Subhuman

ものすごく薄くて、ありえないほど浅いブログ。 Twitter → @Ritalin_203

2018年10月



前編はこちら



☆両チームスタメン☆

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前半キックオフ!


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パルセイロは前半立ち上がりはロングボール主体の攻撃で攻めます。琉球は試合開始からディフェンスラインを高く保っており、パルセイロは#27竹下選手が常に裏を狙う動きを見せ、ロングボールを引き出します。しかし、#1朴一圭選手が高い位置を取っていたためクリアされ、またオフサイドも取られてしまうなど成功することこそ少なかったものの、手数をかけずにスピーディに攻めるという意図は見えていました。また、#27竹下選手が裏への動き出しを繰り返し、琉球のディフェンスラインの気を引いていましたね。そうして気を引くことで、#14東選手が下がってボールを受けやすくしていました。


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さらに、いつもは#2松原選手の上がるスペースを作るために中に絞る#8河合選手が、この日はピッチ中央、果ては右サイドと自由に動き回ります。琉球は4バックで守りますが、#8河合選手のポジション移動によりボールを持っているところに数的優位が生まれ、前線でのボール保持に一役買っていました。#8河合選手はこの日強引な体勢からでもシュートを打つなど積極性が光っていましたね。


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対する琉球は前線から積極的にプレスをかけてきます。パルセイロのボランチはこの日はディフェンスラインに落ちるということがあまりなかったので、ワントップの#15和田選手とIHの#16枝本選手#13中川選手のどちらか一人が連携してパルセイロのCBにプレッシャーをかけに行き、前へのパスコースを塞ぎます。そしてボールをSBに誘導。そこではSHの選手と残っていたIHの2人がSBに寄せていきミスを誘い出します。


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さらにパルセイロのボランチにボールが入ったときも残っていたIHと#8小松選手のどちらかがしっかりと寄せに行きます。琉球は守備の最初の段階ではパルセイロと同じ4-4-2のシステムにすることで、誰が誰につくかをはっきりとさせていました。またで足も速いのでパルセイロは琉球のプレッシャーにボールを下げる場面が徐々に多くなっていきます。


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ただ琉球の選手が前からプレスに行くことが多いので中盤とディフェンスラインの間の距離は長くなり、前線でロングボールを入れて競り合った時に、両SBが中に絞っていたり、ボランチが一枚上がっていたりとパルセイロの選手の方が近い距離にいることが多く、前線でセカンドボールを多く拾うことができていました。琉球に対しては繋ぐよりもロングボールが有効なのかもしれないですね。


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一方パルセイロが押し込んでいるとき。最後30mまでのところまでパルセイロが攻め込んだとき、琉球の守備は#8小松選手がディフェンスラインに吸収されて5バックになりそうなところでしたが、#8小松選手はあくまでもディフェンスラインの前に立っています。サイドにボールがあるときは流れてきたFWにぴったりつくように、中央にボールがあるときはバイタルエリアと呼ばれるペナルティエリア少し前の危険なスペースを消すように位置しています。


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また、#8小松選手がサイドに流れたときにも#16枝本選手#13中川選手のどちらかがバイタルエリアに立っていて、パルセイロの攻撃を抑え込んでいます。パルセイロの攻撃はサイドにFWが流れて起点になることが多く、ボールがサイドにある時、中には流れなかった方のFWと逆サイドのSHの2人しかいないことが多く、3対2で数的不利になっているので、クロスボールは跳ね返されてしまい、その跳ね返したボールもバイタルエリアの琉球の選手に拾われ、なかなか二次攻撃につなげられません。


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そして琉球はボールを奪った後に素早く前にいる選手にボールをつけようとします。最短距離でゴールに向かおうとしますが、ただパルセイロの攻→守への切り替えも速く、すぐ寄せに行くためすらすらとボールを前に運ぶことを許しません。琉球は前にボールを出せないとなると、ディフェンスラインにボールを下げて、後ろからじっくりと攻撃を組み立てる方向に切り替えます。


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このときCB二人のボール回しに#8小松選手が降りてきたり、#1朴一圭選手が上がって参加したりと後ろ3枚でボールを回し、両SBを高く上げます。特に#1朴一圭選手が上がってボール回しに参加する場合には#8小松選手も高い位置を取れるので、パルセイロの選手はより自陣に押し込まれることになります。SBはピッチ目いっぱいに広がり、パルセイロの選手を横に間延びさせようとし、自分にボールを入りやすくしたり、#8小松選手や下がってきたIHの選手にボールを入れやすくしようとします。ただ中央はパルセイロのFWが#8小松選手を、ボランチがIHの#16枝本選手#13中川選手をしっかりとみており、ボールはSBに渡されることが多くなります。


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SBにボールが入ったときに琉球はSH、IH、ボランチの選手が寄ってきて選手間の距離を短くしてパスをスムーズに回すことを狙います。ここで注目したいのが琉球の選手がパスを出した後に止まらずに必ず動いていること。サッカーの基礎ともいえるパス&ゴーの動きが徹底されており、パスを出した後に動くことで相手選手を引き連れ、元いた場所にスペースを作り、その空いたスペースを他の選手が使うという意識が高い。


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さらにボールのないところでも琉球の選手は多く動き出しを行っており、スペースを開けて使うという動き、例えばワントップの#15和田選手がサイドに流れたらIHが出来たスペースを突く、SHの選手が中に入ったらSBが上がってそのスペースを使うなどの約束事がしっかりしていて、それを誰に言われるでもなく自動的に何度も繰り返していました。これによりパルセイロの守備には動かされることで綻びが生まれ、琉球はそこを縦パスや低弾道のクロスでついてきました。


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これに対してパルセイロは両SBを中に絞らせることで対応します。さらに守備時には中盤も素早く帰陣し、ディフェンスラインとの距離を縮めます。選手間の距離を短くすることで密度を高めてボールを奪いやすくし、綻びも小さくしようという考えですね。当然サイドは空いてしまっていますが、上がってきた琉球のSBにはパルセイロのSHが落ちて対応。また、ここでSBが引っ張り出されたとしてもボランチやSHの選手がしっかりカバーに入っており、ボランチが出たスペースはSHが絞ってカバーするなどこの日のパルセイロのディフェンスはチャレンジ&カバーという守備の基本的な約束事が機能していた印象です。さらにサイドチェンジで横に振られたとしても、この日のパルセイロの守備はスライドもスムーズで、前半は琉球に満足のいく攻撃をあまりさせていませんでした。


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そのままパルセイロ優勢のまま前半は0-0で折り返します。琉球の中盤とディフェンスラインの間が少し開くという弱点を上手くついたパルセイロが攻撃する時間が長く、また守備でもちゃんと琉球のパス回しに対応できており、首位を走る相手に上々の前半でした。


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ハーフタイムにはJAグリーン長野様提供のリンゴの抽選会が行われました。はい、もちろん当たりませんでしたよ。


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この日のボランティア参加者数はいつもより多めの59人。いつもありがとうございます。




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両チーム選手交代のないまま後半キックオフ!


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後半立ち上がりもパルセイロがボールを握ります。ボランチの#7佐藤選手が高い位置を取り、#6岩沼選手と縦の関係になる時間が多くなっています。#7佐藤選手はワンボランチの#8小松選手の脇のスペースを狙って動きボールを受けようとします。当然これには#8小松選手がつきますが、そうなるとパルセイロのもの。中盤からFWの#27竹下選手#14東選手へのパスコースが空き縦パスを入れられるようになります。そしてボールを受けたFWはポストプレーから素早くサイドへの展開を狙います。この日もパルセイロは左サイドからの展開が多く、上げた#2松原選手を使いクロスを入れてゴールを狙います。後半8分には#27竹下選手#2松原選手のクロスをヘディングで合わせますが、これは#1朴一圭選手の正面に飛んでしまいました。


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そしてここから少しずつ琉球が盛り返していきます。前半パルセイロは球際に強くいきボールを多く奪い、それが攻撃回数の多さにつながっていたのですが、後半に入って少し疲れてきたのかアタリが少し弱くなり琉球にボールを持たれる時間が少しずつ長くなっていきます。琉球は59得点のうち37得点を後半に挙げている後半型のチームで、例に漏れずパルセイロも徐々に琉球に押し返されていきます。


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そして琉球は奪ったボールも前半とは違いシンプルに前につけます。#15和田選手やIHの#16枝本選手#13中川選手らがパルセイロの選手で掲載された三角形の内側に入り中央で上手くボールを受けます。ここでSHの#9富樫選手#10富所選手も中に絞り中央で崩すことを狙う、と見せかけてサイドを上がってきたSBの選手にボールを預けます。SBの選手がフリーでボールを受けられ余裕を持ってクロスを上げられるのと同時に、パルセイロの選手同士の距離を開かせ隙を作る効果もあり、パルセイロは琉球の内→外の展開に振り回され、後半13分には#3西岡選手のクロスから#15和田選手にヘディングシートを許しますが、これは#19三上選手が防ぎます。


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さらに前半はサイドに張ることが多かった#9富樫選手#10富所選手が中に入ってきて、パルセイロのCBとSBの間の高いポジションを取るようになっていました。これにより誰が見るのかという迷いを生ませて反応する時間を遅くします。さらに、二人はボールが入ればドリブルで中へと突破できる力があるので、パルセイロのCBとSBは釣られ、他の選手にスペースが生まれています。直接ボールに触れる機会はあまり多くなかったですが、ポジショニングでパルセイロの守備陣に大きな脅威を与えていました。


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後半24分。パルセイロが先に選手交代を行います。#14東選手に代えて#28松村選手を投入。#14東選手はこの日も裏へ抜けだしたり、下がってボールを受けたりで攻撃にリズムを生み出す働きをしてましたね。しかし少し疲れて前線からの守備がかかりにくくなっていたので、そこを取り戻すための交代であると考えられます。もちろん前線にフレッシュな選手を入れることで攻撃力を高めたいという狙いもあると思いますけど。交代した#28松村選手#14東選手と同じ2トップの一角に入りました。


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後半26分には琉球も選手交代。パルセイロの絞る守備によって消されていた#10富所選手に代えて#25金選手を投入。あまり使われていなかった左サイドの活性化を図ります。


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後半になるとパルセイロのストロングポイントである左サイドが活性化していきます。#8河合選手がボールを受けてキープ。#2松原選手が上がってくる時間を作り、#2松原選手にパスを出して#2松原選手がクロスという場面が何度も観られていました。首位の琉球相手にもパルセイロの左サイドでの攻撃は十分に通用しています。


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しかし、後半30分には琉球が惜しいシーンを迎えます。左サイドでロングボールを#3大島選手がクリアミス。このボールが#15和田選手に渡ってしまいます。#15和田選手は飛び出してきた#16阿部選手を躱してループシュート。ゴールかと思われましたがゴールポストに当たりボールはゴールの外へ。これを#5寺岡選手#2松原選手がクリアして、パルセイロはなんとか難を逃れました。


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後半33分。パルセイロが2人目の選手交代を行います。#27竹下選手に代わり#30萬代選手を投入。この日の#27竹下選手は裏への飛び出しを何度も行うことで琉球の脅威となっていました。ただ少し足が止まってきていたので、阪倉監督は前線で起点に慣れる#30萬代選手を入れて勝ち越し点を狙いにいきました。#30萬代選手はそのまま2トップの一角に入ります。


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後半38分には両チームとも一気に選手交代を行います。琉球は#9富樫選手#15和田選手に代えて#7朴利基選手#11播戸選手を投入。攻撃のカードを切り、勝ってJ2昇格を迎えることを目指します。そして交代に伴ってポジションチェンジがあり#7朴利基選手が左SHに、#25金選手が右SHに入りました。


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時を同じくしてパルセイロは#8河合選手に代えて#25有永選手を投入。この日の#8河合選手は左サイドだけでなく右サイドにまで行くことで数的優位を作り、パルセイロの攻撃を活性化させていました。また積極的に仕掛け、ゴールが見えたらすぐにシュートを打つなどの前向きな姿勢も光りました。交代で入った#25有永選手は右SHに入り、右SHにいた#23堂安選手が左SHに入りました。


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この日の入場者数は2,993人。前々節のYS横浜戦の2,679人よりは多いですが目安の3,000人にはあと7人届いていません。もっとお客さんほしいですね。


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終盤になると両チーム疲れて中盤と前線との間が間延びしていきます。琉球は前線の選手が降りてきてボールを触り、変わらずパスを回して打開することを目指しています。ボランチのプレッシャーより前でボールを捌き、バックパスの間に前線の選手が動き出し、一気にゴールに近づこうとします。ただパルセイロの中盤とディフェンスラインの間は間延びしておらず、密集を作れているため人数をかけてボールを奪うことができていました。


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そしてパルセイロはボールを奪ったらカウンターで速攻を仕掛けます。琉球のSBが上がった裏のスペースにボールを入れ、少ない人数でも素早く上がってシュートまで持ち込もうとします。ポゼッションとカウンターという両チームの対照的な攻撃の応酬が続きますが、ゴールは生まれず、試合は後半アディショナルタイムに突入します。


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後半アディショナルタイム3分。#6岩沼選手が相手のクリアボールをダイレクトで前に贈ります。これを左サイドで#23堂安選手が収めます。ここで右SBの#3西岡選手が上がっていたので#23堂安選手にはCBの#22瀧澤選手がつくようになり中央が空いていました。#23堂安選手は左サイドでボールを持ち琉球ディフェンスを3人引きつけてからのクロス。これに一番遠いサイドでフリーになっていた#19三上選手がダイレクトで合わせます。叩きつけられたボールは#1朴一圭選手の頭上を越えてゴールに吸い込まれ、試合終了間際でパルセイロが先制します。#19三上選手はこれで今シーズン4得点目です。

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残り時間はあと1分。あと1分守り切れれば首位の琉球相手に勝利を収められるパルセイロでしたが、琉球も意地を見せます。後半アディショナルタイム4分。#1朴一圭選手のロングキックを#3西岡選手が胸で落とし、ボールは#16枝本選手へ。#16枝本選手はCBの#5寺岡選手を躱し、シュートを打ちます。これは#3大島選手がブロックしますが、こぼれ球が#7朴利基選手に渡ってしまいます。#7朴利基選手は落ち着いてシュートを打ち琉球が土壇場で同点に。パルセイロの選手はここでオフサイドを主張していましたが、#16枝本選手がシュートを放った瞬間に#2松原選手#7朴利基選手の後ろにいたため、オフサイドは適用されませんでした。


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ただこの失点の原因はそれよりも前に、#16枝本選手にドリブル突破を許したことにあると思います。ここまで#7佐藤選手#6岩沼選手がバイタルエリアを消していましたがこのシーンは疲れていたため戻りが遅くなってしまい、危険なスペースで#16枝本選手にボールを持たれてしまっていました。#16枝本選手の個人技も見事でしたが、ここでしっかり戻り切れていれば防げた失点だっただけに悔やんでも悔やみきれません。5連勝中で首位を独走する琉球の勢いはすごいですね。前節も後半アディショナルタイムに2得点して勝利を収めていますし。


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そしてこのまま試合は終了。パルセイロにとってはあと少しで勝てていただけに悔いの残るドローです。そしてこれでパルセイロの試合終盤での失点は3試合連続。前節の富山戦でも後半ラストプレーで追いつかれているだけに同じことを2試合連続で繰り返してしまいました。これを繰り返さないためには試合終盤でも足が止まらないように前半からガンガン行くのを少し抑えるなどのペース配分を工夫する必要があると思います。あと、先制した時点で選手たちに「勝った」という慢心があってそれが最後のところの緩さにつながっていったのかもしれません。残り5試合、一つでも順位を上げるためにもう一度気を引き締めて臨んでもらいたいところです。


それと私自身「勝った」と思ってしまい最後の「千尋の谷」のチャントが弱くなってしまったのは反省すべき点ですね。追いつかれることはないだろうという慢心がありました。一人の声はたかが知れてるけど、なんでもっと声を出さなかったのかと今は後悔しております。誠に申し訳ありません。


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試合終了後には選手の挨拶。3試合続けての終盤での失点で勝ち点を落としたということもあり、拍手もまばらです。「いい加減勝ってくれよ」との声も聞こえ、あまりいい雰囲気ではありませんでした。


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お疲れ様でした!











<ハイライト動画>







監督コメント(Jリーグ公式)

選手コメント(Jリーグ公式)

J3順位表(Jリーグ公式)

【10/28 琉球戦】監督・選手コメントをアップしました(長野公式)

2018明治安田生命J3リーグ第29節 vs FC琉球|イメージギャラリー|ファンゾーン
(長野公式)

第29節AWAY vs AC長野パルセイロ試合結果(琉球公式)

AC長野、昇格可能性消滅 首位の琉球と引き分け(信濃毎日新聞)

FC琉球J2に王手 次戦引き分け以上で昇格(琉球新報)


















この結果を受けてパルセイロは7勝11分9敗の勝ち点32で12位に後退。J2昇格圏内の2位鹿児島との差が16となり、残り5試合での逆転が不可能になってパルセイロの今シーズンのJ2昇格の可能性は完全に消滅してしまいました。今まででJ3を戦った中でも一番早いですね。本当に悲しいです。


ただ、まだシーズンは5試合残っています。パルセイロの次節の対戦相手はここまで12勝9分6敗の勝ち点45で4位につけるアスルクラロ沼津。J2ライセンスを持っていないため2位以内になっても昇格は出来ませんが、吉田監督が上手く選手たちのモチベーションを保っていて、パルセイロに対しても勇敢に戦ってくることが予想されます。パルセイロは沼津とは前半戦の対戦で2-2で引き分けており、今度こそは勝ちを掴んで5試合勝ちなしから脱したいところ。アウェイ・愛鷹広域公園多目的球技場で13:00キックオフなので行ける方は応援を何卒よろしくお願いします。
  

そして次のホーム戦は長野Uスタジアムで11月11日13:00から、12勝7分8敗の勝ち点43で5位につけるガンバ大阪U-23との試合です。こちらも前半戦の対戦では1-1で引き分けています。私は事情があっていけませんが、チームはやってくれることでしょう。是非とも11月11日は長野Uスタジアムにお越しください。


がんばれ!AC長野パルセイロ!!


おしまい


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前節ラストプレーで富山に追いつかれ1-1で引き分けてしまったAC長野パルセイロ。2試合連続で終盤に失点を喫し、4試合勝ちなしが続いています。順位も7勝10分9敗の勝ち点31で11位と苦戦が続いています。そして今節の対戦相手は18勝5分4敗の勝ち点59で首位を走るFC琉球。琉球は今節パルセイロに勝てばJ2昇格が決まる可能性があるということで、勢いそのままに長野Uスタジアムに乗り込んできていました。しかし、もうほとんどJ2昇格の可能性はないですがパルセイロも前半戦の対戦では琉球になすすべなく0-2で敗れているため、勝って目の前での昇格決定を阻止したいところです。


また、この日はハロウィン間近ということで毎年恒例のパルウィンが開催され、エスコートキッズが仮装した子供たちだったり、スタッフも仮装したり、かぼちゃの重さ当てクイズが開催されたりといたるところでハロウィンにまつわるイベントが開催されました。


さらに、この日はJAグリーン長野presentsと銘打たれ、先着500名にリンゴが配られたり、ハーフタイム抽選会ではリンゴが100名に当たったり、キックオフ前にはリンゴが両チームに贈呈されたりと、どんだけリンゴ推すねんというツッコミも出そうな猛プッシュが展開されました。


では、観戦記スタートです。


後編はこちら





さわやかな秋晴れで気温も高くなったこの日。そこまで近くはない臨時駐車場に車を停め、歩くこと15分。11時ごろに長野Uスタジアムに到着しました。

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いつものペナント。


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入場列。本当に雲一つない抜けるような青空です。


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入場するとライオーがお出迎え。幼稚園児のようなこのルックスはNHKの人気番組「チコちゃんに叱られる」のチコちゃんですかね。確か直近の放送で詳しい人が「チコちゃんは、私も大好きで、力をみんなに与えてくれる。パワフルなチコちゃんに力をもらえる夜と考えると、チコちゃんの仮装は歓迎できるんじゃないかな」と言っていたと思うので、ライオーのこの仮装も大いに許容されるものですね。ナイスセレクトです。


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チコちゃん。ものしりの5歳児でチコちゃんが出した質問に答えられないと…


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「ボーっと生きてんじゃねーよ!」となかなか強い言葉で叱ります。この「ボーっと生きてんじゃねーよ!」が日本中で流行っているとかいないとか。うちの親もよく使ってます。




そしてライオーの写真を撮ったところでスタジアム内に入場。

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当然晴れています。長袖だと暑いくらいに。


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この日のマッチデ―プログラムです。


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選手インタビューは#16阿部選手。ここ最近の結果については「まだ隙があると思っています」とのこと。この日こそはその隙をなくして勝ち切ってほしかったんですけどね...。


ホームゴール裏ではこちらも毎年恒例の「かぼちゃの重さ当てクイズ」が。

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例年は20㎏以上あるかぼちゃ1個の重さを当てますが、それだと子供が持てないということで今年は軽めのかぼちゃ3個の合計の重さを当てるクイズに変更になりました。

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私も参加。思ったより軽めに予想するのが当たるコツなので11.5㎏と予想しましたが、正解は13.45㎏。誤差を前後500g以内に抑えた参加者の方々には選手のサイン色紙がプレゼントされていました。


ここで早めのお昼ご飯です。

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今日のチョイスは選手プロデュース弁当。


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この日は#19三上選手#21小澤選手のお弁当でしたが、前日にとんかつを食べたという個人的事情もあり、#19三上選手のお弁当を購入です。


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「栄養たっぷりミカちゃん弁当」の中身がこちら。

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栄養バランスに配慮したと言っていましたが、その割には野菜が少なめですね。甘酢あんかけをかけた唐揚げが特に美味しかったです。ボリュームもあったし満足はしたんですけど、ぶっちゃけ適正化価格は800円ぐらいかなと。


お弁当でお腹を満たした後はスタジアム外周に向かいます。そこで大きな目的となっていたのがこちら。


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パルセイロ秋のスタンプラリーです。レディースとトップチームそれぞれのホームゲームでスタンプを押してもらい、この日がその抽選会でした。スタンプ1個で一回、2個で二回抽選ができます。というか思えばここにある4試合一回も勝ててないですね。厳しい。


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外に向かう途中には久しぶりのペッパー君がいました。この日は「13日の金曜日」でおなじみ(?)ホッケーマスクを被っていてなんだか怖いです。今導入してる事業所の8割が契約更新しないという噂もあるので、ホッケーマスクを被って斧を振り下ろし、人間に復讐しそうですよね。すごいSF感があります。



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スタジアム外周の様子。焼き鳥の煙が上がっています。


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総合案内所。


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ライオーのぬいぐるみもハロウィン仕様です。琉球のジンベーニョのぬいぐるみはまだ出てないのかな。


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本日のラインナップ。声を力に!


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スポンサーの一つユニリーバ様のブースが今日は出展です。こちらもハロウィン仕様で制汗剤やヘアスプレーを展示。アンケートに答えると商品のサンプリングがもらえました。


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事前番組「パルナンデス」では琉球サポの方が出演。和気あいあいとした雰囲気がよかったです。再来年また会いましょう。


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グッズ売り場はなかなかの混雑です。かぼちゃの提灯が飾ってありますね。



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そしてグッズ売り場の外では1回1000円のパルセイロスピードくじが開催中でした。クジに外れてもハロウィン限定ステッカーがもらえたそうな。隣ではガチャガチャにいい年した大人たちが群がっています。




そうして写真を数枚撮った後は抽選会の列に並びます。私が並んだ回は最終第4回。50人ほどが列をなしていました。

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賞品。選手支給Tシャツっていうのは選手の私物のことですかね(違う)。あとバニシングスプレーは貰ってもメルカリで売るぐらいしか使い道がないような気もします。当たらなかったんですけど。


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順番が近づいてきてパルセイログッズも残りわずかです。


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当たるように念を込めて新井式回転抽選機を回しますが結果はどちらも白玉。なにも当たりませんでした。あ、新井式回転抽選機っていうのはガラガラと呼ばれてるこれの正式名称です。


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その頃パルナンデスではレディースの#25マナ・サンシャイン・イケザキ選手が登場し選手当てクイズに参加していました。小澤選手は埼玉県出身です。




12時ごろ。いったんスタジアム内に戻ります。

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スタジアム内の事前番組「パルセイロTV」。この日はハロウィンということで(?)スマイルコンテストが行われ、楳図かずおさんウォーリーの仮装をした男の子が受賞していました。賞品はJAグリーン長野様から送られたとのこと。またリンゴだったのかな。


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さらにこの日はゲストとしてレディースチームから#14滝川選手#23鈴木陽選手#24神田選手#30風間選手が登場。11月3日に控えたホーム最終戦、対アルビレックス新潟レディース戦の告知に来ていました。


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パルセイロレディースは去年、一昨年と2年連続でなでしこリーグ1位の観客動員数を達成していて、今年の最終戦で観客動員数3年連続日本一を目指したいとのこと。

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10月27日現在の観客動員数がこちら。ただINAC神戸レオネッサがこの日の試合で4,712人のお客さんを集めたため、パルセイロレディースが逆転するには4,528人以上のお客さんが必要になります。パルセイロレディースの今シーズン最多がマイナビベガルタ仙台レディース戦の3,492人なので、それを1000人以上上回らないといけない計算になりますね。なかなかに厳しい数字です。
 

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カニの被り物をした#30風間選手によると、パルセイロTVの終了後と、試合終了後にいつもお弁当を打っている3ゲート付近でレディース選手によるチケットの販売が行われるとのこと。トップ・レディースが一体となった良い試みです。


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最後はレディース選手と一緒に「声の限り」のチャントを歌ってこの日のパルセイロTVは終了しました。


そんななか私は何をしていたかというとせっせとバックスタンドに移動。

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いつものようにリンゴを買って食べていたのでした。シナノゴールドや秋映がこれでもかと並んでいて購買意欲を掻き立てられます。


ゴール裏に戻るとチコちゃんの仮装をしたライオーが戯れていました。

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可愛さ5割増しです。写真を撮ろうとカメラを向ける人もいつもより多かったですね。


ライオーが帰ってからアップが始まるまでの間少し時間があったのでもう少し外で時間をつぶすことに。

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先ほどの#23鈴木陽選手に加えて、#22古舘選手#1池ヶ谷選手#18五嶋選手がチケット販売に参加していました。何人かチケットを買っている人もいて嬉しそうでしたね。そして北海道東部胆振地震復興支援のTシャツも売られています。全部捌けてなかったんだ。


外のパルナンデスでは#15西口選手がトークに参加していました。

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#15西口選手の好きなTV番組は「水曜日のダウンタウン」とのこと。確かに「水曜日」は面白いですもんねー。特にクロちゃん系が。


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前回のスペシャルでの一幕。こわい。



グッズ売り場の前には選手カレンダーが見本として吊るされていました。これを買うと来年いる選手いない選手がある程度わかってしまうとかしまわないとか。まあ1月にトップ・レディースそれぞれ1人の24人で、乗ってない選手の方が多いんですけどね。

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いつもならこの時間帯に人はあまりいないんですが、今日はまだ混んでます。なぜかというと...


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#10宇野沢選手#26遠藤選手が販売に参加してたからなんですねー。かっこいいですねー。トップチームの選手がグッズ販売に参加するのは今シーズン初めてですか。いいですねー。


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サインをする#10宇野沢選手とそれを見守る#26遠藤選手


さらに第3ゲート付近では、#13勝又選手#21小澤選手がサイン会を行っていました。もうシーズンも少なくなってきましたし、来年いないかもしれないということを考えるとこういった機会は貴重ですね。

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#13勝又選手が柱で隠れてしまってますけど、これしか使えそうな写真がなかったんです。許してつかあさい。


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また、このときには仮装したエスコートキッズの集合を上から眺めることができました。それを横目に再びスタジアム内に戻ります。


12:20ごろ。GKを皮切りにピッチ内アップが始まりました。



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そして次にフィールドプレイヤーの選手がアップを始めます。

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普段はチャントを止めて拍手して選手を迎え入れるんですが、この日は違います。歌っていたチャント(確か「RunAll 2018」だったかな)を止めずに続け、サポーターから選手たちに熱い思いを伝えます。


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ピッチ内アップが終わった後は恒例のリスペクト宣言です。

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「沖縄にはお父さんのボーナスが入ったら連れて行ってほしいです」という言葉が笑いを誘うこの日のリスペクト宣言。「ピッチで戦う選手たちを精一杯応援します」の前に「スタジアムにいる全員が」と付け加えたのは良改変でした。琉球サポーターの方が先に宣言者のコールをしていて「先を越されたな」って思いましたね。


リスペクト宣言の後はJAグリーン長野様の組合長さんとライオーのPK対決です。が、その前にはまずはご挨拶。照り返しもあって客席以上に暑いであろうピッチで、ネタ本に沿った校長先生のごとく、わりと長い挨拶がなされました。この後のPK対決に向けてライオーを疲れさせる作戦だったのかもしれません。


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しかし、その後のPK対決は忖度をせずにライオーがストップ。スタジアムは大いに沸きましたが、「止めてしまった…」的なライオーの落ち込みがツボです。


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しかし、その後すぐに仲直り。組合長さんがライオーの手を引きながらピッチを後にします。ありがとうございました。また来年のリベンジをお待ちしております。


ここで両チームのスタメン。



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パルセイロは前節からスタメンを3人変更。#14東選手がFWで3試合ぶり、#23堂安選手が右SHで4試合ぶり、そして#27竹下選手がFWで実に19試合ぶりのスタメン出場を果たしました。フォーメーションは4-4-2。6試合連続で喫している失点を押さえて、4試合ぶりの勝利を手にしたいところです。


対する琉球。

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こちらは3-1で勝利した鳥取戦からスタメンの変更はありません。前半戦の対戦から熟成度が段違いに上がった4-1-4-1のフォーメーションでパルセイロ相手に勝ってJ2昇格を決めようと意気込みます。




選手入場を控えた両チームのゴール裏の様子。

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パルセイロサポーターはおよそ200人ほどでしょうか。なかなか埋まりませんね。この写真も枠外はけっこう空いてますからね。あと「最後の一秒まで攻めろ」という手書きの横断幕が出てますね。この時期の手書き横断幕はヤバめのサインだって某来ないでさんが言ってました。


そして対する琉球サポーターですが…

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んん?これは人間じゃないぞ…?段ボールがユニフォームを着ている…。まさかこれが噂の「#Jリーグ水増し部」…!!この目でお目にかかれるとは。得した気分です。

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もちろん本物の人間もいます。声出しサポは人数にして30名ほどでしょうかね。「J2昇格」のゲーフラが痛々しいほど眩しいです。

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ハブ注意の横断幕がツボですし、その横のジンベーニョがいる手書きの横断幕も可愛い。ギャップがすごいですね。


そして選手が入場。両チームのゴール裏のボルテージも上がります。

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琉球はビックフラッグを長野まで持ち込んでの応援。今日で昇格が決まる可能性があるとあって意気込みが違います。


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試合前にはJAグリーン長野様からリンゴが両チームに贈呈されました。相変わらずのリンゴ推し。沖縄ではリンゴ獲れるんですかね。

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円陣を組んで…

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前半キックオフ!



後半に続く






こんにちは。これです。もうすぐルヴァンカップ決勝ですけど、昨日の分の移籍情報のブログをこれからやりたいと思います。遅くなってすみません。では始めます。





松本山雅FC

・榎本樹選手が前橋育英高校から来季加入内定

榎本樹選手(前橋育英高校)2019シーズン新加入内定のお知らせ(松本公式)

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“186cmの高さと足下の上手さを誇るFW榎本樹は、2年生エースとして初戦からスタメンを張ると、しなやかな身のこなしとポストプレー、ゴール前の飛び出しでチームの快進撃に貢献“

”昨年の春先はAチームとBチームを行き来する程度の存在だった。しかし、インターハイ直前に3年生CBが負傷したことで、彼が滑り込む形でメンバー入りを果たした。与えられた背番号「4」は、その先輩の代役の証でもあった。だが、ふたを開けてみれば1回戦からスタメン起用され、FWとしてゴールまで重ね、ベスト4進出の立役者となった”

周りをもっと活かして、ボールをはたいて受け直して、よりパワーを持ってゴール前に入っていくなど、独りよがりなプレーから脱却していけば、必ず将来は質の高い選手になると思う”

J注目の逸材、前橋育英のFW榎本樹。“選手権優勝弾男”の評価をぶち破れ!(Number Web)




″「僕はこれから上のステージでやるつもりなので、もっと貪欲にやっていきたいと思います」

『上のステージ』とは即ち『プロ』ということ。大学進学も考えたが、Jクラブからのオファーが届き、プロでやることに覚悟を決めた。″

Jクラブからのオファーでプロ入りを決意‼ 前橋育英のエース・榎本樹が総体準Vの2年生エースから受けた刺激(サッカーダイジェストWeb)





”榎本は埼玉県出身。186cmの長身で高校2年生で出場した全国高校総体では得点王の活躍。今年1月の第96回高校サッカー選手権決勝では決勝点を決めて、前橋育英高を初優勝に導いた。今季はU-18日本代表に選ばれるなど、成長著しいストライカーだ”

高2年でインハイ得点王&選手権優勝V弾!前橋育英高FW榎本樹の松本入団が内定(ゲキサカ)




選手権決勝でのゴール





というわけで山本龍平選手、大野拓弥選手に続いて早くも3人目の来シーズン新加入が内定です。


上の説明にもある通り、榎本選手は選手権決勝で決勝点を挙げ、U-18日本代表にも選ばれた高校年代屈指のストライカーです。そういった選手が山雅を選んでくれるようになったのは大きな変化を感じますね。かりがねサッカー場ができて環境が整ったからかな。それともJ1のトップよりもJ2で試合に出れるチームへ加入する流れができていることも関係しているとも考えられますね。


本人のコメントにもあるように186㎝の長身を生かしたポストプレーが得意というプレースタイルは山雅のワントップに求められるプレーとも合致しています。ただ現在山雅のワントップは高崎選手を筆頭に永井選手、三島選手、ジネイ選手、小松選手と5人の選手が一つのポジションを争う激戦区。そう簡単に試合に出れる保証はありません。しかし、高崎選手は32歳、三島選手は31歳、ジネイ選手は34歳と高齢化しているのも事実。21歳と若い小松選手と山雅の次世代のワントップの座を争う存在に成長してくれることを願ってます。よろしくどうぞ。










2019松本山雅FCメンバー


IN
山本龍平(←四日市中央工業高校
大野佑哉(←阪南大学
榎本樹(←前橋育英高校




おしまい


2017-2018高校サッカー優勝記念グラフ 前橋育英
上毛新聞社
上毛新聞社 出版部
2018-01-22




こんばんは。これです。今回のブログは映画「旅猫リポート」の感想になります。


ヒット作家・有川浩さんの”一生に一本しか書けない物語”と銘打たれたこの映画。私は映画「阪急電車~片道15分の奇跡~」を観てからの有川さんのライトファン(3,4冊しか読んでいない)なので、少し期待をしながら観に行きました。


ただ観終わった後の感想としては申し訳ないですが正直期待外れかなと。首をひねりたくなる映画でした。そう感じた理由をいつものごとくダラダラと書いていくのでよろしければお付き合いいただければと思います。では始めます。



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目次:

・あらすじ
・映画について
・「責任」というテーマ
・「旅猫リポート」と「ビッグ・フィッシュ」
・疑問点とか









~あらすじ~

野良猫として誇り高く、タフに生きてきたナナ(声=高畑充希)。
人間は信用ならないし、なれ合うなんてまっぴら。
でも定期的に美味しいものをくれる優しい青年・悟(福士蒼汰)のことは、ちょっと気に入っている。
ある日、一瞬のタイミングのずれで車に轢かれ大けがを負ってしまったナナ。
薄れゆく意識の中、ナナが必死で助けを呼んだのは悟だった。

この日からナナは悟の猫になり、二人は家族になった。
いつもナナのことを一番に考えてくれる、優しい悟。
それなのに、ある事情で悟はナナを手放す決心をする。
ナナの新しい飼い主を探すため、悟はナナを愛車に乗せ最初で最後の旅に出た。
だがこれっぽっちも納得していないナナは、旅先で出会う悟の友達に心を開かない。
小学校時代の友人(山本涼介)のところではゲージから出ようとせず、
高校時代の友人夫婦(広瀬アリス、大野拓朗)の先住犬には喧嘩を売り、大騒ぎになる始末。
困り果てた悟は、小さいころからお世話になっている
叔母(竹内結子)のもとを訪ねるのだが…。
(映画「旅猫リポート」公式サイトより引用)








※ここからの内容は映画のネタバレを含みます。ご注意ください。








・映画について


この映画は「一人と一匹のロードムービー」と公式サイトでは紹介されています。悟と飼い猫のナナがナナを引き取ってもらうために、車で旅をします。小学生時代の友人・幸介は悟が以前飼っていた猫・ハチを通じて出会い、高校時代の友人・修介と千佳子は犬を助けて仲良くなるなど、動物を通じて友情が生まれた相手に預けてほしいと頼みますが、上手くいきません。そして叔母さんのもとを訪ね、ストーリーが大きく展開していきます。


主演を務めた福士蒼汰さんはとにかく優しい癒される笑顔の持ち主でした。とても性格がよくまさに好青年といった役柄ですが、かなり進んだ病気を持っているという影の部分もあってその二面性が魅力でした。その人懐っこい雰囲気にキュンと来る女性の人も多いと思います。個人的には特に序盤のナナ視点から見たシーンで恐怖を感じたんですけど。


次に同じく主演を務めた猫のナナ。正直猫の演技なんてよく分かんないんですし、よく躾けられてるな―ぐらいにしか思わないんですけど、それでもかわいらしさと気の置けなさが同居していて愛らしかったです。全く映画の邪魔をしていませんでした。でも声を当てた高畑充希さんは個人的にはちょっとどうかなとは思いましたけどね。少し明るすぎるかなって。


あとは脇を固める竹内結子さんや山本涼介さん、広瀬アリスさんや大野拓朗さんは概ねよかったとは思うんですけど、不満を挙げるとするならば福士さんとともに広瀬さんや大野さんが高校生役を演じたことですかね。それぞれ25歳、23歳、29歳なんですけど正直こちらもちょっときつかったです。一番若い広瀬さんが最も年取って見えてたのが悲しかったです。ハーフで大人びてますし高校生はミスマッチかなと。


逆に素晴らしかったのは子役の田口翔太さんと二宮慶多さんの二人。子供ならではの思い込みの強さと存在の小ささを上手く表現していました。特に葬式で田口さんが泣いたシーンは胸が締め付けられるようで、この映画のなかでも好きなシーンです。




この映画のいいところとして景色がきれいだったことがあります。雪を湛えた雄大な富士山や日光を反射して輝く海面、黄色一色の鮮やかな菜の花畑など、バラエティに富んだ景色を悟とナナは目にします。ロードムービーというだけあって様々な景色が映し出されお客さんを引きつけ飽きさせない工夫がなされています。


次によかったのが音楽を務めたコトリンゴさん。映画の最初には軽やかな楽曲で気分を盛り立ててくれましたし、終盤には優しく寄り添ってくれる楽曲で涙を誘ってくれました。声も柔らかで映画の温かい雰囲気に遭っていましたし、「奇跡は気まぐれ」という歌詞も見事にマッチしていました。コトリンゴさんがいなければ、私はこの映画にもっとひどい評価を下していたであろうことを考えると、やっぱり音楽の力は偉大です。今回の「旅猫リポート」の個人的MVPです。


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ただ、映画全体としてはちょっと良くなかったかなと。途中までかなり淡々と単調に物語が進むんですよね。それで後半になって観客に隠されていた事実が明らかになって盛り返しては来るんですが、それでもまだ冗長で。海で悟とナナが触れ合うシーンが2回あったんですけど、個人的には1回でよかったんじゃないかなって思います。


さらにきついのが「ここで感動させたい」っていうのが見え透いているところ。「ほらここ泣き所ですよ。泣いてください」と言わんばかりのオーバーな演技とお誂え向きな悲しい音楽。感動を押し付けられているようで、もっと自由に楽しみたいのに楽しみ方を限定されているようで、私はあまり物語に入り切ることができませんでした。


あとは個人的になんですが、最後まで猫が喋るということが受け入れられない。別に本当に喋ってるわけではなく心の声なんですが、それにしてもナナのあの高圧的な態度。野良猫として誇り高く生きてきたナナはかなりズバズバいうんですが、それがみていてあまり気持ちいいものではない。そういうキャラだと分かっていてもきつい。もっとこう想像させてほしいんですよ。今の「ニャー」にはどういう意味がこもってるんだろうとか。でもナナはそれを許さず思ってることを全て言葉にするのが少しか条かなというのは感じました。


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・「責任」というテーマ


ちょっと映画の話からは外れるんですけど、ここで個人的な話をしたいと思います。小学生時代、私は飼育委員会に入っていた時期がありました。私の通っていた小学校ではウサギとニワトリを数匹飼っていて、飼育委員はその世話をしていたんですね。顧問の先生は普段は優しいんですけど、世話を忘れてしまい鶏を死なせてしまった生徒のことはこっぴどく叱っていました。


そして先生はその次の委員会で「学校の中で一番責任が重い委員会って何だと思う?」と聞いてきました。生徒たちはやれ学級委員会だ美化委員会だと口にしますが、先生はこう続けます。「ある子に聞いたら『私は飼育委員会だと思う』と。なんでかって聞いたら『生き物の命を預かっているから』と」。どこか飼育委員会の仕事を軽く考えていた私は身が引き締まる思いがしました。生き物を飼うということは命を預かっているという「責任」を負っているわけです。この「責任」というのがこの映画の大きなテーマの一つになっていました。




映画の序盤で悟は小学校時代の友達である幸介と会います。幸介は親の写真館を継いでいますが、継いだことを後悔しているといいます。親から心にもないことを言われたせいで妻との関係が気まずくなり別居していることが原因でした。「たまに死ねばいいのにって思うよ」と幸介は悟に口走ってしまいます。そのとき悟が返した言葉がこの映画で重要な意味を持っていました。


それは「親になる資格がない人間っているんだよ」という言葉。これはペットでも同じことが言えると思います。つまり「飼い主になる資格がない人間っているんだよ」ということ。最近「黒い犬はインスタ映えしないから」というアホみたいな理由でせっかく飼い始めた犬を捨ててしまう人がいるということが話題になりました。ペットを飼う以上は最後まで面倒を見るという責任が伴います。それを途中で捨ててしまうということは責任を放棄しているということ。とても許せることではありません。


子ども時代の幸介はハチを家で引き取りたいといいますが、両親特に父親は反対しています。悟は母親に「責任持って飼えるの?」と聞かれ、返す言葉で「責任持つよ。持てるよ」と言います。これに対して父親からは「そんなことは稼げるようになってから言え」という厳しい言葉が。幸介は言い返せず、結局ハチは引き取れませんでした。


子どもはとにかくペットを飼ってほしいものですよね。よく考えずに飼いたいという気持ちだけで勝ってよと親にせがんでしまう。でも親はペットを飼うということは最後まで面倒を見るという責任が伴うと分かっているわけです。子どもはそのことをまだ分かっていません。また飽きっぽく途中で面倒を見なくなり、親が世話をするということもしょっちゅうです。放り出すんじゃないかということを危惧して簡単には賛成できないわけです。


現在年間で殺処分されている犬猫は年間65,000匹に達していると言われています。やむを得ない事情の犬猫もいますが、その多くは「飼うのが面倒になった」など人間の勝手な都合によるもの。命を預かっているという感覚がないのです。一度買い始めたら死ぬまで責任をもって面倒を見なければならないのです。それができないならば飼うべき、育てるべきではありません。


この映画は一人と一匹のロードムービーという側面もありますが、その一方で現在のペット問題にも警鐘を鳴らしています。この映画は今ペットを飼っている人よりも、これからペットを飼う人の方が観た方がいいと思います。自分たちのしようとしていることがどれほど重大なことが思い知るべきだと思うのです。もっと慎重になるべきだと思うのです。そうやって飼われなくてペットショップで一生を終えるペットもいるので一概には言えませんが、自分は命を預かる責任を負えるのかともう一度自分に問いただしてみるべきなのです。


私もかつては魚を飼っていた時期がありました。しかし餌をやらずに放置していたため10日ほどで死んで、いや殺してしまったことがあります。この経験があるため、私はこれ以後ペットを飼うことはしませんでした。生き物の命を預かるという責任に耐えきれないだろうなと思ったためです。この映画を観て私はその思いをさらに強くしました。この映画では猫が魅力的に描かれていて、観ていて「猫を飼ってみたい」という人もいるにはいると思いますが、私はどうしてもそんな気分にはなれませんでした。




ここまでペットのことを言ってきましたが、これは人間にも同じことが言えると思います。例えばかつて社会問題になったコインロッカーベイビー。せっかくできた子供を育児が面倒だという理由で捨ててしまう人がいます。映画のなかでも言っていましたがとても同じ人間のすることだとは思えません。まさに「親になる資格のない人間」です。子どもを産み育てるということはその子の命を預かるということ。そのことが分からないのならば軽々しく子どもを作るべきではないと思うのです。子どもがかわいそうです。「旅猫リポート」はそういった「命を預かることの責任を問う映画」でした。


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・「旅猫リポート」と「ビッグ・フィッシュ」



今回「旅猫リポート」を観終わって思い出した映画があります。それがティム・バートン監督作「ビッグ・フィッシュ」(2003)です。人生の最後を迎える主人公がこれまでの人生を回顧する形式や、それぞれは接点のなかった人たちが、主人公という共通の存在を介して集まってくるエピローグなどがそうですね。また、菜の花と水仙という違いはありましたが、黄色い花畑での印象的なシーンがあるということも共通しています。


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私は「ビッグ・フィッシュ」がオールタイムベスト10に入ってくるぐらい好きな映画で、とても感動したんですけど、正直「旅猫リポート」ではそれほどの感動は得られなかったんですよね。いや「旅猫リポート」にも感動するようなシーンはあるんですよ。悟がナナを置いて入院するシーンや悟の最期、先にも挙げたエピローグなどがそうです。作中でも盛り上がるシーンですし、泣く人も多いだろうなと思ったんですけど、私は泣かなかったんですよね。


それはなんでかっていうと「ビッグ・フィッシュ」では父親と息子が対立していたんですけど、「旅猫リポート」は悟とナナは両想いだったことにあるんじゃないかと。今まで父親のことを知ろうとしなかった息子が最後に父親のことを知る、和解の物語だというのが「ビッグ・フィッシュ」の感動ポイントなんですけど(そういう意味じゃ今度ソフトが発売される「blank13」がより近い)、「旅猫リポート」では悟とナナが両想いだったので和解する時のカタルシスがなかったんですよね。


さらに「旅猫リポート」では語られることが全て本当だったのも大きい。「ビッグ・フィッシュ」は葬式に父親の話の中のキャラクターが集合して、嘘か本当かどうかが分からなくなっていたのがよかったんですけど、「旅猫リポート」は全部本当だと分かってるからそこの感動もないですし。ただこれはコンセプトの違いの問題で、どっちがいいなんてことはないんですけどね。でももしかしたら「旅猫リポート」は嘘のない「ビッグ・フィッシュ」をやりたかったのかもしれません。



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・疑問点とか


それと感動できなかったといえば、悟の最期のシーン。ここで悟の死期を悟ったナナが病院に向かいます。そして看護師に悟の叔母・法子に「会わせたい人がいるなら早い方が」とアドバイス。ここでもう頭の中ではだれもが分かってるわけですよ。悟とナナが対面して亡くなるんだろうなって。実際その通りに法子は病院の外にいたナナを抱きかかえて、悟に会わせます。ここで私は思いました。


いや、病室に猫を連れ込むなよ


猫が一体何千匹のダニやシラミを飼っているか。そしてそのダニやシラミが媒介したウィルスで他の患者さんの様態が急変したらどうすんだって。そんなこと気にしているシーンではないんですが、やっぱり気にせずにはいられません。頭にひかかって素直に感動することができませんでした。気にするのが野暮だっていうことは分かってるんですけど、残念ながら私の許容範囲を超えてしまっていました。




引っかかったところはまだあります。まず「悟はナナにハチを重ね合わせているだけでは?」という点。なんというか悟はただハチに似ているっていう理由だけでナナを飼っていた気がするんですよね。悟にとってはナナでハチが死んでしまった傷を癒そうとしているだけで、個人的には「思い出の代替品」にしか見えなかったんですよね。そこは最初からずっとモヤモヤしてました。


あとそもそも「僕はサトルの猫なんだ」って何よ?これは私が個人的に人間に対して変に馴れ馴れしくしない、近づいてきたらすぐ逃げるような警戒心を持った野良猫が好きなだけかもしれないんですけど、軽々しく「僕は誰かの猫なんだ」って言ってほしくないんですよね。だって猫は猫でしょう。飼い主の物じゃなくて独立した生命ですよ。人間側が「私の猫です」っていうのもおこがましい。「私が飼っている猫です」なら分かりますけど、「私の猫です」っていうのはちょっと人間のエゴが過ぎるんじゃないかと。なんか少し離れた距離感を保っていてほしいんですよね、人と猫をはじめとした動物って。これって私がペットを飼ったことがないからなのかな。ペットを飼えばまた違うんでしょうかね。ええ。





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全くまとまってませんが以上で感想は終了になります。「旅猫リポート」。悪くはないんですが、かといって良いと言われるとそれもうーんってなってしまう率直に言って微妙な映画でした。ただ楽しめる人も多いと思われますので、興味のある方は映画館に足を運んでみてもいいんじゃないでしょうか。映画の感想なんて人それぞれですしね。


お読みいただきありがとうございました。



おしまい








前節Y.S.C.C.横浜に0-1で敗れ3戦勝ちなしと苦戦が続くAC長野パルセイロ。第27節終了時点で7勝9分9敗の勝ち点30で11位と少しずつ順位を下げていっています。そして今節の相手は第27節終了時点で9勝2分14敗の勝ち点29で14位につけるカターレ富山。前半戦の対戦ではパルセイロが5-0で大勝していますが、両チームに力の差はそれほどなく、その時の試合のような展開にならないことは容易に想像がつきます。ただ順位を一つでもあげるために勝利が必要なのは両チーム同じ。激しい試合が展開されるでしょうことも想像に難くありません。













両チームのスタメンです。


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パルセイロは前節からスタメンを2人変更。#7佐藤選手がボランチで7試合ぶり、#26遠藤選手が出場停止になったCBには#3大島選手が8試合ぶりのスタメン出場です。フォーメーションは4-4-2。


対する富山。

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こちらは前節からスタメンを3人変更。#15ルーカス選手がCBで、#6差波選手がボランチで2試合ぶりのスタメン出場で#29吉岡選手は長崎から期限付き移籍後の初出場を飾りました。フォーメーションは3-4-2-1。




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14:03、前半キックオフ!



立ち上がりはパルセイロが攻めます。8分と12分に#8河合選手がチャンスを迎えますが決め切れません。この日富山は3-4-2-1の布陣を採用してきましたが守備時にはこれが5-4-1のような陣形になります。5バックにすることによってパルセイロの前線4枚に数的優位で向かうことが目的でした。パルセイロは#8河合選手が中に絞ってきて#2松原選手が上がることが多いのですが、この場合でもディフェンスラインで5対5と数的同数になって守り切ろうとしてきます。


また、富山はこの日前線からのプレッシングを押さえ、自陣で5-4の守備ブロックを押さえることを優先するリトリート戦法をとってきました。プレッシャーをかけ始める位置も自陣に入ってからと低めで、いわば富山が引いてきていました。これはパルセイロが#30萬代選手にロングボールを当てる攻撃が多く、引くことで#30萬代選手の周囲の密度を高め、セカンドボールを拾おうという狙いがあったと思われます。


しかし、パルセイロはこれを逆手に取ります。富山が引いてきたことでパルセイロのボランチやCBの選手がボールを持てるようになり、落ち着いてボールを回していきます。相手の前でボールを回すことによって相手を食いつかせ、横一線の関係から斜めの関係にしてギャップを作ることで縦パスも多く入っていました。


前半8分のシーンはまさに富山の選手を動かしてギャップを作ることでシュートまでいったというシーンでした。パルセイロはボールを奪ってから素早く右サイドを上がっていた#25有永選手にボールをつけます。ここで#25有永選手には#24前嶋選手が対面していたのですが、そのカバーに#15ルーカス選手がサイドに釣りだされ#3代選手との間が空きスペースが生まれています。そこに#30萬代選手が走り込んでゴールを狙おうとし、最後は#8河合選手がシュートを打ちますが、#15ルーカス選手に阻まれてしまいゴールならずというシーンでしたが、速攻と相手を動かすという意識が大きく表に出たシーンでした。


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そうしてパルセイロが序盤のチャンスを決め切れずにいると徐々に富山も反撃に出てきます。パルセイロの前線が#30萬代選手#28松村選手の2枚なのに対し、富山は3バックで一人余らせています。その3バックの両脇がサイドに大きく開き、パルセイロの前線からのプレッシャーを無効化します。そしてボールを持ったCBはサイドを重点的に狙ってきます。パルセイロは守備時に富山の5バックよりも1人少ない4バックで守っているため、SBが中央に絞り気味のポジションを取っているのでその外を狙うといった形ですね。


前節対戦したときの富山の攻撃というのはハーフスペースと呼ばれる中央とサイドの間のスペースを2シャドーが使うというものでした。5-0で勝ったもののパルセイロはこの攻撃には手を焼いていましたが、今回はちゃんと対策を施してきています。#6岩沼選手#7佐藤選手の2ボランチのうちのどちらかが、素早くハーフスペースに移動し、相手が使いたいスペースを消すことに成功します。


ここでシャドーを封じられた富山の攻撃のアクセントとなっていたのが#9苔口選手。サイドに流れたり下がってボールを受けたり自由に動きます。さらに#9苔口選手はハーフスペースを狙って顔を出していたため、パルセイロディフェンスはシャドーに加えて来る#9苔口選手を捕まえ切れません。#6岩沼選手#7佐藤選手といったボランチの選手が戻ってディフェンスラインの人数を増やしたり、相手の中の人数不足にも助けられ、最後のところはやらせていませんでしたが。


また、この日のパルセイロはプレッシャーをかけ始める位置を富山よりも前のミドルサードの敵陣半分に設定していました。富山のボランチにボールが入った時にはパルセイロのボランチが、WBに入ったときはパルセイロのSHが厳しくいくことで富山の選手のプレイを制限します。プレッシャーをかける速度が速くなり、また相手との距離も短くなっていたので、前節の緩い守備からの進歩が見られます。



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富山に攻められることもありましたが基本的にはパルセイロペースで試合は進んでいきます。しかし立ち上がりに比べてどうも攻め切れません。パルセイロは立ち上がり少し飛ばして入ったため、前半20分あたりから体力を90分間持たせるために少しクールダウンします。しかし、その代償として富山に素早い帰陣を許し、出しどころが少なくなっています。パルセイロの選手はボールを持っても判断が遅く、まるでボールを持ってからどこに出すのか考えているようです。スピード感がまるで見られず、また動き出しも少なかったため、ボールを持っていても富山に回されている感が出てしまっていました。もしかすると富山は前半は引いて抑えめに入って後半勝負というゲームプランできていたのかもしれませんね。


しかし、前半35分辺りからパルセイロはまたペースを上げていきます。ボールを動かすことによってパスコースを作り出し、また受け手である#28松村選手#30萬代選手の運動量も増加し、スルーパスが合うようになっていきます。#28松村選手が抜け出してゴールに迫るなど惜しいシーンも作っていたなか、前半39分には富山が早くも動きます。


富山は#6差波選手に代えて#2脇本選手を投入。この日の#6差波選手のプレスが遅かったり、戻るべきところで戻れていなかったり、攻撃でもちょっとのプレッシャーで後ろを向いてしまったりと消極的な姿勢がマイナスに移ってしまったんですかね。もしくはガツガツ行ける#2脇本選手を投入して、プレッシャーを速くすることでスルーパス、縦パスを防ぐという狙いもあったと思われます。いずれにせよ意外なほど早い交代でした。


しかしパルセイロが攻め込む展開は変わらず、ロングスローやコーナーキックなどのセットプレーのチャンスを得るものの決め切れずに前半が終了。引いてきた富山に対しボールを回すことで、今までのロングボール主体の攻撃とは違うパルセイロの良さが現れた前半でした。ただ判断やパススピードが遅く、相手の人数がそろっていて守られたシーンも少なくなかったので、後半はどうスピードを上げていくかですね。前半は0-0で良し、後半勝負という富山のゲームプランに乗ってしまったのでそれを打破するだけの勢いが求められます。


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富山は後半を迎えるにあたって選手を一人交代します。右WBの#13佐々木一選手に代えてDF登録の#28谷奥選手を投入。前半高い位置を取っていた#13佐々木一選手の交代は予想外でしたが、守備を固めたいという考えですかね。そして富山はこの交代に伴いフォーメーションを4-2-3-1に変更します。#3前嶋選手が左SBに入り、#28谷奥選手が右SBに入ります。2列目は右から#19柳下選手#29吉岡選手#7佐々木陽選手と並び、#9苔口選手がワントップのような形になりました。




後半キックオフ!


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後半3分にはパルセイロも選手交代を行います。左の桃を負傷した#28松村選手に代えて#14東選手が出場。#28松村選手はこの日はロングボールが少なかったので#30萬代選手の落としを拾うという役割よりも、裏を狙ったり自らドリブルで仕掛けていくシーンが多く持ち味をいつもよりは出せていた印象です。なので後半早々アクシデントによる交代は痛い。#14東選手はそのまま2トップの一角に入りました。


後半になるとうって変わって富山が攻め込むようになります。富山は後半から4-2-3-1にシステムを変更し、トップ下の#29吉岡選手がパルセイロのCBとボランチの四角形の中央にポジションを取り、パルセイロの選手たちを迷わせます。パルセイロは#29吉岡選手をフリーにしないために、ボランチが下がって四角形を小さくしようとしますが、そうなると今度はFWとの距離が空いてしまい、自陣浅くで富山の選手に自由にボールを持たれてしまいます。プレッシャーの少なくなった富山のCBやボランチの選手は精度の高いパスを出せるようになり、その度にパルセイロは受け身に回り、ディフェンスラインは徐々に押し下げられていきます。さらにCBの#3代選手が左サイドを上がって厚みを作ったり、#15ルーカス選手も上がってシュートを打つなど後方からの飛び出しもパルセイロの選手を惑わせていました。


また、後半の富山はプレッシャーをかけ始める位置を前半よりも10mほど高くしてきています。パルセイロはディフェンスラインからの攻撃の組み立てでボランチに縦パスを入れようとしますが、富山の選手がすぐに寄せてきてしまうため、安全なバックパスを選択し、なかなかボールを前線へと運ぶことができません。結果としてロングボールが多くなっていましたが、それでもこの日は#30萬代選手が多く競り勝っていたので、それを拾って何回かシュートにまで繋げられてはいましたけどね。


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しかしパルセイロも徐々に盛り返します。#6岩沼選手#7佐藤選手のボランチのどちらかがディフェンスラインに落ち、SBを高く上げます。そして中に絞ったSHにボールを入れ、SBがその外を上がっていきます。富山は前半はディフェンスラインが5枚だったのが4枚に減ったので、その分サイドも空いており、その隙を狙った攻撃ですね。ただここでも時間をかけてしまいクロスを上げるとこまで行かなかったり、挙げても跳ね返されてしまったりとゴールは奪えません。


後半23分。パルセイロが最初の選手交代を行います。右SBの#19三上選手に代えて#20都並選手を投入します。後半になって度々CBの#3代選手が左サイドを上がってきていたのでそのケアをしたいという考えだと思われます。#20都並選手一人でどうにかなる問題じゃないんですけど。


後半26分。パルセイロが敵陣左でFKを獲得します。これは相手選手に跳ね返されますが右サイドにいた#14東選手にボールが渡り、#14東選手は相手選手が寄せ切る前に左足を振り抜きます。このシュートが決まってパルセイロが先制に成功。#14東選手は今シーズン3得点目を挙げました。セットプレーで相手選手が自陣に固まっていたため、遠目にポジションを取っていた#14東選手のうまさが光りました。#21永井選手がクロスと迷って反応が遅れたのも一因ですね。しかし、この後パルセイロはこれと同じ形で失点を喫してしまいます。


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追いつきたい富山は後半29分に最後の選手交代を行います。#29吉岡選手に代えて、ドリブルが得意な#14川上選手を投入。新しい特徴を持つ選手を入れ攻撃に勢いをつけようとします。さらに、後半35分にはパルセイロも最後の選手交代。#7佐藤選手に代えて#17明神選手を投入することで1点を守り切るというメッセージを明確に打ち出してきます。


富山は攻撃の際にSHがあまり外に開くことがなくなり、中に人数をかけてきます。それに対抗するためにパルセイロ最中を多くの人数で固めます。ボランチが最終ラインに吸収され、あまり距離を開けすぎないためにもFWも自陣中央まで下がってきてしまいます。どんどんパルセイロは押し下げられ、富山の最終ラインもパルセイロの陣地内に入ってきてしまう始末。せっかく跳ね返したセカンドボールも自陣内で拾われ、苦しい展開が続きます。


それを防ぐためにもパルセイロはこのときに前線に一人残しておくべきでした。そうなると最終ラインでの数的優位を確保するために、富山の選手は二人下がってくるはずで、セカンドボールを拾われる確率も下がってきます。また、FWが低い位置にいると攻撃の起点も低くなり、そこでボールを奪われてしまうとゴールに近い位置なので危険度も爆発的に上がります。ここで前線に一人いたら、その選手めがけてロングボールを蹴れて、攻撃の起点となる位置も高くなり、そこでボールを奪われても危険度は比較的少なくなります。さらにボールキープで時間を作れれば味方が上がってきてカウンターということもできますしね。一点を守り切る意識が高すぎて引き過ぎたことがとにかくいけなかったと思います。


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パルセイロはゴール前を固めギリギリのところで耐えながら、時折カウンターも見せ、試合はアディショナルタイム3分に突入。パルセイロの選手は疲れてきたのか足が止まってしまい、富山の選手に満足なプレスをかけられなくなっています。距離が遠いためにシュートコースも防げず、クロスも簡単に上げられてきてしまいます。


後半アディショナルタイム3分に富山はCKを獲得。パルセイロの選手は11人全員がペナルティエリアに入っており、富山も#21永井選手も含めて9人がペナルティエリアに入っています。中に入れられたボールはパルセイロがクリアしますがそのクリアボールが富山の選手に渡り、富山はもう一回後ろで攻撃をやり直します。このとき富山は4人でボールを繋いでいましたが、パルセイロの選手でプレスに言っていたのは#8河合選手のみ。後ろに4人いるということはゴール前にはそれだけ富山の選手の人数が少ないということを示していましたが、足の止まったパルセイロは後ろで待ち構えることを選択します。当然#8河合選手1人ではプレスがかかるはずもありませんでしたが、もう一人行っても同じことだと判断したのでしょう。しかし、この判断が裏目に出てしまいます。右サイドでフリーでクロスを上げられ、中で人数がそろっていたにもかかわらず#19柳下選手に折り返され、#9苔口選手にゴールを許してしまいます。試合終了間際の土壇場でパルセイロは富山に追いつかれてしまいました。


この失点の要因は簡単にクロスを上げさせてしまったことが全てです。中にボールが入ってくる以上、こういった事故は起こりうると考えるべきで、ならばクロスを上げさせないことにもっと力を注ぐべきでした。しかし、パルセイロには跳ね返した時に最後の力を振り絞って、ラインを上げて選手を前に出すだけの力が残っておらず、中で待ち構える選択をしてしまった。ただその中でも人数は8対7と数的優位に立っていたにもかかわらず、ディフェンス陣が全員ボールウォッチャーになってしまって#9苔口選手をフリーにしてしまった。そしてゴール。中で跳ね返す選択をしたにもかかわらず、そのなかでの対応も不十分で悔やんでも悔やみきれない失点です。


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そしてこのまま試合は終了。パルセイロはあと少しのところで勝てたにもかかわらず最後のところで引き過ぎて同点に追いつかれてしまった非常にもったいない試合でした。前節も一人少ない状況とはいえ試合終盤に失点を喫しており、2試合連続で同じことを繰り返してしまったという意味でも痛いですし、これを教訓に次の試合につなげてほしいというにはもう遅すぎる。勝ち点1は取れたものの負けに等しいドローです。勝ちなしも4試合に伸びてしまいました。









<ハイライト動画>






監督コメント(Jリーグ公式)

選手コメント(Jリーグ公式)

順位表(Jリーグ公式)

【10/21 富山戦】監督・選手コメントをアップしました(長野公式)

明治安田生命J3リーグ第28節 vs カターレ富山|フォトギャラリー(長野公式)

[10/21(日)AC長野パルセイロ戦]公式記録を更新しました(富山公式)

AC長野、引き分け 4試合白星なし(信濃毎日新聞)













この結果を受けて、パルセイロは7勝10分9敗の勝ち点31。順位は11位で変わりませんが、同勝ち点に藤枝と盛岡がつけていて得失点差で何とか上にいるという状況です。ショッキングな引き分けでしたがただ、次の試合はすぐにやってきます。10月28日14時から長野Uスタジアムで、相手はここまで18勝5分け4敗の勝ち点59で首位につけるFC琉球です。FC琉球は次節のパルセイロ戦で勝てば条件次第でJ2昇格が決まるのでモチベーションは相当高いことでしょう。ただ、パルセイロも負けるとJ2昇格の可能性が完全に消滅してしまいますし(いまでももう消滅してると言っても過言ではない状況ですけど)、前半戦の対戦でも0-2で負けているため意地を見せたいところ。というか正直、琉球の喜ぶ姿を目の前で見たくありません。28日は試合前には毎年恒例のハロウィンイベント・パルウィンを楽しんで、試合では何としても勝ちましょう。皆さんぜひ長野Uスタジアムにお越しください。3000人まで観客数を戻したい!よろしくお願いいたします。


がんばれ!AC長野パルセイロ!!



The・完



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