾いてると、彼が子供だったときの思い出が蘇ってきます。優しかった両親に見守られてピアノを弾いていた日々。でも14年前に両親は不慮の事故かなにかで二人とも亡くなってしまっていました。塞ぎ込んだ彼の隣に寄り添ってくれていたのは飼っていた子犬のみ。その子犬も年月が経つにつれて亡くなってしまいました。ピアノを弾いてる彼の周りに家族、そして飼い犬がオーバーフローしていくのが印象的なシーンでした。弾き終わった後に彼が笑ったのがグッとくる。



これはエンドロールで気づいたんですけど、このとき彼が演奏していた曲というのが、かのショパン作曲の、その名も「子犬のソナタ」。胸の奥から込みあげてくるものがありましたね。なんてシーンに合った選曲なんだろうって。



さらに、今回「羊と鋼の森」で劇伴奏、劇伴を担当したのが世武裕子さん(チャットモンチー乙女団の人や)でした。公式HPによると「語らない。だが語るところは語る」劇伴を目指したらしく、俳優さんの演技を引き立てつつ、確かな存在感もあってとても素敵でした。



この「語らない。だが語るところは語る」というスタンスは映画「羊と鋼の森」の大きな特徴ですよね。まず、雄大な大自然。オープニングで外村が彷徨ってた森は作りものだったみたいですが、途中で挿入されるドローンで撮影された森の綺麗なことといったら。スクリーンに新緑がとても映えていて圧倒されました。



さらに、「羊と鋼の森」では最高級のスーパーアナモフィックレンズなるものが使用されたようで、それが大自然の明るく静かに澄んだ面や、厳しく深いものを湛えている面を克明に映し出してました。自然は何も喋らないんですけど、それでも私たちの胸に訴えかけてくるものはそこにあって。こういった自然の描写に私はとても引き込まれました。これは是非ともスクリーンで確かめてほしいです。



それと、俳優さんたちも「語らない。だが語るところは語る」という演技をしてましたよね。特に脇を固める調律師の先輩方。一生懸命もがき苦しみ、でも少しずつ進んでいく外村や佐倉姉妹を余裕を持って見守っていました。温かさがものすごくあった。鈴木亮平さん演じる柳は外村のことをちゃんと一人前の調律師として認めたうえで接していましたし、光石研さん演じる秋野は厳しい言葉の裏にもちゃんと思いやりがあった。でも、やっぱり一番は三浦友和さん演じる板鳥ですよ。



最初のシーンで少ない言葉で外村を導いていったのには貫禄が感じられましたし、「ここから始まるんですよ」と外村に自らのチューニングハンマーを渡したのには、若者を応援する気持ちが込められていた。そして圧巻はドイツ人ピアニストが弾くピアノを調律する一連のシーンですよ。ここセリフが全然ないんですよね。全てを所作や表情で表してる。けっこう最初の方で外村に気づいた板鳥が手本を示すかのように調律する姿は、地面に顔を付けていてもかっこよかったですし、最後に一度は返されたチューニングハンマーを外村にもう一回渡して微笑むシーンなんて、もう最高でした。



もちろん、主人公である外村を演じる山崎賢人さんの演技や、ピアニストの高校生姉妹・佐倉姉妹を演じる上白石萌音・萌歌姉妹の演技も抜群に素晴らしかったんですが、それを包み込む大人たちの多くを語らない演技が「羊と鋼の森」のキーになっていてとても素晴らしいなと感じました。








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「羊と鋼の森」は新人調律師・外村の成長物語だと公式HPでは説明されています。悩み、迷い、悔み、それでもただ前を見て進んでいく外村。でも、途中まで外村は目指す方向やたどり着く場所を決めずにただ森の中をかき分けて進んでいただけでした。私が思うに、この映画の外村の姿勢に共感できる人って結構多いと思うんですよ。



だって、私達だって森の中にいるわけじゃないですか。人生という名の森の中を常に彷徨ってる。中学高校時代、いわゆる青春と言われる年代、なんて特にそうですよね。光の入らない鬱蒼とした森の中を、この道でいいのかどうか確信も持てないまま、進んだり戻ったり。選択肢は無数にあるのに、いや無数にあるからこそどこを目指したらいいのか分からない。自分には何が向いているのか、自分には何ができるのか。分かってればいいんでしょうけど、分からない人の方が大半です。不安だらけで、出口に、光に向かっているのかもわからないまま歩き続ける。辛いですよね。



それは大人になってもそうで。むしろ大人になってからの方がより彷徨ってますよね。大きな目標も持たずに、ただ訪れる毎日をそれとなくやり過ごす日々。自分は一体どこに向かっているのか。このままただ歩を進めるだけでいいのかと悩んでいる人も多いんじゃないでしょうか。実際、外村も同じようなことを思って焦ってます。ピアノの調律という往く森は定まってますけど、進むべき方向は決まってません。迷いに迷ってます。



でも、外村は調律師の先輩たちやピアニストの高校生姉妹と関わっていって、いろんなことを経験して最後には進むべき方向を見定めるんですよね。映画終盤、森の中を進む外村は、木々に遮られながらも確かに自分を照らしている光に気づき、走り出します。そして、走り続けて開けた場所に出る外村。ここの開放感が清々しさに溢れていてとても気持ちいい。



さらに、自らの進むべき道を見定めて成長したのは外村だけではありませんピアニストの高校生姉妹佐倉和音と佐倉由仁もそうです。着実な演奏で見る者の心を掴む和音と、派手な演奏で見る者を魅了する由仁。そんな対照的な姉妹にも、外村との交流により変化がもたらされます。同じところを目指していたはずの姉妹に訪れる、ピアノを弾けなくなるという試練。紆余曲折を経ながらもその試練を乗り越え、別々の光を目指して森の中を歩き始める二人。将来を想像して思わず応援したくなるような、まるで姉妹の親になったような。映画を観終わった後にはよかったなあと安堵で心が満たされます。


この映画は、光は木々の緑に遮られながらも、変わることなく私たちを照らし続けているそれに気づかない私たちがいるだけだ、ということを私たちに教えてくれます。観終わった後、目の前も明るくなっていることでしょう。顔を上げて光を見たくなる。そして、目印にして一歩一歩進んでいくことができる。そんな前向きな気持ちになれる映画でした。








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さて、映画「羊と鋼の森」では、タイトルが出た後の最初のシーンで調律師の仕事が説明されます。これがもう頭から煙を吹き出しそうになるほどの工程を持ったものでして。調律師って大変なんだなあって思わざるを得ませんでした。まあ調律師の仕事は大きく分けると整調、整音、調律の3つに分かれるよっていう説明だったんですけど、ここで私が注目したいのは「整調」です。なんでかって?「整調」と「成長」は同じ「セイチョウ」って読むからだよ



整調とは...

鍵盤やアクションなどピアノ内部の調整を行うことです。具体的には、引きやすいタッチを作り88鍵(全鍵盤)を均等にそろえる作業を行います。
(参考:http://blog.shimamura.co.jp/entry/20100923/1285206078

打弦機構の動きを正常の状態に直線状に揃え、所定の運動ができるようにすることで、その最も重要な目的は弾きやすいタッチを得ることです。88鍵盤全体を正しいタッチに揃え、演奏者の気持ちをそのままピアノに伝えることができるようにすることです。従って整調とは調律と同様重要な作業なのです。
(参考:https://www.otanigakki.co.jp/maintenance/piano-tuning/



ええと、難しくて私にもよく分かりませんが、とにかく整調とはピアノ内部の調整で、演奏者の気持ちをそのまま伝え、表すことができるようにするということですかね。映画を観てて、外村は映画の中で、整音や調律よりもこの整調を中心に行っていたと思うんですけど、どうでしょう。



で、この整調の「ピアノ内部の調整」って、人間に例えると「心」や「気持ち」といったものの調整なんじゃないかなって思うんですよね。映画の中でも「ピアノ調律には技術よりも大事なことがある」みたいなニュアンスのこと言ってましたけど、それがこの整調なんじゃないなかなって。気持ちなんじゃないかなって。


例えば、外村が佐倉家のピアノの調律を失敗したのも、鍵盤が沈んでいるのを直すっていう整調がきっかけだったんですよね。沈んだ鍵盤は連弾で妹・由仁が弾いていた高音パートに位置するものでした。由仁のパートの鍵盤を外村は整調しましたけど、結局は上手くいかなかった。この沈んだ鍵盤は由仁の沈んだ気持ちを表していると考えれば、外村はそれを調整できなかった。物語途中でピアノを弾けなくなるという展開があるんですけど、ここが伏線になっていたのかもしれないです。



このように、登場人物の気持ちの調整はピアノの整調と密接に結びついています。そもそも整調が弾き手の気持ちをダイレクトにピアノの演奏に表すためのものですしね。つまりピアノの内部に手を入れるということはその人の心の内部に手を入れるということで、外村は映画の中でこの整調を通してピアノと、そしてその弾き手の心に触れていると考えることができます。外村の弾き手の心に触れる「整調」を通して佐倉姉妹は試練を乗り越え「成長」していった。そして、外村も「整調」を通してたくさんのピアノに、人の心に触れていって「成長」していったのです。



そして「整調」されたのは映画の登場人物やピアノだけではありません。観ている私たちの心もです。その時々のシーンに合った染み入るような音楽。雄大な大自然。多くを語らないことでそれらをより引き立てる俳優さんたちの演技。これらが全てが私たちの心をプラスに調整、「整調」してくれました。観終わった後には清々しさが残り、前を向こうという気分にさせてくれます。「羊と鋼の森」はそういう気持ちの良い映画でした。いい映画です。








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今回、私は周囲の好評判にハードルを上げて観に行ったんですけど、「羊と鋼の森」はそんな高く上がったハードルをちゃんと飛び越えてくれるような映画でした。つまりは期待以上だったってことです。公開から2週間経ちますけど、まだまだ多くの映画館で上映されているので、是非観にいってはいかかでしょうか。



お読みいただきありがとうございました。また機会があればよろしくお願いいたします。では。



おしまい


羊と鋼の森 (文春文庫)
宮下 奈都
文藝春秋
2018-02-09



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