こんにちは。これです。『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の公開日決まりましたね。なんと3月8日の月曜日。思っていた以上に急で新劇場版シリーズ見なきゃ…...と今焦っているところです。Jリーグも開幕しましたし、忙しい日が公開までは続きそうです。


さて、今回のブログは2021年2月の映画ランキングです。毎月恒例(にしていきたい)この企画。2月は映画館で合計17本の映画を鑑賞しました。1月より日数が少ないので、まあこんなものかなと思います。それでも年間200本ペースに乗っかっていてどうしようかとは思いますが。


それでは、前置きもさっさと終えて、ランキングに入りたいと思います。果たして、どの映画が一位に輝いたのでしょうか?












第17位:カポネ


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有名ギャングの晩年を描いたこの映画。何が驚きかって、主人公がカポネと一言も呼ばれないことです。カポネはラジオから聞こえてくるだけの名前で、主人公はフォンスと呼ばれている。それはさておき内容は、認知症を患ってしまったフォンスが現実と妄想の世界をさまようというもの。妄想部分はなかなかグロい描写もありましたが、両者がシームレスに展開されるので、うとうとしながら観ていたこともありますが、話についていけませんでした。葉巻の代わりにニンジンをくわえるのが印象的です。










第16位:ハッピー・オールド・イヤー


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去年公開されたタイ映画。人気を博した『バッド・ジーニアス』の制作会社と女優さんの組み合わせですが、こちらはさほどハマらず。新しい店を出すために断捨離をするという内容で、最初はバンバン捨てていこうとするのですが、徐々に物に宿った価値や思い出に気づき元の持ち主に返していく。ストーリーだけ見れば好みなのですが、個人的には淡々と進みすぎたかなと。でも、物があるとことでときめいていれるという価値観は印象的でした。私もずっとときめいていたいです。











第15位:ある人質 生還までの398日


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仕事先のシリアでISISに囚われてしまったデンマークの写真家。この映画では彼が収容される様子と、彼を取り戻すための家族の奮闘が描かれます。劣悪な環境に身体的暴力や銃殺など目を覆いたくなるような拷問の数々。家族は身代金の要求に答えようと、必死に募金を集めますが、身代金を渡すということはテロリストを支援するということで奪還してもハッピーエンドとはならないんですよね。辛い現実を描くのはいいのですが、ただ長すぎる。エピローグ等などカットして2時間以内に収めてほしかったです。










第14位:声優夫婦の甘くない生活


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ソ連で洋画の吹替声優だった夫婦も、移住先のイスラエルでは仕事がなかった。さて、どうしようというこの映画。夫婦仲が修復されるまでを描いていますが、私は本筋よりも電話越しの恋に惹かれてしまいました。だってあれじゃ電話してきた男があまりにも可哀想じゃないですか。肝心の夫婦の物語の方はセックステレフォンに電話をかけるなど唐突な箇所が目立ち、イマイチピンと来ず。緊急事態に何キスしとんねんとツッコミたくなりました。『クレイマークレイマー』が登場したのは嬉しかったですけど。









第13位:あの頃。


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近年、名作を連発している今泉力哉監督の最新作。しかも主演が松坂桃李さんということで、すごく期待をして観に行きましたが、こちらもそこまで…...。いつだって今が最高!と言えない人にも寄り添っているのは良かったのですが、端的にノリが合わない。古めかしいオタク像は2004年設定だからいいとしても、恋愛研究会の内輪のノリが私とは水と油でした。思っていたよりハロプロ要素が薄かったのもちょっとマイナス。主役を食う勢いの仲野太賀さんはひたすら良かったんですけどね。










第12位:記憶の技法


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4月に『砕け散るところをみせてあげる』の公開が控える石井杏奈さん主演ということだけで観に行ったこの作品。女子高生の曖昧な記憶を探る旅が繰り広げます。グロい描写もあり、決して悪い映画ではないのですが、ただ一緒に行動する男子高校生の行動原理が薄すぎる。最後に種明かしはなされますが、それを含めても物語の都合で動かされているように感じてしまって、そこがマイナスかなと。あと、韓国パートの必要性もあまり感じられませんでした。まるまる削っても物語が成立してしまうので。










第11位:哀愁しんでれら


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ある女性が不幸のどん底からシンデレラストーリーのように駆け上がるも、その先にはまた別の不幸が待っていた…...というこの映画。起こした事件の凶悪度だけで言えば、邦画史に確実に残るほどの衝撃があります。土屋太鳳さんや田中圭さんといった実力ある俳優さんを起用していて、演技も良質。ただ、全体としてはそういう意図とはいえところどころクサすぎるところがあるのと、最後がちょっと説明しすぎかな…...と。あの子供たちのシーンは映さない方が衝撃度が増したように思えます。

















第10位:すばらしき世界


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役所広司さん主演×西川美和監督で、海外の著名な映画賞も受賞したこの映画も、個人的にはこの順位に。服役を終えて出所した男が社会で四苦八苦する姿を描いていて、類型では収まらないひりつくほどのリアルさはさすがの一言。役所広司さんの鋭さを必死に抑えるかのような演技は、今年随一でしょう。免許も再取得できなかったり、最初はうまくいかなかった三上も、次第に六角精児さん演じるスーパーの店長をはじめとした理解ある良い人たちに支えられて、劇的な更生物語を歩んでいきます。途中までは。


三上からカメラが外れた瞬間から、少しずつ雲行きが怪しくなっていき、せっかく就職できた介護施設はいじめが横行。少し誇張しすぎかなとも思いましたが、懸命に堪える三上の姿が見ている私たちに、この世界は素晴らしいのかという問いを強く投げかけてきます。ただ、最後に三上が死んでしまったのはやりすぎでしょう。悲しみで花が咲くものか、ですよ。皮肉が行き過ぎていて、ちょっと個人的に合わなかったです。











第9位:ライアー×ライアー


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ジャニーズの方主演で、ポスターからも分かる通りティーン向け恋愛映画です。おそらく一般的な評価では、この映画が『すばらしき世界』の上に来ることはありえないでしょう。でも、いいんです。これは私のランキングなんですから。


まあこの順位に置いたからってツッコミどころがないわけじゃないんですけどね。普通気づくやろというツッコミは物語が成立しないからなしとしても、心の中を全てモノローグで語ってしまうのはどうなんだとか、胸キュンポイントに分かりやすく音楽をつけるのは安易だなとか、映画内でバカバカ言ってるけど、バレ方が本当にバカ過ぎないかとか。


でも、全ては森七菜さんの存在でチャラになるわけですよ。一人で中学生から社会人までをこなすという八面六臂の大活躍。やはり20年代で重要な俳優さんの一人だと感じます。松村北斗を主演にしたことで、普段あまり来ないような女性を映画館に呼ぶことに成功していましたし、この映画を糸口にして他の映画も観るようになる可能性だってないわけじゃない。そこの部分は評価されてもいいと思いますけどね、私は。










第8位:今は、進め。


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公開されたばかりで、おそらくこのランキングの中では観ている方が一番少ないと思われるこの映画(実際、映画館に私一人しかいなかった)。内容としては(自称)最強の地下アイドル・仮面女子の派生ユニット・kiraboshiの三人に密着したドキュメンタリー映画となります。


ユニット結成からライブまでをつぶさに追っていて、その工程の多さが大変だなと。三人が心の内を文章化するというかなりの力技を使ってくるのですが、そのおかげでストーリーが分かりやすく、最後のライブには思わず引き込まれてしまいました。ただ、上澄みだけを掬い取ったという印象は拭えず、序盤で「ぶつかることもあると思う」と言っておきながら、ぶつかるシーンがなかったのは少し物足りないところでした。


また、この映画は開始前に『忘れられた神様』という短編映画が上映されます。ストーリーとしては不登校の女子高生が、神様を名乗るおじさんと交流していくというもの。周囲の人の口が悪すぎるとか、良い感じの音楽でごまかしているところがおおいなど、気になる点もありましたが、全体としての空気感は決して嫌いじゃありませんでした。二本の合わせ技でこの順位となったという感じです。









第7位:音響ハウス Melody-Go-Round


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タイトル通り、銀座に実在するスタジオ・音響ハウスにまつわるドキュメンタリー映画です。普段聞くような曲がどのように作られているのかというものづくりの面にはこだわりが覗き、坂本龍一さんや松任谷由実さんら日本のミュージックシーンを支えてきたアーティストたちの裏話にはほっこりさせられます。登場人物全員が楽しそうなのが印象的で、構えることなくゆるっと観られる良質なドキュメンタリーでした。普段聞いている曲がこうやって作られているんだということも知れましたしね。テーマ曲のMelody-Go-Roundもリラックスして聞けて良かったです。


ただ、この映画が撮影されたのってコロナ禍の前なんですよね。私が見たときには特別映像として監督らからのメッセージとMelody-Go-Roundのアコースティックバージョンが流れましたが、当然ですけどマスクをしていて。早くコロナ禍が収まって、元の制作環境に戻ってほしいなと思わずにはいられませんでした。












第6位:zoom 見えない参加者


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第6位にランクインしたのはコロナ禍での状況を逆手に取ったホラー映画です。タイトル通り全編zoomで俳優さんたちは一度も会わずに制作されたというこの映画。オンラインで霊を降ろそうという内容で、映画の序盤は人物の紹介がてら和気あいあいと会話が流れ、エンジンがかかるまでには少し時間がかかるのですが、エンジンがかかってからは一気でした。


このコロナ禍で悪霊も鬱憤が溜まっていたのか、とにかく頑張ってくれるんです。全ての家に出現するという同時多発ぶり。空中に浮かんで人の首を絞めたり、机にバンバンと頭を打ち付けさせたり、手数も豊富に大盤振る舞い。特にあらかじめ用意しておいた画面から、恐怖映像にスイッチするという演出はzoomならではのもので、普通に感心してしまいました。70分にも満たない上映時間を、最後まで勢いを落とさず駆け抜けてくれたのは好印象です。その後のメイキング映像はあまり怖くなかったんですけどね。


















第5位:ファーストラヴ


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島本理生さん原作のサスペンス小説の映画化。以前にドラマ化もされていたようですが、私はそちらは見ておらず。ただ、珍しく二年くらい前に原作は読んでいたので、おぼろげな記憶とともに観に行ってきました。


内容は父親を殺した女子大生の鑑定に、公認心理士・真壁由紀と弁護士・庵野迦葉がタッグで挑むというもの。主演の北川景子さんはキャリアベストを更新するかのような演技を見せていましたし、中村倫也さんも飄々とした中に事情を抱える弁護士を好演していましたが、なんといってもこの映画で特筆すべきは殺人を犯した女子大生・聖山環菜を演じた芳根京子さんですよ。序盤は鑑定に訪れた相手を翻弄するかのようなトリッキーな演技を見せていましたが、中盤に入って思いを吐露する様はまさに迫真。ラストの裁判に至ってはほとんど芳根京子劇場といった趣で場を支配していました。北川さんとの演技合戦は見どころ十分でしたね。


また、ストーリー展開も今の時代に合っていて。環菜は子供のころからデッサン会と称して、多くの男たちに凝視されるという耐え難い仕打ちを受けていたんです。そこから来るトラウマが彼女の心のキーになっていて、由紀との会話によって声をあげていく決意をする。現実もまだまだではありますが、女性がモノを言える、声をあげられる社会に変化していて、その潮流を汲んでいるこの映画の重要性は小さくないと感じます。


舞台挨拶で板尾創路さんが言っていたように、都合よくトイレの床が濡れていたなど不自然なところもなくはないのですが、それでも評価されるべき映画だと感じましたね。












第4位:AWAKE


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去年の年末に公開されて、かなり評判が良かったこの映画。中規模公開なので、どうしても地方では公開が遅れ、このタイミングでの鑑賞になりましたが、評判に違わぬ良作でした。


40人の同期がいる中で、先輩後輩も含め年間たった3人しかプロ棋士になれない将棋の世界。勝負の厳しさを徹底的に叩き込まれる環境で、主人公・英一は、後にプロ棋士になる天才・陸に敗れ、プロ棋士になる夢を諦めてしまいます。将棋しかしてこなかった英一が大学に入って出会ったのはプログラミングの世界。そこでAIの将棋ソフトを開発することになるが……というストーリーのこの映画。綿密な取材に裏打ちされた将棋とプログラミング描写が映画に説得力を与えていて、素人目から見てもよく練り込まれていることが分かりました。


そして、何より痺れたのが最後の英一と陸との対局。一手一手にひりつくような緊張感が漂っており、真剣なまなざしがめちゃくちゃかっこいいんです。あまりセリフの多くない映画に憧れがある私にぴったりとハマりました。この対局で勝ったのは陸ですが、それは自分の戦法を捨てて、勝ちにこだわった結果。一方、負けた英一は陸に自分の作った最強の将棋ソフト「AWAKE」を認めさせることを目標にしていて、実際それは対局後に叶います。どちらも勝者でどちらも敗者という結果で対局は終わりますが、この映画の白眉はラストシーン。今まで二人が散々こだわり続け、縛られてきた勝ち負けのない世界にこの映画は連れて行ってくれるんです。そこには爽快感があり、良い映画観たなという満足した気持ちのまま映画館を後にすることができました。見逃さないで良かったです。












第3位:あのこは貴族


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観る前から二月で一番の注目作と見込んでいたこの映画。主演も門脇麦さんと水原希子さんということもあり、期待値もかなり高めに設定して行きましたが、そのハードルを軽々と超えてきてくれました。


門脇さん演じる華子は東京育ちのお嬢様。医者の家系に生まれていて、結婚して子供を作らないとという強迫観念に駆られ、不慣れな飲み会にも繰り出してしまいます。一方、水原さん演じる美紀は富山から上京してきたどこにでもいるような(慶応に合格できる時点でこの言葉には疑問符がつかないでもない)女性。こちらも保守的な父親から「女なら料理ぐらいできないと」という「こうあるべき」という呪いをかけられています。


正直、第一報を聞いたときは、二人の役柄は逆の方がハマるのではないかと思っていましたが、映画を観ていてその考えは完全に覆されましたね。門脇さんの適応力もさすがでしたが、水原さんも上手く華を抑え込んでいて、でも完全に消し去ってはおらずちょうどいい塩梅でした。


華子は映画が進む中で、高良健吾さん演じる御曹司・幸一郎と婚約します。ただ、その幸一郎は美紀と同窓で親交がありました。共通の知り合いのもと、二人は出会うのですが、ここで従来なら取っ組み合いの喧嘩になりそうなところを、この映画はそうはならないんです。互いを責めずにあくまで話を聞くだけ。キャラクターや観客の「こうあるべき」という固定観念をこの映画は軽々と翻していき、そこが気持ち良かったですね。


個人的に一番好きだったのが、華子が夜の街を一人で歩くシーンと、美紀が友達と二ケツをするシーンで。この映画の始まりは両者とも車の中なんですよね。誰かにハンドルを握られて進んで行っている。だけれど、二人が出会ってお互いの価値観に影響を与えたことで、自分の足で進めるようになっている。ただ歩くだけのシーンがとても印象的で、岨手監督の高い演出力を感じました。もう一回観たいです。












第2位:タイトル、拒絶


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「私の人生にタイトルなんて必要なんでしょうか」というモノローグから始まるこの映画。デリバリーヘルス・クレイジーバニーに従事するセックスワーカーの女性たちを描いています。主な舞台は女性たちの待機室。主人公はそこでアシスタントをするカノウです。うだつの上がらない日々を過ごすカノウを伊藤沙莉さんが演じており、日々の憂鬱を懸命に抑えながらなんとかやり過ごしているありきたりな女性を、等身大の演技で表現していました。また、クレイジーバニーの店主を演じた般若さんも迫力があって恐ろしく、セックスワーカーを演じた女優の方々も適材適所で輝いていました。


その中でも私が一番印象に残ったのは、一番人気のセックスワーカーを演じた恒松祐里さんです。以前から色々な映画やドラマで拝見していて、良い俳優さんだとは思っていたのですが、この映画の恒松さんはとにかく凄かった。明るく振る舞っているようで、心の中に底知れない闇を抱えていることを一発で感じさせる表情は圧巻の一言。最後のセリフに至るまで悪魔的な怪演を見せてくれました。この映画のMVPだと思います。


でも、私がこの映画を推したい理由はそれ以上に、人間の感情がむき出しになっていたところです。この映画は前半まではある程度淡々と進んで行きますが、中盤の長尺の大喧嘩のシーンで空気が一変。殴る、叫ぶ、泣く、喚くなど今まで登場人物が抑えていた感情が一気に暴露されます。山田佳奈監督は普段、劇団を主宰しているそうですが、このシーンは観る者の心を掴んで離さない圧倒的なシーンで、いい意味での舞台っぽさが滲み出た最高のシーンでした。叫ぶって生きていることだなと。感情むき出し上等だなと。私の書いているものももっと感情出していいのかなと考える転機になりました。













第1位:ディエゴ・マラドーナ 二つの顔


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一位は言わずと知れた名サッカー選手、ディエゴ・マラドーナのドキュメンタリーです。私がサッカー好きで、隔週で地元のスタジアムに行っていることを抜きにしても、この映画は本当に凄まじく、観ながら何度も心の中で「もうやめてくれ」と叫び、観終わった後にはロビーで思わず頭を抱えてしまいました。去年の『Documentary of 欅坂46~僕たちの嘘と真実~』に匹敵する地獄ドキュメンタリーでした。


この手の映画になると、マラドーナについて知っておかなければならないのかと構える方もいるかもしれませんが、それは大丈夫。公式サイトに年表がありますし、極端な話「なんか凄い選手」ぐらいの認識で問題ないです。


この映画はマラドーナの中でも主にナポリ時代の7年間を追ったもの。バルセロナで思うような実績を残せなかったマラドーナはナポリに移籍します。最初は上手くいきませんが、見事ナポリをセリエA優勝に導き、ファンからは神として崇められる。その崇拝はあまりにも強烈なもので、熱狂的を通り越して、狂気的でした。この映画の前半はそんなマラドーナの活躍がたっぷり見られるので、特に海外サッカーが好きな人は観て損はしないと思います。かの有名な神の手ゴールと5人抜きもちゃんとやってくれますし。


ですが、活躍の裏ではマフィアとのかかわりやコカインの服用など徐々に怪しい影が。この映画のタイトルにもなっている二つの顔とは青年ディエゴとサッカー選手マラドーナのことを指していて、マラドーナがディエゴを侵食していく様が観ていて辛い。そして、それは1990年イタリアワールドカップで決定的になります。


マラドーナが所属するアルゼンチン代表は準々決勝でイタリアと対戦。そして、その舞台はホームとして慣れ親しんだナポリのスタジアム。結果はマラドーナがPK戦でPKを決めたこともあり、アルゼンチンの勝利。こっからの手のひら返しがもう5ちゃんねるなんて目じゃない苛烈なもので。イタリアで一番嫌われた人物となったマラドーナはどんどん精神を追い詰められていきます。ですが、ナポリはボロボロになったマラドーナとの契約を延長し……。


最近、『花束みたいな恋をした』や『あの頃。』、小説では『推し、燃ゆ』など好きな者との距離感を問いかける作品が増えていますが、この映画はその最北にあるような映画です。ぜひとも多くの方に観ていただいて、できればサッカーファン以外からの感想を聞きたいなと感じました。


















以上でランキングは終了となります。いかがでしたでしょうか。先月に続き洋画が上位10本中2本と寂しい結果になってしまいました。今年ピンときた洋画って今のところマラドーナだけですからね。今年はできるだけ洋画も観たいと思っているのですが、早くも先行きが少し不安です。


ただ、その分今月も邦画が奮闘。今月公開だけでも『あのこは貴族』は年間のベスト10を狙える映画ですし、『ファーストラヴ』もかなり良かった。『すばらしき世界』や『あの頃。』も個人的にはあまりハマらなかったのですが、評判は良いですし、先月公開の『花束みたいな恋をした』や『ヤクザと家族 The Family』なども入れて、今邦画が熱いと言えると思います。舐めてかからないでぜひとも映画館で観てほしいですね。


そして、3月も個人的に注目している映画はいくつかあります。たとえば公開の新作では


・野球少女
・シン・エヴァンゲリオン劇場版
・すくってごらん
・ミナリ
・まともじゃないのは君も一緒
・ノマドランド
・騙し絵の牙



はぜひとも観たいと思っていますし、遅れて公開の映画でも


・ガンズ・アキンボ
・FUNAN フナン
・心の傷を癒すということ 劇場版
・恋するけだもの
・空に聞く
・藁にもすがる獣たち



はチェックしたいと考えています。引き続きコロナには注意しながら映画館に通えたらなと。そして、来月もまた元気でランキングを作りたいと思っていますので、その際は何卒よろしくお願いします。


では、また会いましょう。お読みいただきありがとうございました。


おしまい


あのこは貴族 (集英社文庫)
山内マリコ
集英社
2020-07-03


 
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